13 / 15
重たすぎる愛 1(side王太子)
しおりを挟む
まず最初に自己紹介だと、私から名乗った。
「私はこの国の王太子でミリオネア。二十歳だ」
そのあとササナギとナツメも自己紹介する。
「私はササナギ・エンドフィール。十九歳で次期侯爵だ。彼はナツメ。私の夫で絶賛妊娠中だから気をつけてくれ」
「ナツメです。十八です。ササナギのつ、夫です! きょ、今日から王立魔導師団員です!」
───え、夫? 男だよね? 同性婚有りなの? え、妊娠中? 男で妊娠するの?
そんな戸惑った呟きのあと一度目を瞑り、気持ちを切り替えたのかしっかりとした声で言った。
「ええと、俺は草壁睦月と言います。睦月が名前です。今はたぶん誕生日が過ぎてて、二十歳になったと思います。地球という星の日本という国に住んでいました」
そう言って語られた内容はこうだ。
ニホンで学生だったというムツキはある日突然、唐突に何の前触れもなく気付いたらどこかの森に倒れていた。
そこでニホンでは見かけたことのない、いかにも盗賊っぽい見た目の男達に連れ去られて知らないうちに魔法で隷属され、何も話せないように喉を斬られたと。
「・・・・・・そのときの痛みと恐怖は、今思い出しても・・・・・・身体が震えます」
そう青ざめた顔で震えるムツキを、横に座っていた私はそっと抱えて宥める。
傷は低品質のポーションで直したようだ。まあ高品質なものでは完全に直ってしまうからわざとだろう。
それがおよそ一年前らしい。
ニホンには、いやチキュウには魔法などないから最初は驚き、自分でも使えるのかもとちょっと喜んだが、どうやら使えないらしい。
そして隷属魔法で命令されて拒否できず、暗殺訓練を受けさせられて今日、この国の王太子を暗殺してこいと命令されて忍んでいたらしい。
「依頼主は知りません。失敗したら自害しろという命令も受けてました。隷属魔法って、言うこと聞かないと全身が激痛で気絶しちゃうんです。もう、辛くて・・・・・・失敗したら死んでもいいやって思えました」
ニホンは人を殺すとか身近にない平和な国だそうで、とにかく精神的にも壊れそうだったらしい。
「だから、あの、解放してくれた貴方方にご恩を返したいんです! 何か、俺に出来ることがあれば何でもします!」
そう言って頭を下げるムツキに、私は告げる。
「まずは君のこの国での立場をハッキリさせよう。異世界転移者というのはこの世界にとってとても貴重で大切に扱われなければいけない存在なんだ」
「どうしてですか?」
「異世界転移者は大抵の人が神の祝福を受けてやって来る。それは人にもよるがほとんどがこの世界に貢献するような能力持ちなんだ」
ムツキはさも自分にはそんな価値はないといいたげな顔で言った。
何となくそこのナツメを思い起こさせる。
だから過去の転移者の話をした。知識もそうだし、何より魔力が飛び抜けて高く、使いこなせれば善くも悪くも大事になるほど。
ただ過去の例を見ても異世界転移者は善良な心根の者ばかり。周囲が悪用しなければ素晴らしい人材なのだ。
「さっき、魔法が使えないと言ってたよね? あれは君が魔法を知らない世界から来たためだと思う」
「あの、僕もさっき魔法を使ったときにムツキさんの魔力を感じました。絶対に使えるはずです」
私の言葉に付け加えてナツメがそう言うと、ムツキもそうなのかと信じる気になったようだった。
「転移直後はこの世界に馴染んでいなかったからだろう。だが一年も暮らしていればいい加減適応しているだろう」
「・・・・・・俺も、魔法が使える? 役に立てる?」
呆然とするムツキににっこりと笑いかけると泣きそうな顔になった。きっと今までの奴隷生活で散々役立たずとか言われたのだろう。
「ああ、きっと。ただ今日はもう遅いから明日、魔導師団の者に調べて貰おう。それで使えると分かれば───」
「───あのっ! 僕が教えてもいいですか?」
「ナツメ」
ササナギがすかさず口を挟むが、ナツメはキッとササナギを見据えた。どうやら意志を曲げるつもりはないようだ。
「ナギ。だってもう、片足ツッコんじゃったんだよ。それに事情を知ってる僕なら安心してムツキさんも練習出来るんじゃない?」
「・・・・・・それもそうか。じゃあ明日も付き合うぞ」
「ありがとう!」
渋々といった具合でササナギが了承するとナツメがぱあっと喜んだ。
・・・・・・ササナギ、耳が赤いぞ。さてはお前照れてるな。
「私抜きで話を進めるな。まあおおよそその通りだが。というわけでササナギ達は帰っていいぞ。助かった」
「全くだ。貸し一つだぞ」
「コレくらいなんでもないです」
「───あのっ、本当にありがとうございました」
目に毒なイチャイチャを見せられたくないからサッサと帰らせようとしたらムツキが改めて二人に礼を言う。
「君は被害者なんだから気にすることはないよ」
私がそう言うとササナギがニヤリと笑って言った。
「そうだ。ミリオネアに虐められたのだろう? 可哀想に」
「虐めてない。正当防衛だ」
「別にどうでもいい」
「おいコラ!」
「───っふ、ぁ、スミマセン。仲がいいんですね?」
ササナギとの言葉の応酬に思わずという感じで吹き出すムツキ。
笑うと幼く見える。可愛い。
「・・・・・・はとこだからね。それなりに付き合いは長いから」
「そうなんですね。俺は物心つく頃に事故で両親を亡くしてからは施設育ちで、親類もいなくて寂しかったから・・・・・・羨ましいです」
ムツキは寂しい子供時代を送っていたのか。
それを聞いたナツメが自分の境遇を思い出してムツキをギュッとした。
すぐにササナギに引き剥がされたが。
「───っ、僕も、孤児で本当の家族がいなかったから分かる気がします! 僕達、仲良くなれそう」
「・・・・・・じゃああの、友達に、なってくれますか?」
「はい!」
二人はひしっと手を握りあい、また明日と手を振って別れた。
───さて、私達はまだコレからやることがある。
「ムツキには申し訳ないが、コレから父───国王陛下に会って貰う。といっても私室で事情説明くらいだと思うが、ムツキの身分をしっかりさせたいのでな」
「・・・・・・分かりました」
神妙な顔で頷くムツキ。大丈夫だ。父は存外親しみやすいぞ。
───そうして夜も遅い時間に先触れを出し、案の定、先ほどの私室での対面となった。
「───そうか。では王家に預けられている侯爵位が一つあるから、それを与えよう。姓があるようだからそのままクサカベ侯爵でよかろう。領地は今は代理の領主が管理しているからムツキは何もせずともよいからな」
───父上、それこの間ロウナート侯爵から取り上げた爵位ですよね?
そう意味を込めて、アイコンタクトで陛下とサッとやりとりをする。にっこり笑っているから確信犯だな。
「あ、ありがとうございます。でも、その・・・・・・いいのですか?」
お礼を言いつつ躊躇いがちにそんな言葉を口にするムツキに陛下は和やかに語りかける。
「何がだい?」
「その、隷属魔法のせいとはいえ、お、王太子殿下を襲った者に、そんな待遇を───」
「───ああ、そういうことか。いや気にするな。これは詫びでもある。逆に痛めつけられて辛かったろう? ミリオネアは敵には容赦しないからね。怖かったよね?」
「え、あ、はい?」
疑問符を浮かべた返答だったが、言質を取ったように話を進める陛下に苦笑する。
「とにかく今日はミリオネアの部屋で休むといい。明日になったらムツキ用にミリオネアの隣の部屋を整えるからな」
「あ、りがとう、ございます?」
陛下の和やかだが否やを言わせない圧のかけ方がエンドフィール侯爵とそっくりで、やはり従兄弟なのだなと思う。
しかしこのあと彼を囲い込む気満々の私もまたササナギと同じなのだろう。
先ほどの陛下への先触れには私の婚約者にして欲しい旨をしたためた。
彼は異世界転移者だ。
そうと知られればあっという間に縁を繋ぎたいという輩が湧いてくるだろう。
そうでなくともあの美貌だ。本人は頓着していないようだが、よくぞ性奴隷にされなかったものだ。
陛下から下がっていいという言葉を貰い、二人で私の部屋に戻っていく。
部屋に入ってみると、先ほどムツキと乱闘して荒れた風呂場の脱衣所が綺麗になっており、熱い湯も並々と溜まっていた。
「・・・・・・わあ、お風呂! 大きい!」
「───風呂好きなのか?」
「はい、日本人はお風呂好きで有名なんです! この一年、見たことも入ったこともないから、この世界にはないのかと思ってました!」
もの凄いテンションで喜色満面のムツキに微笑みつつ、風呂事情を教える。
「そうか。まあ庶民が個人で所有するにはちょっと維持費とか浴槽自体高いから仕方ない。じゃあ一緒に入るか。あと敬語はなしで、私のことはミリィと」
「え、あ・・・・・・うん。えっと、ミリィ」
遠慮して断られるかと思ったがさっき『自分に出来ることなら何でも』といったことを覚えていたらしい。
もじもじしながら言うところも可愛いな。
「ああ、ムツキ。じゃあ入ろうか。というか他人との入浴に躊躇いがないな?」
「ああ、銭湯、えっと大浴場っていうのがあって、不特定多数の同姓同士で風呂に入れるところがあるから皆、気にしないんだ」
「───そうか。何度も?」
「いや、それなりにお金かかるからひと月に一度くらい、かな? 行くとジロジロ見られて恥ずかしかったし。真っ白でひょろひょろしてたからかな?」
───いやそれ絶対、いやらしい目で見られてたヤツだろう!
もうコレからは他の輩に肌を見せることはないからな!
私の婚約者となるムツキの肌は死守する!
※スミマセン。存外長くなりまして、続きます。
あと、もしこのCPのR18が見たいという方がいたら書きます。ぜひ感想欄に。一人でもいれば書きます(笑)。
見たくないという人もいるでしょうから別の回でR18だけ書くようにします。需要がなければ没で。
「私はこの国の王太子でミリオネア。二十歳だ」
そのあとササナギとナツメも自己紹介する。
「私はササナギ・エンドフィール。十九歳で次期侯爵だ。彼はナツメ。私の夫で絶賛妊娠中だから気をつけてくれ」
「ナツメです。十八です。ササナギのつ、夫です! きょ、今日から王立魔導師団員です!」
───え、夫? 男だよね? 同性婚有りなの? え、妊娠中? 男で妊娠するの?
そんな戸惑った呟きのあと一度目を瞑り、気持ちを切り替えたのかしっかりとした声で言った。
「ええと、俺は草壁睦月と言います。睦月が名前です。今はたぶん誕生日が過ぎてて、二十歳になったと思います。地球という星の日本という国に住んでいました」
そう言って語られた内容はこうだ。
ニホンで学生だったというムツキはある日突然、唐突に何の前触れもなく気付いたらどこかの森に倒れていた。
そこでニホンでは見かけたことのない、いかにも盗賊っぽい見た目の男達に連れ去られて知らないうちに魔法で隷属され、何も話せないように喉を斬られたと。
「・・・・・・そのときの痛みと恐怖は、今思い出しても・・・・・・身体が震えます」
そう青ざめた顔で震えるムツキを、横に座っていた私はそっと抱えて宥める。
傷は低品質のポーションで直したようだ。まあ高品質なものでは完全に直ってしまうからわざとだろう。
それがおよそ一年前らしい。
ニホンには、いやチキュウには魔法などないから最初は驚き、自分でも使えるのかもとちょっと喜んだが、どうやら使えないらしい。
そして隷属魔法で命令されて拒否できず、暗殺訓練を受けさせられて今日、この国の王太子を暗殺してこいと命令されて忍んでいたらしい。
「依頼主は知りません。失敗したら自害しろという命令も受けてました。隷属魔法って、言うこと聞かないと全身が激痛で気絶しちゃうんです。もう、辛くて・・・・・・失敗したら死んでもいいやって思えました」
ニホンは人を殺すとか身近にない平和な国だそうで、とにかく精神的にも壊れそうだったらしい。
「だから、あの、解放してくれた貴方方にご恩を返したいんです! 何か、俺に出来ることがあれば何でもします!」
そう言って頭を下げるムツキに、私は告げる。
「まずは君のこの国での立場をハッキリさせよう。異世界転移者というのはこの世界にとってとても貴重で大切に扱われなければいけない存在なんだ」
「どうしてですか?」
「異世界転移者は大抵の人が神の祝福を受けてやって来る。それは人にもよるがほとんどがこの世界に貢献するような能力持ちなんだ」
ムツキはさも自分にはそんな価値はないといいたげな顔で言った。
何となくそこのナツメを思い起こさせる。
だから過去の転移者の話をした。知識もそうだし、何より魔力が飛び抜けて高く、使いこなせれば善くも悪くも大事になるほど。
ただ過去の例を見ても異世界転移者は善良な心根の者ばかり。周囲が悪用しなければ素晴らしい人材なのだ。
「さっき、魔法が使えないと言ってたよね? あれは君が魔法を知らない世界から来たためだと思う」
「あの、僕もさっき魔法を使ったときにムツキさんの魔力を感じました。絶対に使えるはずです」
私の言葉に付け加えてナツメがそう言うと、ムツキもそうなのかと信じる気になったようだった。
「転移直後はこの世界に馴染んでいなかったからだろう。だが一年も暮らしていればいい加減適応しているだろう」
「・・・・・・俺も、魔法が使える? 役に立てる?」
呆然とするムツキににっこりと笑いかけると泣きそうな顔になった。きっと今までの奴隷生活で散々役立たずとか言われたのだろう。
「ああ、きっと。ただ今日はもう遅いから明日、魔導師団の者に調べて貰おう。それで使えると分かれば───」
「───あのっ! 僕が教えてもいいですか?」
「ナツメ」
ササナギがすかさず口を挟むが、ナツメはキッとササナギを見据えた。どうやら意志を曲げるつもりはないようだ。
「ナギ。だってもう、片足ツッコんじゃったんだよ。それに事情を知ってる僕なら安心してムツキさんも練習出来るんじゃない?」
「・・・・・・それもそうか。じゃあ明日も付き合うぞ」
「ありがとう!」
渋々といった具合でササナギが了承するとナツメがぱあっと喜んだ。
・・・・・・ササナギ、耳が赤いぞ。さてはお前照れてるな。
「私抜きで話を進めるな。まあおおよそその通りだが。というわけでササナギ達は帰っていいぞ。助かった」
「全くだ。貸し一つだぞ」
「コレくらいなんでもないです」
「───あのっ、本当にありがとうございました」
目に毒なイチャイチャを見せられたくないからサッサと帰らせようとしたらムツキが改めて二人に礼を言う。
「君は被害者なんだから気にすることはないよ」
私がそう言うとササナギがニヤリと笑って言った。
「そうだ。ミリオネアに虐められたのだろう? 可哀想に」
「虐めてない。正当防衛だ」
「別にどうでもいい」
「おいコラ!」
「───っふ、ぁ、スミマセン。仲がいいんですね?」
ササナギとの言葉の応酬に思わずという感じで吹き出すムツキ。
笑うと幼く見える。可愛い。
「・・・・・・はとこだからね。それなりに付き合いは長いから」
「そうなんですね。俺は物心つく頃に事故で両親を亡くしてからは施設育ちで、親類もいなくて寂しかったから・・・・・・羨ましいです」
ムツキは寂しい子供時代を送っていたのか。
それを聞いたナツメが自分の境遇を思い出してムツキをギュッとした。
すぐにササナギに引き剥がされたが。
「───っ、僕も、孤児で本当の家族がいなかったから分かる気がします! 僕達、仲良くなれそう」
「・・・・・・じゃああの、友達に、なってくれますか?」
「はい!」
二人はひしっと手を握りあい、また明日と手を振って別れた。
───さて、私達はまだコレからやることがある。
「ムツキには申し訳ないが、コレから父───国王陛下に会って貰う。といっても私室で事情説明くらいだと思うが、ムツキの身分をしっかりさせたいのでな」
「・・・・・・分かりました」
神妙な顔で頷くムツキ。大丈夫だ。父は存外親しみやすいぞ。
───そうして夜も遅い時間に先触れを出し、案の定、先ほどの私室での対面となった。
「───そうか。では王家に預けられている侯爵位が一つあるから、それを与えよう。姓があるようだからそのままクサカベ侯爵でよかろう。領地は今は代理の領主が管理しているからムツキは何もせずともよいからな」
───父上、それこの間ロウナート侯爵から取り上げた爵位ですよね?
そう意味を込めて、アイコンタクトで陛下とサッとやりとりをする。にっこり笑っているから確信犯だな。
「あ、ありがとうございます。でも、その・・・・・・いいのですか?」
お礼を言いつつ躊躇いがちにそんな言葉を口にするムツキに陛下は和やかに語りかける。
「何がだい?」
「その、隷属魔法のせいとはいえ、お、王太子殿下を襲った者に、そんな待遇を───」
「───ああ、そういうことか。いや気にするな。これは詫びでもある。逆に痛めつけられて辛かったろう? ミリオネアは敵には容赦しないからね。怖かったよね?」
「え、あ、はい?」
疑問符を浮かべた返答だったが、言質を取ったように話を進める陛下に苦笑する。
「とにかく今日はミリオネアの部屋で休むといい。明日になったらムツキ用にミリオネアの隣の部屋を整えるからな」
「あ、りがとう、ございます?」
陛下の和やかだが否やを言わせない圧のかけ方がエンドフィール侯爵とそっくりで、やはり従兄弟なのだなと思う。
しかしこのあと彼を囲い込む気満々の私もまたササナギと同じなのだろう。
先ほどの陛下への先触れには私の婚約者にして欲しい旨をしたためた。
彼は異世界転移者だ。
そうと知られればあっという間に縁を繋ぎたいという輩が湧いてくるだろう。
そうでなくともあの美貌だ。本人は頓着していないようだが、よくぞ性奴隷にされなかったものだ。
陛下から下がっていいという言葉を貰い、二人で私の部屋に戻っていく。
部屋に入ってみると、先ほどムツキと乱闘して荒れた風呂場の脱衣所が綺麗になっており、熱い湯も並々と溜まっていた。
「・・・・・・わあ、お風呂! 大きい!」
「───風呂好きなのか?」
「はい、日本人はお風呂好きで有名なんです! この一年、見たことも入ったこともないから、この世界にはないのかと思ってました!」
もの凄いテンションで喜色満面のムツキに微笑みつつ、風呂事情を教える。
「そうか。まあ庶民が個人で所有するにはちょっと維持費とか浴槽自体高いから仕方ない。じゃあ一緒に入るか。あと敬語はなしで、私のことはミリィと」
「え、あ・・・・・・うん。えっと、ミリィ」
遠慮して断られるかと思ったがさっき『自分に出来ることなら何でも』といったことを覚えていたらしい。
もじもじしながら言うところも可愛いな。
「ああ、ムツキ。じゃあ入ろうか。というか他人との入浴に躊躇いがないな?」
「ああ、銭湯、えっと大浴場っていうのがあって、不特定多数の同姓同士で風呂に入れるところがあるから皆、気にしないんだ」
「───そうか。何度も?」
「いや、それなりにお金かかるからひと月に一度くらい、かな? 行くとジロジロ見られて恥ずかしかったし。真っ白でひょろひょろしてたからかな?」
───いやそれ絶対、いやらしい目で見られてたヤツだろう!
もうコレからは他の輩に肌を見せることはないからな!
私の婚約者となるムツキの肌は死守する!
※スミマセン。存外長くなりまして、続きます。
あと、もしこのCPのR18が見たいという方がいたら書きます。ぜひ感想欄に。一人でもいれば書きます(笑)。
見たくないという人もいるでしょうから別の回でR18だけ書くようにします。需要がなければ没で。
903
あなたにおすすめの小説
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
悪役令嬢と呼ばれた侯爵家三男は、隣国皇子に愛される
木月月
BL
貴族学園に通う主人公、シリル。ある日、ローズピンクな髪が特徴的な令嬢にいきなりぶつかられ「悪役令嬢」と指を指されたが、シリルはれっきとした男。令嬢ではないため無視していたら、学園のエントランスの踊り場の階段から突き落とされる。骨折や打撲を覚悟してたシリルを抱き抱え助けたのは、隣国からの留学生で同じクラスに居る第2皇子殿下、ルシアン。シリルの家の侯爵家にホームステイしている友人でもある。シリルを突き落とした令嬢は「その人、悪役令嬢です!離れて殿下!」と叫び、ルシアンはシリルを「護るべきものだから、守った」といい始めーー
※この話は小説家になろうにも掲載しています。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
本当に悪役なんですか?
メカラウロ子
BL
気づいたら乙女ゲームのモブに転生していた主人公は悪役の取り巻きとしてモブらしからぬ行動を取ってしまう。
状況が掴めないまま戸惑う主人公に、悪役令息のアルフレッドが意外な行動を取ってきて…
ムーンライトノベルズ にも掲載中です。
ビジネス婚は甘い、甘い、甘い!
ユーリ
BL
幼馴染のモデル兼俳優にビジネス婚を申し込まれた湊は承諾するけれど、結婚生活は思ったより甘くて…しかもなぜか同僚にも迫られて!?
「お前はいい加減俺に興味を持て」イケメン芸能人×ただの一般人「だって興味ないもん」ーー自分の旦那に全く興味のない湊に嫁としての自覚は芽生えるか??
愛などもう求めない
一寸光陰
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる