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第3章 再会編
第7話 初恋の人に会いに行こう
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俺は『つねちゃん』に認めてもらえる様な男になる為、なかなか覚めない『夢の中』を必死になって『小学生』をやり直していた。
『漢字』もかなり読み書きが出来る様になった。
恐らくクラスの奴等の中で一番、俺が漢字を知っていると思う。
それは家でも母さんに、まだ習っていない漢字も教えてもらっているからだが……
ほんの少し前まで、こんな漢字くらい余裕で読めたはずだと思うと、たまに複雑な気持ちにはなるが、今の俺は結構、充実感に満たされている。
それは多分、俺には大きな『目標』があるからだろう。
『目標』があるという事は人生を歩んで行く為にはとても大事な事なんだと、今更ながら、小学生に逆戻りをしている自分自身で教えられている……
以前の俺は部下達に向かって、『しっかり目標を持って頑張るんだ!』と偉そうな事を言っていたが、言っている自分自身が大した『目標』も無いクセに口先だけの『責任者』を演じていただけなんだと反省すらしている毎日だ。
俺は入学当初はクラスであまりしゃべらない様に気を付けていた。
何故かと言えば、中身だけは大人の俺が油断をして知らず知らずのうちに大人口調になってしまい、クラスメイトに上から話をしている様な感じになり、皆から嫌われてしまうのではないかと思っていたからだ。
でもクラスの子達が段取りの悪い行動をとっているのを見てしまうと、中身が大人の俺はついつい『こうしたほうが良い、この様に動いた方が良い』と指示を出してしまう。
その指示通りやると、皆うまく出来てしまうので、『小学一年生達』にとっては凄く感動するらしく、いつの間にか俺はクラスの皆から信頼される存在になってしまっていた。
昔の俺では考えられない事だった……
そうなると、大して男前でもない俺がクラスの女子達からモテだしてしまった。
昔、クラスのアイドルで、俺なんかの手には絶対に届かなかった『寿久子』にまで気に入られてしまう次第だ。
ただ残念な事に彼女達には申し訳ないが、俺の目には大人から見た『普通の小学一年生の女の子』にしか写らず、寿さんも含め、何のときめきも起こらないでいた……
昔の俺を考えれば非常に勿体ない事かもしれないが、俺にはそんな『趣味』もなく、どちらかと言えば、担任の『井上啓子先生』の方に魅力を感じてしまう。
彼女は二十九歳の『既婚者』で俺の母親と同い年だ。
昔の俺は井上先生の事を『とても怖い先生』だと思っていたし、実際怒るとメチャクチャ怖くて、あまり好きじゃない先生だったと記憶している。
でも今の俺は『中身がおっさんの小学一年生』
この数ヶ月、大人目線で彼女を観察していると、とても『正義感』が強く、『子供好き』で『教師』とう仕事に誇りをもって一生懸命に頑張っている先生だったんだという事がよく分かり、今の俺は彼女の事を『尊敬』している。
なので、俺の先生に対する接触の仕方も昔と違って勉強の事で色々と質問したり、クラスの事で相談したりと、この『夢の中』では『良好な関係』を築けている状態だ。
ただ、いつも思う事がある。
井上先生との様な『良好な関係』を本当は『つねちゃん』と続けていきたかったと……
『つねちゃん』と別れてもう四ヶ月が経とうとしている。
最近ふと思う事がある。
今の状況は本当に『夢』なのだろうか?
実は俗に言う『タイムリープ』というやつじゃないのか?と……
元々俺は昔から『タイムリープ』なんてものは信じていない。
これは『アニメ』や『ラノベ』の世界だけに存在するものだと思っているからだ。
こんな『アニメ』の様な事が俺なんかに起こるはずが無いと思っていた。
しかし、『夢』だとすれば余りにも長すぎないか?
実はこっちが『現実』で今までが『夢』だったのでは?
何て事も考えたりはしたが、それはまず無いだろう。
だって『中身はおっさんの小学一年生』がここに実在しているのだから……
この数ヶ月である程度の知識は得た。
この時代の背景も徐々に思い出して来た。
今だったら少しくらいは『つねちゃん』とまともな会話が出来るのではないか?
夏休みに一か八か『つねちゃん』を訪ねてみよう……
俺はそう計画するのであった。
『漢字』もかなり読み書きが出来る様になった。
恐らくクラスの奴等の中で一番、俺が漢字を知っていると思う。
それは家でも母さんに、まだ習っていない漢字も教えてもらっているからだが……
ほんの少し前まで、こんな漢字くらい余裕で読めたはずだと思うと、たまに複雑な気持ちにはなるが、今の俺は結構、充実感に満たされている。
それは多分、俺には大きな『目標』があるからだろう。
『目標』があるという事は人生を歩んで行く為にはとても大事な事なんだと、今更ながら、小学生に逆戻りをしている自分自身で教えられている……
以前の俺は部下達に向かって、『しっかり目標を持って頑張るんだ!』と偉そうな事を言っていたが、言っている自分自身が大した『目標』も無いクセに口先だけの『責任者』を演じていただけなんだと反省すらしている毎日だ。
俺は入学当初はクラスであまりしゃべらない様に気を付けていた。
何故かと言えば、中身だけは大人の俺が油断をして知らず知らずのうちに大人口調になってしまい、クラスメイトに上から話をしている様な感じになり、皆から嫌われてしまうのではないかと思っていたからだ。
でもクラスの子達が段取りの悪い行動をとっているのを見てしまうと、中身が大人の俺はついつい『こうしたほうが良い、この様に動いた方が良い』と指示を出してしまう。
その指示通りやると、皆うまく出来てしまうので、『小学一年生達』にとっては凄く感動するらしく、いつの間にか俺はクラスの皆から信頼される存在になってしまっていた。
昔の俺では考えられない事だった……
そうなると、大して男前でもない俺がクラスの女子達からモテだしてしまった。
昔、クラスのアイドルで、俺なんかの手には絶対に届かなかった『寿久子』にまで気に入られてしまう次第だ。
ただ残念な事に彼女達には申し訳ないが、俺の目には大人から見た『普通の小学一年生の女の子』にしか写らず、寿さんも含め、何のときめきも起こらないでいた……
昔の俺を考えれば非常に勿体ない事かもしれないが、俺にはそんな『趣味』もなく、どちらかと言えば、担任の『井上啓子先生』の方に魅力を感じてしまう。
彼女は二十九歳の『既婚者』で俺の母親と同い年だ。
昔の俺は井上先生の事を『とても怖い先生』だと思っていたし、実際怒るとメチャクチャ怖くて、あまり好きじゃない先生だったと記憶している。
でも今の俺は『中身がおっさんの小学一年生』
この数ヶ月、大人目線で彼女を観察していると、とても『正義感』が強く、『子供好き』で『教師』とう仕事に誇りをもって一生懸命に頑張っている先生だったんだという事がよく分かり、今の俺は彼女の事を『尊敬』している。
なので、俺の先生に対する接触の仕方も昔と違って勉強の事で色々と質問したり、クラスの事で相談したりと、この『夢の中』では『良好な関係』を築けている状態だ。
ただ、いつも思う事がある。
井上先生との様な『良好な関係』を本当は『つねちゃん』と続けていきたかったと……
『つねちゃん』と別れてもう四ヶ月が経とうとしている。
最近ふと思う事がある。
今の状況は本当に『夢』なのだろうか?
実は俗に言う『タイムリープ』というやつじゃないのか?と……
元々俺は昔から『タイムリープ』なんてものは信じていない。
これは『アニメ』や『ラノベ』の世界だけに存在するものだと思っているからだ。
こんな『アニメ』の様な事が俺なんかに起こるはずが無いと思っていた。
しかし、『夢』だとすれば余りにも長すぎないか?
実はこっちが『現実』で今までが『夢』だったのでは?
何て事も考えたりはしたが、それはまず無いだろう。
だって『中身はおっさんの小学一年生』がここに実在しているのだから……
この数ヶ月である程度の知識は得た。
この時代の背景も徐々に思い出して来た。
今だったら少しくらいは『つねちゃん』とまともな会話が出来るのではないか?
夏休みに一か八か『つねちゃん』を訪ねてみよう……
俺はそう計画するのであった。
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