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第三部 乙女ゲーム?高等部編
12
それから数日が過ぎた。
スペッサがココに来た日から、オレは学食に行ってない。食欲が無いのと、同学年だった見知った顔を見るのに罪悪感があったからだ。
ラナに食材を貰ってきてもらって、警備室で軽く作って自分で食べていた。
「リア、今日は学食に魚があったぞ」
「え?」
魚?ここに来て初日に食べて以来、魚はメニューに無い。海から持ってくるのにコストがかかるから、なかなか出て来ないのだ。
どうしよう。食べたい。
ソワソワするオレを見て、ラナが笑いながら頭をクシャクシャと触って来た。
「餌を前にした犬みたいだな!食堂のおばちゃんが、気にしてたぞ?たまには顔出して来いよ」
「…うん」
ジェードやスペッサにも、あれから会ってない。でも、ココで働いてるんだから、ずっと避け続けるのも無理な話だ。
魚料理という餌に釣られて、オレは久しぶりに昼飯を学食で摂る事に決めた。
「もう、体調は良いのかい?」
「はい。心配かけて、すみません」
「いいのよ。私もアンタに会えて嬉しいよ!」
沢山食べな、と、食堂のおばちゃんに背中を叩かれる。それが、肝っ玉母ちゃんぽくて、何だか気持ちがあったかくなった。
この時間帯はピークも過ぎて、学生の姿もまばらだ。でも、目立ちたくなくて、オレは端の目立たないテーブルに座った。
気のせいか、周囲からの目線が気になる。微かに、クロユリサマ、と変な単語が聞こえた気がしたけど。
久しぶりの魚料理に、気づけはオレは周りの声が気にならなくなっていた。
「ここ、いい?」
目の前の席に誰かが来た。夢中になっていた食事を一時中断して見上げれば。久しぶりのジェードだった。
「ジェード…」
「今日魚料理があったから、来ると思ったよ」
ふふ、と目の前で笑われて。何だか気恥ずかしくなる。ジェードはいつもそうだ。オレのせいで気まずくなっても、次に会った時は普段通りに接してくれる。
「冷めるよ。食べないの?」
「…食べる」
再び食事を再開した。食事しながらも、オレは何だか胸の中があったかくなってきた。
嬉しくて、でも気恥ずかしい。そんな甘酸っぱい気持ち。だけど、なんか幸せで。
それが魚料理のせいなのか、ジェードのせいなのか、分からないけど。もっとこんな時間が続けば良いのに。そう思った。
「黒百合というより、黒猫だよね」
「何が?」
「何でもない。ついてるよ」
ジェードの手が伸びて来て、オレの口元に触れた。そこについていた米粒を取って、ジェードが自分の口に入れる。
え?今、オレの口元についてた米を…。
気づいたら、恥ずかし過ぎて、顔が熱くなった。
「ふふ、顔が赤いよ」
「お前、こんな事すんなよっ」
「照れちゃった?可愛いね、リア」
ジェードが機嫌良さそうにニコニコしてる。その表情にドキドキする。何か、オレ、変だ。
「リアは本当に魚料理好きだね」
「え?うん、好き」
「……。そんなに大好きなんだ」
「うん、大好き」
魚に関しては譲れない。オレはしっかりジェードの目を見て肯定した。
ジェードに視線を外される。何故か口元を手で覆って、照れてるように見える。
何で?
「じゃあさ、いつか港町に行かない?2人で」
「港町!?」
行きたい!王都から結構離れた場所にある町だ。前々から興味はあったけど、行く機会が無かった。
「港町好き?」
「好き!」
「きっと新鮮で生で食べれるのもあるよ。新鮮な魚も好き?」
「うん、大好き!」
「僕コネあるから。美味しいの食べさせてあげるね。僕の事、好き?」
「うん。ジェード、大好き!」
ん?
何か今、会話の流れおかしくなかった?
「じゃあ約束だよ」
ジェードはそう言って、席を立って行ってしまう。ほとんど食事に手をつけて無いのに。
「おい、残すなよ」
「大丈夫、ちゃんと食べるから」
ニコニコと機嫌が良さそうにジェードは行ってしまった。
なんだったんだろう。それに、約束って。
「ジェードとの約束か」
本当に行けるかは分からない。
だけど、と想像してみる。
港町で。潮風を浴びて。陽射しに輝く海を一緒に見て。美味しい魚料理を沢山食べて。
誰もオレ達を知らない場所で2人で。
「…………」
湧き上がる気持ちを誤魔化す様に、オレは再び食事に集中した。
スペッサがココに来た日から、オレは学食に行ってない。食欲が無いのと、同学年だった見知った顔を見るのに罪悪感があったからだ。
ラナに食材を貰ってきてもらって、警備室で軽く作って自分で食べていた。
「リア、今日は学食に魚があったぞ」
「え?」
魚?ここに来て初日に食べて以来、魚はメニューに無い。海から持ってくるのにコストがかかるから、なかなか出て来ないのだ。
どうしよう。食べたい。
ソワソワするオレを見て、ラナが笑いながら頭をクシャクシャと触って来た。
「餌を前にした犬みたいだな!食堂のおばちゃんが、気にしてたぞ?たまには顔出して来いよ」
「…うん」
ジェードやスペッサにも、あれから会ってない。でも、ココで働いてるんだから、ずっと避け続けるのも無理な話だ。
魚料理という餌に釣られて、オレは久しぶりに昼飯を学食で摂る事に決めた。
「もう、体調は良いのかい?」
「はい。心配かけて、すみません」
「いいのよ。私もアンタに会えて嬉しいよ!」
沢山食べな、と、食堂のおばちゃんに背中を叩かれる。それが、肝っ玉母ちゃんぽくて、何だか気持ちがあったかくなった。
この時間帯はピークも過ぎて、学生の姿もまばらだ。でも、目立ちたくなくて、オレは端の目立たないテーブルに座った。
気のせいか、周囲からの目線が気になる。微かに、クロユリサマ、と変な単語が聞こえた気がしたけど。
久しぶりの魚料理に、気づけはオレは周りの声が気にならなくなっていた。
「ここ、いい?」
目の前の席に誰かが来た。夢中になっていた食事を一時中断して見上げれば。久しぶりのジェードだった。
「ジェード…」
「今日魚料理があったから、来ると思ったよ」
ふふ、と目の前で笑われて。何だか気恥ずかしくなる。ジェードはいつもそうだ。オレのせいで気まずくなっても、次に会った時は普段通りに接してくれる。
「冷めるよ。食べないの?」
「…食べる」
再び食事を再開した。食事しながらも、オレは何だか胸の中があったかくなってきた。
嬉しくて、でも気恥ずかしい。そんな甘酸っぱい気持ち。だけど、なんか幸せで。
それが魚料理のせいなのか、ジェードのせいなのか、分からないけど。もっとこんな時間が続けば良いのに。そう思った。
「黒百合というより、黒猫だよね」
「何が?」
「何でもない。ついてるよ」
ジェードの手が伸びて来て、オレの口元に触れた。そこについていた米粒を取って、ジェードが自分の口に入れる。
え?今、オレの口元についてた米を…。
気づいたら、恥ずかし過ぎて、顔が熱くなった。
「ふふ、顔が赤いよ」
「お前、こんな事すんなよっ」
「照れちゃった?可愛いね、リア」
ジェードが機嫌良さそうにニコニコしてる。その表情にドキドキする。何か、オレ、変だ。
「リアは本当に魚料理好きだね」
「え?うん、好き」
「……。そんなに大好きなんだ」
「うん、大好き」
魚に関しては譲れない。オレはしっかりジェードの目を見て肯定した。
ジェードに視線を外される。何故か口元を手で覆って、照れてるように見える。
何で?
「じゃあさ、いつか港町に行かない?2人で」
「港町!?」
行きたい!王都から結構離れた場所にある町だ。前々から興味はあったけど、行く機会が無かった。
「港町好き?」
「好き!」
「きっと新鮮で生で食べれるのもあるよ。新鮮な魚も好き?」
「うん、大好き!」
「僕コネあるから。美味しいの食べさせてあげるね。僕の事、好き?」
「うん。ジェード、大好き!」
ん?
何か今、会話の流れおかしくなかった?
「じゃあ約束だよ」
ジェードはそう言って、席を立って行ってしまう。ほとんど食事に手をつけて無いのに。
「おい、残すなよ」
「大丈夫、ちゃんと食べるから」
ニコニコと機嫌が良さそうにジェードは行ってしまった。
なんだったんだろう。それに、約束って。
「ジェードとの約束か」
本当に行けるかは分からない。
だけど、と想像してみる。
港町で。潮風を浴びて。陽射しに輝く海を一緒に見て。美味しい魚料理を沢山食べて。
誰もオレ達を知らない場所で2人で。
「…………」
湧き上がる気持ちを誤魔化す様に、オレは再び食事に集中した。
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