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第三章 舞踏会編
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しおりを挟むしばらく部屋でゆっくりしているとドアをノックする音が聞こえてくる。
アンナがドアまで行き、来訪者の確認をする。
「レミリア様、オスカー王子様がいらっしゃっております。」
「お通しして頂戴。」
「かしこまりました。」
そう言ってアンナはドアを開け、オスカーを部屋へ招いた。
オスカーは、レミリアを見ると一瞬驚いたような顔をし、少しだけ耳が赤くなる。
「レミリア、久しぶり。そ、そのなんと言うか、そのドレス、すごく似合ってるよ。」
「オ、オスカー様。ありがとう、ございます。嬉しいですわ。」
自分の体温がすごく熱くなるのを感じてオスカーを直視出来なくなり少し下を向く。
(((私たちのお仕えするレミリア様が可愛い。)))
2人の初心な態度は、この場にいる騎士と侍女のハートを掴んだのだった。
「オスカー様、まもなく入場のお時間になります。」
「ああ、分かった。」
そう言ってオスカー様は私の前まで来ると手を差し伸べた。
「レミリア、僕の初めてのエスコートを受けてくれるかい?」
「はい、もちろんですわ。よろしくお願い致します、オスカー様。」
そう言って差し伸べられた手に手を重ねると指先に軽くキスをされる。
お互い向き合った状態で顔を上げると目があってしまった。キスされた事で手がとても熱くなっているのに視線が交わった事でなんとも言えない恥ずかしさに全身の血が沸騰して、すぐ目を逸らした。自分の顔が真っ赤になってないかと少し不安になった。
自分の事に夢中なレミリアはオスカー様の変化には気付かないままだった。
彼も同じで自分でやった事に顔を真っ赤にしていたのだから。
((しばらくオスカー様の顔を見れませんわ。))
「行こうか、レミリア。」
「は、はい。」
短い言葉だけを交わして足を進め始めた。
お互いに繋がれた手に意識がいってしまいそうになりながらもゆっくりと確実に会場に向かうのだった。
舞踏会には主催の王族はもちろんのこと公爵から子爵まで幅広い貴族が集まっている。それも今年は王子のデビュタントだと言うから、揃いも揃って自分の愛娘や息子を連れてきている者もいる。それに合わせてデビュタントをしてくる貴族達もいて、今年のデビューは、かなり人数が多いときいた。
私達の入場は、子息令嬢達の入場が終わった後に一緒に入場する事になっている。その後、両陛下が入場し席に着かれると、舞踏会開始のファーストダンスを私とオスカー様が任されている。
つまり大役。今日の主役という事だ。
「緊張しているかい?」
オスカー様は少し心配そうに聞いてきた。
「緊張していないと言ったら嘘になりますわ。でもオスカー様が隣にいて下さるんですもの。頼りにしていますわ。」
「責任重大だな。」
「そうですわ。責任重大ですの。」
言い返すとオスカー様はふっと軽く笑い行こうかと胸をしゃんとする。それにあわせ私はレディとして精一杯ついていくことにしたのだった。
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