白狐とラーメン

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わたしは見てはいけないものを見てしまった

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 ラーメン。
 とんこつラーメン。
 味噌ラーメン。
 醤油ラーメン。
 台湾ラーメン。
 鶏白湯ラーメン。
 etc.
 それを食べ物であることを知らない者はいないだろう。麺料理であることを知らない者はいないはずである。
 麺とスープ、あとはいくらかの具でもって形作られる料理、おそらくラーメンを食べた者ならばそこまでは共通認識として持っているとわたしは信じている。
 全ての人間に、凡そそのような認識で通じるもの。
 スープの味や麺の形状、具の種類なんてものでさらにこまごまとわかれるだろうが、凡その認識はそんなものだ。
 多くの種類、派生があり今も人々に愛される料理。休日の昼の定番、あるいは飲み会などの締めという人もいるかもしれない。
 熱いスープ。こってり、あっさり。
 そこから麺をすくいあげて勢いよくすする。スープの絡みついた麺は、コシが強く口の中で弾け、味の奔流を生み出す。
 麺とスープを噛みしめると、もう止まらない。
 スープを啜り、麺を啜る。ほんの数十秒で麺はスープの海から胃の中へ消えていく。
 麺がなくなれば替え玉をしてみるといい。
 店によってはないところもあるが、最初に出てきたときよりも硬く、また違った食感と味わいを与えてくれる。
 1000円もあれば十分に満足できる。コスパも良い。
 それこそがラーメンという食べ物。
 わたしは常々言っている、ラーメンとは神の食べ物であると。
 わたしが他人に振れる話題はほとんどアニメかゲームかラーメンである。
 そうラーメンはわたしにとっての重要なコミュニケーションツールなのだ。
 町中のラーメン屋を巡りおいしさの評価を下すのがわたしの秘めたる趣味である。
 麺、スープ、替え玉はあるかないか、トッピングはどんなものか。
 概ね評価項目は前述の四つである。
 麺の太さ、固さは重要である。かた麺至上主義を掲げるわたしにとって、最高評価を下す麺は中太麺から極細麺である。
 柔らかい麺は言語道断であるがそれはそれ、好みとしてあることは認めている。ラーメンとは神の食べ物、ラーメンで争うことは神への冒涜と等しい。
 例え神がやわ麺を食べろといってもわたしは絶対に頼まないが。
 そんなこだわりを持つ程度にはわたしはラーメンを愛している。
 愛してやまない。
 何かあればラーメンを食べるかと、基本的食事ルーチンの中にラーメンが組み込まれている。
 ビバラーメン。アイラブラーメン。
 しかし、悲しいかな大半の女性に対してラーメンは、コミュニケーションツール足りえないのである。
 どこかにラーメン好きの女子はいないものか。何かにつけてはラーメンを食べに誘っても断られない良い子はいないものか。
 そんなものはいない。世の女性にとってラーメンは大敵である。
 なぜならばラーメンほど体重に直結してくるものはないからだ。
 脂、炭水化物。世の女性が愛してやまないダイエットの天敵たちである。
 さもありなん、ラーメンを毎日でも毎週でも食べに行く女性はやはりいないとわたしは思っていた。
 しかし、伊津野さんは喜んでわたしについてきてラーメンを食べるという。
 それがお腹が空いていてしょうがないからなのか、それとも本当好きなのか。
 わたしはそれを知りたいような、知りたくないような。
 そんな気持ちに包まれていた。
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