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婚約破棄編
第十六話
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そう言えばいつからだろう?アリシアに学業面でも素行面でもここまで差をつけられたのは、最初の頃こそ殆ど実力に違いは無く寧ろ家庭教師に恵まれていた自分の方が知っている事も多かった
分からない事があれば俺に聞いてくれる事が嬉しかったし頼りにされていると感じて誇らしかった、しかしアリシアの妃教育が始まってからは徐々に質問をされる回数が減っていき彼女に追い抜かれるまでにそう時間はかからなかった
俺はと言えばこの頃から伸び悩みが始まり何をやっても中々上手くいかなくなり、勉強や訓練をサボるようになった
アリシアは『最初から出来る人なんてそういません、諦めずに続けましょう』とか『私でお力になれる事なら致しますのでお申し付け下さい』等と言ってくれていたが、お前はごく一部の天才だからそんな事が言えるのだと疎ましく感じるようになっていった
決定的だったのは中等部に進学する時に俺が一般科だったのに対してアリシアは特進科に進んだ事だろう、もうとっくに分かっていた事とはいえ優秀な侯爵令嬢のアリシアと凡人の王族のグレイと言う構図が出来上がってしまっていた
悪友とつるんだり女遊びが始まったのもこの頃からだった
最初は苦言を呈していたアリシアだったが、いつの頃からか諦めたような顔をするようになりそのうち何も言わなくなっていた、思えばこの時既に俺に見切りをつけていたのかも知れない
それでも心の何処かで婚約したばかりの頃に戻りたいと思っていた、一緒に城下に探検に行って迷子になった時のように手を繋ぎ寄り添い歩いたり、侍女に作り方を聞いて編んだ不恰好な花冠を喜んでくれた時のようにたわいない事で笑い合える日がまた来る事を望んでいた…本当に勝手な話だが
何て事を考えているとメアリー婦人が言葉を発した
「グレイ殿下の処遇は、王国専任衛生管理委員の任を与える事が妥当かと思われます」
分からない事があれば俺に聞いてくれる事が嬉しかったし頼りにされていると感じて誇らしかった、しかしアリシアの妃教育が始まってからは徐々に質問をされる回数が減っていき彼女に追い抜かれるまでにそう時間はかからなかった
俺はと言えばこの頃から伸び悩みが始まり何をやっても中々上手くいかなくなり、勉強や訓練をサボるようになった
アリシアは『最初から出来る人なんてそういません、諦めずに続けましょう』とか『私でお力になれる事なら致しますのでお申し付け下さい』等と言ってくれていたが、お前はごく一部の天才だからそんな事が言えるのだと疎ましく感じるようになっていった
決定的だったのは中等部に進学する時に俺が一般科だったのに対してアリシアは特進科に進んだ事だろう、もうとっくに分かっていた事とはいえ優秀な侯爵令嬢のアリシアと凡人の王族のグレイと言う構図が出来上がってしまっていた
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最初は苦言を呈していたアリシアだったが、いつの頃からか諦めたような顔をするようになりそのうち何も言わなくなっていた、思えばこの時既に俺に見切りをつけていたのかも知れない
それでも心の何処かで婚約したばかりの頃に戻りたいと思っていた、一緒に城下に探検に行って迷子になった時のように手を繋ぎ寄り添い歩いたり、侍女に作り方を聞いて編んだ不恰好な花冠を喜んでくれた時のようにたわいない事で笑い合える日がまた来る事を望んでいた…本当に勝手な話だが
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