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4:天海弥生の日常①
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翌朝、天海弥生は朝6時に起きた。
膝上まであるナイトシャツを脱ぎ捨て、トレーニングウェアに着替える。
そして軽快な足取りで階段を駆け下りた。
弥生の部屋は2階にあり、一人で住むには広い家だが、寂しさにはもう慣れている。
「父さん、母さん、おはよっ!」
両親の写真に元気よく挨拶して、シューズを履いてジョギングに出かける。
堤防の上にあるサイクリングロードへと向かい、そのまま河川に沿って丘へと走るのが弥生のお気に入りのコースだ。
「ふわぁぁぁぁ、昨日は夜更かししたからなあ、やっぱ眠いや」
大きなあくびをする弥生だが、中学から続けているこの朝の日課だけはやめられない。
10キロは走っておかないと、その日は気持ちが落ち着かないのだ。
穏やかな朝の光を浴びて、新緑に包まれた空気を胸いっぱいに吸い込みながら、坂道を一気に駆け上がる。
そして丘の上の公園で軽くストレッチをして、来た道を下りて家へと戻った。
「ただいまっ!」
誰もいない家に挨拶をしてから、弥生はバスルームへと直行する。
汗ばんだ体を熱いシャワーで洗い流し、ストレッチジーンズとロングセーターに着替えて朝食の準備を始めた。
「それでは次のニュースです。昨晩、北東京美術館にて展示中の宝石『星の涙』の盗難事件について、警視庁は広域連続窃盗犯W29号、通称怪盗アクアによる犯行と発表しました」
テレビでは宝石盗難についてのニュースが流されている。
すると弥生は不機嫌な顔つきになり、すぐにテレビを消した。
「朝から嫌なもの、見ちゃったな」
そう呟くと、シリアルとサラダ、そしてフルーツジュースの朝食を一気に食べる。
食器を洗った頃には、もう8時を過ぎていた。
「いけない! そろそろ大学へ行かないと」
慌てて歯を磨き、身支度を整える弥生。
本来の髪は明るい茶色だが、今は黒く染められている。
髪を後ろでまとめて度なしのメガネをかけて、都立楽西芸術大学へ出かけた。
「おはよっ」
「おはよっ、弥生、課題はもうできた?」
「うぅん、全然、最近は忙しくてさ」
「忙しいって、どうせまた美術館巡りでしょ? ちゃんとやらないと教授に怒られるよ」
「えへへ、バレた?」
キャンパスで友人たちと他愛のない会話をして、講義を聞き、課題の提出に悩む。
そんなどこにでもいる女子大生、天海弥生。
彼女こそ世間を騒がす怪盗アクアその人であることは、まだ誰も気が付いていない。
膝上まであるナイトシャツを脱ぎ捨て、トレーニングウェアに着替える。
そして軽快な足取りで階段を駆け下りた。
弥生の部屋は2階にあり、一人で住むには広い家だが、寂しさにはもう慣れている。
「父さん、母さん、おはよっ!」
両親の写真に元気よく挨拶して、シューズを履いてジョギングに出かける。
堤防の上にあるサイクリングロードへと向かい、そのまま河川に沿って丘へと走るのが弥生のお気に入りのコースだ。
「ふわぁぁぁぁ、昨日は夜更かししたからなあ、やっぱ眠いや」
大きなあくびをする弥生だが、中学から続けているこの朝の日課だけはやめられない。
10キロは走っておかないと、その日は気持ちが落ち着かないのだ。
穏やかな朝の光を浴びて、新緑に包まれた空気を胸いっぱいに吸い込みながら、坂道を一気に駆け上がる。
そして丘の上の公園で軽くストレッチをして、来た道を下りて家へと戻った。
「ただいまっ!」
誰もいない家に挨拶をしてから、弥生はバスルームへと直行する。
汗ばんだ体を熱いシャワーで洗い流し、ストレッチジーンズとロングセーターに着替えて朝食の準備を始めた。
「それでは次のニュースです。昨晩、北東京美術館にて展示中の宝石『星の涙』の盗難事件について、警視庁は広域連続窃盗犯W29号、通称怪盗アクアによる犯行と発表しました」
テレビでは宝石盗難についてのニュースが流されている。
すると弥生は不機嫌な顔つきになり、すぐにテレビを消した。
「朝から嫌なもの、見ちゃったな」
そう呟くと、シリアルとサラダ、そしてフルーツジュースの朝食を一気に食べる。
食器を洗った頃には、もう8時を過ぎていた。
「いけない! そろそろ大学へ行かないと」
慌てて歯を磨き、身支度を整える弥生。
本来の髪は明るい茶色だが、今は黒く染められている。
髪を後ろでまとめて度なしのメガネをかけて、都立楽西芸術大学へ出かけた。
「おはよっ」
「おはよっ、弥生、課題はもうできた?」
「うぅん、全然、最近は忙しくてさ」
「忙しいって、どうせまた美術館巡りでしょ? ちゃんとやらないと教授に怒られるよ」
「えへへ、バレた?」
キャンパスで友人たちと他愛のない会話をして、講義を聞き、課題の提出に悩む。
そんなどこにでもいる女子大生、天海弥生。
彼女こそ世間を騒がす怪盗アクアその人であることは、まだ誰も気が付いていない。
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