荒れ地に咲く一輪の花

エウラ

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7 ツリーハウスは不思議ハウス 2

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さて、出だしは少々アレだったものの何とか乱れた情緒を立て直したヨウガは、ルーカスをお供にツリーハウスの探検に勤しんだ。
確認じゃ無いのかというツッコミは無しで。探検で合ってるから。

だって、どうやら空間拡張魔法がかかっているらしくて、部屋の扉を開くとココは何処?って状態らしいんだよ。
コレ、ルーカス情報ね。

そもそも、初日に外観と大雑把な内見だけして寝落ちし、その後怒涛の展開になってルーカスに抱き潰され続けて、漸くまともに動けるようになったのが本日。

───うん。
こうして字面を並べるととんでもないな・・・。

のんびりまったりドコ行った・・・。

チラリとルーカスを仰ぎ見ると、優しい笑みを返された。カッコいい。

───じゃねえよ!!

誤魔化されるな、ヨウガ!!
コイツは幾ら伴侶とはいえ、全くの初心者な俺を連日鬼畜の如く犯しまくって腰が立たなくなるまでヤリまくった男だぞ?!

エルフなのにムッキメンで絶倫なんだぞ!!
(多分に前世のヨウガのエルフへの固定概念アリ)

思わずその時の事を思い出して赤面し、その場にガバッと蹲るヨウガを心配して屈み込むルーカス。

首筋はおろか剥き出しの鎖骨辺りまで薄紅色に染まっているのを見て、我慢できる男がいるか?
いや居まい。

「───ぃやあぁ───っ!! ルーカス止めっ・・・・・・!!」

───かくしてヨウガのツリーハウス探検は欲情したルーカスによって強制的にここで中断され、後日またキレたヨウガによって再開されることになるのだった。


───そして再びのツリーハウス探検。

さすがにルーカスも反省しているようなので、今日は大丈夫だと思いたい。

「───なあ、この冷蔵庫や保存庫ってどうなってると思う?」
「さあ? 亜空間に繋がっているだろうとは思うが、なにぶんアステナ神のなさった事だから何とも・・・。只人には理解が及ばん」
「・・・・・・だよねぇ」

さすがにルーカスでも何でも無限に出てくる魔法は分からないらしい。

普通は何かをしまったり、しまった物を取り出したりする収納魔法とのこと。
時間遅延や時間停止は出来ても、何も無いところから好き勝手に出すことは出来ないそうだ。

そりゃそうだよな。
完全に等価交換とか無視してるもん。

「ヨウガはアステナ神の愛し子だから、理解は及ばずとも魔法を使えるのではないか?」
「・・・・・・あー、そうかも? アッチって実際に使えないのにそういう想像力は凄くってさ、俺も多分理屈じゃ無くて感覚で使えそうな気がする。・・・そういや、こっち来てからろくに魔法使ってないな・・・
「じゃあ、何かやってみるか? 念の為、外の安全な場所で」
「オイコラ、完全にスルーしたな?! 俺以上だな。恐るべしエルフのスルースキル・・・」
「いやそれ、エルフだからじゃ無いからな? そもそもそんなスキルは無いし」

さっきはスルーしたが、コレはルーカスのツッコミが入った。
さすがにジョークが通じなかったか。

苦笑してルーカスとツリーハウスを出る。
梯子や階段なんてものは無い。
俺は浮遊魔法で翔んできたので。
ルーカスは言わずもがな。
だってずっと海の上を翔んできたんだから、推して知るべし。

念の為と結界を張った空間で、まず最初に謎仕様の保管庫の再現を試みる。
異空間収納庫インベントリの魔法の応用だ。

空間に穴を開けて、その中の謎空間と保管庫や冷蔵庫を繋げてみる。
何となく、まんまあの冷蔵庫とかは作れない気がしたので。

やっぱり制限とかあるよね。
この世界に害の無いように、でもギリギリチートな能力。

神様、微妙で絶妙な采配です。

───そして呆気なく作れた。

冷蔵庫と保管庫の中身としっかり繋がって、思い浮かべたモノが手の中に触れた。

「・・・・・・うわ、やべえ。出来ちゃったよ・・・」

そう言って引っこ抜いた手には、前世の有名どころのラベルが貼ってある年代物のワイン。

どっから出た?!
まさかアッチの世界で何処からか急に一本消えてたりしないよな、神様?!
それだったら罪悪感で飲めないんだけど。

『何、こちらの世界の現存する材料を等価交換して“なんちゃって“なモノに作り変えてるだけじゃよ。さすがに無から有は理に反するのでな。故に再現不可のモノも存在するぞ。もちろん手付かずの野生の動植物や自然の鉱物などを使っているから、誰にも迷惑はかけとらん。安心して手にして良い』
「へっ?! そうなの?! 味とかモノの再現率、凄くない?! ってか、呼んでないのにいきなり来たな」

急に聞こえたアステナ神の声に、思わず「暇なの?!」とツッコんじゃったよ。

『まあまあ。暇であって暇でなし。娯楽も必要じゃ。ほっほっほ』
「俺は娯楽かーい!!」
『末永く楽しませておくれ』

ツッコミどころ多々のアステナ神は、言うだけ言ってサッサと消えた。

「───もう、なんて言うか自由すぎない? アステナ神って・・・」
「俺も今回、初めて知った」
「神殿とかでは威厳よろしく角張った言葉使って真面目な顔になってるんだろうな・・・。ギャップが面白すぎる・・・ププッ」

思わず噴き出す俺を幸せそうに見つめるルーカス。

ほんっと、貴方もブレないですね。

「ヨウガが楽しいなら別に良いさ。じゃあスッキリしたところで他の魔法も試すか?」
「おー、そうだった! よっしゃ、張り切っていくぞ───!」


───結果、全属性全てを何の問題も無く使えることが判明。

何ならこの世界ではまず不可能では?という威力の魔法とか作っちゃって、さすがのルーカスもドン引きした。

『フレア』とか無かったそうです。
アニメとかゲームとかで良く見聞きしてたからイメージでイケちゃった。てへっ。

「まあ、一生使うことは無いと思います」

ガチめに宣言しときました。

「ルーカスがいればそんな魔法をつかう危機的状況には陥らないよな?」

って全幅の信頼を寄せたら、滾ったルーカスに再び寝室に連れ込まれて抱き潰され、お家探検&魔法検証は強制終了になった。

その後、自棄酒を煽り、流れで再度抱き潰されて・・・。

俺は良い加減学べよ、と自己嫌悪に陥るのだった。

毎日指一本動かせない俺と、肌艶サイコーのルーカスとの対比よ・・・。

「・・・・・・エルフ怖え・・・・・・」
「だからエルフだからじゃ無いって(笑)」

俺が何時もそう言うのでルーカスもそう反論するのが日課となった。

───のちにが本当だったと知ることになるのだが、今は疲れて夢の中。

「───そろそろ定期連絡だよな・・・」

ルーカスがポツリと呟いた。







※匂わせといてアレですが、次話はR18の予定です。お待ち下さいませ。
連日抱き潰される様を書きたい。
書きたいのに暇が無いストレス、この辺でいったん吐き出さねば!(笑)









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