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第2章 水の都アクアエデンと氷の城
お茶会 2
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「対策ですか?」
リィンのつぶやきを聞いてスイは顔を上げた。
もふもふのクッキーを手にしていてそれをもふもふはじっと見ている。
「あっ!………はい。運営なにかしないのかな?と……」
「あぁ、なるほどです。実はですね…」
もふもふにはい、と口元にクッキー
初めての食べ物に匂いを嗅ぐだけでなかなか口にしようとせず無理かなー?と様子を見る。
「初めて取られた人は猫だったらしいんですけどね………」
猫を抱っこした女子プレイヤーは周りに注目を浴びていた。
ペットが少ない中、じっと見つめられ居心地が悪そうだ。
そんな時正面から来た男性プレイヤーがいきなり猫を掴んで引き離したという。
女性プレイヤー驚き数秒停止、猫は暴れて引っ掻きまくった。
そのまま走り去る男性プレイヤーに、盗られた女性プレイヤーは追いかけすぐさまGMコール。
そして………
「そして?」
「運営の1人が男性を踏みつけるように現れたようです。」
「ふ……踏みつけ…」
無事猫は女性プレイヤーの元へ。
そして男性プレイヤーはもちろん窃盗のペナルティに女性にお金と持っているレアな道具を渡し刑務所へと移送された。
ちなみに、三日間の禁固刑らしい。
「それで、ペット犯罪が増えそうって事で急遽対策されるってなったらしく……」
あむっ…と小さく口に入れたクッキーにもふもふ目を見開く。
サクッと軽い感触は初めてでハグハグ!と目を輝かしながら食べだした。…………スイの指ごと。
あむっ!!ちょっ!痛いよ!?
きゃん?
…………………いいよ、なんでもない……
「それで昨日、今日発表するって一足先にペット保持者にメールが一斉送信されたみたいです。」
急なことでGMコールが出来なく連れていかれた子も居るみたいで、その子の対応もするみたいです。
「……そう、だったんですね」
「人事じゃないので、対策は助かります。」
連れていかれた子、泣いてたって言ってました…
私ももふもふが連れていかれたらって思うと…
我関せずあむあむクッキー食べるもふもふ。
お尻ごと尻尾フリフリするもふもふは口周りにクッキーのカスをいっぱい付けていて。
立ち上がりもっとー!とねだる。
はいはい、2枚目。
「スイさんは、大丈夫でしたか?」
「私ですか?私は…………」
もふもふ抱っこでお散歩中に男性プレイヤー2人、女性プレイヤー1人の3人チームに大通りで襲われる。
リード欲しいなぁー、なんて思っていた時だった。
いきなり腕を掴まれた隙にもふもふの首を掴まれ引っ張られる。
もふもふの悲鳴が響き周囲のNPCやプレイヤーが気づいた。
増えてきたからか、すぐにNPCが衛兵を呼ばないと!と走り出し泣いて暴れるもふもふを女性プレイヤーに渡した3人は逃げようとする。
女性プレイヤー満面の笑みだったが、ガチで噛むもふもふに女性プレイヤー出血。
振り向きお怒りのスイが降臨。
すぐに走りより蹴り飛ばし殴り飛ばし締め上げもふもふ救出。
怖くて震えるもふもふを見てスイの怒り収まらず……
スキルを使ってないのにその素晴らしい腕力が唸りをあげて武器防具破壊し、ボコボコにのした所で衛兵到着。
すぐさまGMコールしてお怒りのスイは運営に文句を言った。
ちなみに、3人のプレイヤーは街中の為死に戻りは出来ず意識ある間スイの鬼の形相を見ながらボコられていた。
トラウマになるだろう、周囲はドン引きである。
しかし、同情の余地なし。
流石にやりすぎ、と運営から苦笑を貰い何故か注意を受けたのはスイだったが、納得いかない!とふんすふんすしていた。
「………と、いう理不尽にも私が怒られました。」
「………うーん、災難でしたね(盗んだ人、相手を間違えましたねぇ…)」
「ですよねー!もぅ!あ、すぐにその3人はNGにしたのでお店には来れません!」
キリッ!と話すスイにリィンは頷いた。
あの時の囲まれて震えていた可愛いスイはもういない、鬼と化した。
怒りに溢れているスイにもふもふは首を傾げて3枚目のクッキーをねだる。
ちょーだい、ちょーだい!
手でちょいちょい!
かわい!!!
「喉詰まるから、お水のんで」
差し出したお皿に顔面突っ込むもふもふ。
毛が長いため首元まで濡れて顔を上げたらベチャベチャ、したたっている。
すぐにハンカチで拭くが、もふもふはヘレヘレと舌を上下させた。
【やぁ、プレイヤーの諸君!!】
響き渡るゲームマスターの声にスイは顔を上げた。
すぐさまもふもふを抱き上げてリィンと共に部屋を出る。
食事中のプレイヤーや、仕事中のみんなも手を止めて外に出ていった。
「なんだ?一体」
カガリがそう呟くと、ゲームマスターが空に浮かんで現れた。
巨大化していて全員がゲームマスターを良く見える。
【やぁみんなイベントぶりだね!今回はね、おいたが過ぎるプレイヤーが増えてきたからその対処だよー!何人かが持ってるペットが盗まれるっていうのが頻発してるからね!それと!ペットを飼育していく場合の注意事項も伝えるよ!】
ぴっ!と人差し指を立てて言ったゲームマスターに、何人かがピクリと反応していた。
【まずはね……】
⚫ペットが飼い主から一定距離離れた場合、無条件で飼い主の元へワープするよ!だから、以前盗まれた子たちは僕が消えてから戻ってくるからね!
⚫ペット盗難は立派な犯罪、盗難は今後減るかもだけど別のペット犯罪にも適用する。例えば殺傷。
また、飼い主からの虐待や飼育をちゃんとしない等もペナルティあり。
以下内容は…
加害者であるペット誘拐犯は飼い主に迷惑料として所持金の半分とレア装備か道具の譲渡。
禁固刑3日に今後半年ペットとの触れ合い一切禁止。
⚫ペットショップオープン後の触れ合いも含まれ、頭の上の名前の所にペット犯罪と半年間表示される。
⚫ペット犯罪を3回した人は一定期間ログイン禁止。これは行った犯罪によって期間が決まります。
⚫ペットの譲渡は禁止、やむを得ないときはペットショップを経由して話し合いの実施を可能とする。(必ず第三者を混じえること。)
⚫プレイヤーが長時間ログインしなかった場合、ペットは飢餓状態となり親密度が大幅に減少。最悪ペットロストの可能性があります。一緒にいる時は好みを把握し食事などをあげてください。長時間ログインしない場合や、長期クエストの際はペットホテルの使用などを行う。
【これがペナルティだよ!盗まれた子達は帰ってくるからそこは安心してね!そして、再三他の犯罪を繰り返している人にも今後このログイン禁止が適用されるから注意!だよ!】
ペットを盗まれペットロスしている人は嬉しさに泣き崩れた。
【あとは、おまたせ!ペットショップのオープン!!明日の10時からオープン、オープンセールをするからぜひ来てね!ペットがいない子も楽しめると思うよ!
残念ながらペットは非売品、今後もペットはイベントの報酬としてゲット出来るから楽しみにしてて!】
【あとは、また別の案件でおいたをしているプレイヤーの報告をうけているから、順次対処するよ!お知らせはおしまい!】
それじゃ、ゲーム楽しんでね!
明るいチャラリラと音を響かせながらゲームマスターが消えた瞬間、スイの隣にいた女性プレイヤーの腕の中が光った。
そして、真っ白な猫が現れる。
「っ!しろぉぉ!!」
ぎゅっ!と抱きしめ泣き出したプレイヤーに、周りは良かった…と見つめ、猫はキョロキョロした後飼い主を見て泣き出し頭を擦り付けた。
にゃあにゃあ!(ご主人様!こわかったぁ!!)
「ねぇ、暖かい飲み物とスイーツサービスするから、休んでいって。ね?」
そっとクリスティーナが肩を抱いてかおをのぞき込むと、そのプレイヤーは泣きながらクリスティーナを見て頷いた。
「良かった、良かったねぇ」
スイはもふもふを同じように抱きしめてそのプレイヤーを見送り、リィンも頷き、つられてもふもふの頭を撫でる。
クリンとした目がリィンを見つめた。
「ペット犯罪なんて、天罰くらえばいいんだよ……」
真っ黒スイが呟いたように、ペット犯罪と書かれたプレイヤーは多くの人に嫌がられプレイヤー出店のお店にはそれだけでお店使用禁止も出された。
ちなみに、フェアリーガーデンもカガリ、セラニーチェ、スイの強い要望によりペット犯罪は全面使用禁止である。
もふもふの皆様は偉大だ。
「安心しましたねぇ」
「対処が早くて良かったですね!」
「ほんとです。この子が攫われるとかなったら……あのこの気持ちが良くわかります」
穏やかにもふもふを撫でて微笑むスイに、リィンはきっと泣き崩れるより殴り飛ばすんだろうなぁ…と紅茶ごと言葉を飲み込んだ。
リィンのつぶやきを聞いてスイは顔を上げた。
もふもふのクッキーを手にしていてそれをもふもふはじっと見ている。
「あっ!………はい。運営なにかしないのかな?と……」
「あぁ、なるほどです。実はですね…」
もふもふにはい、と口元にクッキー
初めての食べ物に匂いを嗅ぐだけでなかなか口にしようとせず無理かなー?と様子を見る。
「初めて取られた人は猫だったらしいんですけどね………」
猫を抱っこした女子プレイヤーは周りに注目を浴びていた。
ペットが少ない中、じっと見つめられ居心地が悪そうだ。
そんな時正面から来た男性プレイヤーがいきなり猫を掴んで引き離したという。
女性プレイヤー驚き数秒停止、猫は暴れて引っ掻きまくった。
そのまま走り去る男性プレイヤーに、盗られた女性プレイヤーは追いかけすぐさまGMコール。
そして………
「そして?」
「運営の1人が男性を踏みつけるように現れたようです。」
「ふ……踏みつけ…」
無事猫は女性プレイヤーの元へ。
そして男性プレイヤーはもちろん窃盗のペナルティに女性にお金と持っているレアな道具を渡し刑務所へと移送された。
ちなみに、三日間の禁固刑らしい。
「それで、ペット犯罪が増えそうって事で急遽対策されるってなったらしく……」
あむっ…と小さく口に入れたクッキーにもふもふ目を見開く。
サクッと軽い感触は初めてでハグハグ!と目を輝かしながら食べだした。…………スイの指ごと。
あむっ!!ちょっ!痛いよ!?
きゃん?
…………………いいよ、なんでもない……
「それで昨日、今日発表するって一足先にペット保持者にメールが一斉送信されたみたいです。」
急なことでGMコールが出来なく連れていかれた子も居るみたいで、その子の対応もするみたいです。
「……そう、だったんですね」
「人事じゃないので、対策は助かります。」
連れていかれた子、泣いてたって言ってました…
私ももふもふが連れていかれたらって思うと…
我関せずあむあむクッキー食べるもふもふ。
お尻ごと尻尾フリフリするもふもふは口周りにクッキーのカスをいっぱい付けていて。
立ち上がりもっとー!とねだる。
はいはい、2枚目。
「スイさんは、大丈夫でしたか?」
「私ですか?私は…………」
もふもふ抱っこでお散歩中に男性プレイヤー2人、女性プレイヤー1人の3人チームに大通りで襲われる。
リード欲しいなぁー、なんて思っていた時だった。
いきなり腕を掴まれた隙にもふもふの首を掴まれ引っ張られる。
もふもふの悲鳴が響き周囲のNPCやプレイヤーが気づいた。
増えてきたからか、すぐにNPCが衛兵を呼ばないと!と走り出し泣いて暴れるもふもふを女性プレイヤーに渡した3人は逃げようとする。
女性プレイヤー満面の笑みだったが、ガチで噛むもふもふに女性プレイヤー出血。
振り向きお怒りのスイが降臨。
すぐに走りより蹴り飛ばし殴り飛ばし締め上げもふもふ救出。
怖くて震えるもふもふを見てスイの怒り収まらず……
スキルを使ってないのにその素晴らしい腕力が唸りをあげて武器防具破壊し、ボコボコにのした所で衛兵到着。
すぐさまGMコールしてお怒りのスイは運営に文句を言った。
ちなみに、3人のプレイヤーは街中の為死に戻りは出来ず意識ある間スイの鬼の形相を見ながらボコられていた。
トラウマになるだろう、周囲はドン引きである。
しかし、同情の余地なし。
流石にやりすぎ、と運営から苦笑を貰い何故か注意を受けたのはスイだったが、納得いかない!とふんすふんすしていた。
「………と、いう理不尽にも私が怒られました。」
「………うーん、災難でしたね(盗んだ人、相手を間違えましたねぇ…)」
「ですよねー!もぅ!あ、すぐにその3人はNGにしたのでお店には来れません!」
キリッ!と話すスイにリィンは頷いた。
あの時の囲まれて震えていた可愛いスイはもういない、鬼と化した。
怒りに溢れているスイにもふもふは首を傾げて3枚目のクッキーをねだる。
ちょーだい、ちょーだい!
手でちょいちょい!
かわい!!!
「喉詰まるから、お水のんで」
差し出したお皿に顔面突っ込むもふもふ。
毛が長いため首元まで濡れて顔を上げたらベチャベチャ、したたっている。
すぐにハンカチで拭くが、もふもふはヘレヘレと舌を上下させた。
【やぁ、プレイヤーの諸君!!】
響き渡るゲームマスターの声にスイは顔を上げた。
すぐさまもふもふを抱き上げてリィンと共に部屋を出る。
食事中のプレイヤーや、仕事中のみんなも手を止めて外に出ていった。
「なんだ?一体」
カガリがそう呟くと、ゲームマスターが空に浮かんで現れた。
巨大化していて全員がゲームマスターを良く見える。
【やぁみんなイベントぶりだね!今回はね、おいたが過ぎるプレイヤーが増えてきたからその対処だよー!何人かが持ってるペットが盗まれるっていうのが頻発してるからね!それと!ペットを飼育していく場合の注意事項も伝えるよ!】
ぴっ!と人差し指を立てて言ったゲームマスターに、何人かがピクリと反応していた。
【まずはね……】
⚫ペットが飼い主から一定距離離れた場合、無条件で飼い主の元へワープするよ!だから、以前盗まれた子たちは僕が消えてから戻ってくるからね!
⚫ペット盗難は立派な犯罪、盗難は今後減るかもだけど別のペット犯罪にも適用する。例えば殺傷。
また、飼い主からの虐待や飼育をちゃんとしない等もペナルティあり。
以下内容は…
加害者であるペット誘拐犯は飼い主に迷惑料として所持金の半分とレア装備か道具の譲渡。
禁固刑3日に今後半年ペットとの触れ合い一切禁止。
⚫ペットショップオープン後の触れ合いも含まれ、頭の上の名前の所にペット犯罪と半年間表示される。
⚫ペット犯罪を3回した人は一定期間ログイン禁止。これは行った犯罪によって期間が決まります。
⚫ペットの譲渡は禁止、やむを得ないときはペットショップを経由して話し合いの実施を可能とする。(必ず第三者を混じえること。)
⚫プレイヤーが長時間ログインしなかった場合、ペットは飢餓状態となり親密度が大幅に減少。最悪ペットロストの可能性があります。一緒にいる時は好みを把握し食事などをあげてください。長時間ログインしない場合や、長期クエストの際はペットホテルの使用などを行う。
【これがペナルティだよ!盗まれた子達は帰ってくるからそこは安心してね!そして、再三他の犯罪を繰り返している人にも今後このログイン禁止が適用されるから注意!だよ!】
ペットを盗まれペットロスしている人は嬉しさに泣き崩れた。
【あとは、おまたせ!ペットショップのオープン!!明日の10時からオープン、オープンセールをするからぜひ来てね!ペットがいない子も楽しめると思うよ!
残念ながらペットは非売品、今後もペットはイベントの報酬としてゲット出来るから楽しみにしてて!】
【あとは、また別の案件でおいたをしているプレイヤーの報告をうけているから、順次対処するよ!お知らせはおしまい!】
それじゃ、ゲーム楽しんでね!
明るいチャラリラと音を響かせながらゲームマスターが消えた瞬間、スイの隣にいた女性プレイヤーの腕の中が光った。
そして、真っ白な猫が現れる。
「っ!しろぉぉ!!」
ぎゅっ!と抱きしめ泣き出したプレイヤーに、周りは良かった…と見つめ、猫はキョロキョロした後飼い主を見て泣き出し頭を擦り付けた。
にゃあにゃあ!(ご主人様!こわかったぁ!!)
「ねぇ、暖かい飲み物とスイーツサービスするから、休んでいって。ね?」
そっとクリスティーナが肩を抱いてかおをのぞき込むと、そのプレイヤーは泣きながらクリスティーナを見て頷いた。
「良かった、良かったねぇ」
スイはもふもふを同じように抱きしめてそのプレイヤーを見送り、リィンも頷き、つられてもふもふの頭を撫でる。
クリンとした目がリィンを見つめた。
「ペット犯罪なんて、天罰くらえばいいんだよ……」
真っ黒スイが呟いたように、ペット犯罪と書かれたプレイヤーは多くの人に嫌がられプレイヤー出店のお店にはそれだけでお店使用禁止も出された。
ちなみに、フェアリーガーデンもカガリ、セラニーチェ、スイの強い要望によりペット犯罪は全面使用禁止である。
もふもふの皆様は偉大だ。
「安心しましたねぇ」
「対処が早くて良かったですね!」
「ほんとです。この子が攫われるとかなったら……あのこの気持ちが良くわかります」
穏やかにもふもふを撫でて微笑むスイに、リィンはきっと泣き崩れるより殴り飛ばすんだろうなぁ…と紅茶ごと言葉を飲み込んだ。
応援ありがとうございます!
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