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第2章 水の都アクアエデンと氷の城

公式イベント開始

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公式イベント当日、フェアリーロードは2時間前に集合して最終チェックをしていた。

「アイテム準備OK」

「こっちも大丈夫」

「食事もOKよー」

「あ、武器の耐久度やばい」

「直しましょうか?」

「神がいた!!!!」

スイが直すと更にステータスが上がる。
クリスティーナは驚き見ていたが、私もー!と渡していた。

「なんで耐久度回復できるのよ……いや、もういい。スイはなんか、もういいのよ」

「どういう意味ぃ?」

「あんたは、なんか…ああぁあぁ!!!」

「えぇ??」

頭を抱えて叫んだクリスティーナに、スイは意味がわからないと首をかしげた。
スイとクリスティーナが話す時はリアフレだから砕けていて仲が良い。
それを最初は珍しそうに見ていたが、今では慣れたものだと微笑ましそうにクラメンは見ている。
いや、スイには自分達にももう少しフランクに…と願っていた。

全員の耐久度回復を終わらせたスイは立ち上がり時計を確認する。

「そろそろですね」

「ん?あぁ、時間だな」

カガリが武器を受け取り持ち手の確認をしながら返事を返すと、全員の体が光だした。

「ひかっ…………………」








誰の声だっただろうか、光った、そう言う途中に別のフィールドへと飛ばされた。
そこは噴水広場に似ているがもっと広い場所だった。
腕にミドリのリボンが結ばれていて、周りも全員ミドリのリボンをしている。
少し離れた所には、アカ、アオ、キイロのリボンを結んだ集団が固まっているのも見えた。


[やぁ、プレイヤーの諸君。ゲームは楽しんでいるかい?今は公式イベントの1時間前。それぞれ総大将を決めて!勿論作戦も考えていいよ!!]

現れたゲームマスターは両手を広げてそう言った。

[今まで決めなかったのは、他チームに情報が行かないようにギリギリでの話し合いを設けたよ。総大将には頭に王冠を付けてもらう、その人を倒したら勝ちだから、みんな頑張ってね!]

そうそう、総大将はあまり前に出れないだろうから、運営から別途1000ポイントをプレゼント。
そこから倒したりしてポイント稼いでねー
ポイントは戦闘の仕方や倒した人数、雪玉ぶつけた数や、支援も含めて増えてくからねー
じゃ、1時間、ゆっくり話し合いしてねー



言うだけ言って消えたゲームマスターは、モニタの前でその様子を見ていた。
ザワザワとざわつく4チーム。
4つにわけても人数はかなり居る、その中でどう決まりどう動くのか。
ゲームマスターはニヤニヤと笑って見ていた。

「まーた悪趣味な顔してる」

「楽しそうだからいいじゃないか」

「あんたはいつもその楽しそうで周りを巻き込むのよねー」

現れた女性はゲームマスターに呆れて声をかけた。
ここはAnotherfantasiaを作る会社
このゲームマスターも会社の社員だ。勿論、成人男性。

後ろでは調整調整でパソコンを叩く音が響いている。

「初公式イベントはどうなるのかしらね」

「どうかなぁ、ランカー達の動きや周りの協調性も大事だし………問題は」

「この子達よね」

アップに出されたフェアリーロードのメンバー
特にスイが大きく表示されていた。

「……………奏者かぁ。予想外なんだよなー」

「こんな風になる予定じゃなかったのにね」

「どの職業も全部使えるように調整は勿論したけど、彼女のスキルのとり方や立ち回り。なにより……後衛武器持って走る、殴るっていうむちゃくちゃな事ことをやりとげるんだもん。予想外も予想外だよ」

「………………よく持てるわよね、ステータスバグ?」

「………いや、バグじゃない。たぶん、リアルステータスが関係してる」

「………………筋肉系女子?」

「取った肉体情報にはないんだけどな」

2人はスイを見て首をかしげていた。











ミドリチームの高ランカーはフェアリーロードときらめけ☆キラキラガールという女性だけで作られたチームだ。
全員が全員魔法少女的な服を着た女性たちで攻撃特化である。

「フェアリーロードのみなさん、よろしくね!」

「あぁ、よろしく」

うふふ。と笑うその女性がリーダーのまどか。
ピンクで全身統一してるが、某アニメが好きなんだろうなぁ、まどかだし…とわかる姿をしている。
残念ながら、成人女性の姿だが。
キラキラガールは全員で5人、それぞれカラーを持っている。
みんなスカートをふわふわさせていた。

「…………激しい世界ね」

「クリスティーナに言われたくないと思うよ」

「え?」

カガリの後で話していたら、まどかがスイを見た。
ん?と首を傾げたスイに、まどかが近づく。

「奏者さん、ですよね?どうでしょう、総大将しませんか?」

やっぱり来たか…とフェアリーロードは思った。
スイたんを守ろうの会以外に考えれる事。
それはチーム内のランカーを出し抜いてポイント集めしようとする高ランカーの集まり。

「戦闘職じゃない奏者には守りにいた方がいいかと思ったんです。フェアリーロードの皆さんがそばで守るならミドリチームそうそう負けませんよ!」

私たち全員戦闘職ですし

にっこり笑ったまどかに、クラメン全員が顔を見合わせた。
ほかのミドリチームからも反対意見は出て来ない。

「じゃ、私総大将しますね」

ほわわわわんと笑って言ったスイに、大半のプレイヤーが砕け落ち神だ…………!!と天を仰いだ。
そこには安定のタクもいる。

「じゃあ、お願いします!!」

みんなが認めた時に、スイの頭に王冠が現れ総大将が決まった。

まどか達が頑張りましょう!と言って離れていったのを見たあと、カガリは小さく呟いた。



「プランBで」

『了解』

ニヤリと笑うフェアリーロードたちをキラキラガールは気付かなかった。
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