幼馴染の彼に想いを伝えれないまま死んだはずの私がタイムリープで幼稚園児となり人生をやり直す。

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第7章 文化祭編

第40話 気になる話

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 これは後日、浜口君から聞いた話……


 私達が舞台の上で彼が二役をする事に決まり、盛り上がっている頃、体育館準備室ではイナゴA役の六年安達さんと同じく六年の轟さんがイナゴの王役の田中君に文句を言っていた。

「ねぇ田中~? ほんっとに私達も顔を緑色に塗らなくちゃいけないの!?」

「田中だけ緑色に塗ればいいじゃん!!」

 二人は田中君にそ言ったらしいけど田中君はすぐに、

「二人とも何を言っているんですかっ!? 前に全員、顔を緑色に塗るって約束したじゃないですか!! 何を今更……もしかして二人共、六生なのに、『おこちゃま』なんですか!?」

「はーっ!? た、田中っ!! あんたにだけは『おこちゃま』なんて言われたくないわよ!!」

「そうよ!! こないだ、田中も散々わがまま言っていたじゃない!!」

 安達さんと轟さんが怒りながらそう言うとマズいと思った田中君は話を変えようとする。

「みっ、見てくださいよ!? 浜口なんか何も文句言わないで顔を緑色にしましたよ!! なっ、浜口?」

「い、いやぁぁ……ぼ、僕も好きで緑色に塗っているわけじゃないんだけどなぁ……塗らないと君がうるさいからさぁ……」

「それでも塗っているんだからあの二人よりはマシさ!! ただ浜口はなんとなく白色の方が似合うけどさ……まっいっか、今回はイナゴだしな……」

 田中君は引き続き安達さん、轟さんに話し出す。

「それと前から気になってたんですが、二人は何で僕のことを『田中』って呼び捨てなんですか!? 他の四年生には君をつけるのに……何かおかしいでしょ!?」

「だって~『田中』って呼びやすいしさぁ……逆に『田中君』って呼びにくいじゃん。それにこないだ石田さんがアンタのことを『田中』って呼んでいたのが面白かったしさぁ……」

「はーっ!? そ、それだけの理由ですか!?」

「そうよ!! 悪い!?」

「悪いに決まっているでしょ!! 僕の事もちゃんと『田中君』って呼んでくださいよ!!」

「はいはい、わかりましたよぉぉ。それじゃぁさ、田中のことを『田中君』って呼んだら私達、顔を緑色にしなくていいよね?」

 安達さんがそう言ったらしいけど『イナゴの王役』に真剣に取り組んでいる生真面目な田中君は「『田中』でいいです!!」

 と、アッサリ呼び捨てを認めてしまったらしい。

 ほんと田中君、私のせいでゴメンね……

――――――――――――――――――

 只今、文化祭開催中

 文化祭といえば各クラス、各文化部がこぞって展示や出し物をする、運動会とはまた違った楽しい行事だけど、『理科部』の村瀬君から後で聞いた少し気になったお話……

 理科室では『理科部』として昆虫の標本の展示をしている。
 私と同じクラスの森重君と村瀬君はその受付係を任されていたそうだ。

「あぁ、暇だなぁ……」

「ほんとだねぇ……」

「何で俺達が受付係をしなきゃいけないんだよ!? 五年生や六年生もいるのにさ!!」
 
 森重君がそうぼやいていると村瀬が、

「仕方ないよ。五、六年生はクラスでの出し物が四年生よりも凄い事をやっているらしいから、とても忙しいみたいだしね。受付なんてする暇が無いんだよ」

「でもさ、ずっと俺達にやらせなくてもいいじゃないか!? お、俺だって六年生がやっている、お化け屋敷やヨウヨウ釣りとかに行きたいしさ……」
 
 森重君はそう言いながらふてくされた表情をしていたみたい。

「うちのクラスの迷路はどうなっているかな? お客さんたくさん入っているかな?」
 
 村瀬君がそう言うと森重君は、

「さぁね、別に俺は迷路には興味ないし……あ~っ、お化け屋敷に行きてぇよぉぉ!! ヨウヨウ釣りがしてぇーよぉぉ!!」

 ガラッ、ガラガラッ

 すると理科室のドアが開いた途端、聞き覚えのある声がしてきたそうだけど、

「何だよ、ここは!? 全然お客さん来てないじゃないか!?」

「あっ、か、かっちゃん!?」

 村瀬君が声の主が三組の平田君であることに気付いた。

「何だよ、平田? 一人で来たのか? 珍しいなぁ」

 森重君がそう言うと平田君は、

「あぁ、俺は昆虫が好きだから見に来たんだけどさ、達也達はあまり興味がないって言うから俺一人で来たんだ……」

「へぇ、そうなんだぁぁ。まぁ、ゆっくり見ていってよ」

 村瀬君が笑顔で言うと平田君は展示物のところに行かず何故か受付の二人の所に来てこう質問したらしい。

「ところでお前等は五年生になったら何部に入るつもりなんだ?」

「え、俺達? あぁ、俺達二人は『卓球部』に入るんだよ」

「へっ、卓球部? 森重は分かるけど村瀬も『卓球部』に入るのか!?」

「俺は分かるってどういう意味だよ? そうだよ。村瀬も俺も卓球部に入るんだよっ!! 何か文句あるのかよ!?」

「まぁ、お前達はどうでもいいや。それじゃ五十鈴や石田さんはどこに入るんだ? 『演劇部』のままなのか?」

「あぁ、あいつは高山、大石と三人で前から『バスケ部』に入るって決めているみたいだぜ。あの三人は背が低いから止めとけって言っているんだけどな、全然、俺の言う事を聞かないだよ。あと石田さんが何部に入るかは知らねえぞ。なんだよ平田……お前もしかして石田のことを……」

「う、うるせぇよ、森重!! でも、ふーん、そっか……『バスケ部』かぁ……」

「で、かっちゃんはどこの部に入るの?」

「あぁ、俺は『サッカー部』か『バスケ部』かで迷ってたんだけどな……」

 ピンポンパンポ~ン……

「まもなく体育館にて演劇部による『コウモリ』が上演されます。教室内にいる方は全員体育館に集まってください」

「おっ、ついに始まるぞ!! 隆達緊張しているだろうなぁ……」

「とりあえず早く行こう!! かっちゃんも早く行こうよ!?」

「おっ、おお……そうだな……」

――――――――――――――――――


 平田君が何故、彼の入る部活が気になっているのかは私にはなんとなく理解できるけど、何で私の事まで気にしていたのかはよく分からない。

 でも今はそんな事を考えている余裕なんて無いわ。

 私にとってはだけど、やっぱり緊張する演劇……
 彼にとっては十歳の誕生日の思い出となる一人二役の演劇
 そして立花部長達、六年生にとっては小学生最後となる演劇……

 さぁ、いよいよ始まるわ!!

 どうか無事に成功しますように……




――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。

遂に浩美達、演劇部の上演です!!
果たしてみんな上手く演技ができるのか?

どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
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