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4章・真意と挑戦篇
26話・頂きを目指して~復讐のプロジェクト始動(Act2)
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黒夜はすぐに店に戻って明(オーナー兼取締役)とゼクロに冴優への仕置きと今回の件を話した。
「横峯冴優は1億の負債を取引の中で負わせた。そのまま、借金を肩代わりしてうちで働かせる契約を昨日付けで結びました」
「ふん。クロボーイにしては早く肩を付けたな」
「カイさんの情報とハッキングのサポートがあったとは言え、顧客の財力を対抗馬にぶつけるのは考えもしなかったよ。店長を継がせた私も鼻が高いよ。その後、VIPのリピート数も大幅に伸びて売り上げも前年の2%増と経営者としても文句のつけようがなくなってきている」
明とゼクロがこぞって黒夜を褒めたたえる。
しかし、黒夜の目は次のステージを向いていた。
「でも、次はあの天下の杉川財閥です」
「そうだね。次の相手はあの令嬢だからね。接触するにもそれなりの状況を作り出す必要がありそうだね」
「今までキャバクラの店長として働き、裏の顔でターゲットに接触してきましたが、杉川莉乃は計算が高い女です。それに今回は俺だけの戦いじゃないです」
「どういう意味だクロボーイ」
「ゼクロ。アンタはもう気付いてるんじゃないのか? 俺が誰と接触しているのか」
「ふん。お前もだいぶ勘が働く様になったな。元カノと接触していたのを見た時は一瞬どついてやろうかと思ったがな。お前が自分の正体を明かすんじゃないかって冷や冷やしながらな」
ゼクロは黒夜と美歩の接触を冴優との契約締結の後からこっそり付けていたのだ。
だが、黒夜の復讐者としての風格と対応力に感服してその場を見守っていた。
「話の大筋は聞いていたがあの元カノの親父さんとお前の復讐相手の女の父親が権力争いをしているとな」
「ああ、何としても美歩の父親を勝たせて杉川財閥ごと沈めてやりたいが……」
「カイに調べて貰ったが政財界のバックを含めて対等と言えば対等だが、国内における支持層はやはり歴史を持つ杉川財閥の方が多少強力だな~」
「それで明さんに相談したくて」
「何かな? 俺を明さんの補佐としてでも何でも良いのでこの政財界の人が集う場所に顔を聞く様にできないでしょうか」
その言葉にゼクロが反応する。
凄く不貞腐れた様子でだ。
「おい、クロボーイ。その頼みは明じゃなくて俺にするべきじゃねえのかよ」
「え、何で?」
「貴様、俺が何者かをもう忘れたのか」
「女好きのスカウト活動しているおじさん」
そのやり取りに明は思わず噴き出した。
相当おかしかったのか、なかなか笑いが止まらなかった。
「おーい明~、何が可笑しいんだ?」
「いや、すごいいいコンビになってきたなと思って」
「本当にお前は俺が見てきた教え子の中で一番ムカつくやつだな」
「黒夜君、安心していいよ。ゼクロさんは君のことが面白くてたまらないんだよ。それにその悩みもこの人なら解決してくれるだろうから」
そうするとゼクロは新しい名刺入れを差し出した。
そこにはブラックハートを運営する親会社・ブラックキャッスル㈱の名前とそこの企画部・室長の肩書があった。
「お前を明の直属の部下としての新部署を立てる手配を整えた。上司はこれまで通り明だが、メンバーはお前が好きな奴を集めろ」
「集めろって?」
「嘘が下手なんだよお前は~頭の中が見え透いているんだよ」
ゼクロに頭をワシワシとやられる黒夜だったが、彼の言う通りで考想は練っていた。
復讐の準備に動き出す。
(次回)
杉川潰しのメンバーとは?
そして本社に出向となる黒夜の次の一手
「横峯冴優は1億の負債を取引の中で負わせた。そのまま、借金を肩代わりしてうちで働かせる契約を昨日付けで結びました」
「ふん。クロボーイにしては早く肩を付けたな」
「カイさんの情報とハッキングのサポートがあったとは言え、顧客の財力を対抗馬にぶつけるのは考えもしなかったよ。店長を継がせた私も鼻が高いよ。その後、VIPのリピート数も大幅に伸びて売り上げも前年の2%増と経営者としても文句のつけようがなくなってきている」
明とゼクロがこぞって黒夜を褒めたたえる。
しかし、黒夜の目は次のステージを向いていた。
「でも、次はあの天下の杉川財閥です」
「そうだね。次の相手はあの令嬢だからね。接触するにもそれなりの状況を作り出す必要がありそうだね」
「今までキャバクラの店長として働き、裏の顔でターゲットに接触してきましたが、杉川莉乃は計算が高い女です。それに今回は俺だけの戦いじゃないです」
「どういう意味だクロボーイ」
「ゼクロ。アンタはもう気付いてるんじゃないのか? 俺が誰と接触しているのか」
「ふん。お前もだいぶ勘が働く様になったな。元カノと接触していたのを見た時は一瞬どついてやろうかと思ったがな。お前が自分の正体を明かすんじゃないかって冷や冷やしながらな」
ゼクロは黒夜と美歩の接触を冴優との契約締結の後からこっそり付けていたのだ。
だが、黒夜の復讐者としての風格と対応力に感服してその場を見守っていた。
「話の大筋は聞いていたがあの元カノの親父さんとお前の復讐相手の女の父親が権力争いをしているとな」
「ああ、何としても美歩の父親を勝たせて杉川財閥ごと沈めてやりたいが……」
「カイに調べて貰ったが政財界のバックを含めて対等と言えば対等だが、国内における支持層はやはり歴史を持つ杉川財閥の方が多少強力だな~」
「それで明さんに相談したくて」
「何かな? 俺を明さんの補佐としてでも何でも良いのでこの政財界の人が集う場所に顔を聞く様にできないでしょうか」
その言葉にゼクロが反応する。
凄く不貞腐れた様子でだ。
「おい、クロボーイ。その頼みは明じゃなくて俺にするべきじゃねえのかよ」
「え、何で?」
「貴様、俺が何者かをもう忘れたのか」
「女好きのスカウト活動しているおじさん」
そのやり取りに明は思わず噴き出した。
相当おかしかったのか、なかなか笑いが止まらなかった。
「おーい明~、何が可笑しいんだ?」
「いや、すごいいいコンビになってきたなと思って」
「本当にお前は俺が見てきた教え子の中で一番ムカつくやつだな」
「黒夜君、安心していいよ。ゼクロさんは君のことが面白くてたまらないんだよ。それにその悩みもこの人なら解決してくれるだろうから」
そうするとゼクロは新しい名刺入れを差し出した。
そこにはブラックハートを運営する親会社・ブラックキャッスル㈱の名前とそこの企画部・室長の肩書があった。
「お前を明の直属の部下としての新部署を立てる手配を整えた。上司はこれまで通り明だが、メンバーはお前が好きな奴を集めろ」
「集めろって?」
「嘘が下手なんだよお前は~頭の中が見え透いているんだよ」
ゼクロに頭をワシワシとやられる黒夜だったが、彼の言う通りで考想は練っていた。
復讐の準備に動き出す。
(次回)
杉川潰しのメンバーとは?
そして本社に出向となる黒夜の次の一手
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