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第2章 水の都アクアエデンと氷の城
公式イベント 5
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叫んだ男はスイを貶す言葉を延々と続けた。
なんなんだよ、そんなん奏者が出来る筈ねぇ!チートじゃねぇか!!
だからフェアリーロードに入れたんだろ!?
そうなんだろ!?
あ、あれか?運営とも繋がってんのか!?
だからか!?!?
全員がその言葉にスイを見るが、スイは言ってる半分も理解していない。
スイは初心者、チートとか言われてもなんのこっちゃ?なのだ。
「……………チートってなに?」
「へ?えーっと…」
チートとは………と説明したファーレンにスイはえぇぇ…と唸った。
「不正ツール?なんて使ってないしズルしてないよ、私」
「しってるよ、レベル上げめっちゃしてたの知ってんだから」
呆れて話す2人を全員がザワザワと騒ぎながら見ている。
確かに、確かに強すぎる。だって奏者だよ?
そんなざわめきにスイは気付く。
「なんで奏者が戦っちゃだめなんですか?」
「支援職は基本攻撃しないんだよな」
「なんでですか?」
「支援職っつーのはそういうもんなんだよ」
全員の不審な目にスイは困惑する。
フェアリーロードも集まりスイを守るように立とうとするが、スイは楽器を握り持ち上げた。
「支援職が攻撃しないなんて、おかしいですよー。それなら最初から攻撃出来る楽器もスキルもないじゃないですか。楽器を買ったお店の店長さんが教えてくれましたよ?ちゃんと学んで使い方を覚えたらこれ程強い職種はないって。」
スイがこっそり言われた言葉である。
これにより、スイがβでの奏者がしなかった職業クエストを受けたことを周りが気付いた。
「職業、クエ?」
「色々奏者の事教えてくれたよ?その人も奏者だし。その人は支援職だけど戦える武器が有るって教えてくれた。これもそう。」
掲げていた武器ををギュッと抱きしめる
スイの大事な相棒。
「そ、んな…そんなんある訳ねぇだろ!!」
「あるから言ってる、の!!」
それがちゃんと攻撃出来ると見せるように一気にアキラに近づき振り抜く。
ぎゃーーーー!と叫びながら避けたのを見て、スイはくるりとUターン。あの楽器を持ったまま高くジャンプし、重力のまま落ちていった。
そして…………
「武器変更、えい!!」
『えーーーーー!?!?ぎゃーーーー!』
ハープが消えて、リスが描かれたヴァイオリンが現れた。
弦を弾き不協和音を出すスイに敵チーム全てめまいを起こす。
そして一気に広範囲の攻撃を繰り出した。
自身の周りに無数の短剣が現れ、ヴァイオリンを弾いた事によりそれは意思があるように動き敵を貫いていった。
「…………………おいおい」
「…………………………強すぎでしょ」
フェアリーロード以外のミドリチームは空中で佇む短剣の上に立つスイを見上げていた。
「………あの武器……」
「まさか、あの時貰ったやつ、か?」
また規格外な力を見せつけたスイをフェアリーロードは乾いた笑みを浮かべて見ていたのだった。
短剣により全損したアカチームの大半がリボンをヒラヒラを落として消えていった。
スイは弦を思いっきり弾きヴァイオリンが軋んだ。
ブワッ!と短剣が高速で動きその風圧でスカートがフワリと浮き上がり始めた。
結んでいる髪も一緒に揺れて奥にいるアカチームの総大将のアリアも風で靡く髪を手で抑えていた。
ゆっくりと引き出した曲はG線上のアリア。
それに合わせて風が雪玉が浮かび上がらせ………
「……終わったな……」
カガリが憐れみの表情を見せながら残ったアカチームをみた。
壮絶なかおをしている。
「こんな……こんな事………」
一斉に剣とともにアカチームへと向かっていく雪玉がスタミナを削っていった。
ミドリチームの!勝利でーーす!!!
……………………こんなん、雪合戦じゃねぇ!!!
全チームの心が一致した瞬間である。
せっかく運営が用意したかまくらも1回しか使われること無くイベントが幕を閉じた。
運営陣が机に倒れ込んでいるが終わりである。
運営の努力はスイが爆発的火力を手に入れた事で消え失せたのだ。
運営泣かせである。
『こんな終りってありぃぃいいい!!??』
なんなんだよ、そんなん奏者が出来る筈ねぇ!チートじゃねぇか!!
だからフェアリーロードに入れたんだろ!?
そうなんだろ!?
あ、あれか?運営とも繋がってんのか!?
だからか!?!?
全員がその言葉にスイを見るが、スイは言ってる半分も理解していない。
スイは初心者、チートとか言われてもなんのこっちゃ?なのだ。
「……………チートってなに?」
「へ?えーっと…」
チートとは………と説明したファーレンにスイはえぇぇ…と唸った。
「不正ツール?なんて使ってないしズルしてないよ、私」
「しってるよ、レベル上げめっちゃしてたの知ってんだから」
呆れて話す2人を全員がザワザワと騒ぎながら見ている。
確かに、確かに強すぎる。だって奏者だよ?
そんなざわめきにスイは気付く。
「なんで奏者が戦っちゃだめなんですか?」
「支援職は基本攻撃しないんだよな」
「なんでですか?」
「支援職っつーのはそういうもんなんだよ」
全員の不審な目にスイは困惑する。
フェアリーロードも集まりスイを守るように立とうとするが、スイは楽器を握り持ち上げた。
「支援職が攻撃しないなんて、おかしいですよー。それなら最初から攻撃出来る楽器もスキルもないじゃないですか。楽器を買ったお店の店長さんが教えてくれましたよ?ちゃんと学んで使い方を覚えたらこれ程強い職種はないって。」
スイがこっそり言われた言葉である。
これにより、スイがβでの奏者がしなかった職業クエストを受けたことを周りが気付いた。
「職業、クエ?」
「色々奏者の事教えてくれたよ?その人も奏者だし。その人は支援職だけど戦える武器が有るって教えてくれた。これもそう。」
掲げていた武器ををギュッと抱きしめる
スイの大事な相棒。
「そ、んな…そんなんある訳ねぇだろ!!」
「あるから言ってる、の!!」
それがちゃんと攻撃出来ると見せるように一気にアキラに近づき振り抜く。
ぎゃーーーー!と叫びながら避けたのを見て、スイはくるりとUターン。あの楽器を持ったまま高くジャンプし、重力のまま落ちていった。
そして…………
「武器変更、えい!!」
『えーーーーー!?!?ぎゃーーーー!』
ハープが消えて、リスが描かれたヴァイオリンが現れた。
弦を弾き不協和音を出すスイに敵チーム全てめまいを起こす。
そして一気に広範囲の攻撃を繰り出した。
自身の周りに無数の短剣が現れ、ヴァイオリンを弾いた事によりそれは意思があるように動き敵を貫いていった。
「…………………おいおい」
「…………………………強すぎでしょ」
フェアリーロード以外のミドリチームは空中で佇む短剣の上に立つスイを見上げていた。
「………あの武器……」
「まさか、あの時貰ったやつ、か?」
また規格外な力を見せつけたスイをフェアリーロードは乾いた笑みを浮かべて見ていたのだった。
短剣により全損したアカチームの大半がリボンをヒラヒラを落として消えていった。
スイは弦を思いっきり弾きヴァイオリンが軋んだ。
ブワッ!と短剣が高速で動きその風圧でスカートがフワリと浮き上がり始めた。
結んでいる髪も一緒に揺れて奥にいるアカチームの総大将のアリアも風で靡く髪を手で抑えていた。
ゆっくりと引き出した曲はG線上のアリア。
それに合わせて風が雪玉が浮かび上がらせ………
「……終わったな……」
カガリが憐れみの表情を見せながら残ったアカチームをみた。
壮絶なかおをしている。
「こんな……こんな事………」
一斉に剣とともにアカチームへと向かっていく雪玉がスタミナを削っていった。
ミドリチームの!勝利でーーす!!!
……………………こんなん、雪合戦じゃねぇ!!!
全チームの心が一致した瞬間である。
せっかく運営が用意したかまくらも1回しか使われること無くイベントが幕を閉じた。
運営陣が机に倒れ込んでいるが終わりである。
運営の努力はスイが爆発的火力を手に入れた事で消え失せたのだ。
運営泣かせである。
『こんな終りってありぃぃいいい!!??』
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