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30:心を折るゲーム④
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「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
テーザー銃からのダメージから回復した弥生は、再び薄暗い美術館の中を逃げ回っていた。
(ドローンはどこかへ行ってしまった、次は何に私を襲わせるつもり)
まだ痺れの残る身体で慎重に歩みを進めつつ、弥生は細い首に嵌められた首輪を弄る。
このゲームに自分の勝ちがない事は、わかっている。
自分に執着する葉月が解放を認めることなど、絶対にあり得ないのだから。
(まったく悪趣味なことを考えたものね。だったら上等よ、何とかして奴らの裏をかいて、脱出する方法を見つけてやるわ)
そう考えつつ上の階へ行くスロープを登ろうとしたその時、強烈な威嚇灯が弥生の背中を照らした。
「侵入者ハッケン! 侵入者ハッケン!」
振り向くと3体の人型ロボットがいた。
今度は全員、銃のような物を持っている。
「しまった!」
とっさに逃げ出す弥生に向けて、ロボット達が一斉に銃を発射する。
後ろの壁に命中した十字のゴムを見て、女怪盗はそれが何かをすぐに理解する。
(暴徒鎮圧用のゴム弾、今度はこれで私を痛めつける気なの?)
連続で発射されるゴム弾を、弥生は驚異的な反射神経で避けつつスロープを駆け上がる。
だがロボット達も足の裏にあるローラーを加速させて、猛スピードで追いついてくる。
「はっはっはっ、どうしたアクアちゃん。早く逃げないとまた痛い目に合うぞ」
(葉月ッ!)
葉月の嘲笑に弥生は唇を噛む。
完全に見世物となった女怪盗は、必死にゴム弾を持つロボット達から逃げ回る。
すると今度は正面から、犬型のロボットが飛びかかってきた。
「たあっ!」
掛け声とともに、フワリと犬型ロボットの頭を飛び越える弥生。
そして地面に着地すると、ゴム弾に狙われないようジグザグに走って逃げる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
息を切らせて弥生は走り続ける。
行く手には次々と警備用のロボットが襲ってきたが、持ち前の運動神経と勘、そして女怪盗としての経験を総動員して何とか切り抜けていく。
(地上まで逃げてこの首輪さえ外せれば、何とか……)
淡い期待を抱きつつ、1階へ続くスロープを駆け上がる弥生。
だが女怪盗の足掻きもそこまでだった。
疲労し動きが鈍った背中へ、人型ロボットは冷静にゴム弾の銃口を定める。
「がはっ!!」
鈍い音と同時に、弥生は背中へ強い衝撃を受けた。
息が完全に詰まり、呻き声を上げながら膝を折る。
「がっ、げほっ、げほっ!」
次に弥生が顔を上げた時、見えたのは人型ロボットの無表情なカメラの目。
無造作に振り上げられた脚が、女怪盗の脇腹へと刺さる。
「ぐぅっ!」
吹き飛ばされた弥生の身体が、壁に激突する。
全身がバラバラになったような苦痛に、脂汗を垂らして苦悶する。
「アクア、もはや君の負けだ。両手を頭の後ろで組んで『降参』と言いなさい。そうすれば後は優しく扱ってあげるよ」
葉月が再び嘲笑を交えた警告を行う。
勝てない事はわかっている。
だがそれでも女怪盗の心は折れなかった。
(あんな男に屈するくらいなら、最後まで抵抗してやる!)
気力を奮い立たせ、立ち上がろうとする弥生。
だがその前に腹へゴム弾が命中した。
「がはっ!」
腹を抱えて弥生の身体が崩れる。
腹部への鈍痛で胃がせり上がり、身体の内側から彼女を苦しめる。
「う、うえぇ、おうぇ」
悶える弥生に、ロボット達はさらに容赦のないゴム弾を発射する。
とっさに身体を丸めた女怪盗に、嵐のようなゴム弾が降り注いだ。
「きゃぁ! ああっ! いやぁぁぁ! ああああっっ!」
レオタードの薄布だけで守られた身体に、容赦の無いゴム弾が降り注ぐ。
急所こそ守っているが、一発ごとの威力が尋常ではない。
全身に強烈な打撃を浴びた弥生は、ぐったりと動けなくなる。
そしてまぶたを閉じ、ロボット達に見下ろされながら意識を失った。
テーザー銃からのダメージから回復した弥生は、再び薄暗い美術館の中を逃げ回っていた。
(ドローンはどこかへ行ってしまった、次は何に私を襲わせるつもり)
まだ痺れの残る身体で慎重に歩みを進めつつ、弥生は細い首に嵌められた首輪を弄る。
このゲームに自分の勝ちがない事は、わかっている。
自分に執着する葉月が解放を認めることなど、絶対にあり得ないのだから。
(まったく悪趣味なことを考えたものね。だったら上等よ、何とかして奴らの裏をかいて、脱出する方法を見つけてやるわ)
そう考えつつ上の階へ行くスロープを登ろうとしたその時、強烈な威嚇灯が弥生の背中を照らした。
「侵入者ハッケン! 侵入者ハッケン!」
振り向くと3体の人型ロボットがいた。
今度は全員、銃のような物を持っている。
「しまった!」
とっさに逃げ出す弥生に向けて、ロボット達が一斉に銃を発射する。
後ろの壁に命中した十字のゴムを見て、女怪盗はそれが何かをすぐに理解する。
(暴徒鎮圧用のゴム弾、今度はこれで私を痛めつける気なの?)
連続で発射されるゴム弾を、弥生は驚異的な反射神経で避けつつスロープを駆け上がる。
だがロボット達も足の裏にあるローラーを加速させて、猛スピードで追いついてくる。
「はっはっはっ、どうしたアクアちゃん。早く逃げないとまた痛い目に合うぞ」
(葉月ッ!)
葉月の嘲笑に弥生は唇を噛む。
完全に見世物となった女怪盗は、必死にゴム弾を持つロボット達から逃げ回る。
すると今度は正面から、犬型のロボットが飛びかかってきた。
「たあっ!」
掛け声とともに、フワリと犬型ロボットの頭を飛び越える弥生。
そして地面に着地すると、ゴム弾に狙われないようジグザグに走って逃げる。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
息を切らせて弥生は走り続ける。
行く手には次々と警備用のロボットが襲ってきたが、持ち前の運動神経と勘、そして女怪盗としての経験を総動員して何とか切り抜けていく。
(地上まで逃げてこの首輪さえ外せれば、何とか……)
淡い期待を抱きつつ、1階へ続くスロープを駆け上がる弥生。
だが女怪盗の足掻きもそこまでだった。
疲労し動きが鈍った背中へ、人型ロボットは冷静にゴム弾の銃口を定める。
「がはっ!!」
鈍い音と同時に、弥生は背中へ強い衝撃を受けた。
息が完全に詰まり、呻き声を上げながら膝を折る。
「がっ、げほっ、げほっ!」
次に弥生が顔を上げた時、見えたのは人型ロボットの無表情なカメラの目。
無造作に振り上げられた脚が、女怪盗の脇腹へと刺さる。
「ぐぅっ!」
吹き飛ばされた弥生の身体が、壁に激突する。
全身がバラバラになったような苦痛に、脂汗を垂らして苦悶する。
「アクア、もはや君の負けだ。両手を頭の後ろで組んで『降参』と言いなさい。そうすれば後は優しく扱ってあげるよ」
葉月が再び嘲笑を交えた警告を行う。
勝てない事はわかっている。
だがそれでも女怪盗の心は折れなかった。
(あんな男に屈するくらいなら、最後まで抵抗してやる!)
気力を奮い立たせ、立ち上がろうとする弥生。
だがその前に腹へゴム弾が命中した。
「がはっ!」
腹を抱えて弥生の身体が崩れる。
腹部への鈍痛で胃がせり上がり、身体の内側から彼女を苦しめる。
「う、うえぇ、おうぇ」
悶える弥生に、ロボット達はさらに容赦のないゴム弾を発射する。
とっさに身体を丸めた女怪盗に、嵐のようなゴム弾が降り注いだ。
「きゃぁ! ああっ! いやぁぁぁ! ああああっっ!」
レオタードの薄布だけで守られた身体に、容赦の無いゴム弾が降り注ぐ。
急所こそ守っているが、一発ごとの威力が尋常ではない。
全身に強烈な打撃を浴びた弥生は、ぐったりと動けなくなる。
そしてまぶたを閉じ、ロボット達に見下ろされながら意識を失った。
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