34 / 90
第一章 フォレスター編
嫁に出すってこういう気持ち(sideイグニス)
しおりを挟む
今日、アルカスが嫁に行った。いや、家にいるけども。
他所の男に嫁いだ。いや昔から知っている野郎だけども!
生まれて間もない三男を20年弱捜し続けてつい先月、やっとこの手に戻ってきた。
どれ程の歓喜だったか。今日この日までに見つからなければ諦めよう、亡くなった事にしよう、と泣く泣く決断したあの日が懐かしく感じられる。
それ程喜ばしかったのに、私の今の肩書きがアルカスを可愛がることの邪魔をする。
役職のために王都住まい。滅多に領地には帰れぬ。
やっと再会した我が子の元にほんの数日しか居られないとは!
その上、魔力枯渇で倒れ、ほとんどを眠って過ごし。
私と過ごした時間はほんのわずか。クレインとマールも同様だ。
本当は嫁になどやりたくない!
だが色々な柵とアルカスの幸せを思えばと断腸の思いで婚姻を認めたのだ。
王や王太子がアルカスを利用することはないと信じたいが、臣下の貴族達にせっつかれればどう転ぶか分からん。
そうなったらたとえ王家を裏切ってでもアルカスを護る所存だが。
外堀を埋めて護りを強固なモノに。
フォレスター家の総意だ。
自分の誕生日を知らなかったアルカスは、驚きと感激でぽろぽろ涙を零してお礼を言っていた。
邸中の者が今一度決意した。
絶対にアルカスを護ると。
ところでアルカス、初めて飲むというお酒は大丈夫だろうか?
顔が赤いぞ。ふらふらしてるぞ。
お前は酔うと陽気になるタイプか?
父さん、心配だよ。
そしてお開きになり、アルカスはクラビスに抱っこされて部屋へと帰って行った。
ーーー今夜は初夜か!!
ハッとした俺に気付いたグラキスがジト目で見てきた。
「分かっていると思うが、邪魔をするんでないよ?」
「・・・ハハ、しないよ。ソンナコト」
思わず片言になる。
「そうだよなあ? 馬に蹴られたくないよな? 前に言ってたもんなあ。若気の至りってヤツ。クラビスはそれすら耐えていたんだから、やっと嫁になったのに我慢させらんないよな」
グラキスの言葉遣いが崩れてる。これは怒って苛ついてる証拠だ。
ヤバい。死ぬ。(物理的に)
「分かったらとっとと俺らも部屋へ戻るぞ!」
引きずられるように連れて行かれて、もう無理ってほどグラキスに絞り採られた。
・・・ナニって聞かないで。
翌日(いやもう今日になってた)起きて食堂に来た。
使用人達はスッキリツヤツヤのグラキスとげっそりした俺を見て察したようだ。さり気なく目を逸らす。
アルカスとクラビスはさすがに降りて来ない。クラビスはともかくアルカスはあの細さだ。体力が保たんだろう。
アルカスが心配だが、今日は王都に戻らねば。
クレインとマールも2人に当てられたのか、昨夜はお盛んだったようだな。2人とも肌つやがいい。
仲がいいのはいいことだ。
ともかく、我らは王都に戻った。
一応今日までは休暇扱いだが、王には報告せねばなるまい。
身支度を整え、王へ謁見を申し込むと直ぐさま許可が下りた。
おい、早いな。
さては予定を空けておいたな?
・・・仕方ない。前々からアルカスとの謁見を打診していたからな。
今回、誕生日祝いでの休暇申請だったから、そろそろ回復してきて王都に来られるだろうと言われたしな・・・。
一度連れて来るしかあるまい。
はー、頭が痛いな。
王宮へ入ると、謁見の間でなく王の私室へ通された。
他の輩に配慮したな。
こちらとしては助かるが、無理難題を言われそうだな。
「この度は拝謁の栄誉を賜り」
「よいよい。私室だ。堅苦しい挨拶はなしだ」
「・・・は」
・・・最後まで言わせろや。ぶった切ってんじゃねえぞ。
顔には出さないがむかつく、と不敬な事を考えていると、王太子殿下までやって来た。
「王太子殿下におかれましては」
「口上はいらん。楽にせよ」
・・・・・・親子揃ってなんなん?!
腹立つわ。
と思っても、微塵も面に出さないが。
「では、お言葉に甘えまして」
陛下達が座ったのを確認して自分も座る。
「うむ。して、其方の三男、アルカスはどうであった?」
直球きたな。もう少し遠回りにくると思ったが。
なんかワクワクしてる感じだな。
王太子殿下も・・・。
・・・なんか嫌な感じだな。
「恙無く20歳の祝いをして参りました」
「そうか、それでは祝いを受けられるほど回復したと言うことだな?」
「先日、ようやっと回復してきたばかりです。これから少しずつ体力をつけようかと」
「回復したなら取りあえず一度連れて来い。其方の話ではよう分からん」
だ か ら、話を被せるな!
「しかし、慣れない馬車旅を3日はする事になり、体調を崩す恐れが」
「転移魔法陣の使用を許可する」
だから(以下略)!
こめかみに薄ら青筋が立つのに気付いたが、無視をして問う。
「・・・・・・そんなに会いたいので?」
何も気付かないのか、のほほんとして応える陛下。
「会いたいのう。其方の話を聞く限り、小柄で可愛らしい顔立ちというではないか。時空の歪みで異世界に行っておったのだろう? 戻ってこられたことが奇跡じゃ」
「私も興味がある。将軍達を見ているので、可愛らしいというのが想像出来ないのだ」
「そうそう。だから明日連れて参れ。時間は午後でよい。これは王命である。よいな? イグニスよ」
「・・・・・・御意に」
この狸親父め。
まあ、一度連れて来れば文句は言うまい。
帰ったらすぐに作戦会議だな。
「ではな。楽しみにしておるぞ」
ホッホッホと言いながら王太子殿下と私室を去るのを見送り、自分も素早く辞する。
「お帰りなさいませ、旦那様」
タウンハウスに戻ってすぐにクレインとマールを呼ぶ。
「皆をサロンへ。大至急、作戦会議をする!」
「お帰り、親父。どうしたんだ?」
「作戦会議とは物騒ですが、アルカス絡みですか?」
「そうだ。王命で、明日の午後にアルカスを連れて来るように言われたのだ」
それを聞いた邸の使用人達もザワついたが仕方あるまい。
皆、アルカスを可愛がっており、しかしタウンハウスから遠く離れた領地にいるため、直接会うことも出来ずに時折伝達魔導具で元気そうな顔を見るだけだ。
「旦那様、恐れながら、転移魔法陣をお使いになるので?」
家令が聞いてきた。
「そうだ。陛下が許可をくださった。だが時間がない。早々に予定を組んで準備をせねばならん。皆も頼むぞ」
「は!」
使用人達がバタバタと慌ただしく動き出す中、我ら3人は領地の本邸へ連絡を入れる。
さあ、我らが参謀(グラキス)よ。腕の見せ所だ!
他所の男に嫁いだ。いや昔から知っている野郎だけども!
生まれて間もない三男を20年弱捜し続けてつい先月、やっとこの手に戻ってきた。
どれ程の歓喜だったか。今日この日までに見つからなければ諦めよう、亡くなった事にしよう、と泣く泣く決断したあの日が懐かしく感じられる。
それ程喜ばしかったのに、私の今の肩書きがアルカスを可愛がることの邪魔をする。
役職のために王都住まい。滅多に領地には帰れぬ。
やっと再会した我が子の元にほんの数日しか居られないとは!
その上、魔力枯渇で倒れ、ほとんどを眠って過ごし。
私と過ごした時間はほんのわずか。クレインとマールも同様だ。
本当は嫁になどやりたくない!
だが色々な柵とアルカスの幸せを思えばと断腸の思いで婚姻を認めたのだ。
王や王太子がアルカスを利用することはないと信じたいが、臣下の貴族達にせっつかれればどう転ぶか分からん。
そうなったらたとえ王家を裏切ってでもアルカスを護る所存だが。
外堀を埋めて護りを強固なモノに。
フォレスター家の総意だ。
自分の誕生日を知らなかったアルカスは、驚きと感激でぽろぽろ涙を零してお礼を言っていた。
邸中の者が今一度決意した。
絶対にアルカスを護ると。
ところでアルカス、初めて飲むというお酒は大丈夫だろうか?
顔が赤いぞ。ふらふらしてるぞ。
お前は酔うと陽気になるタイプか?
父さん、心配だよ。
そしてお開きになり、アルカスはクラビスに抱っこされて部屋へと帰って行った。
ーーー今夜は初夜か!!
ハッとした俺に気付いたグラキスがジト目で見てきた。
「分かっていると思うが、邪魔をするんでないよ?」
「・・・ハハ、しないよ。ソンナコト」
思わず片言になる。
「そうだよなあ? 馬に蹴られたくないよな? 前に言ってたもんなあ。若気の至りってヤツ。クラビスはそれすら耐えていたんだから、やっと嫁になったのに我慢させらんないよな」
グラキスの言葉遣いが崩れてる。これは怒って苛ついてる証拠だ。
ヤバい。死ぬ。(物理的に)
「分かったらとっとと俺らも部屋へ戻るぞ!」
引きずられるように連れて行かれて、もう無理ってほどグラキスに絞り採られた。
・・・ナニって聞かないで。
翌日(いやもう今日になってた)起きて食堂に来た。
使用人達はスッキリツヤツヤのグラキスとげっそりした俺を見て察したようだ。さり気なく目を逸らす。
アルカスとクラビスはさすがに降りて来ない。クラビスはともかくアルカスはあの細さだ。体力が保たんだろう。
アルカスが心配だが、今日は王都に戻らねば。
クレインとマールも2人に当てられたのか、昨夜はお盛んだったようだな。2人とも肌つやがいい。
仲がいいのはいいことだ。
ともかく、我らは王都に戻った。
一応今日までは休暇扱いだが、王には報告せねばなるまい。
身支度を整え、王へ謁見を申し込むと直ぐさま許可が下りた。
おい、早いな。
さては予定を空けておいたな?
・・・仕方ない。前々からアルカスとの謁見を打診していたからな。
今回、誕生日祝いでの休暇申請だったから、そろそろ回復してきて王都に来られるだろうと言われたしな・・・。
一度連れて来るしかあるまい。
はー、頭が痛いな。
王宮へ入ると、謁見の間でなく王の私室へ通された。
他の輩に配慮したな。
こちらとしては助かるが、無理難題を言われそうだな。
「この度は拝謁の栄誉を賜り」
「よいよい。私室だ。堅苦しい挨拶はなしだ」
「・・・は」
・・・最後まで言わせろや。ぶった切ってんじゃねえぞ。
顔には出さないがむかつく、と不敬な事を考えていると、王太子殿下までやって来た。
「王太子殿下におかれましては」
「口上はいらん。楽にせよ」
・・・・・・親子揃ってなんなん?!
腹立つわ。
と思っても、微塵も面に出さないが。
「では、お言葉に甘えまして」
陛下達が座ったのを確認して自分も座る。
「うむ。して、其方の三男、アルカスはどうであった?」
直球きたな。もう少し遠回りにくると思ったが。
なんかワクワクしてる感じだな。
王太子殿下も・・・。
・・・なんか嫌な感じだな。
「恙無く20歳の祝いをして参りました」
「そうか、それでは祝いを受けられるほど回復したと言うことだな?」
「先日、ようやっと回復してきたばかりです。これから少しずつ体力をつけようかと」
「回復したなら取りあえず一度連れて来い。其方の話ではよう分からん」
だ か ら、話を被せるな!
「しかし、慣れない馬車旅を3日はする事になり、体調を崩す恐れが」
「転移魔法陣の使用を許可する」
だから(以下略)!
こめかみに薄ら青筋が立つのに気付いたが、無視をして問う。
「・・・・・・そんなに会いたいので?」
何も気付かないのか、のほほんとして応える陛下。
「会いたいのう。其方の話を聞く限り、小柄で可愛らしい顔立ちというではないか。時空の歪みで異世界に行っておったのだろう? 戻ってこられたことが奇跡じゃ」
「私も興味がある。将軍達を見ているので、可愛らしいというのが想像出来ないのだ」
「そうそう。だから明日連れて参れ。時間は午後でよい。これは王命である。よいな? イグニスよ」
「・・・・・・御意に」
この狸親父め。
まあ、一度連れて来れば文句は言うまい。
帰ったらすぐに作戦会議だな。
「ではな。楽しみにしておるぞ」
ホッホッホと言いながら王太子殿下と私室を去るのを見送り、自分も素早く辞する。
「お帰りなさいませ、旦那様」
タウンハウスに戻ってすぐにクレインとマールを呼ぶ。
「皆をサロンへ。大至急、作戦会議をする!」
「お帰り、親父。どうしたんだ?」
「作戦会議とは物騒ですが、アルカス絡みですか?」
「そうだ。王命で、明日の午後にアルカスを連れて来るように言われたのだ」
それを聞いた邸の使用人達もザワついたが仕方あるまい。
皆、アルカスを可愛がっており、しかしタウンハウスから遠く離れた領地にいるため、直接会うことも出来ずに時折伝達魔導具で元気そうな顔を見るだけだ。
「旦那様、恐れながら、転移魔法陣をお使いになるので?」
家令が聞いてきた。
「そうだ。陛下が許可をくださった。だが時間がない。早々に予定を組んで準備をせねばならん。皆も頼むぞ」
「は!」
使用人達がバタバタと慌ただしく動き出す中、我ら3人は領地の本邸へ連絡を入れる。
さあ、我らが参謀(グラキス)よ。腕の見せ所だ!
236
あなたにおすすめの小説
【完結】その少年は硝子の魔術士
鏑木 うりこ
BL
神の家でステンドグラスを作っていた俺は地上に落とされた。俺の出来る事は硝子細工だけなのに。
硝子じゃお腹も膨れない!硝子じゃ魔物は倒せない!どうする、俺?!
設定はふんわりしております。
少し痛々しい。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
《本編 完結 続編 完結》29歳、異世界人になっていました。日本に帰りたいのに、年下の英雄公爵に溺愛されています。
かざみはら まなか
BL
24歳の英雄公爵✕29歳の日本に帰りたい異世界転移した青年
世界が僕に優しくなったなら、
熾ジット
BL
「僕に番なんていない。僕を愛してくれる人なんて――いないんだよ」
一方的な番解消により、体をおかしくしてしまったオメガである主人公・湖川遥(こがわはる)。
フェロモンが安定しない体なため、一人で引きこもる日々を送っていたが、ある日、見たことのない場所――どこかの森で目を覚ます。
森の中で男に捕まってしまった遥は、男の欲のはけ口になるものの、男に拾われ、衣食住を与えられる。目を覚ました場所が異世界であると知り、行き場がない遥は男と共に生活することになった。
出会いは最悪だったにも関わらず、一緒に暮らしていると、次第に彼への見方が変わっていき……。
クズ男×愛されたがりの異世界BLストーリー。
【この小説は小説家になろうにも投稿しています】
【完】心配性は異世界で番認定された狼獣人に甘やかされる
おはぎ
BL
起きるとそこは見覚えのない場所。死んだ瞬間を思い出して呆然としている優人に、騎士らしき人たちが声を掛けてくる。何で頭に獣耳…?とポカンとしていると、その中の狼獣人のカイラが何故か優しくて、ぴったり身体をくっつけてくる。何でそんなに気遣ってくれるの?と分からない優人は大きな身体に怯えながら何とかこの別世界で生きていこうとする話。
知らない世界に来てあれこれ考えては心配してしまう優人と、優人が可愛くて仕方ないカイラが溺愛しながら支えて甘やかしていきます。
異世界転移して出会っためちゃくちゃ好きな男が全く手を出してこない
春野ひより
BL
前触れもなく異世界転移したトップアイドル、アオイ。
路頭に迷いかけたアオイを拾ったのは娼館のガメツイ女主人で、アオイは半ば強制的に男娼としてデビューすることに。しかし、絶対に抱かれたくないアオイは初めての客である美しい男に交渉する。
「――僕を見てほしいんです」
奇跡的に男に気に入られたアオイ。足繁く通う男。男はアオイに惜しみなく金を注ぎ、アオイは美しい男に恋をするが、男は「私は貴方のファンです」と言うばかりで頑としてアオイを抱かなくて――。
愛されるには理由が必要だと思っているし、理由が無くなれば捨てられて当然だと思っている受けが「それでも愛して欲しい」と手を伸ばせるようになるまでの話です。
金を使うことでしか愛を伝えられない不器用な人外×自分に付けられた値段でしか愛を実感できない不器用な青年
異世界転移してΩになった俺(アラフォーリーマン)、庇護欲高めα騎士に身も心も溶かされる
ヨドミ
BL
もし生まれ変わったら、俺は思う存分甘やかされたい――。
アラフォーリーマン(社畜)である福沢裕介は、通勤途中、事故により異世界へ転移してしまう。
異世界ローリア王国皇太子の花嫁として召喚されたが、転移して早々、【災厄のΩ】と告げられ殺されそうになる。
【災厄のΩ】、それは複数のαを番にすることができるΩのことだった――。
αがハーレムを築くのが常識とされる異世界では、【災厄のΩ】は忌むべき存在。
負の烙印を押された裕介は、間一髪、銀髪のα騎士ジェイドに助けられ、彼の庇護のもと、騎士団施設で居候することに。
「αがΩを守るのは当然だ」とジェイドは裕介の世話を焼くようになって――。
庇護欲高め騎士(α)と甘やかされたいけどプライドが邪魔をして素直になれない中年リーマン(Ω)のすれ違いラブファンタジー。
※Rシーンには♡マークをつけます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる