女装マニアな魔法使いが愛を伝道する

清十郎

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女装者の夢

第15話 念願の制服

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(これまでのあらすじ……)

 私は少年の持つ女性衣類について問いつめ、現場検証と称し女子テニス部室へ侵入、彼はテニススコートで自慰を繰り返し、更に、バレーのユニフォーム・レオタード姿となり、際限なく自慰にふけります。その間に私は少年のヴァージンを奪い、彼は新たな快感に目覚めます。現場検証が終わると、私は少年は再び裸のままで最初の部屋に戻し、彼の深夜の女装徘徊の行動分析を語り聞かせます。心の中まですべてを見透かされていることを知った少年は、再び恐怖に打ち震えます。

**********

 わたしは少年の前に、また、少女の下着一式を置きました。しかし、今度の下着は、彼も知らない、彼には見覚えのない下着を並べて置いたのでした。それは綺麗に畳まれたブラジャーとパンティとスリップでした。

「さあ、それに着替えて。もう、今更、恥ずかしがる必要はないでしょ。裸のままにいるよりは、気持ちもずっと楽になるわ。」

 確かに少年は、これまでにもさんざんに女装オナニーを狂ったようにやってきました。それもこの女性の見ている目の前で。この期に及んで恥ずかしがる理由は何もありません。

(本当に、今更だよな……。フルチンでいるよりはなぁ……。まだ、女子の格好でも、何かを着ている方が……。)

 その時、その下着一式を見た少年は「あること」に気付きました。しかし、すぐにその思いを打ち消して着替えに入ります。なぜなら、その不明確な「あること」よりも、本当はそれらの下着を早く着たくてたまらなかったからです。

(あれ? このスリップ……。いや、まさかね……。)

 ひとまず、少年は丸まって畳まれたパンティを手に取り、それを目の前で広げました。スリップのような白いトリコット生地で、フロントに控えめな白い刺繍柄の施された清楚なパンティでした。しかも、クロッチが広めに取ってあると思ったら、防水生地になった生理用のパンティであることが分かります。しかも、とても良い香りがします。

 少年はゆっくりとそのパンティに脚を通しました。そして、膝立ちになるとパンティをしっかり引き上げて、自分の股間のものもクロッチに収めました。少年には、ちょっと圧迫感でジンジンして、心地よい感じがしました。

(ああぁぁぁ……サラのパンツだ。僕のオチンチンやタマタマ全体を優しく包んで、気持ちいいよぉぉぉ……。)

 次に、少年はブラジャーを手にしました。このブラジャーも白を基調として、カップに白い刺繍が上品に施されています。背中のホックは2段2列のオーソドックスなタイプです。これも、少年は後ろ手を上手にしながら、黙々として身につけていきます。

 胸の締め付けが心地よく、少年は無表情を装いつつも、再び頬は上気し始めました。ストラップの調節を思い切り上げてカップのたるみをなくし、少年は満足そうに唇の端に微かな笑みを浮かべました。

(あらあら、やっぱり女装で嬉しいのは胸の締め付け感よね。男子では絶対に味わえないし、女子気分を最高に堪能できるものね。)

 そんなわたしの心の声には関係なく、最後に少年はスリップに手を伸ばしました。

(あれ? やっぱり水色のスリップだ……。なんとなく……、似ている……。)

 少年は一抹の怪訝さを感じつつも、スリップのストラップを広げて脚を入れ、肩まで引き上げて姿を整えました。胸に上品な刺繍がうるさくない程度に施され、背中の横ラインには簡単なレース模様が付いています。

(あぁぁぁ……まるで本当にあの子の下着を身につけているようだ……。)

 少年は図らずも妄想の至福の時の中にいました。

(ふふふ……。喜んでいただけたようね。わたしも嬉しいわ。)

**********

 次に、わたしは、彼の目の前に、濃紺の女子制服を用意しました。彼の目の前には、ブラウス、スカート、ベストが並んでいます。

「さぁ、次はこの制服を着なさい。」

 先程まで、わたしから制服女装願望を言い当てられた際に、羞恥心もあらわに、あれほど抵抗し否定していた筈の少年でしたが、いざ、目の前に実物の制服を見た途端、明らかにメンツよりも素直な欲望が勝つのでした。

「ほら、あなたの大好きな女子の制服ブラウスよ。着てみなさいな。」

 わたしは彼にブラウスを手渡し、彼は遠慮がちにそれを受け取りました。しかし、今の彼の顔には、それまでの羞恥のそれと同じように、官能の喜びが出ているのをわたしは知っていました。もはや彼に躊躇すべき理由は何もありません。念願の女子制服を着ることができるのですから。

 少年は初めて女子のブラウスに袖を通しました。手を差し入れた純白の細いトンネルは、どんな高級なレザーやシルクの生地よりも少年の官能をそそってやみません。少年の皮膚の細胞のひとつひとつが純白の細長いトンネルに触れ、総毛立って喜びをあらわにしています。

(はぁぁぁ……女子のブラウス……なんて柔らかくて優しい肌触りなんだ……。)

 少年は両腕をブラウスの袖に通し、ボタンをひとつひとつゆっくりと留めました。まずは両腕先の袖口のボタンを留めます。女子ブラウスの袖口は、男子のワイシャツのカフスよりも、ずっと小さく短くて、とても柔らかです。少年は自分の腕にあるブラウスの袖口をしげしげと見つめていると、その可愛らしさ、愛らし差、儚げさに胸がキュンキュンとしてしまうのでした。

(そうよね、初めて制服のブラウスに袖を通した時、その背徳の官能で、わたしも感激の涙珠に胸を濡らしたものよ。その時、ただの平織りのポリ生地が、どんなに装飾を凝らした絢爛なドレスよりも美しい女装アイテムになったの。)

 頬を朱に染めて、ぼおっとした潤んだ瞳をしながら、陶然たる趣で、少年はゆっくりと袖口を留め終わりました。その姿から、わたしも楽しそうに自分の思い出に浸ります。

 そして、袖口の次は前身頃のボタンです。男子とは逆の右前身頃のボタンを慣れない手付きでゆっくりとボタンホールに通します。しかし、その不慣れさが却って新鮮な喜びと興奮を伴って、余計に少年の高揚感を高めます。

 何の変哲もないありふれた所作の中に、少年は新鮮な感動と快感を感じているのでした。そのボタンをひとつ留めるたび、白い柔らかな生地にしっかりとまとわれ、まるで、少女から優しくゆっくりと抱きすくめられていくような思いにとらわれて、ビクビクと体が感じてしまうのです。

(あぁぁ……何の飾り気もないのに、何でこんなにも可愛いんだろう……丸襟も……幅狭い柔らかな袖……左胸のポケットまで……すべてが可愛いい……すべてに僕の体が恥ずかしい程に反応してしまう。)

 次は少年の念願の濃紺のプリーツスカートです。少年は思わずスカートに頬擦りしました。

 実は、少年がプリーツスカートに触れるのは初めてではありません。

 ある日の放課後、誰もいない教室で、少年は隣の席のその少女の机にぶら下がったバッグを開けてみました。そこには彼女の制服スカートが入っていたのです。少年は思わず頬擦りしましたが、それ以上のことはできませんでした。

 放課後の掃除や部活動に入る前に、大概の生徒は制服から体操服に着替えることが多かったのです。それで、たまたまではありましたが、そのようなことが出来たのでした。

 恐らく、少年はあの日のことを思い出していたのでしょう。隣の席の思い人のことを思いながら、今も頬擦りしているのに違いありません。スカートから、心なしか少女の甘い香りがしていることでしょう。

(あぁぁ……。……さん、……あぁぁぁ。)

 少年は、スカートの愛撫をひととおり堪能すると、次いでスカートのウエストベルトを持ち上げ、広げた中に片足づつ入れていきます。

(お母さんのプリーツスカートに比べて、なんて硬くて、それに、重い……、でも……。)

 少年は、スリップの裾やブラウスの裾を内側に巻き込むように気をつけて持ち上げ、ちょっときつめのウエストのホックを止めました。

「!!! 」

 その瞬間、ブラウスのボタンを留めた時とは比較にならない電流が、少年の体全体に走ったように感じたのです。

**********

(おわりに)

 私は少年に再び少女の下着を用意してそれを着用させます。そして、下着の次には女子の制服を。少年は私に反発しながらも、ずっと思い焦がれていた女子の制服を目の前にして、その誘惑に勝てずにそれを着用します。初めて袖を通す制服の一枚一枚に、少年は新たな官能と喜びに打ち震えて、そのひとつひとつの所作をじっくりと堪能するのでした。
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