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いただきます②
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レイモンド反省中
◇
レイモンド視点
彼女が悪夢を見て自分も彼女を傷つけていたんだと。
彼女が『悪いこと』をしたからって寄ってたかってお嬢様を虐める...
今一番彼女に近い俺がそれをすればそれは紛れもなく裏切りだ。
彼女なんて憎いし、自己中だから、嫌いだと思っていた。
でも違う。
違った。
彼女は世界にただ一人俺のご主人であって、守らなきゃいけない存在。
時には涙して、時には怒るそこらの少女となんら変わりないか弱い女性。
俺はあの時、ハッキリ俺は何があってもお嬢様を裏切らないと断言しておけば良かったと激しく後悔していた。
◇
でも...結局俺を人間な訳で、欲には逆らえなかった...
情けない。
迷惑をかけちゃいけないのに、前と違ってお嬢様は俺が罰を受けることを望んでいないのに。
自己中なのは俺だったんだな。
憎いだの、嫌いだの、なんだのケチをつけて結局はお嬢様に与えられてばっかりだったんだ。
今度は俺がお嬢様に何かしてあげなくちゃ。
嫌われてはいないんだと思う。
でもいつ嫌われてもおかしくない。
いつ捨てられてもおかしくない。
捨てられるのが怖いなんて...こんなこと思ったの初めてだ。
正直子爵家、実家は俺が愛人の子だからと誰もが俺を嫌っていらないと言った。
だからむしろ捨てて欲しいなんて思った。
でもお嬢様には情けないほど執着している。
この感情にはもう気付いているけど、言ってしまえばもう元には戻れない。
何よりお嬢様には婚約者がいる。
だからこんな真似、今日で終わりにしよう。
今日で終わりにするから最後にいい思い出をくれ、
リリアンナ。
◇
「お嬢様...。」
「なに?」
なんて伝えればいいのだろう。
「手伝ってください」
「..//わかった」
ああ、可愛いなぁ。
こんなことで照れて。
俺がこんな立場じゃなければ溺れるほど愛せるのに。
俺は無言で彼女の手を引く。
そして静かにベットに押し倒す。
「え?ちょ、貴方?んぅ、むぅ」
貴方という呼び方が気に入らなくて強引に唇を塞ぐ。
「レイ。そう呼べ。俺も今日だけはリリアンナって呼ばせてくれ」
「?いいけど...どうしたの?様子が変っんぅ...」
「っ、はぁ...」
駄目だなぁ、と心の中で呟く。
キス一つでこんなにも俺を夢中にさせる。
荒々しく俺は執事の服を脱ぎ捨てた。
彼女は無意識にうっとりした顔をして俺の腹筋に手を伸ばす。
「気になるか?」
「はっ、だって絵に描いたように綺麗に割れてるから」
「それは嬉しいな、鍛えておいて正解だったな。初めて得をした。」
「っ...!なんか今日雰囲気が違う...ちょっと怖い」
怖い、と言われて俺はぴくりと震える。
もう泊まれる自信がないんだが...
いっそのこと今泣いてくれないかな...自制が効かなくなりそうだ。
「嫌なら思いっきり俺を殴って泣け。」
「べ、別に嫌じゃないけど、かっこ良すぎて怖い...」
「っ!!お前は...」
俺を萌え殺す気か...
やばい、本当に自制が効かなくなってしまった。
「ごめん」
一言ボソリと謝罪して少し乱暴な手つきで彼女の胸を弄る。
「いつのまにかこんなデカくなったんだろうな」
「貴方...レイこそいつのまにこんな技術身につけたのよ」
「技術?」
「だって...キスとかうまいし、すごい気持ちいい...から」
「...お前は、」
「?」
「どうして俺がキスがうまいと思った?」
向けちゃいけないはずの感情が心の底から湧いて出てしまう。
「?」
まだ言いたいことがわからないみたいだ。
「くらべる相手でも...いるのか?」
「!!まさか。私みたいなの相手してくれるのはレイだけだよ。」
「本当...か?」
「うん」
「はぁぁぁぁ!よかっ....た」
ということは...と、関連づけて聞いてみる。
「ファーストキスも、俺...なのか?」
「...///うん」
嬉しくって緩み切った顔を見られたくなくて、思いっきりギュッと抱きしめる。
「く、苦しいよ...」
「ご、ごめん。嬉しくて」
「そ、それって...もしかして...」
いうつもりじゃなかったんだが、どうやらこれはもう言い逃れできないな。
「ああ。そうだ。お前が好きだ。リリアンナ」
「!!...あの、」
「どうした?」
「気持ちは嬉しいんだけど...」
「知ってる。お前は婚約者が好きなんだろう?」
わかっていても辛い。
「ち、違う!」
「...」
突然の否定に俺はどうしていいか、黙りこくる。
「わ、私もしかしたらみんなに酷いことするかもしれないし、迷惑をかけるかもしれない。そもそもこの気持ちがレイを好きっていうことだとかもよくわかんない」
「...」
黙りながら相槌を打つ。
「だ、だから...わたし、もし勘違いだったら、レイをがっかりさせるんじゃないかって怖い。だから、この気持ちがハッキリするまで待って欲しい。」
予想以上のコメントだ...
「はははっ、くくくっ、ふははははっ!」
「え...?」
「お前は俺の想像の斜め上をいくな。今はその返事がもらえるだけでいい。今日はもう寝ようか。俺のお嬢様」
「...おやすみ」
「おやすみなさいませ」
◇
リリアンナ視点
本当はあの流れで抱いて欲しかったとか言う贅沢な我儘は墓まで持ってごうかな。
そんなことより。とリリアンナはお決まりのイベントを始めた。
まじで顔綺麗....
まつげ長い...
「よっと...」
髪の毛も固そうに見えて柔らかい。
触り心地がいい。フワフワだあ...。
そしてテンプレ通りレイのまぶたがパチリと開いた。
◇
レイモンド視点
彼女が悪夢を見て自分も彼女を傷つけていたんだと。
彼女が『悪いこと』をしたからって寄ってたかってお嬢様を虐める...
今一番彼女に近い俺がそれをすればそれは紛れもなく裏切りだ。
彼女なんて憎いし、自己中だから、嫌いだと思っていた。
でも違う。
違った。
彼女は世界にただ一人俺のご主人であって、守らなきゃいけない存在。
時には涙して、時には怒るそこらの少女となんら変わりないか弱い女性。
俺はあの時、ハッキリ俺は何があってもお嬢様を裏切らないと断言しておけば良かったと激しく後悔していた。
◇
でも...結局俺を人間な訳で、欲には逆らえなかった...
情けない。
迷惑をかけちゃいけないのに、前と違ってお嬢様は俺が罰を受けることを望んでいないのに。
自己中なのは俺だったんだな。
憎いだの、嫌いだの、なんだのケチをつけて結局はお嬢様に与えられてばっかりだったんだ。
今度は俺がお嬢様に何かしてあげなくちゃ。
嫌われてはいないんだと思う。
でもいつ嫌われてもおかしくない。
いつ捨てられてもおかしくない。
捨てられるのが怖いなんて...こんなこと思ったの初めてだ。
正直子爵家、実家は俺が愛人の子だからと誰もが俺を嫌っていらないと言った。
だからむしろ捨てて欲しいなんて思った。
でもお嬢様には情けないほど執着している。
この感情にはもう気付いているけど、言ってしまえばもう元には戻れない。
何よりお嬢様には婚約者がいる。
だからこんな真似、今日で終わりにしよう。
今日で終わりにするから最後にいい思い出をくれ、
リリアンナ。
◇
「お嬢様...。」
「なに?」
なんて伝えればいいのだろう。
「手伝ってください」
「..//わかった」
ああ、可愛いなぁ。
こんなことで照れて。
俺がこんな立場じゃなければ溺れるほど愛せるのに。
俺は無言で彼女の手を引く。
そして静かにベットに押し倒す。
「え?ちょ、貴方?んぅ、むぅ」
貴方という呼び方が気に入らなくて強引に唇を塞ぐ。
「レイ。そう呼べ。俺も今日だけはリリアンナって呼ばせてくれ」
「?いいけど...どうしたの?様子が変っんぅ...」
「っ、はぁ...」
駄目だなぁ、と心の中で呟く。
キス一つでこんなにも俺を夢中にさせる。
荒々しく俺は執事の服を脱ぎ捨てた。
彼女は無意識にうっとりした顔をして俺の腹筋に手を伸ばす。
「気になるか?」
「はっ、だって絵に描いたように綺麗に割れてるから」
「それは嬉しいな、鍛えておいて正解だったな。初めて得をした。」
「っ...!なんか今日雰囲気が違う...ちょっと怖い」
怖い、と言われて俺はぴくりと震える。
もう泊まれる自信がないんだが...
いっそのこと今泣いてくれないかな...自制が効かなくなりそうだ。
「嫌なら思いっきり俺を殴って泣け。」
「べ、別に嫌じゃないけど、かっこ良すぎて怖い...」
「っ!!お前は...」
俺を萌え殺す気か...
やばい、本当に自制が効かなくなってしまった。
「ごめん」
一言ボソリと謝罪して少し乱暴な手つきで彼女の胸を弄る。
「いつのまにかこんなデカくなったんだろうな」
「貴方...レイこそいつのまにこんな技術身につけたのよ」
「技術?」
「だって...キスとかうまいし、すごい気持ちいい...から」
「...お前は、」
「?」
「どうして俺がキスがうまいと思った?」
向けちゃいけないはずの感情が心の底から湧いて出てしまう。
「?」
まだ言いたいことがわからないみたいだ。
「くらべる相手でも...いるのか?」
「!!まさか。私みたいなの相手してくれるのはレイだけだよ。」
「本当...か?」
「うん」
「はぁぁぁぁ!よかっ....た」
ということは...と、関連づけて聞いてみる。
「ファーストキスも、俺...なのか?」
「...///うん」
嬉しくって緩み切った顔を見られたくなくて、思いっきりギュッと抱きしめる。
「く、苦しいよ...」
「ご、ごめん。嬉しくて」
「そ、それって...もしかして...」
いうつもりじゃなかったんだが、どうやらこれはもう言い逃れできないな。
「ああ。そうだ。お前が好きだ。リリアンナ」
「!!...あの、」
「どうした?」
「気持ちは嬉しいんだけど...」
「知ってる。お前は婚約者が好きなんだろう?」
わかっていても辛い。
「ち、違う!」
「...」
突然の否定に俺はどうしていいか、黙りこくる。
「わ、私もしかしたらみんなに酷いことするかもしれないし、迷惑をかけるかもしれない。そもそもこの気持ちがレイを好きっていうことだとかもよくわかんない」
「...」
黙りながら相槌を打つ。
「だ、だから...わたし、もし勘違いだったら、レイをがっかりさせるんじゃないかって怖い。だから、この気持ちがハッキリするまで待って欲しい。」
予想以上のコメントだ...
「はははっ、くくくっ、ふははははっ!」
「え...?」
「お前は俺の想像の斜め上をいくな。今はその返事がもらえるだけでいい。今日はもう寝ようか。俺のお嬢様」
「...おやすみ」
「おやすみなさいませ」
◇
リリアンナ視点
本当はあの流れで抱いて欲しかったとか言う贅沢な我儘は墓まで持ってごうかな。
そんなことより。とリリアンナはお決まりのイベントを始めた。
まじで顔綺麗....
まつげ長い...
「よっと...」
髪の毛も固そうに見えて柔らかい。
触り心地がいい。フワフワだあ...。
そしてテンプレ通りレイのまぶたがパチリと開いた。
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