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本編
嘘つき
しおりを挟む「もうチェックアウトの時間だよ?」
「んーやだぁー!」
駄々をこねる時也を宥めながらホテルを出る。
昨日からずっと身体を重ね続けて気付いたら朝日が昇っていた。
掻き出す時間も無い程でタロもタロで仕事が入っていた。
「Mさんほら、出るので服着てください。車でお家まで送るので住所も教えてください。」
「ええっ⁉︎送ってくれるの⁉︎」
先ほどまでベッドの上でぐったりしていた時也が元気を取り戻した。
「さっきからあなたの携帯が振動しっぱなしなので早く帰らないと行けないんじゃないですか?」
「マジ⁉︎」
時也がベッドに放置したままのスマホは春人からの通知が止まなかった。
「やば…」
「例の同居人の方ですか?」
時也がゆっくりとうなずくと、またスマホから電話がかかって来た。
切るつもりだったがタロが時也の携帯を取り上げて電話に出た。
タロはスピーカーにして時也にも聞こえるようにした。
『今どこに居るんですか!家に帰ってもいないし…』
時也はタロを睨みながらスマホに近づいて春人に返事をした。
「ごめん…ちょっと買い物に。」
『買い物⁈こんな時間に店が開いているわけないでしょう!」
正論を言われてあたふたしているとタロが口を開いた。
「今は俺といるけどなんかありましたか?同居人かなんか知らないけどヨガり狂うMは素敵だよ。」
電話越しの春人は黙っていた。
釈明をしようとしたがタロが時也の口を塞いだ。
『どちら様ですか?』
「セフレ?っていうのが正しいですかね?」
『分かりました。今どこにいるか教えてもらって良いですか?そこにいるMを回収したいので。』
タロはそのまま春人からの電話を切った。
「なにしてんだよ!」
「ほら、このホテルの住所と名前教えてやって。あと、僕からはもう連絡はしない。」
時也は言われたままにホテルの住所を送った。
「タロさんから連絡しないって…どういうこと?」
「君の同居人がめんどくさそうだからさ、じゃ、またね。」
時也を1人残してタロはホテルを出て行った。
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