御連舎におねがい

tomatobomb

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一章、人喰い狼

七、終結

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『あなたの勇気は本当に素晴らしいとは思います。しかし、事実を曲げようとしたのは褒められた事ではありません。』

「はい……ごめんなさい……」

『あなたが御連舎に依頼したということは間違いに気付いたのでしょう?この事実も、村に知られない方が、穏便に過ごせるでしょう。犠牲者は最小限で済みましたので、あなたが悪く思う必要はありません。』



彼女が話している間、老婆はずっと、ぐすんぐすんと泣いていた。何を言っているのかは半分ほどしか聞き取れなかったが、恐らく、狼退治を頼んだことを申し訳なく思っているのではなかろうか。



「ぐああああああっ!!!」



腹に痛みが走る。
 



『狐寝入りとは、悪趣味だな』
「いや、今ので目を覚ましたんですよ!」
『本当に眠っている間は、触れても無反応だったぞ?』
「え、えぇと……それは、その……」
『誰がそのような汚い傷に触れるか』
「触ってないのですか!?」
『やはり、君はかなりの阿保だな。もう一度木に頭を打ち付けてくるといい』
「なっ……!そういうあなただって!、寝入るのは狸であって、狐は嫁入りですよ!」
『いや、私は狸寝入りと言った。聞き間違いではないか?やはりもう一度ぶつけてくるといい』
「くっ……ねぇあなた!彼女は狐寝入りって言いましたよね!?」 

「えっ……えぇと」



老婆は困った顔をしながらくすくすと微笑んだ。面白かったか……?



「これ、お礼です」
『確かに、受けとりました』

あの漬け物か……楽しみだな

『帰るぞ』
「はい!……ぐあぁっ!!!」


起き上がろうとすると腹に絶大な痛みが走る。

『……男だろ?しっかりしろ!』
「ぐあぁっ!!!」

彼女の蹴りは見事に傷に命中し、無様に叫んでしまう。 

『勇気の証だろう?痛みくらい受け入れろ』
「勇気?」
『いいから歩け!』
「ぐあぁっ!!!」


老婆がまた笑った気がした。
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