Anotherfantasia~もうひとつの幻想郷

彼女の名前は東堂翠。

怒りに震えながら、両手に持つ固めの箱を歪ませるくらいに力を入れて歩く翠。
最高の一日が、たった数分で最悪な1日へと変わった。


その要因は手に持つ箱。
ゲーム、Anotherfantasia
体感出来る幻想郷とキャッチフレーズが付いた完全ダイブ型VRゲームが、彼女の幸せを壊したのだ。


「このゲームがなんぼのもんよ!!!」


怒り狂う翠は帰宅後ゲームを睨みつけて、興味なんか無いゲームを険しい表情で起動した。


「どれくらい面白いのか、試してやろうじゃない。」


ゲームを一切やらない翠が、初めての体感出来る幻想郷へと体を委ねた。



それは、翠の想像を上回った。


「これが………ゲーム………?」


現実離れした世界観。
でも、確かに感じるのは現実だった。

初めて続きの翠に、少しづつ増える仲間たち。
楽しさを見出した翠は、気付いたらトップランカーのクランで外せない大事な仲間になっていた。


【Anotherfantasia……今となっては、楽しくないなんて絶対言えないや】

翠は、柔らかく笑うのだった。

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