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12:心折られて
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電気ショックの責めから開放されたソフィアは、しばらく激しい頭痛とめまいに苦しんでいた。
頭がぼうっとして何も考えられない。
(もうダメだわ、ルイーゼ伍長にも頼れない)
孤独に耐えきれず、ソフィアいつのまにか泣き出した。
唯一の味方だと思っていたルイーゼ伍長にも見捨てられ、ただただ絶望する。
その自分がまた情けなくなり、涙を止めることができない。
(ここに連れて来られてから、泣いてばかりね)
つらい現実から逃れるようにソフィアは泣きじゃくった。
懲罰房にマクダ少尉が入って来たことにさえも、気が付かなかった。
「ほら、看守様が来たわよ」
「がっ!」
挨拶代わりにソフィアの尻に蹴りが入る。
さらにマクダ少尉はソフィア髪を掴んで、強引に自分の方を向けさせた。
「ふん、最初の頃の威勢はどこ行ったの?」
涙で濡れたソフィアの顔を見てマクダ少尉は嘲笑する。
涙で濡れた瞳の奥には、もはや闘志のひとかけらも無い。
「ほら、しっかりおしよ」
「むぐっ!」
ソフィアの腹にマクダ少尉の膝が入る。
そのショックでようやくソフィアは泣き止んだ。
「うふふ、惨めだねえ」
マクダ少尉はつま先をソフィアの頬にグリグリと押し付ける。
「舐めなさい、そうしたら今日の罰は痛くしないであげるわ」
意地わるげに言いながら、マクダ少尉はソフィアの防声具を外した。
口が自由になったソフィアは、マクダ少尉のつま先を見ながらしばし躊躇する。
が、すぐに足に顔を近づけ舌を出した。
「れろ、れろ、ちゅっ、れろ」
控えめに出された舌先で、ソフィアはマクダ少尉のブーツを舐め始めた。
「あはははははっ! あなたプライドってものがないの?」
嘲笑するマクダ少尉の足元で、ソフィアは口から荒い息をつきながらブーツへ舌を這わせる。
苦い土の味が口内に広がる。
死にたくなるような屈辱だった。
しかし苦痛にまみれた罰を受けるよりは、はるかにましだと思った。
(もうどうでもいいわ。しょせん私は敗戦国の戦犯で、処刑されるためだけに生きている雌豚なのよ)
自暴自棄になったソフィアは、つま先から側面まで丁寧に舌を這わせた。
右足が終わると、今度は左足。
時を経るごとに靴を舐めるという行為に慣れてくる。
「うふふ、上手いじゃない。ご褒美に今日は痛くしないであげるわよ」
舌で靴を清める恋人の仇を見ながら、マクダ少尉が高笑いする。
その下で涙を流しながら、ソフィアはブーツを舐め続けた。
「さあ、今日の罰を始めるわ」
舌でブーツを舐めさせるのに飽きたマクダ少尉は、ソフィアに懲罰房の真ん中へと異動させた。
そして起立の姿勢を崩さないよう命じる。
「今日の罰はそこで立っているだけよ、楽でしょう? 優しい看守に感謝しなさい」
「はい、ありがとうございます」
反射的にマクダ少尉へ感謝の返事をするソフィア。
なぜ自分が罰を受けなければいけないのか、それはもう疑問に持たないことにした。
「では、私がいいと言うまで立ってなさい」
懲罰房の扉がバタンと締められる。
そしてソフィアは、そのまま放っておかれた。
それから半日が経過した。
ソフィアは一時も座ることを許されず、ずっと同じ姿勢のまま立ち続けている。
時おり見張りの兵士がやってきて姿勢をチェックするため、動くことができない。
(ま、まだ終わらないの)
食事の時間になるとやってきた兵士が水を飲ませてくれた。
持ってきたパンを口に近づけ食事も与えてくれる。
だが姿勢を崩すことは絶対に許されない。
さらに時は過ぎて、遂に立ったまま日付が変わった。
(もうどれほどの時間が経ったのかしら)
限界を超えたソフィアの足が震えいる。
既に脚には疲労というより痛みが走るようになっていた。
頭がぼうっとして、時おり強烈な睡魔にも襲われる。
そして遂に耐えきれなくなったソフィアは膝から崩れた。
「429番、姿勢を崩すな!」
バァン!
乱暴に懲罰房の扉が開かれ、ゲールの兵士が現れた。
続いて呼ばれたマクダ少尉がやってきる。
彼女は入るなり、足を崩したソフィアに蹴りを入れた。
「がっ!」
床に倒れたソフィアを2人のゲール兵が取り押さえ、防声具を無理やりに嵌める。
そして声を出せなくなった所で、スタンガン付きの警棒が押し付けられた。
「むぅぅぅぅうん! むぅぅぅぅぅん!
悶えるソフィアにマクダ少尉は何度も警棒を押し付ける。
そして罰が終わると、髪の毛を掴んで再び立たされた。
「ほら、まだ罰は終わってないのよ。スタンガンは嫌でしょう? ちゃんと立ってなさい」
何も履くことを許されない股間に警棒が差し込まれる。
ぶんぶんとソフィアは激しく頭を縦に振って、涙目のまま起立の姿勢に戻る。
「じゃあ、罰を継続するわ。次に姿勢を崩したら、わかっているでしょうね」
懲罰房の扉が締められる。
再びソフィアの立ちっぱなしの地獄が始まった。
「むふぅ、ふぅ、むふぅ、ふぅ」
防声具の下から荒い呼吸が漏れる。
既に足は痛みすら感じなくなっていた。
懲罰房に来てからただでさえまともに眠れていないのに、この罰が始まってからは一睡も許されない。
睡眠不足で頭が朦朧としてくる。
(いつまでこの地獄が続くの)
座りたいという欲求が何度も頭をよぎる。
しかしまたスタンガンの地獄を受けるのかと思うと、怖くて動けない。
起立したままただ涙だけが溢れて来る。
そして遂に堰を切ったように、肉体の限界が訪れた。
「むっ、んぅぅぅぅぅぅっ!」
ビクッとソフィアの全身が痙攣する。
同時にソフィアの意識が真っ白になった
(あっ)
どさりと音を立てて、ソフィアは倒れた。
そしてそのまま意識を失った。
頭がぼうっとして何も考えられない。
(もうダメだわ、ルイーゼ伍長にも頼れない)
孤独に耐えきれず、ソフィアいつのまにか泣き出した。
唯一の味方だと思っていたルイーゼ伍長にも見捨てられ、ただただ絶望する。
その自分がまた情けなくなり、涙を止めることができない。
(ここに連れて来られてから、泣いてばかりね)
つらい現実から逃れるようにソフィアは泣きじゃくった。
懲罰房にマクダ少尉が入って来たことにさえも、気が付かなかった。
「ほら、看守様が来たわよ」
「がっ!」
挨拶代わりにソフィアの尻に蹴りが入る。
さらにマクダ少尉はソフィア髪を掴んで、強引に自分の方を向けさせた。
「ふん、最初の頃の威勢はどこ行ったの?」
涙で濡れたソフィアの顔を見てマクダ少尉は嘲笑する。
涙で濡れた瞳の奥には、もはや闘志のひとかけらも無い。
「ほら、しっかりおしよ」
「むぐっ!」
ソフィアの腹にマクダ少尉の膝が入る。
そのショックでようやくソフィアは泣き止んだ。
「うふふ、惨めだねえ」
マクダ少尉はつま先をソフィアの頬にグリグリと押し付ける。
「舐めなさい、そうしたら今日の罰は痛くしないであげるわ」
意地わるげに言いながら、マクダ少尉はソフィアの防声具を外した。
口が自由になったソフィアは、マクダ少尉のつま先を見ながらしばし躊躇する。
が、すぐに足に顔を近づけ舌を出した。
「れろ、れろ、ちゅっ、れろ」
控えめに出された舌先で、ソフィアはマクダ少尉のブーツを舐め始めた。
「あはははははっ! あなたプライドってものがないの?」
嘲笑するマクダ少尉の足元で、ソフィアは口から荒い息をつきながらブーツへ舌を這わせる。
苦い土の味が口内に広がる。
死にたくなるような屈辱だった。
しかし苦痛にまみれた罰を受けるよりは、はるかにましだと思った。
(もうどうでもいいわ。しょせん私は敗戦国の戦犯で、処刑されるためだけに生きている雌豚なのよ)
自暴自棄になったソフィアは、つま先から側面まで丁寧に舌を這わせた。
右足が終わると、今度は左足。
時を経るごとに靴を舐めるという行為に慣れてくる。
「うふふ、上手いじゃない。ご褒美に今日は痛くしないであげるわよ」
舌で靴を清める恋人の仇を見ながら、マクダ少尉が高笑いする。
その下で涙を流しながら、ソフィアはブーツを舐め続けた。
「さあ、今日の罰を始めるわ」
舌でブーツを舐めさせるのに飽きたマクダ少尉は、ソフィアに懲罰房の真ん中へと異動させた。
そして起立の姿勢を崩さないよう命じる。
「今日の罰はそこで立っているだけよ、楽でしょう? 優しい看守に感謝しなさい」
「はい、ありがとうございます」
反射的にマクダ少尉へ感謝の返事をするソフィア。
なぜ自分が罰を受けなければいけないのか、それはもう疑問に持たないことにした。
「では、私がいいと言うまで立ってなさい」
懲罰房の扉がバタンと締められる。
そしてソフィアは、そのまま放っておかれた。
それから半日が経過した。
ソフィアは一時も座ることを許されず、ずっと同じ姿勢のまま立ち続けている。
時おり見張りの兵士がやってきて姿勢をチェックするため、動くことができない。
(ま、まだ終わらないの)
食事の時間になるとやってきた兵士が水を飲ませてくれた。
持ってきたパンを口に近づけ食事も与えてくれる。
だが姿勢を崩すことは絶対に許されない。
さらに時は過ぎて、遂に立ったまま日付が変わった。
(もうどれほどの時間が経ったのかしら)
限界を超えたソフィアの足が震えいる。
既に脚には疲労というより痛みが走るようになっていた。
頭がぼうっとして、時おり強烈な睡魔にも襲われる。
そして遂に耐えきれなくなったソフィアは膝から崩れた。
「429番、姿勢を崩すな!」
バァン!
乱暴に懲罰房の扉が開かれ、ゲールの兵士が現れた。
続いて呼ばれたマクダ少尉がやってきる。
彼女は入るなり、足を崩したソフィアに蹴りを入れた。
「がっ!」
床に倒れたソフィアを2人のゲール兵が取り押さえ、防声具を無理やりに嵌める。
そして声を出せなくなった所で、スタンガン付きの警棒が押し付けられた。
「むぅぅぅぅうん! むぅぅぅぅぅん!
悶えるソフィアにマクダ少尉は何度も警棒を押し付ける。
そして罰が終わると、髪の毛を掴んで再び立たされた。
「ほら、まだ罰は終わってないのよ。スタンガンは嫌でしょう? ちゃんと立ってなさい」
何も履くことを許されない股間に警棒が差し込まれる。
ぶんぶんとソフィアは激しく頭を縦に振って、涙目のまま起立の姿勢に戻る。
「じゃあ、罰を継続するわ。次に姿勢を崩したら、わかっているでしょうね」
懲罰房の扉が締められる。
再びソフィアの立ちっぱなしの地獄が始まった。
「むふぅ、ふぅ、むふぅ、ふぅ」
防声具の下から荒い呼吸が漏れる。
既に足は痛みすら感じなくなっていた。
懲罰房に来てからただでさえまともに眠れていないのに、この罰が始まってからは一睡も許されない。
睡眠不足で頭が朦朧としてくる。
(いつまでこの地獄が続くの)
座りたいという欲求が何度も頭をよぎる。
しかしまたスタンガンの地獄を受けるのかと思うと、怖くて動けない。
起立したままただ涙だけが溢れて来る。
そして遂に堰を切ったように、肉体の限界が訪れた。
「むっ、んぅぅぅぅぅぅっ!」
ビクッとソフィアの全身が痙攣する。
同時にソフィアの意識が真っ白になった
(あっ)
どさりと音を立てて、ソフィアは倒れた。
そしてそのまま意識を失った。
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