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第3章
4話 S級リバイアサン 3
「…………よし!」
比較的理想的に首が落ちたと喜びながら、棚にある時間停止の袋を鷲掴みリバイアサンの頭を袋に入れた。
ギュッと強く結んで端に置く。
あまり効果は無いが、少しでも時間を遅らせれるように。
そしてリバイアサンに走りより、ジャンプして作業台に登った。
振動によりヒレが激しく動いて、鞭のようにしなり、レティリアの脇腹を狙ってきた。
魔力感知が高いから、まっすぐにレティリアの急所を狙ってくる。
そのまま当たればレティリアの小さな体は簡単に吹き飛び、壁に強打して重症を負うだろう。
だが、レティリアは身体強化して硬度を増した腕をわざと出して巻き付かせた。
そして、鋭く研いだナイフで綺麗に本体から切り離しヒレを床に投げ捨てる。
すでに伸びてしまい切り離したヒレは素材としては劣化していて使い物にはならない。
あれは処分だとすぐに腹部に目をやった。
そっと優しく、触れているのが分からない程に皮膚を撫でる。
ヌルッとしている皮膚だが、腹部は柔らかくナイフが通りやすい。
リバイアサンの急所である魔核から離れた場所だからか、深海にいる時常に腹部が見えない状態で生活しているかは判明していない。
まるで愛おしいものを撫でるかのように優しく触れていると、1箇所で手が止まった。
「…………なに」
眉をひそめてじっくりとその場所を見る。
予定では、まさしく今、ナイフを差し入れて腹を開き内蔵を優しく取り出す予定だった。
なのに、この場所は何かがおかしい……と指先でスっ……と腹部を撫でる。
すると、内側から呼応するかのようにピクリと震え、何かがレティリアの指を押し戻した。
パッ……と手を離してすぐに見学者の先輩たちを見る。
いつもと様子の違うレティリアに、なんだ……? と見ているが理解はしていないようだ。
レティリアはすぐさま腹部を指差し、両手で押し返したとジェスチャーする。
外では、なんだ……? どうした? とザワついている。
だが、レティリアの場所に乱入する事は出来なくて心配そうに見るしかない。
両手の平全体で腹部を撫でさすり、押し返したのがなんなのか調べる。
「…………今までリバイアサンの母体が運ばれた事は無い。リバイアサンは単体で繁殖する魔物では有るけれど、お腹に身篭るタイプではないし、そもそも性別の概念は無いはずなんだけど……」
おかしいな……と眉をひそめながら撫でていくと、指先が何かを形作る。
巨大なリバイアサンの中に、何かがいる。
バッ……と手を離して数歩離れる。
「………………お前、なんか食ったな」
中には食事後に討伐されて運ばれる魔物も当然いる。 そして、その食べた残骸が腹に残っている場合がある。
丸呑みする魔物なら、消化中の溶けた体がそのまま排出される場合もあるのだ。
「……まったく、わざわざ食事後に顔を出さなくてもいいじゃないか」
嫌そうに顔を歪めながらも息を吐き出す。
何が出るのか、リバイアサンの体内はどうなっているのか……。
微かな不安を感じながらも、指先で場所を確認しながらナイフをソッと差し込んだ。
「………………おいおい、嘘だろう?」
まるで外の先輩の声が聞こえてきたかのような錯覚を覚える。
優しく周りを傷付けないように開いた腹の中から現れたのは、粘液に塗れた巨大なカラスだった。
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