華落つること知る多少

後目鯛

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高い買い物

第11話 一通の電話

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鳴海蕾華が逃亡してから3日。

全く所在が掴めない。
途中から手がかり一つ無いことに穂積璃葉は苛立ちと焦りを感じていた。

窓から逃げ出し、海に逃げた事は監視カメラに映っていたので分かっているのだが、その後の所在が全く分からない。
璃葉は蕾華が裸足でまともな服を着ていなかったのですぐに見つかるとたかを括っていたのだった。

だが、どれだけ浜辺を探しても当日の雨のせいで足跡は消え、目撃情報を探そうにも人が近くにおらず、グレーゾーンまで深く調べようとしても中々確定出来るものは無かった。

そんな時、璃葉の元に一通の電話が来た。

「なんだ、テメェは⁈何処の誰だ!」
声を荒げて今すぐにでもこの電話を切って蕾華の捜索に手を尽くしたかった。



『鳴海蕾華』
「あァン?…なんで、お前…それ」
『逆探知はやめてねー。これ公衆電話だけど。
あはっ、君の大好きな蕾華チャンは僕の所にいるよ~』
「その声…まさか、西畑の須山…か?」
『せいかぁーい!電話越しでも分かるんだね』
「おいっ!テメェ、俺の蕾華をどうした!内容によってはお前に風穴あけんぞ。」
『ひどくなぁーい?僕さ、雨の中泣いてた蕾華チャンを保護してあげたんだよ?』
「お前のは、保護じゃねぇよ。拉致だ。」
『その言葉、そっくりそのまま君に返すよ』

須山は璃葉を煽るように話していた。
それに対極するように璃葉は電話からでも噛み付く勢いで話す。



「テメェは何が目的だ。あの辺りは俺らのシマだったはずだ。お前らが手を付けて良い場所じゃねぇんだよ。」
『君達が最初に蕾華チャンを奪ったのは僕のシマだ。それに、あそこは君のシマじゃない。』
「いい加減、要件を話せ。」
『その態度もすごぉーく鼻につくけど、まぁいいや。要件はね、君に蕾華チャンを返すよ。』
「もちろん、西畑組組長の事だからタダじゃねぇんだろ?」
『え?当たり前でしょ。5日後、闇オークションが行われる。そこに蕾華チャンを出品するつもりだよ。』
「買えってことか?」
『別に要らなかったら買わなくていいよ?処女って高く売れるからホントに便利だわぁ』
「テメェ、その口ホッチキスで留めんぞ。」
『別に僕は構わないけど、蕾華チャンも留めるよ。でもぉ…もう、あの可愛い喘ぎ声が聴こえなくなるのか…あっ♡でも、声を出したくて耐えてる蕾華チャンも可愛いなぁ…♡』
「ざけんな!蕾華を傷付けるようならテメェを摘発してやるぞ!」
『ご自由に。あなたは未成年誘拐罪で捕まるでしょうけどね。
まぁ、せいぜい?変態どもに大金吹っかけて蕾華チャンを競り落としてくださいね。ふふっ』


一方的に切られた電話に璃葉は限界を超えたのか、部屋の外に居た部下にまで叫び声が聞こえた。


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