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第11章 争奪戦編
第58話 四人目
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【昼休み】
ピンポンパンポーン
『お呼び出しを申し上げます。一年一組の竹中颯さん、至急、生徒会室へお越しください』
ピンポンパンポーン
「おっ?」
「えっ!?」
「キターッ!!」
「グホッ、グホッ、グホッ!!」
ウグッ……べ、弁当のおかずが喉に詰まって死にそうだ!!
「大丈夫か、颯!?」
「颯さん、早くお茶を飲んでください!!」
「颯君、大丈夫? 背中をさすってあげるわね……」
「グハッ……徳川さん、ありがとう……」
しかし遂に来たぞ……
生徒会室に呼び出しって事はどう考えても織田会長じゃないか……やはり最初に動き出したのは織田会長だったか……
「で、どうするんだ颯? 生徒会室に行くのか?」
「そ、そうだな……行かないとマズいよな……?」
「そうね。さすがに無視はいけないと思うわ。学園一の人気者の織田会長に告白されているんだからねぇ……」
「そうだよな……」
「それで颯さんはどうされるのですか!? も、勿論、断るんですよね!?」
「ほ、本多さん……こ、声がデカいよ……他の人達に聞かれたら更にマズいから……」
「そっ、そうでした!! す、すみません!!」
いずれにしても俺は生徒会室に行って織田会長とちゃんと話をしなくちゃいけないんだ。
こんな『陰キャオタク』の俺の事を好きになってくれて告白までしてくれて……正直、嬉しいし感謝しかない。
だからこそ、俺も真剣に……お断りをしなくちゃいけないんだ。
【生徒会室】
コンコン……
「はーい、どうぞ」
ん? 今の声は……
ガラッ…ガラガラッ
「し、失礼します……」
「いらっしゃーい、待っていたわ……」
や、やはりそうだ……生徒会室にいるのは……
「は、羽柴副会長?」
な、何で羽柴副会長が俺を待っているんだ?
ってか、織田会長はどこにいるんだ?
もしかして俺を驚かそうと掃除道具入れに隠れているんじゃないだろうな?
「な、何故……羽柴副会長が……」
「フフフ……驚くのも無理ないわね。まぁ、とりあえず、そこのソファーに腰掛けてちょうだい」
「は、はい……」
もしかして織田会長はソファーの下に隠れているのか!?
「心配しないで。今日は乃恵瑠、お休みなのよ。風邪を引いたみたいよ……」
「えっ!? そ、そうなんですか!?」
それじゃあ何故、羽柴副会長が俺を呼んだんだ?
「乃恵瑠がお休みだからこそ、竹中君を呼んだのよ……」
「ど、どういうことでしょうか……?」
「私ね……ずっと、ずーっと我慢していたの……」
えっ?
「な、何を我慢していたのですか?」
「毎日、毎日、乃恵瑠が竹中君、竹中君って言っているのを近くで聞かされて我慢していたの……」
ま、まぁそうかもしれないな。自分にはどうでもいい男子の話を聞かされていたらさすがの羽柴副会長も嫌気がさすよな。
羽柴副会長は黙って俺の横に座り出した。
「えっ!?」
な、何で俺の手を握りしめるんだ!?
「じ、実は……私ね……私もね……竹中君のことが好きになってしまったの……」
「えーーーっ!!??」
うっ、嘘だろーっ!?
そんなはずは無い!!
「羽柴副会長、いくら織田会長が休みだからって……じょ、冗談は止めてくださいよ……」
「冗談なんかじゃないわ!! 私は本気よ!! 本気で竹中君のことが好きなの!! あの時……私が倒れそうになって助けてくれた、あの時からずっと好きだったの!!」
えーーーっ!? う、嘘だろーっ!?
俺の手を握りしめている羽柴副会長の手がさっきよりも強くなっている。
離したくても離せないくらいに……
「いや、待ってください羽柴副会長!? お、俺は何がなんだか……そ、それに俺みたいな『瓶底メガネ陰キャオタク』のどこが良いんですか? お、俺には理解できません……」
「はぁ……」
ため息をつきながら、今度は俺に寄りかかって来たぞ!!
だ、ダメですって!!
む、む、胸が俺の身体にめちゃくちゃ密着してますから!!
「竹中君は自分では気付いていないみたいね……?」
「えっ? な、何がですか……?」
「勿論、あなたの良いところよ」
「いや、俺のどこに良いところなんてあるんですか?」
「ワザとなんでしょ? ワザと『陰キャオタク』のフリをしているんでしょ?」
「えっ!?」
「乃恵瑠からも小学生時代のあなたの事を聞いているわ。昔、イジメられている乃恵瑠を助けたんでしょ? そして上級生数名相手に喧嘩をして勝ったって……そんな人が『陰キャ』っておかしいじゃない……」
「そ、それはタマタマというか……」
その数年後に俺は『本物の陰キャ』になったんだよ……
いや、ならざる負えなかったんだ……
「それにあなたがメガネを外した時の表情って何とも言えないくらいに魅力的だわ……あなたの目に引き付けられるの……思い出しただけで身体が熱くなってくる……制服を脱いでもいいかしら?」
「こ、こんな所で……だ、ダメに決まっているでしょ!?」
「あら、別の場所だったら良いってことかな?」
「ば、場所の問題じゃ無いですよ!!」
ああ、どうしよう……
まさか、羽柴副会長にまで告白されるなんて想定外過ぎるぞ!!
―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
またしても『生徒会室』から呼び出される颯
断る覚悟を決めて生徒会室を訪れるが、部屋の中には羽柴陽菜の姿しか見えない。
陽菜が言うには織田は風邪を引いて休んでいると聞かされる
そして颯は陽菜に告白されてしまうのであった。
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
ピンポンパンポーン
『お呼び出しを申し上げます。一年一組の竹中颯さん、至急、生徒会室へお越しください』
ピンポンパンポーン
「おっ?」
「えっ!?」
「キターッ!!」
「グホッ、グホッ、グホッ!!」
ウグッ……べ、弁当のおかずが喉に詰まって死にそうだ!!
「大丈夫か、颯!?」
「颯さん、早くお茶を飲んでください!!」
「颯君、大丈夫? 背中をさすってあげるわね……」
「グハッ……徳川さん、ありがとう……」
しかし遂に来たぞ……
生徒会室に呼び出しって事はどう考えても織田会長じゃないか……やはり最初に動き出したのは織田会長だったか……
「で、どうするんだ颯? 生徒会室に行くのか?」
「そ、そうだな……行かないとマズいよな……?」
「そうね。さすがに無視はいけないと思うわ。学園一の人気者の織田会長に告白されているんだからねぇ……」
「そうだよな……」
「それで颯さんはどうされるのですか!? も、勿論、断るんですよね!?」
「ほ、本多さん……こ、声がデカいよ……他の人達に聞かれたら更にマズいから……」
「そっ、そうでした!! す、すみません!!」
いずれにしても俺は生徒会室に行って織田会長とちゃんと話をしなくちゃいけないんだ。
こんな『陰キャオタク』の俺の事を好きになってくれて告白までしてくれて……正直、嬉しいし感謝しかない。
だからこそ、俺も真剣に……お断りをしなくちゃいけないんだ。
【生徒会室】
コンコン……
「はーい、どうぞ」
ん? 今の声は……
ガラッ…ガラガラッ
「し、失礼します……」
「いらっしゃーい、待っていたわ……」
や、やはりそうだ……生徒会室にいるのは……
「は、羽柴副会長?」
な、何で羽柴副会長が俺を待っているんだ?
ってか、織田会長はどこにいるんだ?
もしかして俺を驚かそうと掃除道具入れに隠れているんじゃないだろうな?
「な、何故……羽柴副会長が……」
「フフフ……驚くのも無理ないわね。まぁ、とりあえず、そこのソファーに腰掛けてちょうだい」
「は、はい……」
もしかして織田会長はソファーの下に隠れているのか!?
「心配しないで。今日は乃恵瑠、お休みなのよ。風邪を引いたみたいよ……」
「えっ!? そ、そうなんですか!?」
それじゃあ何故、羽柴副会長が俺を呼んだんだ?
「乃恵瑠がお休みだからこそ、竹中君を呼んだのよ……」
「ど、どういうことでしょうか……?」
「私ね……ずっと、ずーっと我慢していたの……」
えっ?
「な、何を我慢していたのですか?」
「毎日、毎日、乃恵瑠が竹中君、竹中君って言っているのを近くで聞かされて我慢していたの……」
ま、まぁそうかもしれないな。自分にはどうでもいい男子の話を聞かされていたらさすがの羽柴副会長も嫌気がさすよな。
羽柴副会長は黙って俺の横に座り出した。
「えっ!?」
な、何で俺の手を握りしめるんだ!?
「じ、実は……私ね……私もね……竹中君のことが好きになってしまったの……」
「えーーーっ!!??」
うっ、嘘だろーっ!?
そんなはずは無い!!
「羽柴副会長、いくら織田会長が休みだからって……じょ、冗談は止めてくださいよ……」
「冗談なんかじゃないわ!! 私は本気よ!! 本気で竹中君のことが好きなの!! あの時……私が倒れそうになって助けてくれた、あの時からずっと好きだったの!!」
えーーーっ!? う、嘘だろーっ!?
俺の手を握りしめている羽柴副会長の手がさっきよりも強くなっている。
離したくても離せないくらいに……
「いや、待ってください羽柴副会長!? お、俺は何がなんだか……そ、それに俺みたいな『瓶底メガネ陰キャオタク』のどこが良いんですか? お、俺には理解できません……」
「はぁ……」
ため息をつきながら、今度は俺に寄りかかって来たぞ!!
だ、ダメですって!!
む、む、胸が俺の身体にめちゃくちゃ密着してますから!!
「竹中君は自分では気付いていないみたいね……?」
「えっ? な、何がですか……?」
「勿論、あなたの良いところよ」
「いや、俺のどこに良いところなんてあるんですか?」
「ワザとなんでしょ? ワザと『陰キャオタク』のフリをしているんでしょ?」
「えっ!?」
「乃恵瑠からも小学生時代のあなたの事を聞いているわ。昔、イジメられている乃恵瑠を助けたんでしょ? そして上級生数名相手に喧嘩をして勝ったって……そんな人が『陰キャ』っておかしいじゃない……」
「そ、それはタマタマというか……」
その数年後に俺は『本物の陰キャ』になったんだよ……
いや、ならざる負えなかったんだ……
「それにあなたがメガネを外した時の表情って何とも言えないくらいに魅力的だわ……あなたの目に引き付けられるの……思い出しただけで身体が熱くなってくる……制服を脱いでもいいかしら?」
「こ、こんな所で……だ、ダメに決まっているでしょ!?」
「あら、別の場所だったら良いってことかな?」
「ば、場所の問題じゃ無いですよ!!」
ああ、どうしよう……
まさか、羽柴副会長にまで告白されるなんて想定外過ぎるぞ!!
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お読みいただきありがとうございました。
またしても『生徒会室』から呼び出される颯
断る覚悟を決めて生徒会室を訪れるが、部屋の中には羽柴陽菜の姿しか見えない。
陽菜が言うには織田は風邪を引いて休んでいると聞かされる
そして颯は陽菜に告白されてしまうのであった。
ということで次回もお楽しみに(^_-)-☆
応援ありがとうございます!
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