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後編①
しおりを挟むしかしマリーは後に激しく後悔した。
なぜ、あの時ロディの言葉を鵜吞みにして、自らその場に残り続けたのかと。
――それは自分の望まざる力をやっとこの片田舎で得られたと錯覚……いや思い込もうとしたに他ならない。
☆★☆
ロディは徐々に、しかし確実にマリーの持つ魅了の力に取り込まれいき、そして彼女に尽くす、ただ尽くすという事に頭をほぼ完全に支配されてしまった。
おかげで本来の彼であるならば、絶対に手を染めないであろう事にも最初こそ躊躇はあれど、一度決心すると、後は海底に引きずり込まれる様に流されていった。
そしてそれが良かったのか悪かったのか。
彼にはデュークの思惑通り、オリジナルに関しては全く才能の芽すらなかったが、こと贋作を創りあげることにおいては随一のものを持っていた。
最初こそ、不慣れなこともあり四苦八苦していた。
が、デュークがその手の√から入手した技法を伝授するや否や、ロディは寝食問わず練習して、あっという間に吸収し、それを圧倒的……もはや狂気ともよべる集中力で次々に描き上げた。
その出来はどれもこれも文句のつけようがなく、デュークもご満悦で、報酬を支払い、やがてそれは普通の人が十人束になっても生涯稼ぐことのできない程に積み重なった。
誰もが羨む程。
そう、ロディは億万長者になったのだ。
だが、富は手に入れたがその辺りからますます歯車はおかしくなった。
大金を手に入れた。
今まで住んでいた小屋を売り払った。
平均的な貴族では太刀打ちできない程大きく立派な屋敷にマリーと共に移り住んだ。
そして使用人も数名雇い……。
使用人はすべて女性だった。
ここまで広大な屋敷に住むともなれば、何人かは男性の使用人も雇った方が良いという事は、物件購入に関して、右も左も分からないロディの為に、デュークがアドバイスしてくれたのだが、嫌だった。
そもそも本当なら女性だって嫌。
ただ、マリーの事を考えると、最低限何人かは身の回りの世話をしてくれた者が居た方がいいだろうという事で、雇う事にしたのだから。
この辺りで、既にロディは彼の中に渦巻く『得体のしれないモノ』を押さえつけることが出来なくなりつつあった。
そしてついに。
――マリーを部屋から出すな。
基本的にマリーは敷地内にある花の面倒を見るだけで、以前のように人目に触れないように屋敷で過ごしていた。
しかし、それでも偶に外出をしたくなる時が何度かあり、ロディに何も言わず一度遠くの街に遠出をし、帰りが遅くなることがあった。
これがロディの癪に障った。
マリーが帰ってくると、門の前で待ち伏せをしていたロディがマリーを部屋に閉じ込め、先程の命令を屋敷内の物全員に伝達したのだ。
自分の傍にいて欲しい。
自分を愛して欲しい。
どこにも行くな。
ロディは暴走していた。
既にマリーを見る目は単なる同居人でも実姉でも恋人ですらなく――。
――後書き
若干エタっててすいません。
他作品について考えすぎて、放置していましたが書きます。
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