『恋愛戦国』~陰キャオタクの俺が学園の美少女達にモテだしたのには何か理由があるはずだ~

NOV

文字の大きさ
78 / 111
第14章 緊急ちつてと会議編

第78話 伊緒奈の決断

しおりを挟む
 な、何で服部が白畑しらはた先生のことまで知っているんだ!?

 そ、それに白畑先生が家庭教師をやってくれた最初の一年の時は高校生だっただなんて……

 見た目が地味で少し老けた感じがして大学生に見えなかったから本当は社会人じゃないのかと逆に疑っていたくらいだったのに……

 色んな意味で衝撃過ぎるぞ……

「で、その白畑先生は実は……」

「華ちゃん? 説明はそれくらいにしておきましょうか……?」

「は、はい……伊緒奈様……」

 えっ? 服部は何を言おうとしていたんだ?

 めちゃくちゃ気に成るじゃねぇか!!


「グスンッ……そ、それにしても颯さん? とても辛い小学生時代をおくられていたんですね? 私、さっきから涙が止りません……グスンッ……」

 太鳳は力は強いけど、こういう話には弱いんだな?

「うぉーっ!! 颯さん、本当にあなたは凄い人だーっ!!」

 うるせぇよ、直人!!

 今となれば俺に突っかかってきた頃の直人が懐かしいぜ。

「ま、まぁ……褒めてあげてもいかもしれないわね……」

 別に知由に褒められても嬉しくはないぞ。

「私が颯さんと同じ状況だったらと思うと……周りに伊緒奈さん達がいてくれた事を感謝します……」

 八雲の言葉には少しグッと来たな。


「それではそろそろ今回、『緊急ちつてと会議』を開催した理由を発表したいと思います」

 そっ、そうだった!!

 マジで何で緊急会議を開催したんだ?

 ってか、さっきまでの『竹中颯情報』は必要だったのか!?

「颯君には今まで言ってなかったけど……実は来年、私は『生徒会長選挙』に立候補しようと思っていたのだけど……それで皆から各クラスの色々な情報を集めていたの……」

「えっ、そうだったのか!?」

一応、驚いてはみたけど……内心ではそうかなとは思っていたけどな……

 俺にあれだけ『人気投票』などには興味が無いそぶりをしていたけど……やはり陽菜さんが伊緒奈の事を『タヌキ』と言っていたのはそういう動きが昔から見えていたんだろうなぁ……

 陽菜さんの観察力も凄いからなぁ……

「でもね、来年じゃなく今年の『生徒会長選挙』に立候補しようと思うの。まぁ、学園のルールとしてまずは一学期末に行われる『学年人気投票』で一位か二位に入らないと立候補する権利は無いのだけれど……」

 えっ? そういうルールなのか?
 全然、知らなかったぜ……

「伊緒奈ちゃん、それは本当なの? あなたは二年かけて学年全体の人気者になる作戦を立てていたのに……今年、立候補するなら時間が全然足りないわよ?」

「知由の言う通りだ、伊緒奈!! 俺も三組の中で伊緒奈の事をかなり宣伝はしているけど、先日の中間テスト学年三位で三組のクラス委員長『島津佳乃しまづよしの』の人気は絶大で残り数ヶ月で人気を逆転させるのは難しいぞ」

「私もだなぁ……うちの二組にも中間テスト学年四位でクラス委員長の『長曾我部千夏ちょうそかべちか』さんは凄い人気があって……まぁ、私が伊緒奈さんの宣伝をするのが下手くそなんだろうけど……」

 島津佳乃に長曾我部千夏……

 そう言えば中間テストの順位表にそんな名前があったような気がするな。

「そんな事は無いよ、八雲ちゃん。あなたなりに出来る事は全部やってくれている事は私はよく分かっているから……」

「でも伊緒奈さん? 最大のライバルである伊達魔冬の対策すら出来ていないんですが大丈夫でしょうか? あっ、そういえば伊達さんと華ちゃんは同じクラスだったわね? 華ちゃん、そこらへんはどうなの?」

「えっ? ああ、私のセリフはもう終わりだと思っていたのだけど、まだしゃべらないといけないの? 長くなるけど良いかしら?」

「 「 「 「いえ、しゃべらなくていいよ!!!!」 」 」 」


「みんな、心配してくれてありがとうね? でも、私決めたの。だからお願い。出来る限りで良いから協力してくれないかな?」

「そ、そりゃぁ、愛する伊緒奈ちゃんの頼みなんだから私は全力で協力はするけど、何で急に立候補をする気になったの?」

 知由の問いに伊緒奈は真剣な表情で語り出した。

 まず、伊緒奈が立候補するのは俺の為だという事。

 で、何故それが俺の為になるのかというと、それは女子達から告白されまくっている俺が断りやすくする為だそうだ。

 どういう事かと言えば、こういう事らしい。

 俺が付き合う相手は今度の生徒会長選挙で会長になった人、もしくはその新会長を応援した人から決めるという風に宣言をして欲しいとのこと……

 そしてその絞られた数名から俺が伊緒奈を選び『嘘の恋人同士』になり、数ヶ月後に破局した事にすれば誰も疑わないであろうと……

「な、何でそこまで……」

「フフフ……さっき言ったでしょ? 私は颯君に昔の様な『陽キャ』になってもらいたいの。颯君には楽しい学園生活をおくってもらいたいから……でも恋愛は『今の颯君』には辛いだけだと思うのよねぇ……断り方もどうすれば良いのか分からないと思うし……私が想像していた以上に颯君、モテモテになってしまったから……」

 本当に俺の為なのか、実はマジで生徒会長になりたいからなのか、『タヌキ』と言われている伊緒奈の腹の中は分からないけど……ただ、伊緒奈は本当に俺の事を良く分かってくれているのは間違いないよなぁ……

 マジで凄い女だよ……


「……い、伊緒奈さん……?」

「何かな、華ちゃん?」

「伊緒奈さんはそれで辛くは無いのですか?」

 ん? 服部さん、それはどういう事だ?

「……えっ? 華ちゃんの言っている意味が良く分からないなぁ……フフフ……大丈夫よ。辛くなんて無いし、私はこういうのは慣れているから……」




―――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。

颯の為に?生徒会長に立候補する事を決めた伊緒奈……
果たして彼女に勝機はあるのか?

どうぞ次回もお楽しみに(^_-)-☆
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の妹が、入浴してる。

つきのはい
恋愛
 「交換してみない?」  冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。  それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。  鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。  冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。  そんなラブコメディです。

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない

みずがめ
恋愛
 宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。  葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。  なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。  その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。  そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。  幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。  ……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…

senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。 地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。 クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。 彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。 しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。 悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。 ――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。 謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。 ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。 この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。 陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!

処理中です...