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第11章 それぞれの思い編
第65話 初恋の人に相談しようと思っていた
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「君を『大人の少年』と見越して話を聞いて欲しいんだ……」
『大人の少年』って何だよ!?
山本さんはおそらくさっきの『つねちゃん』達との会話で俺が『大人っぽい』ところがあるって聞いたから、自分なりにうまく俺の事を表現したつもりなんだろうけど、俺にとっては心臓が止まりそうになるような『ワード』なんだよ!!
「お、俺……まだ中学生ですから山本さんの話を聞いて理解ができるかどうか……」
「いや、きっと大丈夫だよ。隆君ならきっと理解できるよ。それに志保ちゃんの事を一番知っているのは隆君なんだから……」
俺はまさか山本さんの口から志保姉ちゃんの名前が出てくるとは思っていなかったので少し驚いた声で聞き直してしまった。
「えっ!? 志保姉ちゃんの話なんですか?」
「あぁ、そうだよ。志保ちゃんの話さ……」
そこで普通は何も言わないで山本さんの話を聞けばいいところを俺の中身が『大人』ばかりに余計な事を口走ってしまう。
「てっきり、『つねちゃん』の話をされるんだと思いました……」
「えっ? 何で俺が香織先輩の話をするんだよ?」
山本さんは不思議そうな顔をしながらそう言った。
俺はもうこれは余計な事言いついでに、俺自身の心をスッキリさせる為に更に余計な事を言ってみた。
「い、いや……俺は山本さんが『つねちゃん』の事が好きで、その事で俺に何か話をしようとされているんじゃないかって思いまして……」
俺は余計な事を言ったものの山本さんの反応が怖くて心臓の鼓動が激しくなっている。
「えーっ!? 俺が香織先輩の事が好きだってぇぇ!? ま、まぁ、好きか嫌いかで言えば好きな人だけどさぁ……でもその好きはどちらかと言えば『憧れの人』『尊敬する先輩』って感じの好きかな。だからハッキリ言わせてもらうと、俺が好きなのは志保ちゃんなんだよ!!」
「えーーーっ!!??」
「シーッ!! 隆君、声がでかい!!」
「あっ、スミマセン……」
俺は山本さんが志保姉ちゃんの事を好きだとはこれっぽっちも思っていなかった。
どう考えても今日だって二人で一緒にこの公園には来ているが、本当に二人が暇で仕方なく来ているんだと思っていた。
そしてそこから山本さんは俺に志保姉ちゃんの事を話しだした。
まず、山本さんは志保姉ちゃんと大学の同じサークルで知り合い、最初は友達感覚で遊んでいたが、いつの間にか『恋愛感情』が沸いてきたらしい。
でも山本さんは大学時代、一度も志保姉ちゃんに告白する事が出来なかったそうだ。
どうも山本さんは今まで結構モテるらしく告白される事には慣れているが自分から告白した事は無かったらしい。
俺からすればメチャクチャ羨ましい男だ!!
そしてこれまで付き合っていた人達は自分から好きになった人など一人もいなかったので、直ぐに冷めてしまい、山本さんの方から別れてしまうといったパターンだったそうだ。
俺はこないだまで寿を振るのが嫌で凄く悩んでいたのに、この人はいとも簡単に振ってしまうのか!? と思うと少し腹立たしさが出て来た。
しかし一つだけ俺は山本さんに申し訳の無い事をしてしまっていた。
それは山本さんが初めて『つねちゃん』と知り合った時の飲み会後の事だ。
山本さんは『つねちゃん』に志保姉ちゃんの事で色々と相談したかったそうだが、一度『つねちゃん』の自宅に電話をして以来、一回も『つねちゃん』に会う事が出来ずにいた。
いくら食事に誘っても何かしら理由をつけて断られ、現在に至るらしい。
今日、会ったのが本当に久しぶりだそうだ。
「俺、香織先輩に嫌われていたんだろうなぁ……思い当たる節は全然無いんだけどさぁ……」
俺は山本さんの悲しげな顔を見て、心から申し訳ない気持ちになってしまった。
『つねちゃん』は別に山本さんを嫌ってなんかいない。俺に気を遣って会わない様にしていただけなんだ……
あの時、俺が勘違いをしてしまい『つねちゃん』に嫉妬してしまって……
その俺の嫉妬が山本さんの恋愛の足を引っ張ってしまう事になり、挙句の果てに俺は『前の世界』に逆戻りしてしまった……
はぁぁ……俺は何て事を……でも……
申し訳の無い気持ちの中、俺の心の中の何かバラバラになっていたモノが繋がった様な感覚もあった。
山本さんは小さい頃から志保姉ちゃんの事を知っている俺に色々と聞きたかったみたいだ。どうも志保姉ちゃんとの会話の中に俺の名前がよく出ていたらしいのだ。
逆に志保姉ちゃんは山本さんに俺についてどんな話をしていたんだろうと、つい気になってしまう。
「志保ちゃんは俺の事が別に嫌いではないとは思うんだよ。でも『恋愛対象』でも無い様に思う。っていうか、志保ちゃんは『結婚』に対して何かこだわり? というか、何か諦めている様にも見えるんだよ。でもその何かが俺には分からないし、怖くて聞けないんだ……」
俺はあれだけ警戒していた山本さんがこの数分間で『友人』いや、『後輩』の様に思えてしまい、何とかしてやりたいという気持ちでいっぱいになっていた。
俺は考えた。志保姉ちゃんが山本さんに振り向く方法を。
山本さんと志保姉ちゃんが将来、結婚できる方法を……
そしてふとある事が俺の頭によぎる。
山本さんが現れた事がキッカケで俺は一度『前の世界』に戻ってしまった。
でも今は『この世界』に帰って来ている。
という事は俺が『前の世界』に戻る必要が何かあったのではないのか?
『前の世界』に戻った数ヶ月の間に何か『ヒント』は無かったのだろうか!?
俺は志保姉ちゃん……『鎌田志保さん』の家に行っている……
いや、行き直している……
そしてその時、俺は志保さんに怒られた……
怒られた時、俺は何を感じた? 何を思った?
こんな怖い奥さんでご主人が可哀想だと……
あっ!! 『鎌田志保』……
今も『鎌田志保』……
そっか……そういう事だったんだ…………
「山本さんって名前が『三郎』ってからには『長男』じゃないですよね?」
「えっ? そうだけど、それがどうかしたのかい?」
「志保姉ちゃんは……鎌田志保さんは姉妹の『長女』なんですよ……」
「それは知っているけどさ……それが俺と志保ちゃんとの関係に何の影響が……ん? あっ!! そっ……そういう事か!? だから志保ちゃんは結婚に対して……」
俺はようやく思い出した。
『前の世界』での志保姉ちゃんの自宅の表札にはしっかりと『鎌田三郎』と書かれていた事を…………
―――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
山本の好きな人はまさかの志保だった。
そしてその山本の思いを叶える為に隆は考える。
出た答えがまさか『前の世界』にあったとは!?
これで山本と志保には何らかの発展がありそうな予感……
次は隆達の番!!といくのでしょうか?
しかしある別れがあと数ヶ月まで迫って来ている。
果たして隆はどうするのか!?
どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
『大人の少年』って何だよ!?
山本さんはおそらくさっきの『つねちゃん』達との会話で俺が『大人っぽい』ところがあるって聞いたから、自分なりにうまく俺の事を表現したつもりなんだろうけど、俺にとっては心臓が止まりそうになるような『ワード』なんだよ!!
「お、俺……まだ中学生ですから山本さんの話を聞いて理解ができるかどうか……」
「いや、きっと大丈夫だよ。隆君ならきっと理解できるよ。それに志保ちゃんの事を一番知っているのは隆君なんだから……」
俺はまさか山本さんの口から志保姉ちゃんの名前が出てくるとは思っていなかったので少し驚いた声で聞き直してしまった。
「えっ!? 志保姉ちゃんの話なんですか?」
「あぁ、そうだよ。志保ちゃんの話さ……」
そこで普通は何も言わないで山本さんの話を聞けばいいところを俺の中身が『大人』ばかりに余計な事を口走ってしまう。
「てっきり、『つねちゃん』の話をされるんだと思いました……」
「えっ? 何で俺が香織先輩の話をするんだよ?」
山本さんは不思議そうな顔をしながらそう言った。
俺はもうこれは余計な事言いついでに、俺自身の心をスッキリさせる為に更に余計な事を言ってみた。
「い、いや……俺は山本さんが『つねちゃん』の事が好きで、その事で俺に何か話をしようとされているんじゃないかって思いまして……」
俺は余計な事を言ったものの山本さんの反応が怖くて心臓の鼓動が激しくなっている。
「えーっ!? 俺が香織先輩の事が好きだってぇぇ!? ま、まぁ、好きか嫌いかで言えば好きな人だけどさぁ……でもその好きはどちらかと言えば『憧れの人』『尊敬する先輩』って感じの好きかな。だからハッキリ言わせてもらうと、俺が好きなのは志保ちゃんなんだよ!!」
「えーーーっ!!??」
「シーッ!! 隆君、声がでかい!!」
「あっ、スミマセン……」
俺は山本さんが志保姉ちゃんの事を好きだとはこれっぽっちも思っていなかった。
どう考えても今日だって二人で一緒にこの公園には来ているが、本当に二人が暇で仕方なく来ているんだと思っていた。
そしてそこから山本さんは俺に志保姉ちゃんの事を話しだした。
まず、山本さんは志保姉ちゃんと大学の同じサークルで知り合い、最初は友達感覚で遊んでいたが、いつの間にか『恋愛感情』が沸いてきたらしい。
でも山本さんは大学時代、一度も志保姉ちゃんに告白する事が出来なかったそうだ。
どうも山本さんは今まで結構モテるらしく告白される事には慣れているが自分から告白した事は無かったらしい。
俺からすればメチャクチャ羨ましい男だ!!
そしてこれまで付き合っていた人達は自分から好きになった人など一人もいなかったので、直ぐに冷めてしまい、山本さんの方から別れてしまうといったパターンだったそうだ。
俺はこないだまで寿を振るのが嫌で凄く悩んでいたのに、この人はいとも簡単に振ってしまうのか!? と思うと少し腹立たしさが出て来た。
しかし一つだけ俺は山本さんに申し訳の無い事をしてしまっていた。
それは山本さんが初めて『つねちゃん』と知り合った時の飲み会後の事だ。
山本さんは『つねちゃん』に志保姉ちゃんの事で色々と相談したかったそうだが、一度『つねちゃん』の自宅に電話をして以来、一回も『つねちゃん』に会う事が出来ずにいた。
いくら食事に誘っても何かしら理由をつけて断られ、現在に至るらしい。
今日、会ったのが本当に久しぶりだそうだ。
「俺、香織先輩に嫌われていたんだろうなぁ……思い当たる節は全然無いんだけどさぁ……」
俺は山本さんの悲しげな顔を見て、心から申し訳ない気持ちになってしまった。
『つねちゃん』は別に山本さんを嫌ってなんかいない。俺に気を遣って会わない様にしていただけなんだ……
あの時、俺が勘違いをしてしまい『つねちゃん』に嫉妬してしまって……
その俺の嫉妬が山本さんの恋愛の足を引っ張ってしまう事になり、挙句の果てに俺は『前の世界』に逆戻りしてしまった……
はぁぁ……俺は何て事を……でも……
申し訳の無い気持ちの中、俺の心の中の何かバラバラになっていたモノが繋がった様な感覚もあった。
山本さんは小さい頃から志保姉ちゃんの事を知っている俺に色々と聞きたかったみたいだ。どうも志保姉ちゃんとの会話の中に俺の名前がよく出ていたらしいのだ。
逆に志保姉ちゃんは山本さんに俺についてどんな話をしていたんだろうと、つい気になってしまう。
「志保ちゃんは俺の事が別に嫌いではないとは思うんだよ。でも『恋愛対象』でも無い様に思う。っていうか、志保ちゃんは『結婚』に対して何かこだわり? というか、何か諦めている様にも見えるんだよ。でもその何かが俺には分からないし、怖くて聞けないんだ……」
俺はあれだけ警戒していた山本さんがこの数分間で『友人』いや、『後輩』の様に思えてしまい、何とかしてやりたいという気持ちでいっぱいになっていた。
俺は考えた。志保姉ちゃんが山本さんに振り向く方法を。
山本さんと志保姉ちゃんが将来、結婚できる方法を……
そしてふとある事が俺の頭によぎる。
山本さんが現れた事がキッカケで俺は一度『前の世界』に戻ってしまった。
でも今は『この世界』に帰って来ている。
という事は俺が『前の世界』に戻る必要が何かあったのではないのか?
『前の世界』に戻った数ヶ月の間に何か『ヒント』は無かったのだろうか!?
俺は志保姉ちゃん……『鎌田志保さん』の家に行っている……
いや、行き直している……
そしてその時、俺は志保さんに怒られた……
怒られた時、俺は何を感じた? 何を思った?
こんな怖い奥さんでご主人が可哀想だと……
あっ!! 『鎌田志保』……
今も『鎌田志保』……
そっか……そういう事だったんだ…………
「山本さんって名前が『三郎』ってからには『長男』じゃないですよね?」
「えっ? そうだけど、それがどうかしたのかい?」
「志保姉ちゃんは……鎌田志保さんは姉妹の『長女』なんですよ……」
「それは知っているけどさ……それが俺と志保ちゃんとの関係に何の影響が……ん? あっ!! そっ……そういう事か!? だから志保ちゃんは結婚に対して……」
俺はようやく思い出した。
『前の世界』での志保姉ちゃんの自宅の表札にはしっかりと『鎌田三郎』と書かれていた事を…………
―――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
山本の好きな人はまさかの志保だった。
そしてその山本の思いを叶える為に隆は考える。
出た答えがまさか『前の世界』にあったとは!?
これで山本と志保には何らかの発展がありそうな予感……
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果たして隆はどうするのか!?
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