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後編⑤
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デュークがそう告げると、マリーはほんの一瞬、彼の言葉の意味を理解しきれず、呆然としていたが、すぐに血相を変えて、
「でたらめ言わないでくださいッ! 私は……私は何もしてませんッ!」
「ふっ」
「何がおかしいんですかっ!」
「……いや、よくもまあ、実の弟に色目を使って、悪事に走らせた姉の言う言葉だと思うと、ね」
「実の弟……?」
「知らないとは言わせないよ。半分とはいえロディは君の弟じゃないか」
「……」
弟?
ロディが?
――その瞬間、マリーは頭の片隅で何かがガラッと崩れ落ちていく感覚に襲われた。
「……ちょっと……待って、ください。私は、ロディを、私は……そんなつもりじゃ……」
言葉が繋がらない。
頭が回らない。
回したくない。
この男は何を言っている……?
ロディと血が繋がっているはずがない。
だって、私は……母の勧めで……。
必死に理解を拒むが、否が応でも徐々に糸は繋がっていく。
そしてその糸が繋がれば繋がるほど、マリーは全てを悟った。
ロディは魅了に侵されていた、と。
呼吸が乱れだし、今にも気を失いそうな程顔が青ざめていくマリー。
だが、そんな彼女にデュークはもう一度念を押すかのように強く言った。
「そうだ。ちゃんと自覚するべきだ。君はその目でロディを意のままに操ったんだ」
そして、その言葉がとどめだった。
マリーは母にあの事実を知らされて以降、ずっと必死に胸の奥にしまい込んでいた感情を爆発させた。
「――私……私だってこんな力望んでなかった! こんな……。だから、誰にも迷惑を掛けないようにしてた! 頑張ってた! なのに…こんなのあんまりよ……」
必死に止めさせようとする使用人を振り払い、何度も拳を床に叩きつけて、泣き出してしまったマリー。
そんな彼女をニヤニヤした顔で見下ろすのはデューク。
そっと腰を落し、崩れ落ちているマリーの身体を抱きしめ、耳元で甘く囁いた。
「望んでいなかった? そんな訳ないだろ? 望んでいなければ、こんな大豪邸できらびやかな宝石を身に纏って、贅の限りを尽くした生活なんて送るはずがない。……悲劇のヒロイン気取りをするのは止めなよ。……君はれっきとした男を誑かす稀代の魔女さ。そして、僕はそんな君が大好きだ。だから、この場で君に婚約を申し込むよ」
「でたらめ言わないでくださいッ! 私は……私は何もしてませんッ!」
「ふっ」
「何がおかしいんですかっ!」
「……いや、よくもまあ、実の弟に色目を使って、悪事に走らせた姉の言う言葉だと思うと、ね」
「実の弟……?」
「知らないとは言わせないよ。半分とはいえロディは君の弟じゃないか」
「……」
弟?
ロディが?
――その瞬間、マリーは頭の片隅で何かがガラッと崩れ落ちていく感覚に襲われた。
「……ちょっと……待って、ください。私は、ロディを、私は……そんなつもりじゃ……」
言葉が繋がらない。
頭が回らない。
回したくない。
この男は何を言っている……?
ロディと血が繋がっているはずがない。
だって、私は……母の勧めで……。
必死に理解を拒むが、否が応でも徐々に糸は繋がっていく。
そしてその糸が繋がれば繋がるほど、マリーは全てを悟った。
ロディは魅了に侵されていた、と。
呼吸が乱れだし、今にも気を失いそうな程顔が青ざめていくマリー。
だが、そんな彼女にデュークはもう一度念を押すかのように強く言った。
「そうだ。ちゃんと自覚するべきだ。君はその目でロディを意のままに操ったんだ」
そして、その言葉がとどめだった。
マリーは母にあの事実を知らされて以降、ずっと必死に胸の奥にしまい込んでいた感情を爆発させた。
「――私……私だってこんな力望んでなかった! こんな……。だから、誰にも迷惑を掛けないようにしてた! 頑張ってた! なのに…こんなのあんまりよ……」
必死に止めさせようとする使用人を振り払い、何度も拳を床に叩きつけて、泣き出してしまったマリー。
そんな彼女をニヤニヤした顔で見下ろすのはデューク。
そっと腰を落し、崩れ落ちているマリーの身体を抱きしめ、耳元で甘く囁いた。
「望んでいなかった? そんな訳ないだろ? 望んでいなければ、こんな大豪邸できらびやかな宝石を身に纏って、贅の限りを尽くした生活なんて送るはずがない。……悲劇のヒロイン気取りをするのは止めなよ。……君はれっきとした男を誑かす稀代の魔女さ。そして、僕はそんな君が大好きだ。だから、この場で君に婚約を申し込むよ」
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