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第一章 異世界召喚編
9 魔女のフェアリー座学
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メラメラは着る服がないので白い布を巻きつけて対処した。白衣の天使ならぬ、白衣の黒天使という様子で、真那はこの姿も可愛いなと思う。
てんやわんやの後に、ようやく昼食が始まった。
「メラメラ、今度はわたしが食べさせてあげるからね」
「ありがと」
真那は目を見開いた。今までにメラメラは、まともな言葉を口にした事がなかった。
「メラメラって言うんだね、わたしはシャルだよ、よろしくね!」
「シャ、ル、よよしく」
たどたどしいが、ちゃんと言葉になっていた。
「今までお喋りなんてしていなかったのに……」
「フェアリーは魔法生物だからね、きっと知能が高いんだよ」
「魔法生物って?」
真那はシャルの言葉を聞き逃さないようによく耳を傾ける。どうやら彼女は、メラメラの正体を知っている様子だった。
この時、真那に抱かれていたメラメラが、痺れを切らして再び肉に手を伸ばそうとする。真那はそれを止めて、ナイフで細かく切った肉をフォークに刺して小さな少女に与えた。
「すごく簡単に言うと、魔法によって人工的に生み出される生き物だね。魔法生物と一口に言っても、色々あるけどね。フェアリーはその中でも最高峰じゃないかな、自分の意志を持って人間みたいに話したり動いたりするって、尋常な事じゃないよ」
話を聞いている間も、真那は肉をフォークに差してはメラメラに食べさせていた。
「フェアリーって人が造るんでしょう、じゃあこの国の誰かがメラメラを造ったのかな?」
「フェアリーにはそんなに詳しくないんだけど、この国にフェアリーはほとんどいないし、フェアリーを造れる人もいない、これだけは間違いないよ」
「じゃあ、フェアリーって……」
言葉を淀ませる真那に、シャルは先回りして答える。
「フェアリーは、ここからずっと東にいって海を越えたところにある島国のフラウディアで造られてるんだ。フラウディア以外の場所ではフェアリーは滅多に見られない、どうやらフェアリーを国外に出さないようにしているらしいんだ」
「その話が本当なら、メラメラはそのフラウディアっていうところから来たんだね」
「そんな小さな翼で海を越えて来るなんて、ちょっと信じられないけどね」
メラメラがフォークの肉を食べて、真那が別の肉を刺そうと皿に目を向けると、そこには何も無かった。シャルとの会話に集中していた真那は肉が無くなったことに今気づく。
「えっ、うそっ!? お肉なくなってる!?」
メラメラは焼き立てのロールパンを指さして、目で訴えてきた。真那は引きつった笑みをうかべつつ、ロールパンを丸ごと一つメラメラに渡した。
「こんなちっちゃい体なのに、どうしてそんなに食べられるの……?」
「フェアリーは底なしって話だよ。多分だけど、食べたものをすぐに魔法力に変換しているんじゃないかな。だからさ、食事の終わりはマナが決めてあげなきゃね」
そんな話をしている間に、メラメラは自分の頭よりも大きいロールパンを食べてしまっていた。結局、メラメラには一人分の食事を食べさせ、真那の前にもう一度、新しい料理が並ぶことになった。シャルはメラメラの食事を終始、興味深そうに見つめていた。
ようやくシャルと真那が食事を始めると、メラメラは真那の膝の上で昼寝を始めた。
「真那も早く食べなよ、おいしいよ」
「うん」
シャルに促されて霜降りの肉を口に入れると、口の中でソースと肉と油の旨味が広がって絶妙に絡み合い、さっと溶けていく。真那は余りのうまさに目頭が熱くなった。
「おいしい……」
「でしょ~」
美味しい食事が二人の少女の気持ちを弾ませて、再び会話の花が咲く。
「ところで、メラメラとはその宝石で契約したの?」
「え? 契約って?」
真那は母の形見のキャッツアイに触れながら言った。
「まあ、文献で読んだだけなんだけどさ、フェアリーにはコアって言って左胸に大きな宝石が入っているんだ、人間で言う所の心臓だね。そのコアとなっている宝石が発する魔法力でフェアリーは動いてる。フェアリーがどんな宝石をもっているかは、瞳や羽に特徴となって現れると記述してあった。そんでもってね、人間はフェアリーと契約することが出来るんだけど、その為にはフェアリーの持つコアと同種の宝石が必要なのさ」
シャルはバスケットの中からクロワッサンを手に取って、食べる前に、尖ってる部分を真那の胸に向けた。
「マナが持ってるその宝石とメラメラの瞳は似てるよね、メラメラと会ってから何か変わった事なかった?」
シャルがクロワッサンを咥えると、真那はちゃんと説明できるように、よく考えをまとめてから言った。
「……あった」
「どんなことがあった? 教えて!」
シャルは瑠璃色の瞳を輝かせながらマナに迫る、興味津々のようだ。
「メラメラと初めて会って触れた時に、この宝石がすごく光ったの」
「なるほど、それがフェアリーと契約するって事なんだろうね」
「ね、ねえ、契約するとどうなるの?」
「契約すると、フェアリーが言うことを聞くようになる。契約者が普通の人間だったらそれだけなんだけど、契約者に妖精使いのスキルがあった場合は話が変わってくる。このスキルを持っている人はすごく少ないらしんだけど」
シャルがデザートのムースを口に運ぶと話が途切れる。真那は食事をする手を止めて、真剣に話を聞いていた。
「契約者に妖精使いのスキルがあった場合、フェアリーは異次元の力を発揮するんだ。その能力はフェアリーのコアとなっている宝石によって変化する。ある者は炎で全てを焼き尽くし、あるものは全てを破壊する闇魔法を行使し、あるものは光の魔法で邪なるものを消し去る。百年くらい前には夢幻戦役とかいう戦いで十万の兵士が百体のフェアリーによって全滅したという記録があるんだ。あ、これ全部、本の受け売りだからね、話半分くらいに聞いておいてよ」
話半分だとしても衝撃的な内容だった。しかし、真那は自分にそんな力があるとは思えないし、膝の上で眠っているメラメラはどう見てもひ弱だった。
最後にシャルから真那の心を動かす言葉があった。
「妖精使いによるフェアリーの使役はフェアリーマスタリーと呼ばれて、魔法の一種に分類されるんだ。もしかしたらマナは魔法使いなのかもしれないよ」
真那は自分にそんな能力があるはずがないと思いつつも、魔法使いという言葉には憧れを抱かずにはいられなかった。
てんやわんやの後に、ようやく昼食が始まった。
「メラメラ、今度はわたしが食べさせてあげるからね」
「ありがと」
真那は目を見開いた。今までにメラメラは、まともな言葉を口にした事がなかった。
「メラメラって言うんだね、わたしはシャルだよ、よろしくね!」
「シャ、ル、よよしく」
たどたどしいが、ちゃんと言葉になっていた。
「今までお喋りなんてしていなかったのに……」
「フェアリーは魔法生物だからね、きっと知能が高いんだよ」
「魔法生物って?」
真那はシャルの言葉を聞き逃さないようによく耳を傾ける。どうやら彼女は、メラメラの正体を知っている様子だった。
この時、真那に抱かれていたメラメラが、痺れを切らして再び肉に手を伸ばそうとする。真那はそれを止めて、ナイフで細かく切った肉をフォークに刺して小さな少女に与えた。
「すごく簡単に言うと、魔法によって人工的に生み出される生き物だね。魔法生物と一口に言っても、色々あるけどね。フェアリーはその中でも最高峰じゃないかな、自分の意志を持って人間みたいに話したり動いたりするって、尋常な事じゃないよ」
話を聞いている間も、真那は肉をフォークに差してはメラメラに食べさせていた。
「フェアリーって人が造るんでしょう、じゃあこの国の誰かがメラメラを造ったのかな?」
「フェアリーにはそんなに詳しくないんだけど、この国にフェアリーはほとんどいないし、フェアリーを造れる人もいない、これだけは間違いないよ」
「じゃあ、フェアリーって……」
言葉を淀ませる真那に、シャルは先回りして答える。
「フェアリーは、ここからずっと東にいって海を越えたところにある島国のフラウディアで造られてるんだ。フラウディア以外の場所ではフェアリーは滅多に見られない、どうやらフェアリーを国外に出さないようにしているらしいんだ」
「その話が本当なら、メラメラはそのフラウディアっていうところから来たんだね」
「そんな小さな翼で海を越えて来るなんて、ちょっと信じられないけどね」
メラメラがフォークの肉を食べて、真那が別の肉を刺そうと皿に目を向けると、そこには何も無かった。シャルとの会話に集中していた真那は肉が無くなったことに今気づく。
「えっ、うそっ!? お肉なくなってる!?」
メラメラは焼き立てのロールパンを指さして、目で訴えてきた。真那は引きつった笑みをうかべつつ、ロールパンを丸ごと一つメラメラに渡した。
「こんなちっちゃい体なのに、どうしてそんなに食べられるの……?」
「フェアリーは底なしって話だよ。多分だけど、食べたものをすぐに魔法力に変換しているんじゃないかな。だからさ、食事の終わりはマナが決めてあげなきゃね」
そんな話をしている間に、メラメラは自分の頭よりも大きいロールパンを食べてしまっていた。結局、メラメラには一人分の食事を食べさせ、真那の前にもう一度、新しい料理が並ぶことになった。シャルはメラメラの食事を終始、興味深そうに見つめていた。
ようやくシャルと真那が食事を始めると、メラメラは真那の膝の上で昼寝を始めた。
「真那も早く食べなよ、おいしいよ」
「うん」
シャルに促されて霜降りの肉を口に入れると、口の中でソースと肉と油の旨味が広がって絶妙に絡み合い、さっと溶けていく。真那は余りのうまさに目頭が熱くなった。
「おいしい……」
「でしょ~」
美味しい食事が二人の少女の気持ちを弾ませて、再び会話の花が咲く。
「ところで、メラメラとはその宝石で契約したの?」
「え? 契約って?」
真那は母の形見のキャッツアイに触れながら言った。
「まあ、文献で読んだだけなんだけどさ、フェアリーにはコアって言って左胸に大きな宝石が入っているんだ、人間で言う所の心臓だね。そのコアとなっている宝石が発する魔法力でフェアリーは動いてる。フェアリーがどんな宝石をもっているかは、瞳や羽に特徴となって現れると記述してあった。そんでもってね、人間はフェアリーと契約することが出来るんだけど、その為にはフェアリーの持つコアと同種の宝石が必要なのさ」
シャルはバスケットの中からクロワッサンを手に取って、食べる前に、尖ってる部分を真那の胸に向けた。
「マナが持ってるその宝石とメラメラの瞳は似てるよね、メラメラと会ってから何か変わった事なかった?」
シャルがクロワッサンを咥えると、真那はちゃんと説明できるように、よく考えをまとめてから言った。
「……あった」
「どんなことがあった? 教えて!」
シャルは瑠璃色の瞳を輝かせながらマナに迫る、興味津々のようだ。
「メラメラと初めて会って触れた時に、この宝石がすごく光ったの」
「なるほど、それがフェアリーと契約するって事なんだろうね」
「ね、ねえ、契約するとどうなるの?」
「契約すると、フェアリーが言うことを聞くようになる。契約者が普通の人間だったらそれだけなんだけど、契約者に妖精使いのスキルがあった場合は話が変わってくる。このスキルを持っている人はすごく少ないらしんだけど」
シャルがデザートのムースを口に運ぶと話が途切れる。真那は食事をする手を止めて、真剣に話を聞いていた。
「契約者に妖精使いのスキルがあった場合、フェアリーは異次元の力を発揮するんだ。その能力はフェアリーのコアとなっている宝石によって変化する。ある者は炎で全てを焼き尽くし、あるものは全てを破壊する闇魔法を行使し、あるものは光の魔法で邪なるものを消し去る。百年くらい前には夢幻戦役とかいう戦いで十万の兵士が百体のフェアリーによって全滅したという記録があるんだ。あ、これ全部、本の受け売りだからね、話半分くらいに聞いておいてよ」
話半分だとしても衝撃的な内容だった。しかし、真那は自分にそんな力があるとは思えないし、膝の上で眠っているメラメラはどう見てもひ弱だった。
最後にシャルから真那の心を動かす言葉があった。
「妖精使いによるフェアリーの使役はフェアリーマスタリーと呼ばれて、魔法の一種に分類されるんだ。もしかしたらマナは魔法使いなのかもしれないよ」
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