助けて!何度倒しても勇者がよみがえる!

はばのねろ

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第二章:勇者カイ

第二章:勇者カイ④

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「こちらでお待ちください」
 俺たちを案内してくれた兵士がそう告げると去って行った。目の前には再びそびえ立つ大きな扉。一体俺たちはどこ待たされているのだろうかと思い、カイに問うてみる。
「この扉はどこに繋がっているのだ?」
「この先は謁見の間。ダモさんの城で言う玉座の間かってところかな。今から王様に謁見するんだよ」
 何と、もう謁見できるのか。一国の主と接見するというのに身体検査などは行わなくても良いのだろうか。されても困るが……。
 ちなみに俺の城で謁見する場合にはきちんと身体検査をさせてもらうぞ。もっとも、どんな武器を持ち込もうとも俺に敵う相手などいる訳がないのだがな。ハッハッハ!
「何ニヤニヤしてんの気持ち悪いよ」
「い、いや何も……」
 そうこうしている間に準備が整ったらしく、カイに中に入るように指示が入る。
「じゃあ今から王様に会うけど、ほんと余計なことしないでよね。ちゃんと頭下げてよ?」
「うむ、分かっている」
 ここは面倒事を起こさぬためにも王に忠義を誓っているふりをした方がよかろう。その点は分かっている。だが、カイには悪いが余計なことは出来なさそうにはないな。王、それから姫には聞いておくべきことがあるのだから。
 カイが扉へと向き合うと、両側の兵士がゆっくりと扉を開ける。そこに見えたのは豪華な装飾が施された明るく広い部屋。三つの豪華な玉座とそこに座る二人の人間。
ひげを蓄えた初老ぐらいの男性とドレスを身に纏った少女が見える。たぶんあれが王と姫なのだろう。玉座が一つ空いているところを見ると、王妃はいないのだろうか。
などと考えているうちにカイが王の近くに歩み寄り、跪き頭を垂れていたので慌てて見よう見まねでカイと同じポーズをとる。
「おぉ、勇者カイよ! よくぞ参った。面を上げよ」
「はっ」
 王の言葉でカイが顔を上げるのを見て同様に顔を上げる。王と姫の視線はカイに注がれているようで、俺は何となく疎外感があった。まぁ、本来ならここにいるべき者ではないし仕方がないのだが……。
「勇者よ、既に話は伝わっておるかな?」
「はい。魔王討伐の事でございますね」
 魔王という単語に思わず肩が上がる。いかんいかん、ここでは私は魔王ではなくただのダモさんなのだ……。
「うむ、その通りだ。邪悪な魔王が魔物どもを使って世界を支配しようとしておる! そんな事は断じて許さん! そのために、過去の勇者の子孫であるお前を魔王退治の旅に任命したいと思うのだが、行ってくれるかね」
「はっ。しかと承りました。このカイ、必ずや魔王をうち倒し世界に平和をもたらして見せましょう」
「うむ! よく言った! 流石は伝説の勇者の子孫じゃ! ワッハッハッハ!!」
 う、う~む……。何度も何度もカイの敗北する姿を見てきた身としては、どうにも複雑な気分である。しかし、こう王の期待を一身に受けるとは勇者と言うのも中々大変なのだな。
 それに、カイが俺を連れて行きたくなかった理由が分かった気がする。王が言う邪悪な魔王である俺とカイが一緒に行動している事が、王や国民にバレたら大変なことになるだろう。カイは勿論のこと、母君まで弾劾され最悪の場合は殺されてしまうだろう。むう、なんだか申し訳ないことをした気分になってきたぞ……。
「……して、横の男は誰なのだ? 変わった格好をしておるが」
 ハッとして王たちの方を見ると、王はこちらを怪訝そうな顔で見つめていた。どうするべきかとカイを見ると、カイは平然とした態度のまま口を開く。
「こちらは俺の連れです。今回の旅に同行してもらおうと思い、王様にご紹介するために連れてきました」
「ほう! そちの名は」
「だ……ダモサーラ、です」
 本名を言っていいのか迷ったが、とっさに良い名前が思いつかなかった。ま、まぁこの名は知られていないし大丈夫であろう……。
「ふむ、ではダモサーラ。お前の特技はなんだ?」
「特技……魔法、です」
「あっ、バカ!」
 カイが小声で呟く。バカ、とは何事だ。何か間違った回答をしてしまったのか?
「魔法とな! 良いぞ良いぞ! わしは魔法が好きじゃ! どれ、見せてみろ!」
 ……どうやら間違った回答をしてしまったらしい。カイが非常に気まずそうな顔をしている。さて、どうするべきか……。
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