12 / 77
2.ヒノモトオンライン
2-6
しおりを挟む
焦る僕を置き去りにして、メイくんの注文は続く。こうなったメイくんを止めることは誰にもできない。というか、そもそも自分のウインドウは自分以外は見えないはず。つまりメイくんは、脳内の想像だけでここまでの要求ができてしまうということになる。なんてすさまじいイメージ力なんだ。僕にはとても真似できそうにない。
「――で、そこを変えたら最後にオッケー」
「最後にオッケー……あ! 流れでついオッケー押しちゃった!」
メイくんの自然な誘導に流されて、僕はウインドウに表示された「これでよろしいですか?」という最終確認に「はい」で答えてしまった。
その瞬間、まるでカメラのフラッシュをたかれたかのように、世界が真っ白になる。思わずぎゅっと目を閉じた僕の全身を、大きな羽がなでていくような不思議な感覚がして――やがて、世界が元の明るさを取り戻した。
「うわあ……」
いつの間にか、目の前のウインドウが鏡のようになっている。そこには、巫女とはまた百八十度もイメージが違う女の子が映っていた。
基本的なベースは学ランだけど、ズボンの丈は膝上。編み上げブーツというのも、メイくんの希望そのままだ。これまたメイくんの希望どおり、ラジオ巻きの髪型の上に、学帽がちょこんと乗っている。なにより目を引くのは、学ランの上に着た袖ありのマントだ。ピンクから赤、そして紫へと変わるグラデーションは、言葉で説明すると派手なようにも思えるけど、実際に見ると絶妙な上品さを保っている。花をモチーフにした模様も添えてあるので、まるで豪華絢爛な着物を羽織っているようだった。
客観的かつ正直に言うと、とてもかわいい。けれど、僕の口から真っ先に出てきた感想はといえば――。
「あ、足が! 足がスースーする……!」
「おー、かわいい」
「おっかしいな、僕はカッコよくなりたかったはずなんだけど……ちなみに、このカスタマイズってあとから修正はできる?」
「できるけど、お金と特殊なアイテムが必要だから今は無理」
「そっかー!」
というようなことで大幅に時間を消費してしまったけど、僕たちの本日の目的はイベントを楽しむことだ。基本的に戦闘にしか興味のないメイくんの気が変わらないうちにと、僕は彼の背中を押しながら橋を後にするのだった。
……うう、やっぱり足がスースーして落ちつかないです。
「――で、そこを変えたら最後にオッケー」
「最後にオッケー……あ! 流れでついオッケー押しちゃった!」
メイくんの自然な誘導に流されて、僕はウインドウに表示された「これでよろしいですか?」という最終確認に「はい」で答えてしまった。
その瞬間、まるでカメラのフラッシュをたかれたかのように、世界が真っ白になる。思わずぎゅっと目を閉じた僕の全身を、大きな羽がなでていくような不思議な感覚がして――やがて、世界が元の明るさを取り戻した。
「うわあ……」
いつの間にか、目の前のウインドウが鏡のようになっている。そこには、巫女とはまた百八十度もイメージが違う女の子が映っていた。
基本的なベースは学ランだけど、ズボンの丈は膝上。編み上げブーツというのも、メイくんの希望そのままだ。これまたメイくんの希望どおり、ラジオ巻きの髪型の上に、学帽がちょこんと乗っている。なにより目を引くのは、学ランの上に着た袖ありのマントだ。ピンクから赤、そして紫へと変わるグラデーションは、言葉で説明すると派手なようにも思えるけど、実際に見ると絶妙な上品さを保っている。花をモチーフにした模様も添えてあるので、まるで豪華絢爛な着物を羽織っているようだった。
客観的かつ正直に言うと、とてもかわいい。けれど、僕の口から真っ先に出てきた感想はといえば――。
「あ、足が! 足がスースーする……!」
「おー、かわいい」
「おっかしいな、僕はカッコよくなりたかったはずなんだけど……ちなみに、このカスタマイズってあとから修正はできる?」
「できるけど、お金と特殊なアイテムが必要だから今は無理」
「そっかー!」
というようなことで大幅に時間を消費してしまったけど、僕たちの本日の目的はイベントを楽しむことだ。基本的に戦闘にしか興味のないメイくんの気が変わらないうちにと、僕は彼の背中を押しながら橋を後にするのだった。
……うう、やっぱり足がスースーして落ちつかないです。
0
あなたにおすすめの小説
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
アリアさんの幽閉教室
柚月しずく
児童書・童話
この学校には、ある噂が広まっていた。
「黒い手紙が届いたら、それはアリアさんからの招待状」
招かれた人は、夜の学校に閉じ込められて「恐怖の時間」を過ごすことになる……と。
招待状を受け取った人は、アリアさんから絶対に逃れられないらしい。
『恋の以心伝心ゲーム』
私たちならこんなの楽勝!
夜の学校に閉じ込められた杏樹と星七くん。
アリアさんによって開催されたのは以心伝心ゲーム。
心が通じ合っていれば簡単なはずなのに、なぜかうまくいかなくて……??
『呪いの人形』
この人形、何度捨てても戻ってくる
体調が悪くなった陽菜は、原因が突然現れた人形のせいではないかと疑いはじめる。
人形の存在が恐ろしくなって捨てることにするが、ソレはまた家に現れた。
陽菜にずっと付き纏う理由とは――。
『恐怖の鬼ごっこ』
アリアさんに招待されたのは、美亜、梨々花、優斗。小さい頃から一緒にいる幼馴染の3人。
突如アリアさんに捕まってはいけない鬼ごっこがはじまるが、美亜が置いて行かれてしまう。
仲良し3人組の幼馴染に一体何があったのか。生き残るのは一体誰――?
『招かれざる人』
新聞部の七緒は、アリアさんの記事を書こうと自ら夜の学校に忍び込む。
アリアさんが見つからず意気消沈する中、代わりに現れたのは同じ新聞部の萌香だった。
強がっていたが、夜の学校に一人でいるのが怖かった七緒はホッと安心する。
しかしそこで待ち受けていたのは、予想しない出来事だった――。
ゾクッと怖くて、ハラハラドキドキ。
最後には、ゾッとするどんでん返しがあなたを待っている。
黒地蔵
紫音みけ🐾書籍発売中
児童書・童話
友人と肝試しにやってきた中学一年生の少女・ましろは、誤って転倒した際に頭を打ち、人知れず幽体離脱してしまう。元に戻る方法もわからず孤独に怯える彼女のもとへ、たったひとり救いの手を差し伸べたのは、自らを『黒地蔵』と名乗る不思議な少年だった。黒地蔵というのは地元で有名な『呪いの地蔵』なのだが、果たしてこの少年を信じても良いのだろうか……。目には見えない真実をめぐる現代ファンタジー。
※表紙イラスト=ミカスケ様
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
王女様は美しくわらいました
トネリコ
児童書・童話
無様であろうと出来る全てはやったと満足を抱き、王女様は美しくわらいました。
それはそれは美しい笑みでした。
「お前程の悪女はおるまいよ」
王子様は最後まで嘲笑う悪女を一刀で断罪しました。
きたいの悪女は処刑されました 解説版
クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました
藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。
相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。
さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!?
「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」
星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。
「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」
「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」
ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や
帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……?
「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」
「お前のこと、誰にも渡したくない」
クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる