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第4話 片隅のステージ
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「何でもする……。せめて隠してくれるだけでいい、そしたら何でも言うこと聞くから」
「………」
頼寿がソファの横に置いていた自分の上着を取り、俺の下半身を隠すように広げて被せた。
──良かった。分かってくれた。
「あ、ありがと頼寿っ、……?」
思ったのも束の間。上着の下に隠れた頼寿の手が、俺のそれを握り込む。
「な、何してんだ……触るなっ……」
「いいか玉雪、よく覚えとけ」
「や、あぁっ……剥くな……痛いっ」
俺の耳に囁かれる、頼寿の低い声。
「この業界での取引に『何でもする』は禁句だぜ。大抵の場合、更にえげつねえことを要求されるからな」
「や、めろ……」
「という訳で玉雪。隠して握っててやるから、自分で腰振って扱いてみろ」
「んなぁっ……」
できるわけない。そんなド淫乱で変態的な真似、絶対にできるわけがない。
「やだやだ無理、そんなのしたら恥ずかしくて気絶する……あっ、あっ、擦るなぁっ……!」
「嫌なら、俺に扱かれてるところ全員に見てもらうか?」
「それも嫌だっ!」
「ガキみたいに駄々こねてねえで、少しは冷静になって考えろ。イヤイヤだけじゃいつまで経っても帰れねえぞ」
「うぅ……」
恐らく頼寿は泣いても許してくれない。会長みたいに甘くはない。どうして俺がこんな目に遭わなきゃならないんだろう。こんな男が俺への誕生日プレゼントだなんて、酷過ぎる。
「玉雪」
「……わ、分かったよ! やりゃあいいんだろ、バカ!」
「よし。そんなら下は全部脱がすぞ。その方がやり易いし、隠してやってんだから別にいいだろ」
「最悪だ……」
スルスルと緩めのズボンを下ろされ、上着で隠されてはいるものの完全に下半身丸出し状態となってしまった。
──こうなったら頼寿の上着を、俺の精液でベタベタにしてやる。
「んっ、……」
覚悟して、俺は頼寿の膝の上で股を開いたままゆっくりと腰を浮かせてみた。だけど足が床につかないため体重を支えることができず、到底頼寿が望んでいるような腰の振り方はできそうにない。
「な、なぁ……脚開いて座った状態だと、腰動かせないんだけど……」
「ソファに足ついて、M字に開けばいいだろ」
「そしたら上着が捲れて見えちゃう!」
うるせえなあ、と頼寿が不機嫌そうな声で言い、突然俺の下半身を覆っていた上着を取り去った。
「うわあぁっ、ちょっと何やってんの! み、見え……見えちゃうって!」
「体をコッチに向けろ」
突然のことに焦ってしまっているせいで、「どうして」なんて聞いている余裕はない。俺はその場で頼寿の上を降りてから、すぐに向かい合う形で再び頼寿の上に飛び乗った。
「お、お尻が見える! 隠して、早く!」
「はいよ、お坊ちゃま」
頼寿が上着で俺の尻を覆い、腰の前でしっかりと袖を縛る。これなら絶対見えないから安心だけど……向かい合ってどうするっていうんだろう。
「これなら遠慮なく腰振れるよな。派手な喘ぎ声も頼むぜ、タマちゃん」
全て頼寿の思惑通りな感じが悔しくて、俺は歯軋りしながら目の前の男前を睨み付けた。
「ぶっかけてやるからな、いいんだな……!」
「射精直前にタオルを使うから平気だ」
そう言って、頼寿がテーブル上のおしぼりを顎で示す。
「そ、そんなことに店のおしぼり使うなっ! ロッソ君に言い付けるぞ!」
「そんなことのために置いてあんだよ」
ぐうぅ……もう!
「………」
頼寿がソファの横に置いていた自分の上着を取り、俺の下半身を隠すように広げて被せた。
──良かった。分かってくれた。
「あ、ありがと頼寿っ、……?」
思ったのも束の間。上着の下に隠れた頼寿の手が、俺のそれを握り込む。
「な、何してんだ……触るなっ……」
「いいか玉雪、よく覚えとけ」
「や、あぁっ……剥くな……痛いっ」
俺の耳に囁かれる、頼寿の低い声。
「この業界での取引に『何でもする』は禁句だぜ。大抵の場合、更にえげつねえことを要求されるからな」
「や、めろ……」
「という訳で玉雪。隠して握っててやるから、自分で腰振って扱いてみろ」
「んなぁっ……」
できるわけない。そんなド淫乱で変態的な真似、絶対にできるわけがない。
「やだやだ無理、そんなのしたら恥ずかしくて気絶する……あっ、あっ、擦るなぁっ……!」
「嫌なら、俺に扱かれてるところ全員に見てもらうか?」
「それも嫌だっ!」
「ガキみたいに駄々こねてねえで、少しは冷静になって考えろ。イヤイヤだけじゃいつまで経っても帰れねえぞ」
「うぅ……」
恐らく頼寿は泣いても許してくれない。会長みたいに甘くはない。どうして俺がこんな目に遭わなきゃならないんだろう。こんな男が俺への誕生日プレゼントだなんて、酷過ぎる。
「玉雪」
「……わ、分かったよ! やりゃあいいんだろ、バカ!」
「よし。そんなら下は全部脱がすぞ。その方がやり易いし、隠してやってんだから別にいいだろ」
「最悪だ……」
スルスルと緩めのズボンを下ろされ、上着で隠されてはいるものの完全に下半身丸出し状態となってしまった。
──こうなったら頼寿の上着を、俺の精液でベタベタにしてやる。
「んっ、……」
覚悟して、俺は頼寿の膝の上で股を開いたままゆっくりと腰を浮かせてみた。だけど足が床につかないため体重を支えることができず、到底頼寿が望んでいるような腰の振り方はできそうにない。
「な、なぁ……脚開いて座った状態だと、腰動かせないんだけど……」
「ソファに足ついて、M字に開けばいいだろ」
「そしたら上着が捲れて見えちゃう!」
うるせえなあ、と頼寿が不機嫌そうな声で言い、突然俺の下半身を覆っていた上着を取り去った。
「うわあぁっ、ちょっと何やってんの! み、見え……見えちゃうって!」
「体をコッチに向けろ」
突然のことに焦ってしまっているせいで、「どうして」なんて聞いている余裕はない。俺はその場で頼寿の上を降りてから、すぐに向かい合う形で再び頼寿の上に飛び乗った。
「お、お尻が見える! 隠して、早く!」
「はいよ、お坊ちゃま」
頼寿が上着で俺の尻を覆い、腰の前でしっかりと袖を縛る。これなら絶対見えないから安心だけど……向かい合ってどうするっていうんだろう。
「これなら遠慮なく腰振れるよな。派手な喘ぎ声も頼むぜ、タマちゃん」
全て頼寿の思惑通りな感じが悔しくて、俺は歯軋りしながら目の前の男前を睨み付けた。
「ぶっかけてやるからな、いいんだな……!」
「射精直前にタオルを使うから平気だ」
そう言って、頼寿がテーブル上のおしぼりを顎で示す。
「そ、そんなことに店のおしぼり使うなっ! ロッソ君に言い付けるぞ!」
「そんなことのために置いてあんだよ」
ぐうぅ……もう!
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