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本編
21 教会での日々
しおりを挟むララちゃんとリリルちゃんに連れて来てもらった場所は、教会の奥にある広場だった。他の子供達もすでに遊んでいて楽しそうに笑っている。私にもこんな時期が、あったのかな…。
「カンナお姉ちゃんっ!こっちこっち!」
ララちゃんは広場で遊ぼうとはせずにもう少し奥まで行く。
そこには色とりどりの花が沢山咲いていて、とても綺麗な庭園があった。
「カンナお姉ちゃん、どう?気に入ってくれた?」
「ええ、綺麗でとても気に入ったわ。ありがとう連れてきてくれて。」
不安げに聞いてくるララちゃんにそう伝えると良かったと少し照れながら笑ってくれた。
「このお花さんは、ララと私達が植えて育てたお花さん達なの。だから、喜んでくれて嬉しい。」
リリルちゃんはそう説明して花を1輪プチッと摘んで私の髪にさしてくれた。
「お姉ちゃんの銀髪綺麗だからあげる。」
「ありがとう。じゃあ枯れないようにしないとね。」
私はニコッと笑って髪にさしてくれた花を手に取る。綺麗な薄ピンク色した花。教会の子供達がお世話した大切な花だから。直ぐに形が無くなるのなんてなんか悲しいじゃない。
「お花さんは枯れちゃうんだよ?どうやって枯れないようにするの?」
「この花に魔法をかけるの。ララちゃんとリリルちゃんが大切に育てたお花をずっと持っていたいからね。【大切な花に永遠の輝きを】」
そう言うと花は形はそのままで少し透き通った花に変わる。これでこの子達の気持ちをいつでも感じる事が出来ると思うから。
「わあっ!キラキラしてきれいね。」
「プレゼントとっても嬉しいわ。ありがとうね。」
えへへ。と笑う2人の顔を見てまた胸がいっぱいになった。
午後になり、ララとリリルはシスター達に連れられお勉強をしている。その間に私は、神様に会いに奥の間に来ていた。
「神様いるー?」
部屋に入ると暇そうにゴロゴロしている神様の姿が。
『いますよー。カンナさんが来なくて暇でしたー。ってあれ、カンナさんの髪にさしてある花どうしたんですか?』
「子供達がくれたのよ。魔法で枯れないようにしたけどね。」
『そうだったんですね。その花は大切に持っていると良いですよ。ちゃんと気持ちのこもったいい花ですから。』
「そうだね。2人にお礼をしなきゃ。何がいいと思う?」
『そうですねぇ…。魔石に魔法をかけてアクセサリーにして渡せば良いんじゃないですか?』
神様たまにはいい事言うんだな。見直したよ。
「それいいね。何に込めれば良いかな…。」
『ちょうどこの魔石作ったので差し上げます。』
「え?魔石って作れんの?」
『ええ、神なら誰でも作りますよ。タダの魔力の塊ですし。』
「それって私にも作れたりする?」
『普通の人間の方には無理ですけど、カンナさん普通の人間じゃないですからね。作れるかも知れません。』
おい、普通の人間じゃないってなんだ、心外だな。
「じゃあ自分で作る。」
『では今作っちゃいましょうか。誰かに見られるのも嫌ですし。』
「そうだね。普通の人間だったら魔石作れないんだもんね。」
『ええ、作ろうとしたらまず死にますよ。』
「へぇー、はぁ?!」
死ぬってそりゃまた物騒なっ!
『カンナさんは大丈夫です。神の加護が付いてるんですし平気ですよ。さあさあ、ちゃっちゃと作っちゃいましょう。』
なんだぁ、驚かせるなよ。この神様めっ!
『まず、カンナさんが魔石を何に使うのか決める必要があります。
じゃないと余計な魔力まで持ってかれちゃうので気をつけて下さいね。そして想像しながら手の中に結晶を作るイメージで形を作るといいです。』
「分かった。」
イメージ、まずはララちゃんから金髪で明るい女の子。元気よくてとてもいい事なんだけれどどこか危なっかしいララちゃん。
【災いから守り、慈しむ心を忘れない様に。あの元気をあの子から奪わないで】
私のようにならないで。夢に向かって進んでほしいから。そう思いながら手のひらに力を集めると、出来たのはエメラルドグリーンの魔石だった。
次はリリルちゃん。藍色の髪で優しい心を持っている女の子。私のワンピースをずっとぎゅっと握って居たのはどこかに自分の居場所を求めていたんだと思うから。
【不安から守り、立ち向かう勇気を。あの子の優しさが人々の心に届きます様に】
もうワンピースをぎゅっと掴まなくても居場所はあるのだから。そう思うとアクアマリンのような魔石が出来たのだった。
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