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五章 深川めし
五章 深川めし(4)
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三
翌日、土曜日、私が起きたのは昼すぎだった。
脈々と思い悩んでいるうちに、いつの間にか寝られていたらしい。
ただ、たっぷり寝たはずだが、まだはっきり体が重かった。でも、出かける準備を始めなければいけない。のそりと腕を支えに上半身を起こしたところで、気がついた。
今日はバイトがないのだった。ならば、他にすることもない。この三ヶ月ですっかり『郷土料理屋・いち』で働くことが、私の生活の中心になっていたみたいだ。
私は枕に頭を預けなおす。それから、もう一度眠ろうと目を閉じた。
けれど、身体と違って頭はもう冴えていた。また昨日と同じ、ネガティブな思考が垂れ込めてくる。
それで仕方なく、私はのろのろと起き上がった。顔を洗えば少しは変わるかもしれない。洗面所へと向かうため、リビングルームへ出る。
「結衣~、ちょっと寝すぎじゃない?」
思いがけず、叔母に出くわした。
母とソファ席に並んで、ワイドショーを見ている。二人して、同じせんべいを手に持っていた。
「……おばさん、なにしてるの」
「前にも聞いたなぁそういう感じのセリフ。結衣が起きるのを待ってたんだよ」
「……えっと?」
「ご飯行こうよ、これから! とっておきのランチを見つけたのよ。どうせ暇でしょ?」
叔母はにっこり笑って、得意顔でそのお店の特徴を説明しはじめる。
全く頭に入ってこなかった。正直なところ、楽しくランチなどという気分ではない。断ろうとしたのだけれど、
「結衣、お姉ちゃんに迷惑かけないでよ」
「心配ないない。結衣ももう大人よ。あ、むしろ私がかけちゃうかも」
「お姉ちゃんも昼からお酒飲み過ぎたらダメだからね」
母までもが叔母の背中を押して、言い出せる流れでもなくなっていた。
叔母は、はいはいと母の肩を気やすそうに叩く。
話でこそ聞いていたが、二人が仲睦まじくしている光景を目にするのは、初めてだった。もうギスギスと言葉一つ交わさなかった頃の影もない。
「ほら結衣、早く着替えてきなさい。ランチ三時までなんだから、もたもたしてたら終わっちゃうわ」
「……うん」
呆気にとられているうち、思わず頷いてしまった。
叔母に連れられて、まだ雨の降り続く外に出る。
お昼時の上野御徒町は、昼休みの会社員たちや主婦で賑わっていた。それらを横目に、叔母はアメ横通りへと入る。
たくさんのご飯屋さんが居並ぶ中、迷わず進む先は、『郷土料理屋・いち』の方角だ。
「おばさん、私今日はバイトには行かないつもりで」
「あら、そうなの? でも大丈夫、あんたのバイト先には行かないわよ。だいたいランチ営業してないでしょ」
そう言いながらも、店へとどんどん近づく。もう角を折れればお店というところで、その高いヒールは止まった。
「ここ来たかったのよね」
叔母が指差したのは、表のフレンチ料理屋だった。相変わらず、ド派手な看板が扉の前に据えてある。
「べ、別のところにしない?」
私は一歩後ずさる。
ここの店主とは、春先にお店で一悶着あったのだ。因縁ができてしまっている。もしかすると顔を覚えられていて、目の敵にされているかもしれない。
「残念。もう予約してあるから」
だが、叔母は先々入っていく。扉の前で立ち尽くしていると、
「早く入りな~。なんだか知らないけど」
中から叔母が私の腕を引いた。
店内は、外見に違わず、明るい色味でまとめられていた。案内してくれたのは、前にお店にきた男とは別の店員で、ほっと胸を下ろす。
けれど、安心したところに、落とし穴は待っていた。
「前菜のオードブルでございます」
料理を持ってきたのは、前に店へ来た男だったのだ。格好こそ今回はシェフらしく白衣だったが、その顔はよく覚えていた。
叔母に料理の説明を聞くのは任せて、気づかれまいと、私は目を合わせない。
「──以上が前菜となります。ではごゆっくりと」
どうにかやり過ごせたと思っていたら、男の頭が深々と下がった。
「この間は申し訳ありませんでした、無礼を詫びさせてください。佐田様」
唐突な謝罪の言葉は、明白に私へ向けられていた。
「結衣、知り合いだったのね。なんかされたの?」
叔母がきょとんとして言う。
事情は、男が話してくれた。言い訳なく、全面的に自分が悪いとまた謝る。私は固まるしかなかった。
この間の傲慢さからは想像つかないほど、丁寧な態度だ。
「あの時はどうかしてました。目を覚まさせてくれて、ありがとうございました。あれから、汚いことからは足を洗って、ちゃんと料理に取り組むようになったんです」
「……私は何もしてませんし。お礼なら江本さんに言ってください」
実際、あの時の私は、客相手によくない態度を取ってしまっただけだ。江本さんがフォローしてくれなかったら、場が荒れるだけで終わっていただろう。
「ははっ、同じようなことを言いますね。この間、店長さんも礼を言うならあなたにとおっしゃっていました」
「江本さんがそんなことを?」
「はい、この間、裏口でばったりと会いまして。ですが、私はどちらにも感謝しております。あなたがあそこで叱ってくれなかったら、今もまだ大事なことに気付けなかったかもしれないですから」
男は感慨深そうに店全体を見回す。ほとんどの席が埋まっていた。どの席でも客が楽しそうに食事をしている。
「美味しいご飯をどう食べてもらうか、それだけ考えてやるようにしていたら、店の評判が上がってきたんです。評判に一喜一憂していたときより、ずっとよくなりました」
「……よかったですね」
「はい。先だっては、そちらには大変ご迷惑をおかけしました。今日のお代はいただきませんので、ごゆっくりなさってください。では、これで失礼します」
男の顔に浮かんでいた笑顔に、あの時の意地悪さはもうなかった。
「これが無料になるって、結衣さまさまね♪」
叔母は、フォークに挿した生ハム巻きを少し遊ばせて言う。
「すごいじゃない、結衣のおかげだって言い切ってたわね。ま、私も助けてもらった一人だけど」
「おばさんは分かってるでしょ。ほとんど江本さんのおかげで」
「ううん、そうは思わないわよ。加奈子と仲直りできたのは、二人のおかげだと思ってるわ。あなたたちコンビのね」
私は黙って、叔母と同じように生ハム巻きに手をつける。
感謝されるのは嬉しいけれど、もう辞めようかとまで考えているのだ。今さらコンビを褒められても、ただ喜ぶだけとはいかない。
「で、どうしたの。もしかしてお店でなにかあった?」
叔母が投げかけたのは、そんな私の葛藤を見透かすような一言だった。私は驚いて、ま だ物が詰まったままの口を開く。
「……え。なんでそれ分かるの」
「大切にしてきた姪っ子のことよ? それくらい顔見てたら分かるわよ。結衣、分かりやすいし。それでなにがあったの? 話してみな」
優しい声音だった。叔母は、頬を少しだけ緩める。
この表情には、昔から弱かった。どんなことでも聞いてくれそうな気がするのだ。だからこれまで、叔母に悩み事を秘密にできた試しがない。
今回もそうだった。情けないけれど、洗いざらい話してしまいたくなっていた。
ひふみさんのこと、達輝に告白されたこと、店での脅迫事件のこと、全てを打ち明ける。
そうしているうちに、魚料理までが届いた。手をつけずに、最後まで聞いてから、叔母は私を見つめる。
「それで、結衣はどうしたいの」
「え、私?」
「そうよ。私は結衣がしたいようにするのが一番だと思うけど」
少し投げやりな言葉にも聞こえた。そうもいかないから悩んでいるのだ。
「全部まとめて考えるからよくないの。一つずつ、結衣自身がどうしたいか考えるといいわ。でも、誰かに遠慮するのはナシよ。そんなことしたって、いいこと待ってないんだから」
叔母の言葉には、実感が篭っているようだった。真剣な目で言って、それからテーブルの上に置いていた私の手をそっと握る。
「したいようにして、もしなにかあったら一緒に背負ってあげるわ。結衣は可愛い姪でも、恩人でもあるからね」
「……おばさん」
簡単に泣きそうになってしまった。顔を伏せた私の頭を、叔母はぽんと叩く。
「さっ、とりあえず食べようか。冷めたらもったいない」
フォークとナイフをナプキンに乗せて、私に渡してくれた。冷めると言った割に、彼女自身はスマホを取り出して、写真撮影をしていたけれど。彼氏にでも送るのだろう。
フレンチのコースは、メインの肉料理はもちろん、最後に出てきたコーヒーまで、どれも美味しかった。
一品ずつ、順番に食べながら、私は一つ一つどうしたいかを考えた。できるできないはさておき、したいことは全て単純だった。やってやれないこともない気がしてくる。
「また来ようね、ここ。すごい美味しかったわ」
「そうだね。でも次は無料じゃないよ、たぶん」
「分かってるわよ」
フレンチ店を出る。ちらりと『郷土料理屋・いち』のある裏通りに目をやっていたら、
「おっ偶然だねっ!」
不意に横から声がかかった。叔母ではない、跳ねるような調子だ。
「やっほ~、ランチ終わり?」
振り返ったところにいたのは、ひふみさんだった。
翌日、土曜日、私が起きたのは昼すぎだった。
脈々と思い悩んでいるうちに、いつの間にか寝られていたらしい。
ただ、たっぷり寝たはずだが、まだはっきり体が重かった。でも、出かける準備を始めなければいけない。のそりと腕を支えに上半身を起こしたところで、気がついた。
今日はバイトがないのだった。ならば、他にすることもない。この三ヶ月ですっかり『郷土料理屋・いち』で働くことが、私の生活の中心になっていたみたいだ。
私は枕に頭を預けなおす。それから、もう一度眠ろうと目を閉じた。
けれど、身体と違って頭はもう冴えていた。また昨日と同じ、ネガティブな思考が垂れ込めてくる。
それで仕方なく、私はのろのろと起き上がった。顔を洗えば少しは変わるかもしれない。洗面所へと向かうため、リビングルームへ出る。
「結衣~、ちょっと寝すぎじゃない?」
思いがけず、叔母に出くわした。
母とソファ席に並んで、ワイドショーを見ている。二人して、同じせんべいを手に持っていた。
「……おばさん、なにしてるの」
「前にも聞いたなぁそういう感じのセリフ。結衣が起きるのを待ってたんだよ」
「……えっと?」
「ご飯行こうよ、これから! とっておきのランチを見つけたのよ。どうせ暇でしょ?」
叔母はにっこり笑って、得意顔でそのお店の特徴を説明しはじめる。
全く頭に入ってこなかった。正直なところ、楽しくランチなどという気分ではない。断ろうとしたのだけれど、
「結衣、お姉ちゃんに迷惑かけないでよ」
「心配ないない。結衣ももう大人よ。あ、むしろ私がかけちゃうかも」
「お姉ちゃんも昼からお酒飲み過ぎたらダメだからね」
母までもが叔母の背中を押して、言い出せる流れでもなくなっていた。
叔母は、はいはいと母の肩を気やすそうに叩く。
話でこそ聞いていたが、二人が仲睦まじくしている光景を目にするのは、初めてだった。もうギスギスと言葉一つ交わさなかった頃の影もない。
「ほら結衣、早く着替えてきなさい。ランチ三時までなんだから、もたもたしてたら終わっちゃうわ」
「……うん」
呆気にとられているうち、思わず頷いてしまった。
叔母に連れられて、まだ雨の降り続く外に出る。
お昼時の上野御徒町は、昼休みの会社員たちや主婦で賑わっていた。それらを横目に、叔母はアメ横通りへと入る。
たくさんのご飯屋さんが居並ぶ中、迷わず進む先は、『郷土料理屋・いち』の方角だ。
「おばさん、私今日はバイトには行かないつもりで」
「あら、そうなの? でも大丈夫、あんたのバイト先には行かないわよ。だいたいランチ営業してないでしょ」
そう言いながらも、店へとどんどん近づく。もう角を折れればお店というところで、その高いヒールは止まった。
「ここ来たかったのよね」
叔母が指差したのは、表のフレンチ料理屋だった。相変わらず、ド派手な看板が扉の前に据えてある。
「べ、別のところにしない?」
私は一歩後ずさる。
ここの店主とは、春先にお店で一悶着あったのだ。因縁ができてしまっている。もしかすると顔を覚えられていて、目の敵にされているかもしれない。
「残念。もう予約してあるから」
だが、叔母は先々入っていく。扉の前で立ち尽くしていると、
「早く入りな~。なんだか知らないけど」
中から叔母が私の腕を引いた。
店内は、外見に違わず、明るい色味でまとめられていた。案内してくれたのは、前にお店にきた男とは別の店員で、ほっと胸を下ろす。
けれど、安心したところに、落とし穴は待っていた。
「前菜のオードブルでございます」
料理を持ってきたのは、前に店へ来た男だったのだ。格好こそ今回はシェフらしく白衣だったが、その顔はよく覚えていた。
叔母に料理の説明を聞くのは任せて、気づかれまいと、私は目を合わせない。
「──以上が前菜となります。ではごゆっくりと」
どうにかやり過ごせたと思っていたら、男の頭が深々と下がった。
「この間は申し訳ありませんでした、無礼を詫びさせてください。佐田様」
唐突な謝罪の言葉は、明白に私へ向けられていた。
「結衣、知り合いだったのね。なんかされたの?」
叔母がきょとんとして言う。
事情は、男が話してくれた。言い訳なく、全面的に自分が悪いとまた謝る。私は固まるしかなかった。
この間の傲慢さからは想像つかないほど、丁寧な態度だ。
「あの時はどうかしてました。目を覚まさせてくれて、ありがとうございました。あれから、汚いことからは足を洗って、ちゃんと料理に取り組むようになったんです」
「……私は何もしてませんし。お礼なら江本さんに言ってください」
実際、あの時の私は、客相手によくない態度を取ってしまっただけだ。江本さんがフォローしてくれなかったら、場が荒れるだけで終わっていただろう。
「ははっ、同じようなことを言いますね。この間、店長さんも礼を言うならあなたにとおっしゃっていました」
「江本さんがそんなことを?」
「はい、この間、裏口でばったりと会いまして。ですが、私はどちらにも感謝しております。あなたがあそこで叱ってくれなかったら、今もまだ大事なことに気付けなかったかもしれないですから」
男は感慨深そうに店全体を見回す。ほとんどの席が埋まっていた。どの席でも客が楽しそうに食事をしている。
「美味しいご飯をどう食べてもらうか、それだけ考えてやるようにしていたら、店の評判が上がってきたんです。評判に一喜一憂していたときより、ずっとよくなりました」
「……よかったですね」
「はい。先だっては、そちらには大変ご迷惑をおかけしました。今日のお代はいただきませんので、ごゆっくりなさってください。では、これで失礼します」
男の顔に浮かんでいた笑顔に、あの時の意地悪さはもうなかった。
「これが無料になるって、結衣さまさまね♪」
叔母は、フォークに挿した生ハム巻きを少し遊ばせて言う。
「すごいじゃない、結衣のおかげだって言い切ってたわね。ま、私も助けてもらった一人だけど」
「おばさんは分かってるでしょ。ほとんど江本さんのおかげで」
「ううん、そうは思わないわよ。加奈子と仲直りできたのは、二人のおかげだと思ってるわ。あなたたちコンビのね」
私は黙って、叔母と同じように生ハム巻きに手をつける。
感謝されるのは嬉しいけれど、もう辞めようかとまで考えているのだ。今さらコンビを褒められても、ただ喜ぶだけとはいかない。
「で、どうしたの。もしかしてお店でなにかあった?」
叔母が投げかけたのは、そんな私の葛藤を見透かすような一言だった。私は驚いて、ま だ物が詰まったままの口を開く。
「……え。なんでそれ分かるの」
「大切にしてきた姪っ子のことよ? それくらい顔見てたら分かるわよ。結衣、分かりやすいし。それでなにがあったの? 話してみな」
優しい声音だった。叔母は、頬を少しだけ緩める。
この表情には、昔から弱かった。どんなことでも聞いてくれそうな気がするのだ。だからこれまで、叔母に悩み事を秘密にできた試しがない。
今回もそうだった。情けないけれど、洗いざらい話してしまいたくなっていた。
ひふみさんのこと、達輝に告白されたこと、店での脅迫事件のこと、全てを打ち明ける。
そうしているうちに、魚料理までが届いた。手をつけずに、最後まで聞いてから、叔母は私を見つめる。
「それで、結衣はどうしたいの」
「え、私?」
「そうよ。私は結衣がしたいようにするのが一番だと思うけど」
少し投げやりな言葉にも聞こえた。そうもいかないから悩んでいるのだ。
「全部まとめて考えるからよくないの。一つずつ、結衣自身がどうしたいか考えるといいわ。でも、誰かに遠慮するのはナシよ。そんなことしたって、いいこと待ってないんだから」
叔母の言葉には、実感が篭っているようだった。真剣な目で言って、それからテーブルの上に置いていた私の手をそっと握る。
「したいようにして、もしなにかあったら一緒に背負ってあげるわ。結衣は可愛い姪でも、恩人でもあるからね」
「……おばさん」
簡単に泣きそうになってしまった。顔を伏せた私の頭を、叔母はぽんと叩く。
「さっ、とりあえず食べようか。冷めたらもったいない」
フォークとナイフをナプキンに乗せて、私に渡してくれた。冷めると言った割に、彼女自身はスマホを取り出して、写真撮影をしていたけれど。彼氏にでも送るのだろう。
フレンチのコースは、メインの肉料理はもちろん、最後に出てきたコーヒーまで、どれも美味しかった。
一品ずつ、順番に食べながら、私は一つ一つどうしたいかを考えた。できるできないはさておき、したいことは全て単純だった。やってやれないこともない気がしてくる。
「また来ようね、ここ。すごい美味しかったわ」
「そうだね。でも次は無料じゃないよ、たぶん」
「分かってるわよ」
フレンチ店を出る。ちらりと『郷土料理屋・いち』のある裏通りに目をやっていたら、
「おっ偶然だねっ!」
不意に横から声がかかった。叔母ではない、跳ねるような調子だ。
「やっほ~、ランチ終わり?」
振り返ったところにいたのは、ひふみさんだった。
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