83 / 92
番外編
春、う・ら・ら? その6
しおりを挟む
さて、あのエトル一人爆笑から一ヶ月ほど。
エトルとミルは、いつもの長官執務室で草案の最終チェックを行っていた。
優秀な二人と周りの皆様のお陰で、初期段階でほぼ完璧になっていたが、やはり細部の確認と調整は必要だ。反対派に突っ込まれた時の対処法も含めて。
「うん、ここまで押さえれば大丈夫だろう」
「……ですね!」
二人は確認が済んだ書類を机に置き、どちらかともなくハイタッチをした。
「はっ、すみません、つい」
「何を今さら」
「そうですけど」
ミルはしみじみと振り返る。始めの頃に言われたように、ミルはかなり自由に仕事をやらせてもらえた。意見もしっかり受け止めてくれて、とてもやり易かった。
「エトル様、改めてありがとうございました」
「いいよ、礼なんて。ローズ…王妃様も進めたがっていた案件だ。国内優先でなかなか手を出せずにいた所だったし、こちらが助かったくらいなんだから」
「それでも、です。……こんな、駆け出しの若造の意見を取り入れて下さって、感謝しております」
「ああ。確かに君はうら若き乙女だけれどね。年齢や……まして性別と能力は関係ないと、嫌と言うほど知っているからね」
エトルは微笑みながら、また遠くを見るような表情で話す。
(あ、またあの顔、だ)
この一ヶ月でも度々あった。懐かしさの中に、なんだろう、後悔の念が入っているような、そんな顔。
(でも、最初の頃の……泣きそうな顔とは違うかな。しっかし、カリンの周りのご学友の方々って、男性もみんな綺麗よねぇ)
窓から入る太陽の光に、エトルの緑の髪がキラキラ反射して、エメラルドみたいだ。なんて、草案が完成して安心したのか、余計なことまで思ってみたり。
「ん?なんだ、ミル嬢。ジッと見て。おじさんの顔に何かついてるかい?」
「え、あ、すみません、考え事を、いえ、エトル様をおじさんなんて言ったら大変です!今もとってもお綺麗です!」
慌てたミルは、余計なことも口走る。
「何だ、それ。おじさん喜んで真に受けちゃうぞ」
「受けて下さい」
あはは、ありがとう、と、エトルは本当にちょっと嬉しそうだ。でもエメラルドどうこうまで口に出さなくて良かった。恥ずかしすぎる。
二人でわちゃわちゃしていると、ドアがノックされる。
エトルが返事をし、入室を許可した。
「ごきげんよう、エトル、ミル。草案が無事に纏まると聞いて、お邪魔したの」
「王妃様!ご無沙汰致しております」
「これはこれは。ようこそ、王妃様」
入って来たのはローズマリー妃だった。本日も癒しの微笑みを湛えていらっしゃる。
そして立ち上がろうとした二人を手で制し、何の躊躇いもなくミルの隣に座る。
「二人とも、いつものようにしてちょうだい。護衛もリックだけだし、気にしないで」
リックも二人を見て軽く会釈する。彼はドア付近に立ったままだ。
「了解です、っと。さっき終わった草案。見る?ローズ」
「ありがとう。少し借りても?」
「どうぞ。会議に挙げるのは明後日だから、それまでにジークにも確認しておいてもらえる?」
「ええ、分かったわ」
「ちょ、エトル様、いくらなんでも少し軽すぎやしませんか?」
義母たちがご学友なのは認識していて、自分もローズに何度も会っているが、さすがにエトルの気安さに慌てるミル。
「ふふ、大丈夫よ、ミル。エトルは幼馴染みだし、いつもこんな感じよ。ジークもお世話になってるし」
何だか後半に少しの刺を感じて、友人夫妻の顔を思い出したが、ミルは口に出すのは控えて、「そうですか」と微笑んだ。人様の機微に敏いのも、商人には大事。うん。
「コホン。お茶でも淹れようか。ローズも時間ある?」
「ええ。先の公務が早く終わったから」
「あ、では、私が淹れますね!今日は彩国のお菓子をお持ちしたんです」
ミルがいそいそと立ち上がる。最初の頃はお城付きの侍女に頼んでいたが、今はセットだけ頼んで自分たちのタイミングで休憩していたのだ。水の魔石もあるから、お湯の準備も楽だし。
「あら、ミル、ありがとう。彩国のお菓子、楽しみだわ!」
両手を合わせて、嬉しそうにはしゃぐ王妃様。本当に可愛いらしいわ……とミルは思った。今日、持ってきて良かった。
「手伝うよ、ミル嬢」
「エトル様も座ってて下さい。お茶も彩国のもので、コツがいるんです」
「えっ、そうなのか、見てみたい」
「興味あります?それでしたら、是非!」
「茶器まで準備したのかー」
「そうなんです。ローズ様がいらっしゃるなんて、ちょうど良かったです」
何だかんだで、一緒にお茶を準備する二人。珍しいお茶とお菓子を囲んで、とても楽しそうだ。
(ドアの外にいても、わちゃわちゃしているのが聞こえて来たけれど)
(このひと月で、ずいぶんと打ち解けたようね)
ジークに言われた時は、そんな感じだったかしらとも思ったけれど。こうしてみると、確かにエトルの楽しそうな顔を見るのは久しぶりだとローズは気付く。
「お待たせ致しました、ローズ様!」
ミルがキラキラした笑顔で、ローズの前にお菓子とお茶を置く。
「まあ、ありがとう」
「ゲッペイって言うんだって。うまいよ」
エトルは立ったまま、ひょいっとお菓子をつまみ、口に運ぶ。
「エトル様、食べるの早い!立ち食いお行儀が悪いですよ!」
「ごめん、ごめん、美味しそうだったから。ミル嬢結構厳しいんだよなあ」
「当たり前です!商人たるもの、礼儀は大事!」
「俺、商人じゃないけどね」
「あ、そうでした!って、魔法省長官でしたら、もっと大事なのでは?!」
「……バレたか」
なんだか、またわちゃわちゃし始める二人。
「………………」
この二人は私がいるのを覚えているのかしらと思いつつ、無言を決め込んで珍しいお茶とお菓子を堪能する王妃様。
「ふふ、美味しいわ」
そっと一人言る。
(これは、余計な心配だったかもしれないわよ?ジーク)
ミルが自分のお茶をようやく淹れて振り返り、ローズの存在を思い出して慌ててお菓子の感想を聞かれるまで、王妃様は二人を黙って見守っていましたとさ。
─────────────────────────
流行り風邪になってしまいました……。仕事柄、ワクチン4回も打ったのに(ToT)
思ったより、連休中に進められないかもです。でも、頑張りたいなあ。
皆様もご自愛下さい。
エトルとミルは、いつもの長官執務室で草案の最終チェックを行っていた。
優秀な二人と周りの皆様のお陰で、初期段階でほぼ完璧になっていたが、やはり細部の確認と調整は必要だ。反対派に突っ込まれた時の対処法も含めて。
「うん、ここまで押さえれば大丈夫だろう」
「……ですね!」
二人は確認が済んだ書類を机に置き、どちらかともなくハイタッチをした。
「はっ、すみません、つい」
「何を今さら」
「そうですけど」
ミルはしみじみと振り返る。始めの頃に言われたように、ミルはかなり自由に仕事をやらせてもらえた。意見もしっかり受け止めてくれて、とてもやり易かった。
「エトル様、改めてありがとうございました」
「いいよ、礼なんて。ローズ…王妃様も進めたがっていた案件だ。国内優先でなかなか手を出せずにいた所だったし、こちらが助かったくらいなんだから」
「それでも、です。……こんな、駆け出しの若造の意見を取り入れて下さって、感謝しております」
「ああ。確かに君はうら若き乙女だけれどね。年齢や……まして性別と能力は関係ないと、嫌と言うほど知っているからね」
エトルは微笑みながら、また遠くを見るような表情で話す。
(あ、またあの顔、だ)
この一ヶ月でも度々あった。懐かしさの中に、なんだろう、後悔の念が入っているような、そんな顔。
(でも、最初の頃の……泣きそうな顔とは違うかな。しっかし、カリンの周りのご学友の方々って、男性もみんな綺麗よねぇ)
窓から入る太陽の光に、エトルの緑の髪がキラキラ反射して、エメラルドみたいだ。なんて、草案が完成して安心したのか、余計なことまで思ってみたり。
「ん?なんだ、ミル嬢。ジッと見て。おじさんの顔に何かついてるかい?」
「え、あ、すみません、考え事を、いえ、エトル様をおじさんなんて言ったら大変です!今もとってもお綺麗です!」
慌てたミルは、余計なことも口走る。
「何だ、それ。おじさん喜んで真に受けちゃうぞ」
「受けて下さい」
あはは、ありがとう、と、エトルは本当にちょっと嬉しそうだ。でもエメラルドどうこうまで口に出さなくて良かった。恥ずかしすぎる。
二人でわちゃわちゃしていると、ドアがノックされる。
エトルが返事をし、入室を許可した。
「ごきげんよう、エトル、ミル。草案が無事に纏まると聞いて、お邪魔したの」
「王妃様!ご無沙汰致しております」
「これはこれは。ようこそ、王妃様」
入って来たのはローズマリー妃だった。本日も癒しの微笑みを湛えていらっしゃる。
そして立ち上がろうとした二人を手で制し、何の躊躇いもなくミルの隣に座る。
「二人とも、いつものようにしてちょうだい。護衛もリックだけだし、気にしないで」
リックも二人を見て軽く会釈する。彼はドア付近に立ったままだ。
「了解です、っと。さっき終わった草案。見る?ローズ」
「ありがとう。少し借りても?」
「どうぞ。会議に挙げるのは明後日だから、それまでにジークにも確認しておいてもらえる?」
「ええ、分かったわ」
「ちょ、エトル様、いくらなんでも少し軽すぎやしませんか?」
義母たちがご学友なのは認識していて、自分もローズに何度も会っているが、さすがにエトルの気安さに慌てるミル。
「ふふ、大丈夫よ、ミル。エトルは幼馴染みだし、いつもこんな感じよ。ジークもお世話になってるし」
何だか後半に少しの刺を感じて、友人夫妻の顔を思い出したが、ミルは口に出すのは控えて、「そうですか」と微笑んだ。人様の機微に敏いのも、商人には大事。うん。
「コホン。お茶でも淹れようか。ローズも時間ある?」
「ええ。先の公務が早く終わったから」
「あ、では、私が淹れますね!今日は彩国のお菓子をお持ちしたんです」
ミルがいそいそと立ち上がる。最初の頃はお城付きの侍女に頼んでいたが、今はセットだけ頼んで自分たちのタイミングで休憩していたのだ。水の魔石もあるから、お湯の準備も楽だし。
「あら、ミル、ありがとう。彩国のお菓子、楽しみだわ!」
両手を合わせて、嬉しそうにはしゃぐ王妃様。本当に可愛いらしいわ……とミルは思った。今日、持ってきて良かった。
「手伝うよ、ミル嬢」
「エトル様も座ってて下さい。お茶も彩国のもので、コツがいるんです」
「えっ、そうなのか、見てみたい」
「興味あります?それでしたら、是非!」
「茶器まで準備したのかー」
「そうなんです。ローズ様がいらっしゃるなんて、ちょうど良かったです」
何だかんだで、一緒にお茶を準備する二人。珍しいお茶とお菓子を囲んで、とても楽しそうだ。
(ドアの外にいても、わちゃわちゃしているのが聞こえて来たけれど)
(このひと月で、ずいぶんと打ち解けたようね)
ジークに言われた時は、そんな感じだったかしらとも思ったけれど。こうしてみると、確かにエトルの楽しそうな顔を見るのは久しぶりだとローズは気付く。
「お待たせ致しました、ローズ様!」
ミルがキラキラした笑顔で、ローズの前にお菓子とお茶を置く。
「まあ、ありがとう」
「ゲッペイって言うんだって。うまいよ」
エトルは立ったまま、ひょいっとお菓子をつまみ、口に運ぶ。
「エトル様、食べるの早い!立ち食いお行儀が悪いですよ!」
「ごめん、ごめん、美味しそうだったから。ミル嬢結構厳しいんだよなあ」
「当たり前です!商人たるもの、礼儀は大事!」
「俺、商人じゃないけどね」
「あ、そうでした!って、魔法省長官でしたら、もっと大事なのでは?!」
「……バレたか」
なんだか、またわちゃわちゃし始める二人。
「………………」
この二人は私がいるのを覚えているのかしらと思いつつ、無言を決め込んで珍しいお茶とお菓子を堪能する王妃様。
「ふふ、美味しいわ」
そっと一人言る。
(これは、余計な心配だったかもしれないわよ?ジーク)
ミルが自分のお茶をようやく淹れて振り返り、ローズの存在を思い出して慌ててお菓子の感想を聞かれるまで、王妃様は二人を黙って見守っていましたとさ。
─────────────────────────
流行り風邪になってしまいました……。仕事柄、ワクチン4回も打ったのに(ToT)
思ったより、連休中に進められないかもです。でも、頑張りたいなあ。
皆様もご自愛下さい。
0
あなたにおすすめの小説
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
【12月末日公開終了】これは裏切りですか?
たぬきち25番
恋愛
転生してすぐに婚約破棄をされたアリシアは、嫁ぎ先を失い、実家に戻ることになった。
だが、実家戻ると『婚約破棄をされた娘』と噂され、家族の迷惑になっているので出て行く必要がある。
そんな時、母から住み込みの仕事を紹介されたアリシアは……?
ご褒美人生~転生した私の溺愛な?日常~
紅子
恋愛
魂の修行を終えた私は、ご褒美に神様から丈夫な身体をもらい最後の転生しました。公爵令嬢に生まれ落ち、素敵な仮婚約者もできました。家族や仮婚約者から溺愛されて、幸せです。ですけど、神様。私、お願いしましたよね?寿命をベッドの上で迎えるような普通の目立たない人生を送りたいと。やりすぎですよ💢神様。
毎週火・金曜日00:00に更新します。→完結済みです。毎日更新に変更します。
R15は、念のため。
自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
我儘令嬢なんて無理だったので小心者令嬢になったらみんなに甘やかされました。
たぬきち25番
恋愛
「ここはどこですか?私はだれですか?」目を覚ましたら全く知らない場所にいました。
しかも以前の私は、かなり我儘令嬢だったそうです。
そんなマイナスからのスタートですが、文句はいえません。
ずっと冷たかった周りの目が、なんだか最近優しい気がします。
というか、甘やかされてません?
これって、どういうことでしょう?
※後日談は激甘です。
激甘が苦手な方は後日談以外をお楽しみ下さい。
※小説家になろう様にも公開させて頂いております。
ただあちらは、マルチエンディングではございませんので、その関係でこちらとは、内容が大幅に異なります。ご了承下さい。
タイトルも違います。タイトル:異世界、訳アリ令嬢の恋の行方は?!~あの時、もしあなたを選ばなければ~
【完結】旦那様、どうぞ王女様とお幸せに!~転生妻は離婚してもふもふライフをエンジョイしようと思います~
魯恒凛
恋愛
地味で気弱なクラリスは夫とは結婚して二年経つのにいまだに触れられることもなく、会話もない。伯爵夫人とは思えないほど使用人たちにいびられ冷遇される日々。魔獣騎士として人気の高い夫と国民の妹として愛される王女の仲を引き裂いたとして、巷では悪女クラリスへの風当たりがきついのだ。
ある日前世の記憶が甦ったクラリスは悟る。若いクラリスにこんな状況はもったいない。白い結婚を理由に円満離婚をして、夫には王女と幸せになってもらおうと決意する。そして、離婚後は田舎でもふもふカフェを開こうと……!
そのためにこっそり仕事を始めたものの、ひょんなことから夫と友達に!?
「好きな相手とどうやったらうまくいくか教えてほしい」
初恋だった夫。胸が痛むけど、お互いの幸せのために王女との仲を応援することに。
でもなんだか様子がおかしくて……?
不器用で一途な夫と前世の記憶が甦ったサバサバ妻の、すれ違い両片思いのラブコメディ。
※5/19〜5/21 HOTランキング1位!たくさんの方にお読みいただきありがとうございます
※他サイトでも公開しています。
婚約破棄歴八年、すっかり飲んだくれになった私をシスコン義弟が宰相に成り上がって迎えにきた
鳥羽ミワ
恋愛
ロゼ=ローラン、二十四歳。十六歳の頃に最初の婚約が破棄されて以来、数えるのも馬鹿馬鹿しいくらいの婚約破棄を経験している。
幸い両親であるローラン伯爵夫妻はありあまる愛情でロゼを受け入れてくれているし、お酒はおいしいけれど、このままではかわいい義弟のエドガーの婚姻に支障が出てしまうかもしれない。彼はもう二十を過ぎているのに、いまだ縁談のひとつも来ていないのだ。
焦ったロゼはどこでもいいから嫁ごうとするものの、行く先々にエドガーが現れる。
このままでは義弟が姉離れできないと強い危機感を覚えるロゼに、男として迫るエドガー。気づかないロゼ。構わず迫るエドガー。
エドガーはありとあらゆるギリギリ世間の許容範囲(の外)の方法で外堀を埋めていく。
「パーティーのパートナーは俺だけだよ。俺以外の男の手を取るなんて許さない」
「お茶会に行くんだったら、ロゼはこのドレスを着てね。古いのは全部処分しておいたから」
「アクセサリー選びは任せて。俺の瞳の色だけで綺麗に飾ってあげるし、もちろん俺のネクタイもロゼの瞳の色だよ」
ちょっと抜けてる真面目酒カス令嬢が、シスコン義弟に溺愛される話。
※この話はカクヨム様、アルファポリス様、エブリスタ様にも掲載されています。
※レーティングをつけるほどではないと判断しましたが、作中性的ないやがらせ、暴行の描写、ないしはそれらを想起させる描写があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる