どうやら私は異世界トリップに巻き込まれてしまったようです。

玲藍

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本編

18 教会へ

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 さて。現在私泊まるところがございません。もう夕方ですし、どうしましょうか……。

『あれ?カンナさんもう夕方ですよ?出歩いてたら危ないです。』

 丁度いいタイミングでの登場ありがとうございます。ナダルシア国の神様。絶対様子を見て来たよね。はぁ、全くこの世界の神様は何を考えているんだか…。

「何ですか?そんな事言いにまた地上に降りてきたんですか?」

『違いますよっ!カンナさんなんか冷たいです。折角心配して来てあげたのに……。』

 誰も心配して欲しい、なんて言ってません。それに冷たいって何ですか。普通ですよ普通。

「で、何の用です?」

『とりあえず寝る場所無いんですよね?今日だけでも良いので教会に来てください。面倒見ますし、この世界の仕組みも色々教えてあげますから。』

教会か、正直行きたくないけどこの世界の仕組みは色々知りたい……。でも……この神様が何考えてるか分からないしなぁ…。

「……分かった。今日だけ、今日だけ行く。」

『はい!良かったー断られたらどうしようかと思いましたよー。』

 別に断っても良かったんだけどね、この世界の仕組みは知っておかないといけないし、しゃーないから行くだけ。

『じゃあ早速行きましょう!わあー楽しみだなー。カンナさんとおしゃべりだー。』

なんかものすごく喜んでます。とりあえず喜んでくれて良かった、のかな?








 案内されながら20分くらい歩き続け周りは既に真っ暗になっていました。
教会。ここが神様の一応祀られている場所だそうで、とりあえず扉を叩けばシスターが出てきてくれるんだそう。

『私はちょっと最高位のシスター長に事情を伝えに先に行きますから早く来てくださいねっ!前に渡した木の札をシスターに見せれば1発で通してくれますから。』

 と言って一瞬で消えた神様。どんだけ早く話したいんだろう。
扉の前に行き、3回扉を叩く。ギィ…と開いて1人のシスターが出てきた。

「この様な夜更けになんの御用でしょうか?」

「あ、あの……」

言葉に困り木の札だけを見せる。するとシスターは一瞬目を見開いたがそれ以降は何事も無かったように接してきます。

「……どうぞお入りください。」

本当に見せるだけで入れてくれました。この木の札ってどういうものなんだろう……。しばらくすると違うシスターが現れました。

「私は、ここのシスター長でマリーと申します。主神様からお話は伺っておりますので奥の間にご案内致しますね。」

シスター長のマリーさんだそうです。とてもお綺麗なマダムな方だなぁ。私はこんなにマダムみたいにはなれない。絶対なれない。無理無理。

「か、神無です。よ、よろしくお願いします。」

ぺこりとお辞儀をするとふふっと小さく笑いながら参りましょうか。と案内してくれます。

「奥の間の手前右側ににカンナ様のお部屋をご用意させて頂きました。」

「何から何までありがとうございます。私みたいな奴がいきなり来てしまったのに。」

「ふふっ。主神様がとても明るくお気に入りの子が来るからと言っていましたからどんな方かと思っていましたが、とても明るいのに健気な方でしたのね。
もうフードを取られてもよろしいんじゃないですか?ここでは皆平等です。役職的な物で上下がありますが、それは役割分担でしかありません。ここではそんな物で己を隠さなくていいんですよ?」

 なんか自分の心を見透かされてるような気がする。元の世界で銀髪を隠している事を。血筋的だって事は理解しているけれど、だからと言って目立つ銀髪を晒すことはしなかった。
 母は、髪が黒かったから。銀髪が原因で嫌がらせを受けていたから。
まだ私が小さい頃とても大好きなおばあちゃんも銀髪だった。おばあちゃんが生きていた頃は何でも我慢できた。おばあちゃんとお揃いだったし元気をくれたから。






「いいかい、神無。銀髪を馬鹿にされても傷つく事なんてない。泣かなくたっていいんだよ。」

「で、っ、でも、皆がわ、わたしは、っ、お母さんの子じゃな、いって。わたしは、銀髪だから、お母さんとお父さんの間に生まれた子じゃ無いって……っ。」

「そんなことは無いさ、だって神無のお母さんのお母さんがおばあちゃんなんだ。だから神無と家族だよ。その銀髪だって綺麗さ。おばあちゃんはね、おじいちゃんが初めて銀髪が綺麗だと言ってくれた人なんだ。
おばあちゃんは、とてもとても嬉しかったんだよ。だから神無。銀髪に自身を持ちなさい。神無が持っているものはとても素敵なものなのだから。その銀髪を大切にしなさい。」

 そう言って慰めてくれていつもぎゅっとしてくれたおばあちゃん。そう言ってくれた一週間後元気だったおばあちゃんは急に亡くなってしまった。     
 その頃の私にとってかけがえのない大好きなおばあちゃんが居なくなったことはとても辛かった。だから黒に染めた。おばあちゃんを裏切っているかもしれない。けれどその時はもう無理だった。
おばあちゃんを失った悲しみを銀髪で思い出してしまうから。







「カ……ま、……ナ様、カンナ様っ。」

「わあっ!」

目の前にマリーさんの顔があって少し驚いたけどぼーっとしていたみたいだ。

「大丈夫ですか?」

「だ、大丈夫です。すみません。」

心配そうにしているマリーさんに苦笑しながらまた大丈夫と言って自分に魔法を小さな声でかける。

「【本来の色に戻って。】」

小さな声で呟き、ゆっくりとフードを取るとマリーさんが微笑んで綺麗ですね。と言ってくれた。
その言葉がとても心に染み込んできて、私の心はポカポカとしていた。

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