魔女の白昼アプセット~誰か俺を助けてください~

火箸プレパラット

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三章

4★

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 私にとって最高の出だしだった“攻略! アルトスさんタイムアタック”は難航を極めた。

 初キスを済ませた翌日、休日だったアルトスさんと私は、ベッドの上でお互い向き合って正座をしていた。

「いや、その……。実は俺、君の役に立たないかも知れないんだ……」

「へ? いえ、私こそこんな変なお願いをしてしまってごめんなさい……」

 物凄く気まずい空気が流れていた。私が仕入れてた知識だと、男の人ってもっとこう……、据え膳なんたら。ガッついてて女の人を見かけたら即触る、即襲うって感じだったから。何この空気って思ってた。本の中のサキュバスにも淫魔にも尊敬の念をいだき始めていた頃。

「ちょっと頑張ってみるけど、駄目だったらごめん」

 アルトスさんは無理に笑っているように見えた。

「――いえ! 私も頑張りますから!」

 何がそんなに心配なのかわからなくて、昨日みたいに笑って欲しくて、本の中の淫魔を自分の中に降臨させてみた。思いきってアルトスさんの寝間着越し、ちょっと硬くなっているモノの上に手を置いて――。

「えっと、あの、その。アルトスさんのこの立派な、お、おちん――」

 !? 急に手の中の存在感が消えた!?

「え?」 「あ、や」 「や?」 「いや」 「ん?」 「その」 「あれ?」

 二人でわたわたしてた。

「――いや、ごめん。ちょっと離してくれるかな……」

 慌てて手を離すと、アルトスさんは両手で顔を覆った。

「俺、そういうの苦手みたいだ……」

 この人繊細! 淫語? が駄目みたい! 私が仕入れてきた語録が全部無駄になった瞬間だった! “ぽ”が良いのか“こ”が良いのか悩んでいた過去の私を叩いて眠らせてあげたかった!

「ごめんなさい! 私こそ無理してて、喜んで欲しかっただけで、すぐ後悔したっていうか! ちょうど良かったです……」

 アルトスさんは片手だけ顔から離すと、私をちらりと見てからうなだれた。視線がその辺を彷徨っていた。

「そっか、それは良かった。すまない、ちょっと時間をくれないか」

 それは復帰に時間がかかるという宣言だった。申し訳なさ過ぎて私はアルトスさんの太ももに手を添え、その綺麗な瞳を下から見上げてお願いしてみた。

「あ、あの……、私にご奉仕させてもらえませんか……」

 アルトスさんはお願いに弱いみたいで、押せば頭を縦に振ってくれた。上だけ着たままの半裸状態になってもらい、元気が無くなったアルトスさんの半身をしげしげと眺めた。

「あんまり……見ないでくれるかな」

「あ、ごめんなさい」

 本でグロいグロいと言われていたそれは、不思議と素直に受け入れることができた。それ以上の何かを何度も見てきた経験がそうさせたのだろうか。

 思いきって口の中に含んで、一生懸命舐めてみた。

「――あったかい」

 上からちょっと感心したような声が聞こえた。すると口の中のモノが膨らんできた。それが嬉しくて丹念に舐め回していたら、今度は私が気持ちよくなってきた。

「ふっ、く、んふ、んんっ」

 か、影に身体を弄られた弊害と呼べる感度、何で私が、アルトスさんに気持ちよくなってもらいたいのに、口だけでこ、こんな……!

「あ、んふ、ん、ふぅ、んん、ん」

 勝手に感じ始めたのが恥ずかしくて、口に含みきれなくなったそれの先端を咥え直した。声を必死に抑えて、全身から汗が吹き出て、あぁ、エールさんから借りた侍女服がぁ……!

「無理しないで。十分勃ったから。ありがとう、俺はもう大丈夫だから」

 優しい手付きで頭を撫でられた。それだけでまた感じてしまった。

「ふぁ、ふぁい……」

 そのまま押し倒されて、糸引く下着を脱がされた。憧れの人にさらされる、私の秘部。

「君凄いね、まだ何もしてないのに」

 恥ずかしくて死にたくなっていた。

「い、淫魔なので……」

「ははっ! そっか、そうだった」

 ――あぁ、  だなぁ、その笑顔。

 アルトスさんは私の頭の横に両手を置くと、首を傾げて聞いてきた。

「ごめんね、俺こういうの初めてなんだ。どうして欲しい? 服は脱がす?」

「ふ、服は恥ずかしいのでこのままで……」

「どこを触って欲しい? 慣らしは必要?」

 全部聞いてくるよこの人! 止めてよ私まだ心は処女で未経験者なのに! どSかな? でも今淫魔だしぃ! 自分の設定に苦しめられていた。

「も、もうそのまま突っ込んじゃってください。貴方にそういうことさせたくないです……」

「そっか、わかった」

 つ、遂にその時がくると身構えて、私はたくし上げたスカートで顔を隠した。アルトスさんの両手が私の腰を掴んで、その、ゆっくり、本当にゆっくり、腰を押し進めてきた。い、入り口にぃいい、は、入ってきてぇええ……!

「――あったかい……」

 感動したような声が聞こえてきた。その言葉で、アルトスさんと遂に繋がったんだって意識したら、急に全身から痺れが走って――!!

「あ、ああ! ごめんなさ、い、っく、いくイく! イクぅ……!」

 仰け反って、スカートを噛んだ。勝手に自分だけ盛り上がっててバカみたいだった。身体がきゅうきゅうアルトスさんを締め付けた。

「だ、大丈夫? まだ全部入ってないんだけど……」

「ふぇええ……、うそぉ……」

 涙目でそこを見たら半分くらいだった。全部入ったらこれどうなっちゃうのって不安になった。

「唾液で良いなら今日はもう止めておく?」

「うううう、もう一気に突っ込んじゃってくださぁい!」

「わかった」

 本当に一気に突っ込まれた。

「――カハッ!」

 さっきイったばかりなのに、またイった。気持ちよすぎる、何これ、  な人とするって、こんなにきもちいの?

「あ、あ、んん、っはぁあ!」

 痙攣する私に、優しい手が降ってくる。よしよしされた。

「可愛いね」

 またイった。影を恨んだ。こんなの、こんなの無理だ。アルトスさんを落とす前に、私が先にぐずぐずにとろかされて、何も出来ないのだ。

「ね、顔見せて」

 私にモノを深く埋めたまま、アルトスさんが覗き込んできた。

「やらぁ……!」

「顔が見たい」

 緑がかった茶色の瞳。キラキラしててすごく綺麗だった。こんなのずるい。恐る恐るスカートを下げると、ついばむようなキスをされた。イきそうになってまた顔を隠した。

「ね、見せて」

 おでこをくっ付けられて、すりすりされた。ずるい、ずるいずるいずるい。観念して、顔をさらしたら、口を半開きに首を傾げられた。

「え……?」

 多分、私が何も出来ずに悔しがっているのを、察してくれたんだと思う。私は誘われるまま、その唇に吸い付いた。そして開始された抽挿に、気が狂いそうだった。

「あふぅ、ぁぅぅ、んんふ、うぅ!」

 イってる、いってる、いってる、いってる、いってるからぁ! グチョグチョになって、もう、イき続けてるからぁ!!

「アルトスさん! アルトスさん! も、もうっだめぇっ!! やめへ! あ、あっ、あっ、ああ!!」

 涼しげな瞳が、ずっとこっちを見ていた。やめて、見つめないで、このままじゃトんじゃう、とんじゃうっ、とんじゃうぅう!

「きもちいい?」

 細まる目元。

 なんで、どうして!? 影みたいに激しくないのに、奥をゆるゆる突かれてるだけなのにぃ! 触れている場所全部が熱くて、とろけてぇ!

「ねぇ、アルトスさん! アルトスさんだめ! も、もう! もうぅ!! もう、ねぇってば!! あ、あ、あっ、アルトス!! んむぅっ」

 また口付けられて、トドメとばかりに舌を吸われた。このSっ気、本当に初めてなの!?

 ――い、あ、もう、だめ、だめ、イ、グぅっ!

 あまりの快感に涙があふれて、私が意識をとばす寸前。唇を離して銀糸が垂れるその口元。

「やっぱりな。俺、一人ならいけるのに。他人が関わると駄目みたいだ……」

 今ならわかる。アルトスはそう呟いていた。でもこの時の私は満たされてしまって、その呟きに気付くことが出来なかったの。本当に馬鹿だよね。
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