元教え子に車内で迫られました(R18)

ももも

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9(side岡田) 終わり

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 ぐったりした先生と僕はそのままシャワーを浴びてベッドに倒れ込んだ。
 横ですうすうと寝息を立てる先生の寝顔を見ながら、僕は幸せを噛み締めていた。

 満足感が身体を包む。
 やっぱり、先生じゃないとだめだ。
 ずっとこうしたいと思ってた。

 まだ身体に先生と一緒になっていたときの感覚が残っていて心臓がばくばくする。

 母親に連れて帰られた日本の学校は、それまで通ってたアメリカの現地校と全然違って始めは馴染めなかった。日本語の日常会話はできたけど、漢字が読めないから教科書に何が書いてあるのかわからない。

 向こうじゃ成績が良かったから、テストがぜんぜんできなくて自身もなくなったし、向こうじゃむしろ地味だった自分の見た目が、こっちじゃやたらと目立つのも嫌だった。

 だんだん学校に行くのが嫌になって、部屋にこもってたら先生が家に来た。

『岡田くん、教科書全部ロッカーに入れっぱなしで帰ったでしょ』

 先生はどさっと教科書の山を目の前に置いて、ぱらぱらとめくった。
 それを見て、僕はびっくりした。
 全部の感じにふりがなが振ってあったから。

『気づかなくてごめんね』

 先生は頭をかいて笑った。

『でも、わかんないところは、わかんないってはっきり言ってくれないとわかんないな』
 
 それからは、困ってたり嫌なことははっきり言えるようになった。
 そうしてみると、学校は思ってたよりも楽しかったし、先生は放課後ずっと漢字テストとかの勉強に付き合ってくれて、1年経つ頃には授業にもついていけるようになった。
 
 でも頑張れたのは、先生が褒めてくれるときの笑顔を見たかったからだと気づいたのは、3年になってからだった。

『先生のことが好きみたいです。付き合ってくれませんか?』

 と思い切って言ってみた。
 でも先生は困ったみたいに笑った後、

『ありがとう、でも先生は生徒とは付き合えない。『社会人になって、まだそう思ってくれてたらまた言って』って言った。

 そりゃそうだよな、と思った。
 クラスメイトの噂で、先生がどっか別の学校の男の先生と歩いてるの見たって言う話を聞いてて、やっぱり生徒じゃだめなんだなと思った。

 気持ちを切り替えなきゃって思って、大学に行って、女の子に告白されたから付き合ってみたけど、可愛い子だったけど子どもっぽく思えて、結局別れた。

 学生で子どもっぽい立場の自分が嫌になって、母親の友達の子どもで、外国にいる帰国子女の子にオンラインで家庭教師始めてみたら好評だったら、大学の友達誘って人数を増やしてみたら、結構稼げた。

 年上の人が好きなのかもしれないと思って、友達のお姉さんの知り合いの、先生と同じ年くらいの年上の人と付き合ってみたけど、途中でフられた。

 その人曰く、『だって怜央くん、私のこと本当に好きじゃないでしょ』って。
 あと、『30までに結婚したいから、もう相手探さなきゃいけないからあなたとは終わり』って。
 
 そこではっとした。
 僕はやっぱり先生じゃなきゃ駄目だって。

 そこに、母校で進路講演会があるので来てくれませんか、って招待状が同窓会から届いた。

 先生はまだ異動しないでいるみたいだった。

 ここで言わなきゃって思った。

 先生ももう結婚しなきゃとか思ってるかもしれない。

 彼氏がいようが何だろうが、ここではっきりさせなきゃって思った僕は、とりあえず車を買った。

 先生にしっかり大人だって思ってもらわないといけないと思ったから。

 収入もちゃんとあって、ほぼ社会人だって思ってもらったら、先生の反応も違うかもしれない。

 そう思って会ってみたけど、先生は、相変わらず僕がずっと好きだった先生で、やっぱりこの人じゃなきゃって改めて思った。でも、先生は「すごいわね」って変わらず生徒を見る目で、そう言った。

 僕が前に好きって言ったのも、全然気にしてないみたいな感じで、ちょっと傷ついた。

 だから……、先生と二人っきりになったら、迫ってみようと思った。
 僕のことをきちんと男として見てくれたら、先生はどんな反応をするかなって思った。

 あっさり普通のビール飲んでくれたから、そのまま車で送るって口実で二人っきりになれたけど。自分でやっといて、普通に乗ってくるから、僕のことはやっぱり意識してくれてないんだな、と思って、少し強気に出てしまったけど。

「可愛いな」

 思わず呟いて、先生の髪を分けた。
 さっきの眉間に皺を寄せて、真っ赤な顔で喘いでいた姿を思い出して、思わず僕は頭を振った。また、我慢できない気持ちが盛り上がってくる。

 深呼吸して気持ちを静めると、自分も布団に入った。
 連休だし、3泊でホテルは予約してる。
 まだ、明日も明後日もある。

 先生をこのまま返す気はなかった。
 学校があるから、休みが終わったら東京に戻らなきゃいけないし、付き合ってくれると言ったけど、それを確定的で絶対にしたかったから。

「先生、好きだよ」

 そう呟いて、先生の頬にキスをして瞳を閉じた。
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