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第7話 頼寿と会長と怒涛の夜
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「……ぷはっ。あ、……何すんだよ頼寿っ!」
思い切り頼寿の肩を押して顔を離すも、腰を捕らえられたままなので完全に離れることはできない。背中を反らせるのが精一杯だ。
「か、会長……違う、今のは違いますから! 頼寿が勝手に……!」
「いや、素晴らしいぞ玉雪」
「へ?」
動揺する俺を見上げながら会長が脚を組み、両手を叩いて笑っている。そうしてパチンと指を鳴らし、そのまま人差し指の先を俺の横にいる男へと向けた。
「さあ頼寿、続けてくれ」
「はい」
頼寿の声がしたと思った瞬間、突然後ろから腰の辺りに逞しい腕が巻き付いてきて、ぐんと抱え上げられた。
「わっ……! な、なにっ……? 何なのっ……!」
頼寿に後ろから抱えられている――。がっしりと俺の腰回りをホールドした両腕。服越しに感じる筋肉の硬さ。前にも担がれたことはあるけれど、またしても頼寿は俺の体を軽々と抱え上げたのだ。
だけど今回は「担ぐ」じゃない。「後ろから抱っこ」状態だ。
「なにっ、何、何っ?」
混乱する俺を見上げながら、会長が更にネクタイを緩める。それからソファに座った会長の膝と膝の間に頼寿が自分の右足をかけ、立てた右ひざに俺の尻を下ろした。
「……えっ」
座る場所ができて体が安定したと思ったのも束の間――あろうことか頼寿が、そのまま俺の両ひざの裏に腕を入れて大きく股を開かせた。
「なっ……何やってんだよぉっ! 何だよこのポーズっ!」
「はあ、いい恰好だね玉雪」
「か、会長っ――?」
大股を開かされた俺のそこへ、三上会長が手のひらを押し付ける。そのまますりすりと撫でられて全身に電流が走り、俺は自分の両ひざを持ち上げた頼寿の腕を掴んだ。
逃げたいのに落っこちるのが怖い、という意味不明な考えが頭の中でぐるぐる回り、そうしている間にも会長の手に撫で回されてしまう。
「や、やめてくださっ……何すんですか、会長っ……」
「今日はずっとこの時のことを思って仕事していたんだ。労ってくれるだろう、玉雪?」
「だからって、こんな……意味が分かりませんっ」
「分からなくてもいいよ、始めはね」
「あっ、うぅ……」
普通に触られているだけなら、これまでの会長との触りっこと変わりないのに。頼寿に脚を開かされて抵抗できない状態いうだけで、ただの刺激が淫らな快感となって体に伝わってしまう。
「盛り上がってきたね」
会長の指がパンツのボタンを外し、ファスナーにかけられた時……俺はぎょっとして全身の筋肉を硬直させた。
「や、何するつもりですか……ちょ、ちょっと会長っ……」
「久しぶりに見せてくれ、玉雪の可愛いペニスを」
「いぃっ……嫌ですっ。この状態じゃ嫌っ、やめてください!」
「……タマ」
流石にそれは無理だと首を振ると、これまで黙っていた頼寿が耳元で低く俺の名前を囁いた。
「よ、頼寿……もう、下ろし、て……!」
「前に言っただろ。会長にお前の成長を見てもらうって」
「で、でもそれは『エロいことじゃない』って、頼寿がっ……」
「『これ』でなく『お前の中身』の話だ。小型犬みてえにギャンギャン吠えてねえで、会長に喜んでもらえるように少しは考えろ」
「そんなの急に言われたってえぇッ!」
百歩譲って前からこうなることを打ち合わせしていたなら俺だって多少は演技できたかもしれない。だけどこんないきなり、訳の分からないうちに始まってしまうなんて。
「可愛いよ玉雪」
俺のファスナーをゆっくりと下ろしながら、会長が愛おしそうに目を細めた。
「タマ、旦那にして欲しいこと言った方がいいんじゃねえのか?」
「な、何を……」
「散々学んだだろ。ちゃんと言葉にして旦那に言え」
「で、でもそんな、俺……駄目だよ、できない……」
「……分かってんだろ、本当はして欲しくて堪らねえはずだ。会長のデカい手に×××握られて、扱かれてるのを想像してる顔だぜ」
「そ、そんな……こと、ない……のに……!」
三上会長はニヤニヤと口角を上げながら、俺と頼寿のやり取りを眺めている。
思い切り頼寿の肩を押して顔を離すも、腰を捕らえられたままなので完全に離れることはできない。背中を反らせるのが精一杯だ。
「か、会長……違う、今のは違いますから! 頼寿が勝手に……!」
「いや、素晴らしいぞ玉雪」
「へ?」
動揺する俺を見上げながら会長が脚を組み、両手を叩いて笑っている。そうしてパチンと指を鳴らし、そのまま人差し指の先を俺の横にいる男へと向けた。
「さあ頼寿、続けてくれ」
「はい」
頼寿の声がしたと思った瞬間、突然後ろから腰の辺りに逞しい腕が巻き付いてきて、ぐんと抱え上げられた。
「わっ……! な、なにっ……? 何なのっ……!」
頼寿に後ろから抱えられている――。がっしりと俺の腰回りをホールドした両腕。服越しに感じる筋肉の硬さ。前にも担がれたことはあるけれど、またしても頼寿は俺の体を軽々と抱え上げたのだ。
だけど今回は「担ぐ」じゃない。「後ろから抱っこ」状態だ。
「なにっ、何、何っ?」
混乱する俺を見上げながら、会長が更にネクタイを緩める。それからソファに座った会長の膝と膝の間に頼寿が自分の右足をかけ、立てた右ひざに俺の尻を下ろした。
「……えっ」
座る場所ができて体が安定したと思ったのも束の間――あろうことか頼寿が、そのまま俺の両ひざの裏に腕を入れて大きく股を開かせた。
「なっ……何やってんだよぉっ! 何だよこのポーズっ!」
「はあ、いい恰好だね玉雪」
「か、会長っ――?」
大股を開かされた俺のそこへ、三上会長が手のひらを押し付ける。そのまますりすりと撫でられて全身に電流が走り、俺は自分の両ひざを持ち上げた頼寿の腕を掴んだ。
逃げたいのに落っこちるのが怖い、という意味不明な考えが頭の中でぐるぐる回り、そうしている間にも会長の手に撫で回されてしまう。
「や、やめてくださっ……何すんですか、会長っ……」
「今日はずっとこの時のことを思って仕事していたんだ。労ってくれるだろう、玉雪?」
「だからって、こんな……意味が分かりませんっ」
「分からなくてもいいよ、始めはね」
「あっ、うぅ……」
普通に触られているだけなら、これまでの会長との触りっこと変わりないのに。頼寿に脚を開かされて抵抗できない状態いうだけで、ただの刺激が淫らな快感となって体に伝わってしまう。
「盛り上がってきたね」
会長の指がパンツのボタンを外し、ファスナーにかけられた時……俺はぎょっとして全身の筋肉を硬直させた。
「や、何するつもりですか……ちょ、ちょっと会長っ……」
「久しぶりに見せてくれ、玉雪の可愛いペニスを」
「いぃっ……嫌ですっ。この状態じゃ嫌っ、やめてください!」
「……タマ」
流石にそれは無理だと首を振ると、これまで黙っていた頼寿が耳元で低く俺の名前を囁いた。
「よ、頼寿……もう、下ろし、て……!」
「前に言っただろ。会長にお前の成長を見てもらうって」
「で、でもそれは『エロいことじゃない』って、頼寿がっ……」
「『これ』でなく『お前の中身』の話だ。小型犬みてえにギャンギャン吠えてねえで、会長に喜んでもらえるように少しは考えろ」
「そんなの急に言われたってえぇッ!」
百歩譲って前からこうなることを打ち合わせしていたなら俺だって多少は演技できたかもしれない。だけどこんないきなり、訳の分からないうちに始まってしまうなんて。
「可愛いよ玉雪」
俺のファスナーをゆっくりと下ろしながら、会長が愛おしそうに目を細めた。
「タマ、旦那にして欲しいこと言った方がいいんじゃねえのか?」
「な、何を……」
「散々学んだだろ。ちゃんと言葉にして旦那に言え」
「で、でもそんな、俺……駄目だよ、できない……」
「……分かってんだろ、本当はして欲しくて堪らねえはずだ。会長のデカい手に×××握られて、扱かれてるのを想像してる顔だぜ」
「そ、そんな……こと、ない……のに……!」
三上会長はニヤニヤと口角を上げながら、俺と頼寿のやり取りを眺めている。
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