堕ちろ!激かわ猫男子

芋谷

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おでかけとケーキ

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カーテンの隙間から朝日が差し込む。今は何時だろう、とデジタル時計を確認したところで、今日が休日であることに気がつく。彼よりも早く目覚めた俺は、その安らかな寝顔を眺めては、穏やかで幸福なその朝を堪能していた。

「なに見てんの、気まずいんだけど」
「起きてたのか」
「……悪い?」

僅かに唇を動かしたダリスは、ごろんと転がって背中を向ける。

「ダリス」
「なに」
「その。今日は暇だったりするか?」
「……。暇って言ったら100%予定入れてくるよねそれ。先に内容言ってくんない」
「デートしたい」

細いため息をついて、ダリスはまた寝返りを打ち俺の方を向いた。

「だろうと思ったよ」
「忙しいか?……それなら諦める」
「まあ、暇ではあるけど。」
「じゃあデートしたい。」
「……。」

ダリスの瞳が斜め上を向く。それからぽつぽつと、要望が紡がれる。

「えっとね。おうちデートはしたくない。でも混んでるとこはやだ。たくさん歩くとこも疲れるから無し。映画館とか水族館とか、なんか見るタイプのとこも行きたくない、今日そういう気分じゃないから。あ、あとお金はアインの奢りね。じゃないと行かないよおれ」
「そうか……。」
「うん」
「そうだな。あー。あ、なら買い物でもしようか」
「それはアリかも。……アインが買ってくれるんだよね?」
「当然」
「なら行く」

マットレスから彼の体重が離れていく。自分の好きなこととなると行動が早いのは、ダリスにとっていつものことだった。



服屋、雑貨店など様々な店を巡る。あれが可愛いだのこれが好きだの楽しそうにはしゃぐダリスが可愛い。彼と付き合っているという実感を噛み締める。帰宅して入浴してすぐセックスなんて流れが確立しつつあったから、こういうデートらしいデートができて嬉しい。
洒落た喫茶のカフェで昼食を摂り、アクセサリー店だの雑貨屋だのをまた何軒も周り。おやつにとアフタヌーンティーとやらに連れられ、買い物し談笑しとしているうちに日は暮れていた。

「たのしかったー!たまにはこういうのもありかもね」
「そうか。それは良かった」

身軽な彼がくるりと振り返って言う。両手のショッパーはずっしりと重たい。一部に自分のものもあるが、そのほとんどがダリスの買い物だ。荷物を持つといったら遠慮なくどんどんと追加されて少し戸惑ったが、楽しそうな彼が愛くるしくてつい甘やかしてしまった。

「なあ、夜はどうする?」
「んー……、明日は仕事あるしねぇ。外で食べてどっか泊まるのもいいけど。……できたらアインのご飯食べたい」
「意外だな」
「そーお?」
「一応何件か良い店を調べてきたのだが。あ。作るのが面倒とかそういうことではなくて、」
「あはは、分かってるって!今度行こーよ」

今度行こうよ、なんて言葉に胸がきゅっとなる。
彼と毎日セックスできる期間は三ヶ月。早くも一週間が経過した。半ば強引に恋人という名を手に入れたが、どのくらい俺は彼の恋人でいられるのだろうか。今の俺たちは、三ヶ月間毎日セックスするという約束で繋がれているに過ぎない。債務と債権の関係が途切れた三ヶ月後、俺たちはどんな関係になっているのだろうか。というかそもそも、その三ヶ月間で彼がまた逃げたりはしないのか。そんな考えがばあっと脳を流れていく。
長くとも彼のセックス債務が終わる、約80日後。それまでに彼の心を手に入れることはできるのだろうか。
会話も途切れかけていた帰り道、以前訪れた食品店へ寄った。献立を話しながら夕飯のための生鮮食品をいくつか買う。中途半端な時間であったからか店内は空いていて、滞りなく買い物は進んだ。

「あ、そーだ。耳貸して」

調味料コーナーあたりに来た時、彼が突然そんなことを言いだした。片膝がつくかつかないかくらいの体勢に跪いて、彼の目線まで頭を下げる。小さな彼に合わせるにはこうでもしないと難しいのだ。

「……今日、好きにしていーよ」

ぽそ、と耳元で囁かれたのはそんな言葉だった。
一瞬にして顔面に血液が集中する。混乱しているうちに、彼は数歩下がって俺から距離を取って、揶揄うように笑った。

「ふふ。いっぱい買ってもらっちゃったしね。」
「その、つまり、今夜、……!?」
「あ。けど傷残るやつは無しだよ。前縛られた時けっこー痛かったから」
「~~ッ、…………!!」

声にならない声を体で代弁させるように抱きしめる。ちょ、はなして、みたいな声が接触面からもごもご聞こえた。



夕食。二人で煮込みハンバーグとたまねぎスープとエビを添えたサラダ、それと簡単なケーキを完成させた。彼の料理の出来なさ具合は相変わらずで、買ってきたバケットを温めてもらったり盛り付けを頼んだりクリームを泡立ててもらったりがせいぜいで正直役には立たなかったが、共に厨房で料理をできることそれ自体が幸せだった。
食後のケーキを食べ終え後片付けをしている途中、暇を持て余したダリスがこちらに寄って来た。

「ね、これなんで残してるの?食べていい?」
「生クリーム単体で食べるのか?」
「いーじゃん別に、おれ甘いの好きだし」
「そうか……。しかしこれは後で使うからダメだ。諦めてくれ」
「使うって、何に?」
「まあ、すぐ分かる」

食器を洗い終えて、水道を閉める。不思議そうな顔をしている彼をキッチンから追い出して、件の生クリームを絞り袋に移した。
だらだらと彼の追っているドラマを見て、交代で風呂に入って、なんとなくそういう雰囲気になって。一糸纏わぬ姿となったダリスがすり寄って来たとき、待ったをかける。生クリームの絞り袋を持って来たところで、彼が苦笑した。

「まさかだけどさ、……やりたかったのって、これ?」
「ああ」
「うわきも……いいけどさ、シーツ汚れるよ?やめなよ」
「洗うのは俺だ。別にいいだろう?大人しく抱かれてくれ」
「っほんとさぁー…………」

文句を言われながら口金から新たなクリームをひり出す。

「……っ、ひゃっ!?」

一筋のクリームを盛られたダリスの体が大きく跳ねる。くすぐったいのか冷たいのか、ひとつ絞るたびにびくびく動いて絞りにくい。
ぶれる土台に翻弄されたが、胸全体を覆うような形をなんとか完成させた。ビキニのシルエットを作るように棒形に絞っただけの簡素なものだが、なかなか悪くないように見える。

「終わった?」
「ああ」
「…………で?」

途中から刺激に慣れて、呆れた顔で俺を見守っていたダリスが面倒くさそうに聞く。その胸に顔を寄せ、すーっと息を吸い込む。バニラの甘い香りと、風呂で薄まった柔らかい彼の匂いが鼻腔に満ちる。食欲と性欲のままに舌を伸ばして、鎖骨あたりのクリームを一口舐める。

「……ちょ、っん!??♡♡♡、ぁ!?♡」
「甘……♡」
「ひぅ、待って、いきなり舐め、や、♡ ぁ♡ あ♡」
「これくらい予想はできていただろう?」
「まって♡ なめないでっ♡♡♡ ぅ♡ ぁあ♡ ッ♡♡」

たっぷりと生クリームを盛った体にむしゃぶりつくと甘美な声が漏れた。五感で感じられるもの全てが甘ったるくて、脳がふわふわ溶ける。

「~~っ……♡、ぅ……♡♡♡♡ はぁ♡ ……ッ♡、♡」
「興奮してるのか?」
「ちが……♡ くすぐったい、だけ……ッ♡♡ っは、……んッ♡♡」

ダリスの肉竿は重力に逆らいはじめ、ぴん♡と可愛らしく主張しだす。一音一音を発するたびに揺れる肢体から、嘘であるのは明らかだった。きっと後孔もぱくぱくと俺を欲しているのだろう。胸元から、腹の薄い皮膚にゆっくりと舌を動かす。クリームはついていないが舌にはあの甘さがまだ残っていて、甘い彼を捕食しているような感じがする。

「っひ、う、……♡、んぅ゛♡♡♡ まって、ッ、ふほッ♡ ぁ゛~~~ッ♡♡」

股の骨の段差や僅かに膨らんだ恥丘の形を記憶するようにゆっくりと舐め、軽く噛んだ。うっすらと彼の体に赤い痕が残る。
胸元のクリームを舐め回していると、彼から細い喘ぎ声でない言葉が出た。

「っ、アイン、それ……貸して……?♡」
「絞り袋か?あぁ」

ホイップクリームの詰まった絞り袋を手渡すと、ダリスはそれを自身の股間にあてる。むりゅ♡むりゅりゅ♡と音を立てて、彼の中心で反り立っている軸を白い塊が包んでいく。

「……っ、ん♡ ……はい……♡」

絞り終えた彼が袋を手渡してくる。ぷにぷにした小さな、しかししっかりと勃ったダリスのそれは、クリームを纏い真っ白になっていた。

「これは……」
「……」

目線を逸らしたダリスが、くっと腰を突き出してくる。いじらしい主張がとんでもなく可愛くて、すぐさま生クリームに包まれたそれをしゃぶる。

「あ゛ッ♡♡♡♡~~♡♡♡♡♡」
「んぶッ♡♡♡ ぐッ♡♡♡♡♡♡ ……ッふ♡♡♡♡♡ はーッ♡ ダリス♡しょっぱいお汁が垂れているぞ♡」
「きしょ……♡ ……っん♡ あ゛ッ♡ ひ、あ、あ♡♡  ん゛うぅ♡♡ うっ♡♡ ん゛ん゛ん゛~~~~~ッ♡♡♡♡♡♡♡♡」

皮の隙間に入った分まで丹念に吸う。だるだるの包皮がつられて引っ張られるが構わない。
唇で柔らかい皮を食む。

「いっちゃう゛ッ♡♡ んお゛ッ♡ おぉ゛ッ……♡♡ ほぉ゛っ♡ いきそっ……イきそぉぉ~~ッッ♡♡♡ は♡♡♡♡♡ ぁ゛♡ ぉ…ッ…♡ ……っ……お゙ッッ……♡♡」

じゅるるるる♡ じゅ♡ じゅぞぞぞぞぞぞぞぞ♡ じゅるるるる♡ じゅるるるるるるるるるるるるる♡ じゅっ♡ じゅぅ~~~~♡♡♡♡ じゅるるるる♡

「んっ♡ はあッ♡ でるッ♡ でる゛でる゛でる゛ッ♡♡♡♡  ん゛ん゛っ♡♡♡ ……………ふぅ゛っ♡♡ イぐ……♡ い、ぐうううッ……♡ ふうッ♡ お゛ッ♡♡ イクうぅ!♡ ちんちんッ♡♡ イクうぅぅッッ♡♡♡ イっぐぅッん゛♡♡♡♡ ~~ッ♡♡♡♡♡ ッ♡♡♡ ぁ、で、るぅ゛ッ~~~♡゛」

被せたままの皮の隙間からじわじわと精液が漏れる。生クリームと共にその独特の風味をじっくりと咀嚼して、飲み込む。

「あ゛ー、いっぱい出たな。ご馳走様♡」
「は、ぁ……♡ …………ん♡ ……ぉ゛~……っ♡♡」

ダリスが射精後の余韻を味わいながらとろんと目を蕩かる。咽せ返るような甘い匂いがあたりに漂う。
たっぷり彼の表面を味わったしそれでは中も、と尻の淵に屹立を当てたところで、気まずそうな彼の声がした。

「……、あ、あいん……、ほんとごめん、今日、もうむり……♡」
「疲れちゃったか?」
「……ごめん、ほんと……おれから言い出したのに」
「大丈夫。気にするな」

精を放ち疲れ果てた彼の肉芯がしなだれているのを見て納得する。ぽんぽんと軽く頭を叩くが、その顔からは申し訳なさそうな表情は消えず、小声でごめん、とばかり繰り返している。

「……。なあ、来週もまたデートしよう、それでチャラってことでどうだ?」
「ん、うん、……ありがと……♡」

ころんと転がったダリスが目を伏せる。ところどころに残った生クリームが彼の精液と混じって垂れている。クリームでぬるぬるになった、ひんやりした中に挿入してみたかったな、なんて欲を腹の底にしまって、浅い眠りに落ちた彼の頬を撫でた。
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