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《第1幕》1章 名も無き世界
03
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(※02から)
消えたはずのさくらがそこにいた。最初は皆、驚いた。光に包まれながら消えたのが、再び光が集結してそこに現れたのがさくらだったからだ。
ピンクのパーカーの少女は間違いなく消えた。それは、ロンドン塔周辺にいたお伽噺の登場人物達が消えていることから、彼女が消滅した時、能力も解除されたのだと考えられる。
しかし、こうして目の前にさくらがいるとなると、少女の能力は、少女が消滅しても一部は残るということなのか?そうなればまた、新たに謎が増えたことになる。これで謎は『空のない世界』、少女の存在、そして、少女の能力について。特に最初の少女が言った、少女は人間だったという話し。彼女は言った。「初めて人間を殺した感想は」と。聞かれた時、自分は同じ人間を殺してしまったのかと、思ってしまった。あの言葉に偽りがないように、リアルに感じた。あれ以来、僕はあまり寝付けないでいた。
まぁ、ともあれ、さくらが戻っただけでもいいとすべきか。キャプラもさくらが戻ってきた時の喜びようを見ると、今ここで議題に出すわけにもいかない。今は、次の少女攻略に集中することにしようと思う。
「東さん」
「何かな?」
「キャプラお兄ちゃんのことで……」
「うん?キャプラさんが、どうかしたのかな」
「お兄ちゃんは、何も悪いことしてないよ!」
「えっ?」
そのあと、さくらからキャプラの罪は冤罪だったことを話した。
「だから、お兄ちゃんいじめないで!」
「ごめんね。僕が悪かった。ちゃんと確認すべきだった。キャプラさんには後であやまっておくよ」
「うん!絶対だよ」
「あぁ、約束だ。キャプラさんとは絶対仲直りしてみせるよ」
それを聞いて安心したさくらは、キャプラの元へと戻った。
「どこ行ってたんだ、さくら」
「ちょっと、そこまで」
「駄目じゃないか、勝手に行ったりしちゃあ」
「大丈夫だよ。お兄ちゃんみたいに迷子にならないから」
「言ったな~」
「えへへ、くすぐったいよ」
「おーい、そろそろ出発するぞ」
モリスさんに言われ互いに返事をした。
そして、
【朝鮮】
驚いた。昼間に流れ星が見えたからだ。
ここは、朝鮮。しかし、廃墟となった町のど真ん中に大きなドームのようなものが建っていた。不思議に思う一同に、一人だけ空を指した。
「ん?流れ星か」
キャプラが言った。
「こんな昼真っから流れ星なんて見えるか」
「じゃあモリスさんよ、あれ何なんだよ?」
「あれは……隕石じゃ」
「おい、モリス。これ以上しゃべるな」
「お兄ちゃん、あれこっちに向かってるような気がするよ」
「気のせいだ。絶対に……おい、東。お前も何か言え」
「え?まぁ、隕石に直撃する確率は極めて低いけど」
そんなことを東が言ったあと、もうスピードで近場の大地に、それは落ちた。大地に、宇宙からの落下物に叩き潰され、大きな振動と共に砂埃を撒き散らした。
「やべぇ、今のちびりそうだった」
「お兄ちゃん、ちびりそうって何?」
「いや、忘れてくれ」
「やべぇ、俺のパンツびしょびしょだ」
「おい、モリス。お前、どんだけチビったんだよ」
「モリスさん、変えのパンツあるので使ってください」
「おう、ありがとう」
「くそ、俺は口の中がじゃりじゃりしてる」
口に入った砂をキングは吐き出していた。
「俺はゴーグルしていたから、目は大丈夫だ」
「……アレスさん、準備いいですね」
「狙撃に目は大事だからな」
「成る程」
やっと砂を吐き出し終えたキングは言った。
「しかし、なんだったんだ?」
「私にも分かりません」
まだ、そこは砂埃でよく見えないでいた。だが、徐々にそれもおさまっていき、宇宙から落ちたらしい影が見えてきた。その影は人のように見える。
「まさか……」
「モリス、今回はマジで黙っていてくれ」
しかし、キャプラの現実逃避はむなしく、影は徐々に、その正体を見せたのだ。それは、黄金の色をしている目を光らせた銀髪の少女だった。
「少女……」
東はぼやいた。何故なら、宇宙にいたはずの少女が今、ここにいるのだ。そして、この地にも
「やぁ、よく来たな人間」
その声の主はドームの上に立って、こちらを覗いていた。赤い髪型のショートに、大剣を軽々持つ少女。
一言で言うなら、最悪だ。この地に二人の少女が同時に存在していた。唖然とする一同に、赤髪の少女が口をだした。
「おい、お前ら。このドームはな、闘技場なんだわ。つまり、うちとやりたきゃこの中で闘ってもらう。勿論、命をかけた戦いや。一対一のガチバトル。このドームに入れるのは一人だけ。それ以外は、この銀髪ねえちゃんが相手してやるってことや」
「そんな無茶な!少女相手に一人で相手とか」
そう、キャプラが叫んだが、確かに能力を持つ少女に勝てたのは皆がいたからだ。偶然もあるが、協力、支援、援護にてやっと相手にできたぐらいだ。特にパーカーの少女は、さくらがいなければ勝てなかった。だが、
「別に、うちと銀髪ねえちゃんが二人同時ってのもあるが?」
そっちのほうが絶望だ。敵が単体ではなく複数の場合は、同時に二人を攻略しながら相手をする必要がある。協力技なんかが、相手に持っていれば勝ち目はない。だからといって、降参し退散しても、無事に帰してくれるはずもなく。
決めるしかなかった。誰が赤髪を相手にするのか?それは、このメンバーができるだけ生き残る為の、生け贄を選ぶのと同じだった。そんなの決められるはずがなかった。
長い沈黙の後、やはりリーダーである自分が決めなきゃいけないことなんだと悟った時、僕は
「赤髪は自分がいきます!」
と、思わず皆に言ったことに自分自身驚いた。
リーダーが生け贄になるなんておかしな話だ。その後の少女攻略を指揮する者がいなくなってしまう。だが、しかしこのメンバーから生け贄を選ぶなんて自分には無理だった。
僕は、一歩前に進もうとした時、キングさんに肩をつかまれた。
「リーダー、俺に行かせてください」
「キングさん!でも……」
「別に攻略法があるわけじゃないんです。だけど、あいつ気に食わねぇんです」
「え?」
「最初っから二人で襲いかかればいいのに、襲って来ない。あいつらは楽しんでるんだ。だから、俺にやらせて欲しい。あんなやつらに、家族を殺された時の父親が、どれだけ恐ろしいかを教えてやる」
それはいつものキングさんではなかった。怒りに満ち、冷血を放つ復讐者だった。
「……分かりました」
「いいのか?東。今のキングじゃ、怒りで前が見えてないかも知れねぇ」
「分かっています。勿論、誰であろうと少女に勝つのは難しいです。それでもやると言うキングさんの覚悟、伝わりました。父親としての覚悟なら、私はとめません」
そう、キングさんは父親だった。このチームに入るときに言ったキングさんの言葉、父親としてまだ何もしてやれてないと語った彼は、せめて仇をうってやることしかないんだと、涙ながらに訴えた。それが、意味のないことだったとしても、復讐を悪としても、父親が家族のためにと思ってとった行動は、善になるのではないのか。
「キングさん、そちらは任しました。ですので、こちらは任してください」
「任せろ!東、俺を行かせてくれてありがとな」
「はい」
「じゃあ、行ってくる」
キングさんは一歩踏み出した。あの赤髪が待つ闘技場に。
闘技場へ一歩ずつ進む彼の背中はたくましく、がっちりした男の背中だった。
【闘技場】
「お前が、私の相手をするのか」
「そうだ。そして、お前を殺る男だ!」
「ふん、面白くない冗談だな」
「それはこっちのセリフだ」
「?」
「ここは闘技場なんだろ?なのに観客がいないじゃないか。お前がやられるところを観て歓声をあげるやつがいないと寂しいもんだな」
「それ以上語るなら、まずお前の口からこの大剣を突き刺してやる」
「なら、俺はお前が人間と同じ姿をしているのが気に入らないから、まず服を切り裂いて真っ裸にしてから、次は皮を剥いでやるよ」
「ふざけたことをベラベラ喋る男だな!」
少女は、怒った。怒って、大地を蹴りあげ真っ先にキングに向かって来た。
キングは闘技場の中に入ってく途中に飾ってあった剣で応戦する。勿論、御飾りの剣ではなく、本物だった。
「おらぁぁぁーーー」
剣と剣がぶつかり合う。火花が散り、怒りと怒りがぶつかった闘技場内は振動を増した。
「は?人間が私と渡り合っているだと!」
「少女のくせに、大人の男性と渡り合っているなんて気に入らねぇな!」
「何だと!ナメるな!」
「大人をナメるな!」
再びぶつかり合う。まさに互角だった。驚くべきことである。
「あ、あり得ない……」
「これが、父親が怒った時の力だ!」
「ふん、何が父親だ。何も守れやしなかったくせに。しかし、同じ少女の中でも力に自信はあったんだが、力押しで効かない相手がまさか人間とは。自分を過剰評価していたらしい。ここは、出し惜しみせずに能力を使わせていただく」
能力と言う言葉に反応したキングは、一旦少女と距離をとる。
「 変心と変身の偉業・炎神 」
いきなり、少女のいるところに炎の竜巻がおき、爆発した。そして、爆発がおさまるとーーー
そこには、赤い鱗をもつドラゴンがいた。
「変身能力か」
ドラゴンはいきなり、唸りながら目の前にいるキングを食らおうとした。
「おっと、あぶねぇ」
避けるキングに逃げる暇を与えないかのように、ドラゴンは次の攻撃にうつった。喉元を赤く光らせ、
「やべぇ、あれは!」
ドラゴンは口を大きく最大限に開け、炎のブレスを放った。キングはドラコンの周りを走りながら逃げた。
闘技場は見事に、ドラコンによって大火事となった。周りが炎に囲まれるなか、その中央には、ちっぽけな人間と巨体なドラゴンがいた。
鳴き叫ぶドラゴン。
「お前、喋れなくなったのか。まさか、本当にドラゴンになるとは」
変身は分かる。だが、変心。あれは心までドラゴンになるということだったのか。
「だが、おあいにく様だな。俺はパーカー野郎で、一度ドラゴンにあってるわけだ。今更、怯えもしねぇよ!」
【闘技場前】
闘技場の周りは、ビルの瓦礫等で身を隠すことができた。最初の東の作戦は、相手の能力と戦闘力を知るために、隠れながら相手を狙撃で攻撃。相手の情報を知ることが最初の作戦だった。
しかし、いくら身を隠してもすぐに感知され、攻撃してきた。彼女の武器、ステッキは触れた場所を宙に浮かすことができる。次々に宙に浮かしては、その浮いた瓦礫を僕達にあててきた。勿論、避ける。ビルの瓦礫なんてでかいの、石ころを投げられてるのとはまったく違う。直撃したら、間違いなく死んでしまう。
「おい、東。何であいつ隠れた場所が分かるんだよ」
キャプラが叫ぶ。
「多分、隠れても無駄かもしれないです」
「はっ?」
「気になったんです。どうしてタイミングよく現れたんだろって。多分、宇宙で僕らのことが見えていたんじゃないかって」
「そんなの見えるわけがーーいや、それがあいつの能力か!?」
「おそらく、見るに関する能力ではないかと」
「なら、あの空からとんでくる瓦礫さえ気をつけりゃいいんだな」
「待ってください!そうと決まったわけではありません」
「だが、このままじゃ体力がもたないぜ。とりあえず、さくらの幻視が使えるか試そうぜ。それで効かなきゃ、完全に見るに関する能力ってことで間違いはないんじゃないのか?」
「……分かりました。その作戦でいきましょう」
その時、闘技場の方から爆発音が聞こえた。見ると、闘技場は大火事になっていた。
「キングさん!」
「おい、キングのやつ大丈夫なんだろうな?」
いったい闘技場内で何が起こっているというのか。
「おい、東。とりあえず、こっちをまず何とかしようぜ。キングはそれからだ。多分、大丈夫だろあいつなら」
「はい」
そして、闘技場から今の敵に目線をうつした。そして、無線で各自に指示をだした。
【闘技場】
ドラゴンは避け回るキングを追いかけていた。一撃が大きくても、動きが大きくなるドラゴンの技は、ギリギリ何とか回避できた。
ドラゴンは人間では倒すことは不可能かもしれない。しかし、ドラゴン自身が自滅する可能性はある。赤髪の少女が闘技場にこだわったのは周りが瓦礫だったからだ。瓦礫は足場が悪い。ドラゴンは伝説並みの生き物。神と名乗るだけの脅威はある。しかし、生き物なら恐竜と同じ例えができる。大型の生き物はバランスが重要になってくる。だから、脚を狙われてバランスを崩したら、自分で起き上がることはできない。
キングが複雑な避け回りをすれば、ドラゴンは無意識に敵を追いながら、自分が複雑な動きになっていることに気づかずにバランスを崩す。やり方は、基本的にドラゴンの足元を動き回る。危険だが、落とし穴とかがない以上、やり遂げるしかない。
しかし、中々倒れない。確かに無理な姿勢や動きは、無意識に動きをとめ体勢を立て直す。
「やはり、そんな簡単にはいかないか。しかし、俺も体力がそろそろ限界なんだが、どうしたものか……」
その時、キングの目に入ったのは赤髪が使っていた大剣だった。大地に突き刺さったままだった。普通、剣ではドラゴンの鱗で攻撃しても無意味だが、少女のもつ武器は普通ではない。もしかすると、あれなら。
そうと決まると、体が素早く反応しその大剣の所まで、ドラゴンの攻撃を避けながら向かった。
「もう、これしか手は考えられねぇ!」
そう言って、頼みの綱を掴み、大地に突き刺さるそれを抜きとった。その瞬間、頭の中から声が聞こえた。それは武器を手にした瞬間だった。その武器の名を聞き、勝利を確信した。
「成る程、一対一にこだわる理由が分かった。お前は、この瞬間を恐れていたんだな」
そう言って、大剣をドラゴンの脚を狙って攻撃した。
「少女の武器は人間でも扱えるんだな」
見事に命中した斬撃は、ドラゴンの鱗を貫通し、血しぶきを吹き出した。更に斬撃を繰り出す。悲鳴をあげるドラゴンはついに、バランスを崩し見事に倒れた。
倒れた衝撃で、自身は更にダメージを受ける。
「じゃあな、あばよ」
そう言って、倒れているドラゴンの首もとに大剣を突き刺した。
ドラゴンは絶命すると同時に赤い光となって消えた。残された大剣を持ち上げ、キングは皮肉な笑みをこぼした。
「まさか、この剣がドラゴンの弱点だなんてな。自分の弱点になるものを、普通持ち歩くか?まぁ、だが逆にこれで助かったが。『ドラゴン・キラー』、この武器の名か……。まったくだったよ」
空を見上げ、キングは言った。
「父さんはやったぞ」
涙を流しながら、彼方にいるであろう家族に言った。
【闘技場前】
キングが赤髪の少女を倒した同じ頃、
「「どうた!」」
アレスと、モリスと、キャプラのコンビネーションで銀髪の少女を同じく倒したばかりだった。白色の光と共に消えた。
「やはり、見るに関する能力だったな。さくらの幻視は効かなかったから、そうだと思っても警戒しつつやったが、それでも他の少女に比べればたいしたことはなかったな。あいつが宇宙に今でいたのはなんとなく分かるが、何であのタイミングだったんだろう?」
「他の少女が二人もやられたから、他の少女と協力したんだろ。だが結果、あちらの少女もやられたようだが」
視線を闘技場にうつした。大火事だった闘技場の炎が消えていた。
「どっちも、たいしたことはなかったってことか」
モリスとキャプラはそう話をまとめた。だが、問題は残る。最後の少女だ。日本都市・東京を最後の目的地にしたのは、少女の中で一番最強とされたからだ。あれを倒さなければ、今までは無意味になってしまう。最大の脅威はまださってはいない。
少女攻略から一週間後、無事休息を終え、日本へとこれから向かおうとしていた。
「いよいよだな、東」
「はい、モリスさん。ーーでは、皆さん。これから東京に向け出発します。今までとは比べものにならないぐらい、激戦になると思います。相手は少女の中でも最強といわれる存在です。どんな能力を使ってくるのかも分かりません。まさに前代未聞です」
「東さんよぉ、俺達をびびらせないでくれよ」
「すいません、キャプラさん。しかし、最後だからこそ、気を抜かないでほしいです。今の、うちの戦力はさくらちゃんの能力とキングさんが手にした少女の武器ぐらいです。これで、戦力が足りているとは思いませんが、そこを人間の知恵で補って何とかしようと思います」
「よっ!頼りにしてるぜ」
「はい、頑張ります。ですので皆さんの力、もう少し力を貸してくれませんか」
「今更、水臭いぞ」
「もう少し、俺らを信用してもらいたいぜ」
「そうですよ」
「安心しろ。俺は東に、ついていく」
「キャプラさん、アレスさん、さくらちゃん、それにキングさん」
「東、皆同じ気持ちってことだ。ここまで一緒に来たんだ。変なこと言うな」
「モリスさん……そうでしたね。一番びびっていたのは僕でした。では、皆さん!最後の戦いの場に向かいます」
「「おう!」」
【日本都市・東京】
そこは、人のいない廃墟だった。しかし、建物は錆び付いているが、今まで瓦礫しかなかった所とは違った。
そして、『空のない世界』中心部にあたる場所、東京ビッグサイトにいた。
「では、行きます」
皆、頷く。
【東京ビッグサイト内部】
いた。
階段に座りこんでいるーーー
「おい、どういうことだ?」
「な、な……」
「嘘、だろ……」
そこには金髪の少女と、
銀髪の少女がいた。
金髪の少女「人間のくせによく頑張りました」
その横で拍手をする銀髪の少女。
金髪の少女「まず、紹介といきましょうか。どうせ、人間は私たちを倒すため、能力のことを探るのでしょ?私たちは探るのは好きじゃないの。だから、私たちから教えて、あ・げ・る」
銀髪の少女「わーい」
金髪の少女「まず、この子の能力は不死。だから、まぁ死なないわね」
銀髪の少女「皆、驚いているよ」
金髪の少女「あら、この子の能力何だと思ったのかしら」
銀髪の少女「?」
金髪の少女「因みに私の能力は破壊。さて、能力も教えたところでーー」
金髪の少女と銀髪の少女は立ち上がり
金髪&銀髪「「さあ、殺戮を始めましょう」」
《次回》 第1章 クライマックス編↓04へ
消えたはずのさくらがそこにいた。最初は皆、驚いた。光に包まれながら消えたのが、再び光が集結してそこに現れたのがさくらだったからだ。
ピンクのパーカーの少女は間違いなく消えた。それは、ロンドン塔周辺にいたお伽噺の登場人物達が消えていることから、彼女が消滅した時、能力も解除されたのだと考えられる。
しかし、こうして目の前にさくらがいるとなると、少女の能力は、少女が消滅しても一部は残るということなのか?そうなればまた、新たに謎が増えたことになる。これで謎は『空のない世界』、少女の存在、そして、少女の能力について。特に最初の少女が言った、少女は人間だったという話し。彼女は言った。「初めて人間を殺した感想は」と。聞かれた時、自分は同じ人間を殺してしまったのかと、思ってしまった。あの言葉に偽りがないように、リアルに感じた。あれ以来、僕はあまり寝付けないでいた。
まぁ、ともあれ、さくらが戻っただけでもいいとすべきか。キャプラもさくらが戻ってきた時の喜びようを見ると、今ここで議題に出すわけにもいかない。今は、次の少女攻略に集中することにしようと思う。
「東さん」
「何かな?」
「キャプラお兄ちゃんのことで……」
「うん?キャプラさんが、どうかしたのかな」
「お兄ちゃんは、何も悪いことしてないよ!」
「えっ?」
そのあと、さくらからキャプラの罪は冤罪だったことを話した。
「だから、お兄ちゃんいじめないで!」
「ごめんね。僕が悪かった。ちゃんと確認すべきだった。キャプラさんには後であやまっておくよ」
「うん!絶対だよ」
「あぁ、約束だ。キャプラさんとは絶対仲直りしてみせるよ」
それを聞いて安心したさくらは、キャプラの元へと戻った。
「どこ行ってたんだ、さくら」
「ちょっと、そこまで」
「駄目じゃないか、勝手に行ったりしちゃあ」
「大丈夫だよ。お兄ちゃんみたいに迷子にならないから」
「言ったな~」
「えへへ、くすぐったいよ」
「おーい、そろそろ出発するぞ」
モリスさんに言われ互いに返事をした。
そして、
【朝鮮】
驚いた。昼間に流れ星が見えたからだ。
ここは、朝鮮。しかし、廃墟となった町のど真ん中に大きなドームのようなものが建っていた。不思議に思う一同に、一人だけ空を指した。
「ん?流れ星か」
キャプラが言った。
「こんな昼真っから流れ星なんて見えるか」
「じゃあモリスさんよ、あれ何なんだよ?」
「あれは……隕石じゃ」
「おい、モリス。これ以上しゃべるな」
「お兄ちゃん、あれこっちに向かってるような気がするよ」
「気のせいだ。絶対に……おい、東。お前も何か言え」
「え?まぁ、隕石に直撃する確率は極めて低いけど」
そんなことを東が言ったあと、もうスピードで近場の大地に、それは落ちた。大地に、宇宙からの落下物に叩き潰され、大きな振動と共に砂埃を撒き散らした。
「やべぇ、今のちびりそうだった」
「お兄ちゃん、ちびりそうって何?」
「いや、忘れてくれ」
「やべぇ、俺のパンツびしょびしょだ」
「おい、モリス。お前、どんだけチビったんだよ」
「モリスさん、変えのパンツあるので使ってください」
「おう、ありがとう」
「くそ、俺は口の中がじゃりじゃりしてる」
口に入った砂をキングは吐き出していた。
「俺はゴーグルしていたから、目は大丈夫だ」
「……アレスさん、準備いいですね」
「狙撃に目は大事だからな」
「成る程」
やっと砂を吐き出し終えたキングは言った。
「しかし、なんだったんだ?」
「私にも分かりません」
まだ、そこは砂埃でよく見えないでいた。だが、徐々にそれもおさまっていき、宇宙から落ちたらしい影が見えてきた。その影は人のように見える。
「まさか……」
「モリス、今回はマジで黙っていてくれ」
しかし、キャプラの現実逃避はむなしく、影は徐々に、その正体を見せたのだ。それは、黄金の色をしている目を光らせた銀髪の少女だった。
「少女……」
東はぼやいた。何故なら、宇宙にいたはずの少女が今、ここにいるのだ。そして、この地にも
「やぁ、よく来たな人間」
その声の主はドームの上に立って、こちらを覗いていた。赤い髪型のショートに、大剣を軽々持つ少女。
一言で言うなら、最悪だ。この地に二人の少女が同時に存在していた。唖然とする一同に、赤髪の少女が口をだした。
「おい、お前ら。このドームはな、闘技場なんだわ。つまり、うちとやりたきゃこの中で闘ってもらう。勿論、命をかけた戦いや。一対一のガチバトル。このドームに入れるのは一人だけ。それ以外は、この銀髪ねえちゃんが相手してやるってことや」
「そんな無茶な!少女相手に一人で相手とか」
そう、キャプラが叫んだが、確かに能力を持つ少女に勝てたのは皆がいたからだ。偶然もあるが、協力、支援、援護にてやっと相手にできたぐらいだ。特にパーカーの少女は、さくらがいなければ勝てなかった。だが、
「別に、うちと銀髪ねえちゃんが二人同時ってのもあるが?」
そっちのほうが絶望だ。敵が単体ではなく複数の場合は、同時に二人を攻略しながら相手をする必要がある。協力技なんかが、相手に持っていれば勝ち目はない。だからといって、降参し退散しても、無事に帰してくれるはずもなく。
決めるしかなかった。誰が赤髪を相手にするのか?それは、このメンバーができるだけ生き残る為の、生け贄を選ぶのと同じだった。そんなの決められるはずがなかった。
長い沈黙の後、やはりリーダーである自分が決めなきゃいけないことなんだと悟った時、僕は
「赤髪は自分がいきます!」
と、思わず皆に言ったことに自分自身驚いた。
リーダーが生け贄になるなんておかしな話だ。その後の少女攻略を指揮する者がいなくなってしまう。だが、しかしこのメンバーから生け贄を選ぶなんて自分には無理だった。
僕は、一歩前に進もうとした時、キングさんに肩をつかまれた。
「リーダー、俺に行かせてください」
「キングさん!でも……」
「別に攻略法があるわけじゃないんです。だけど、あいつ気に食わねぇんです」
「え?」
「最初っから二人で襲いかかればいいのに、襲って来ない。あいつらは楽しんでるんだ。だから、俺にやらせて欲しい。あんなやつらに、家族を殺された時の父親が、どれだけ恐ろしいかを教えてやる」
それはいつものキングさんではなかった。怒りに満ち、冷血を放つ復讐者だった。
「……分かりました」
「いいのか?東。今のキングじゃ、怒りで前が見えてないかも知れねぇ」
「分かっています。勿論、誰であろうと少女に勝つのは難しいです。それでもやると言うキングさんの覚悟、伝わりました。父親としての覚悟なら、私はとめません」
そう、キングさんは父親だった。このチームに入るときに言ったキングさんの言葉、父親としてまだ何もしてやれてないと語った彼は、せめて仇をうってやることしかないんだと、涙ながらに訴えた。それが、意味のないことだったとしても、復讐を悪としても、父親が家族のためにと思ってとった行動は、善になるのではないのか。
「キングさん、そちらは任しました。ですので、こちらは任してください」
「任せろ!東、俺を行かせてくれてありがとな」
「はい」
「じゃあ、行ってくる」
キングさんは一歩踏み出した。あの赤髪が待つ闘技場に。
闘技場へ一歩ずつ進む彼の背中はたくましく、がっちりした男の背中だった。
【闘技場】
「お前が、私の相手をするのか」
「そうだ。そして、お前を殺る男だ!」
「ふん、面白くない冗談だな」
「それはこっちのセリフだ」
「?」
「ここは闘技場なんだろ?なのに観客がいないじゃないか。お前がやられるところを観て歓声をあげるやつがいないと寂しいもんだな」
「それ以上語るなら、まずお前の口からこの大剣を突き刺してやる」
「なら、俺はお前が人間と同じ姿をしているのが気に入らないから、まず服を切り裂いて真っ裸にしてから、次は皮を剥いでやるよ」
「ふざけたことをベラベラ喋る男だな!」
少女は、怒った。怒って、大地を蹴りあげ真っ先にキングに向かって来た。
キングは闘技場の中に入ってく途中に飾ってあった剣で応戦する。勿論、御飾りの剣ではなく、本物だった。
「おらぁぁぁーーー」
剣と剣がぶつかり合う。火花が散り、怒りと怒りがぶつかった闘技場内は振動を増した。
「は?人間が私と渡り合っているだと!」
「少女のくせに、大人の男性と渡り合っているなんて気に入らねぇな!」
「何だと!ナメるな!」
「大人をナメるな!」
再びぶつかり合う。まさに互角だった。驚くべきことである。
「あ、あり得ない……」
「これが、父親が怒った時の力だ!」
「ふん、何が父親だ。何も守れやしなかったくせに。しかし、同じ少女の中でも力に自信はあったんだが、力押しで効かない相手がまさか人間とは。自分を過剰評価していたらしい。ここは、出し惜しみせずに能力を使わせていただく」
能力と言う言葉に反応したキングは、一旦少女と距離をとる。
「 変心と変身の偉業・炎神 」
いきなり、少女のいるところに炎の竜巻がおき、爆発した。そして、爆発がおさまるとーーー
そこには、赤い鱗をもつドラゴンがいた。
「変身能力か」
ドラゴンはいきなり、唸りながら目の前にいるキングを食らおうとした。
「おっと、あぶねぇ」
避けるキングに逃げる暇を与えないかのように、ドラゴンは次の攻撃にうつった。喉元を赤く光らせ、
「やべぇ、あれは!」
ドラゴンは口を大きく最大限に開け、炎のブレスを放った。キングはドラコンの周りを走りながら逃げた。
闘技場は見事に、ドラコンによって大火事となった。周りが炎に囲まれるなか、その中央には、ちっぽけな人間と巨体なドラゴンがいた。
鳴き叫ぶドラゴン。
「お前、喋れなくなったのか。まさか、本当にドラゴンになるとは」
変身は分かる。だが、変心。あれは心までドラゴンになるということだったのか。
「だが、おあいにく様だな。俺はパーカー野郎で、一度ドラゴンにあってるわけだ。今更、怯えもしねぇよ!」
【闘技場前】
闘技場の周りは、ビルの瓦礫等で身を隠すことができた。最初の東の作戦は、相手の能力と戦闘力を知るために、隠れながら相手を狙撃で攻撃。相手の情報を知ることが最初の作戦だった。
しかし、いくら身を隠してもすぐに感知され、攻撃してきた。彼女の武器、ステッキは触れた場所を宙に浮かすことができる。次々に宙に浮かしては、その浮いた瓦礫を僕達にあててきた。勿論、避ける。ビルの瓦礫なんてでかいの、石ころを投げられてるのとはまったく違う。直撃したら、間違いなく死んでしまう。
「おい、東。何であいつ隠れた場所が分かるんだよ」
キャプラが叫ぶ。
「多分、隠れても無駄かもしれないです」
「はっ?」
「気になったんです。どうしてタイミングよく現れたんだろって。多分、宇宙で僕らのことが見えていたんじゃないかって」
「そんなの見えるわけがーーいや、それがあいつの能力か!?」
「おそらく、見るに関する能力ではないかと」
「なら、あの空からとんでくる瓦礫さえ気をつけりゃいいんだな」
「待ってください!そうと決まったわけではありません」
「だが、このままじゃ体力がもたないぜ。とりあえず、さくらの幻視が使えるか試そうぜ。それで効かなきゃ、完全に見るに関する能力ってことで間違いはないんじゃないのか?」
「……分かりました。その作戦でいきましょう」
その時、闘技場の方から爆発音が聞こえた。見ると、闘技場は大火事になっていた。
「キングさん!」
「おい、キングのやつ大丈夫なんだろうな?」
いったい闘技場内で何が起こっているというのか。
「おい、東。とりあえず、こっちをまず何とかしようぜ。キングはそれからだ。多分、大丈夫だろあいつなら」
「はい」
そして、闘技場から今の敵に目線をうつした。そして、無線で各自に指示をだした。
【闘技場】
ドラゴンは避け回るキングを追いかけていた。一撃が大きくても、動きが大きくなるドラゴンの技は、ギリギリ何とか回避できた。
ドラゴンは人間では倒すことは不可能かもしれない。しかし、ドラゴン自身が自滅する可能性はある。赤髪の少女が闘技場にこだわったのは周りが瓦礫だったからだ。瓦礫は足場が悪い。ドラゴンは伝説並みの生き物。神と名乗るだけの脅威はある。しかし、生き物なら恐竜と同じ例えができる。大型の生き物はバランスが重要になってくる。だから、脚を狙われてバランスを崩したら、自分で起き上がることはできない。
キングが複雑な避け回りをすれば、ドラゴンは無意識に敵を追いながら、自分が複雑な動きになっていることに気づかずにバランスを崩す。やり方は、基本的にドラゴンの足元を動き回る。危険だが、落とし穴とかがない以上、やり遂げるしかない。
しかし、中々倒れない。確かに無理な姿勢や動きは、無意識に動きをとめ体勢を立て直す。
「やはり、そんな簡単にはいかないか。しかし、俺も体力がそろそろ限界なんだが、どうしたものか……」
その時、キングの目に入ったのは赤髪が使っていた大剣だった。大地に突き刺さったままだった。普通、剣ではドラゴンの鱗で攻撃しても無意味だが、少女のもつ武器は普通ではない。もしかすると、あれなら。
そうと決まると、体が素早く反応しその大剣の所まで、ドラゴンの攻撃を避けながら向かった。
「もう、これしか手は考えられねぇ!」
そう言って、頼みの綱を掴み、大地に突き刺さるそれを抜きとった。その瞬間、頭の中から声が聞こえた。それは武器を手にした瞬間だった。その武器の名を聞き、勝利を確信した。
「成る程、一対一にこだわる理由が分かった。お前は、この瞬間を恐れていたんだな」
そう言って、大剣をドラゴンの脚を狙って攻撃した。
「少女の武器は人間でも扱えるんだな」
見事に命中した斬撃は、ドラゴンの鱗を貫通し、血しぶきを吹き出した。更に斬撃を繰り出す。悲鳴をあげるドラゴンはついに、バランスを崩し見事に倒れた。
倒れた衝撃で、自身は更にダメージを受ける。
「じゃあな、あばよ」
そう言って、倒れているドラゴンの首もとに大剣を突き刺した。
ドラゴンは絶命すると同時に赤い光となって消えた。残された大剣を持ち上げ、キングは皮肉な笑みをこぼした。
「まさか、この剣がドラゴンの弱点だなんてな。自分の弱点になるものを、普通持ち歩くか?まぁ、だが逆にこれで助かったが。『ドラゴン・キラー』、この武器の名か……。まったくだったよ」
空を見上げ、キングは言った。
「父さんはやったぞ」
涙を流しながら、彼方にいるであろう家族に言った。
【闘技場前】
キングが赤髪の少女を倒した同じ頃、
「「どうた!」」
アレスと、モリスと、キャプラのコンビネーションで銀髪の少女を同じく倒したばかりだった。白色の光と共に消えた。
「やはり、見るに関する能力だったな。さくらの幻視は効かなかったから、そうだと思っても警戒しつつやったが、それでも他の少女に比べればたいしたことはなかったな。あいつが宇宙に今でいたのはなんとなく分かるが、何であのタイミングだったんだろう?」
「他の少女が二人もやられたから、他の少女と協力したんだろ。だが結果、あちらの少女もやられたようだが」
視線を闘技場にうつした。大火事だった闘技場の炎が消えていた。
「どっちも、たいしたことはなかったってことか」
モリスとキャプラはそう話をまとめた。だが、問題は残る。最後の少女だ。日本都市・東京を最後の目的地にしたのは、少女の中で一番最強とされたからだ。あれを倒さなければ、今までは無意味になってしまう。最大の脅威はまださってはいない。
少女攻略から一週間後、無事休息を終え、日本へとこれから向かおうとしていた。
「いよいよだな、東」
「はい、モリスさん。ーーでは、皆さん。これから東京に向け出発します。今までとは比べものにならないぐらい、激戦になると思います。相手は少女の中でも最強といわれる存在です。どんな能力を使ってくるのかも分かりません。まさに前代未聞です」
「東さんよぉ、俺達をびびらせないでくれよ」
「すいません、キャプラさん。しかし、最後だからこそ、気を抜かないでほしいです。今の、うちの戦力はさくらちゃんの能力とキングさんが手にした少女の武器ぐらいです。これで、戦力が足りているとは思いませんが、そこを人間の知恵で補って何とかしようと思います」
「よっ!頼りにしてるぜ」
「はい、頑張ります。ですので皆さんの力、もう少し力を貸してくれませんか」
「今更、水臭いぞ」
「もう少し、俺らを信用してもらいたいぜ」
「そうですよ」
「安心しろ。俺は東に、ついていく」
「キャプラさん、アレスさん、さくらちゃん、それにキングさん」
「東、皆同じ気持ちってことだ。ここまで一緒に来たんだ。変なこと言うな」
「モリスさん……そうでしたね。一番びびっていたのは僕でした。では、皆さん!最後の戦いの場に向かいます」
「「おう!」」
【日本都市・東京】
そこは、人のいない廃墟だった。しかし、建物は錆び付いているが、今まで瓦礫しかなかった所とは違った。
そして、『空のない世界』中心部にあたる場所、東京ビッグサイトにいた。
「では、行きます」
皆、頷く。
【東京ビッグサイト内部】
いた。
階段に座りこんでいるーーー
「おい、どういうことだ?」
「な、な……」
「嘘、だろ……」
そこには金髪の少女と、
銀髪の少女がいた。
金髪の少女「人間のくせによく頑張りました」
その横で拍手をする銀髪の少女。
金髪の少女「まず、紹介といきましょうか。どうせ、人間は私たちを倒すため、能力のことを探るのでしょ?私たちは探るのは好きじゃないの。だから、私たちから教えて、あ・げ・る」
銀髪の少女「わーい」
金髪の少女「まず、この子の能力は不死。だから、まぁ死なないわね」
銀髪の少女「皆、驚いているよ」
金髪の少女「あら、この子の能力何だと思ったのかしら」
銀髪の少女「?」
金髪の少女「因みに私の能力は破壊。さて、能力も教えたところでーー」
金髪の少女と銀髪の少女は立ち上がり
金髪&銀髪「「さあ、殺戮を始めましょう」」
《次回》 第1章 クライマックス編↓04へ
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