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第二章 王都編
王都観光(という名のデート) 1
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はい。やって来ました、王都観光です!
朝は普通に?目覚めたので、父さん達と朝食を食べて、お仕事頑張ってと送り出せた。
母さん達は領地の仕事をタウンハウスでやるらしく。
「クラビスとデートしてこい」
とニヤッと笑った。
「・・・デート」
いい響き。
「結婚したけど、そういえばデートってしてない。俺、人生初のデートだ」
それを聞いたクラビスは、早速使用人達にデートスポットを聞いていた。
別にクラビスと一緒なら特別な場所に行かなくてもいいんだけど?的な事を言ったら、クラビス以外にも話を聞いていた使用人達がキャアキャア(ギャアギャア)騒いでいた。皆、顔が赤かった。
とりあえず、王都で人気の菓子店に行くことにして、後はぶらぶらする事にした。
予定を立てると、その通りに熟さないと気持ち悪くて落ち着かないからあえてノープランで。
「じゃあ行って来ます!」
「楽しんでおいで」
皆に見送られてタウンハウスを出発した。
本当は大通りの辺りまで馬車で行くんだけど、クラビスとのんびり歩きたかった。
「30分も歩けば大通りだよ。腹ごなしにはちょうどいいかもね」
「そうだね。どんなお菓子があるんだろう。楽しみ!」
手を繋いでニッコニコしながら歩いていると、周りから視線を感じる。
チラッと見ると、男女問わず(いや、男が多いけど)クラビスを見て顔を赤らめている。
『歳の離れた兄弟かな?』
『カッコいい』
『可愛い』
等々、声が聞こえる。
それにモヤッとした。
兄弟じゃねえし。
カッコいいのは当然だし。
そりゃ、可愛いところもあるし!
思わず繋いだ手をぎゅっとしてしまった。
「どうした、アルカス?」
クラビスがちょっとかがんで顔を覗き込む。
「・・・コッチってさ、結婚したら、見て分かるようなアクセサリーとか身に着けないの?」
「なくはないけど。向こうでは左手薬指に指環だっけ? うーん、俺は仕事柄、剣を握るから、指環はあんまりしないかな。感覚が狂うし」
「そっか、じゃあ、腕輪とかピアスみたいなのは? ・・・俺、クラビスと夫夫って皆に分かるようにしたいんだけど・・・」
俺ってこんなに独占欲強かったんだなあ。
クラビスは俺のだって皆に言いたい。
「じゃあ、菓子店の後、宝飾店に行こう。俺もアルカスが奥さんだって自慢したい!」
クラビスが素晴らしくいい笑顔でそう言った。
暫く他愛ない会話をしながら大通りに着いたが、凄い人。
フォレスター領も賑わってたけど、色んな人がたくさん。
「前にウィスタリアさんに、あんまりジロジロ見ない方がいいよって言われたけど、つい目がいっちゃう」
チラッと見える耳とか尻尾とか、気になる!
クラビスが真顔になった。ヤバい。怒られる?
「だめだよ、アルカス。俺以外の男に視線向けないで?」
違った。いや違わないけど。
ヤンデレな方だった。
「と、とりあえず、お菓子屋さんに行こう!」
話を変えて、行き先を促す。
苦笑しながら目的の店へ向かった。
途中、あまりの人混みに流されそうになってクラビスに抱きかかえられた。
恥ずかしかったけど、クラビスの目線で見る景色が嬉しくてすぐに気にならなくなった。
「クラビスってこんな風に見えてるんだ。羨ましい。俺はもう伸びないから、こんな景色は自力じゃ無理!」
「何時でも抱きかかえてあげるよ? 奥さん」
クラビスの過保護発動。
結局そのまま店まで来てしまった。
お店は人気店らしく混んでいた。
予約とかしてないから、普通に並んで入った。
こういうのは待ってる時間も楽しいんだ。
店内は甘い香りでいっぱい。持ち帰りはもちろん、イートインスペースがあって、注文してお茶も飲める。
俺達は店内で食べることにした。
「アルカスはどれにする?」
「えーとね、チョコレートケーキに紅茶! クラビスは?」
「俺はあんまり甘いのは苦手だから、チーズケーキとコーヒーで」
「かしこまりました」
店員さんが注文を取って戻っていく。
クラビスがニコニコと俺の顔を見て笑ってる。
「? 何か面白いものある?」
「いいや? 幸せだなあって思って」
「ぶっ!」
不意打ちを食らって顔が真っ赤になった。
俺の旦那が激甘過ぎる!
顔を覆って悶えていたら、誰かテーブルに来たらしい。
店員か?と思っていたが、違ったようだ。
「あの、相席いいですか?」
女の子の声が聞こえた。
あれ?
そこまで混んでないよね?
・・・・・・これってクラビス狙いの逆ナンてやつ?
モヤッとした。
何で割り込んでくんの?
そんなに子供っぽいのか、俺って?
クラビスに不釣り合いっていわれてるみたいでむかつく。
そんな事を考えてたら。
「断る」
一言、冷たい声で応えたクラビスにホッとする。
チラッと見たクラビスは何時ものにこやかな顔を消して声に見合った冷たい目をしていた。
「え、でも、席空いてますよね? それにこの子、弟さんでしょう?」
もう一人の女の子が構わずにツッコんで来たけど勇気あるなあ。
でも残念。
「俺の嫁だが?」
「俺の旦那だよ!」
同時に言ってしまった。被った。
「は?」
案の定女の子2人は聞き取りにくかったのか、薄い反応。
「だから、俺達は夫夫って言ってんの。分かったら邪魔しないで!」
イラッとして言い返した。
せっかくクラビスとデートしてんだから入ってくんな!
なのに信じられないのか、諦めきれないのか、往生際が悪くて更に言い募る。
「はあ?! こんな子供が結婚できるわけないでしょ?! もう少しマシな嘘つきなさいよね!」
その言葉にカチンときた。
子供って、言われ慣れた言葉だけど、クラビスとの結婚を否定されて気分が最高に悪くなった。
クラビスも殺気が漏れてる。店内が殺伐とした雰囲気になって、漸くこの2人もマズいと思ったらしい。
俺は首からギルドカードを取り出し、年齢を表示させて見えるように掲げる。
「嘘じゃないよ。見た目こんなでも俺はこれでも20歳だから」
「はあ?! 嘘、え、あ、そんな・・・」
「・・・嘘でしょ?!」
呆然とする2人を放って、俺は席を立った。
「クラビス、行こう。気分悪い」
クラビスも俺に倣って席を立ちながら、店員さんに言付ける。
「済まないが帰る。料金は払うから、後でフォレスター家に店内の菓子をさっきの注文分も合わせて、見繕って届けてくれ」
「は、はい! 済みませんでした!」
店員さんが頭を下げるが、君のせいじゃないし。
「騒がしくしてゴメンね?」
苦笑して謝る。
「と、とんでも御座いません!」
「フォレスター・・・? って、あの将軍家の・・・?」
「え、でもあんな子いたっけ?」
「だけど黒髪ってフォレスター家だよね?」
「え、小っさ」
おい、最後のヤツ誰だ?
店内にざわめきが広がっていく。
ああ、そういえば俺って王都じゃ顔、知られてないんだっけ?
面倒くさいなあ。
そう思ってたら、奥からオーナーらしい40歳くらいの男性が現れた。
「お客様、不快な思いをさせて大変申し訳御座いません」
ビシッと45度の角度でお辞儀をするおじさん。
「私、当店のオーナーを務めさせて頂いております。マシューと申します。フォレスター家のご令息様とお見受け致しますが」
「ああ、うん。三男のアルカスです」
それを聞いて店内の客がまたザワついた。
「こっちは俺の旦那様で、クラビス」
「おお、やはり。クラビス・フォルター様ですね、S級冒険者でもあられる。お噂はかねがね・・・」
その情報を聞いた客は、誰もが信じられないものを見たように唖然とした。
国の将軍でもあるフォレスター家の令息にS級冒険者。
しかも夫夫って言った。
そんな2人にさっきの暴言。
ーーーあの2人、終わったな。
皆の心の中は1つだった。
確かに2人はちょっと可愛いし、このご時世、女は少ないから多少チヤホヤされてちょっと傲慢なところがあるのも仕方がない。
でも、アレはないな、と皆思っていた。
あの2人はこの辺りでは悪い意味で有名な女達で、誰彼構わず粉をかけまくっている。
自分達はモテて当然、チヤホヤされて当然と思っていて、やりたい放題だった。
それで引かれて未だに縁談の話も出ないのに気付きもしない、愚かな女達。
それに比べて、このお2人はどう見たってお互いを見る目が愛おしくて堪らないっていってた。
店内に入った瞬間、旦那様は皆に牽制してたし、奥様には砂糖を吐きそうな程の甘い瞳を向けていた。
アレで気付かないあの女達がおかしいのだと。
傍観者を決め込んだその他大勢は、よくもあんな行動が取れたもんだと感心すらしていたのだが。
その2人の身分が想像以上だったもんだから。
オーナーすらやや顔を青ざめていた。
朝は普通に?目覚めたので、父さん達と朝食を食べて、お仕事頑張ってと送り出せた。
母さん達は領地の仕事をタウンハウスでやるらしく。
「クラビスとデートしてこい」
とニヤッと笑った。
「・・・デート」
いい響き。
「結婚したけど、そういえばデートってしてない。俺、人生初のデートだ」
それを聞いたクラビスは、早速使用人達にデートスポットを聞いていた。
別にクラビスと一緒なら特別な場所に行かなくてもいいんだけど?的な事を言ったら、クラビス以外にも話を聞いていた使用人達がキャアキャア(ギャアギャア)騒いでいた。皆、顔が赤かった。
とりあえず、王都で人気の菓子店に行くことにして、後はぶらぶらする事にした。
予定を立てると、その通りに熟さないと気持ち悪くて落ち着かないからあえてノープランで。
「じゃあ行って来ます!」
「楽しんでおいで」
皆に見送られてタウンハウスを出発した。
本当は大通りの辺りまで馬車で行くんだけど、クラビスとのんびり歩きたかった。
「30分も歩けば大通りだよ。腹ごなしにはちょうどいいかもね」
「そうだね。どんなお菓子があるんだろう。楽しみ!」
手を繋いでニッコニコしながら歩いていると、周りから視線を感じる。
チラッと見ると、男女問わず(いや、男が多いけど)クラビスを見て顔を赤らめている。
『歳の離れた兄弟かな?』
『カッコいい』
『可愛い』
等々、声が聞こえる。
それにモヤッとした。
兄弟じゃねえし。
カッコいいのは当然だし。
そりゃ、可愛いところもあるし!
思わず繋いだ手をぎゅっとしてしまった。
「どうした、アルカス?」
クラビスがちょっとかがんで顔を覗き込む。
「・・・コッチってさ、結婚したら、見て分かるようなアクセサリーとか身に着けないの?」
「なくはないけど。向こうでは左手薬指に指環だっけ? うーん、俺は仕事柄、剣を握るから、指環はあんまりしないかな。感覚が狂うし」
「そっか、じゃあ、腕輪とかピアスみたいなのは? ・・・俺、クラビスと夫夫って皆に分かるようにしたいんだけど・・・」
俺ってこんなに独占欲強かったんだなあ。
クラビスは俺のだって皆に言いたい。
「じゃあ、菓子店の後、宝飾店に行こう。俺もアルカスが奥さんだって自慢したい!」
クラビスが素晴らしくいい笑顔でそう言った。
暫く他愛ない会話をしながら大通りに着いたが、凄い人。
フォレスター領も賑わってたけど、色んな人がたくさん。
「前にウィスタリアさんに、あんまりジロジロ見ない方がいいよって言われたけど、つい目がいっちゃう」
チラッと見える耳とか尻尾とか、気になる!
クラビスが真顔になった。ヤバい。怒られる?
「だめだよ、アルカス。俺以外の男に視線向けないで?」
違った。いや違わないけど。
ヤンデレな方だった。
「と、とりあえず、お菓子屋さんに行こう!」
話を変えて、行き先を促す。
苦笑しながら目的の店へ向かった。
途中、あまりの人混みに流されそうになってクラビスに抱きかかえられた。
恥ずかしかったけど、クラビスの目線で見る景色が嬉しくてすぐに気にならなくなった。
「クラビスってこんな風に見えてるんだ。羨ましい。俺はもう伸びないから、こんな景色は自力じゃ無理!」
「何時でも抱きかかえてあげるよ? 奥さん」
クラビスの過保護発動。
結局そのまま店まで来てしまった。
お店は人気店らしく混んでいた。
予約とかしてないから、普通に並んで入った。
こういうのは待ってる時間も楽しいんだ。
店内は甘い香りでいっぱい。持ち帰りはもちろん、イートインスペースがあって、注文してお茶も飲める。
俺達は店内で食べることにした。
「アルカスはどれにする?」
「えーとね、チョコレートケーキに紅茶! クラビスは?」
「俺はあんまり甘いのは苦手だから、チーズケーキとコーヒーで」
「かしこまりました」
店員さんが注文を取って戻っていく。
クラビスがニコニコと俺の顔を見て笑ってる。
「? 何か面白いものある?」
「いいや? 幸せだなあって思って」
「ぶっ!」
不意打ちを食らって顔が真っ赤になった。
俺の旦那が激甘過ぎる!
顔を覆って悶えていたら、誰かテーブルに来たらしい。
店員か?と思っていたが、違ったようだ。
「あの、相席いいですか?」
女の子の声が聞こえた。
あれ?
そこまで混んでないよね?
・・・・・・これってクラビス狙いの逆ナンてやつ?
モヤッとした。
何で割り込んでくんの?
そんなに子供っぽいのか、俺って?
クラビスに不釣り合いっていわれてるみたいでむかつく。
そんな事を考えてたら。
「断る」
一言、冷たい声で応えたクラビスにホッとする。
チラッと見たクラビスは何時ものにこやかな顔を消して声に見合った冷たい目をしていた。
「え、でも、席空いてますよね? それにこの子、弟さんでしょう?」
もう一人の女の子が構わずにツッコんで来たけど勇気あるなあ。
でも残念。
「俺の嫁だが?」
「俺の旦那だよ!」
同時に言ってしまった。被った。
「は?」
案の定女の子2人は聞き取りにくかったのか、薄い反応。
「だから、俺達は夫夫って言ってんの。分かったら邪魔しないで!」
イラッとして言い返した。
せっかくクラビスとデートしてんだから入ってくんな!
なのに信じられないのか、諦めきれないのか、往生際が悪くて更に言い募る。
「はあ?! こんな子供が結婚できるわけないでしょ?! もう少しマシな嘘つきなさいよね!」
その言葉にカチンときた。
子供って、言われ慣れた言葉だけど、クラビスとの結婚を否定されて気分が最高に悪くなった。
クラビスも殺気が漏れてる。店内が殺伐とした雰囲気になって、漸くこの2人もマズいと思ったらしい。
俺は首からギルドカードを取り出し、年齢を表示させて見えるように掲げる。
「嘘じゃないよ。見た目こんなでも俺はこれでも20歳だから」
「はあ?! 嘘、え、あ、そんな・・・」
「・・・嘘でしょ?!」
呆然とする2人を放って、俺は席を立った。
「クラビス、行こう。気分悪い」
クラビスも俺に倣って席を立ちながら、店員さんに言付ける。
「済まないが帰る。料金は払うから、後でフォレスター家に店内の菓子をさっきの注文分も合わせて、見繕って届けてくれ」
「は、はい! 済みませんでした!」
店員さんが頭を下げるが、君のせいじゃないし。
「騒がしくしてゴメンね?」
苦笑して謝る。
「と、とんでも御座いません!」
「フォレスター・・・? って、あの将軍家の・・・?」
「え、でもあんな子いたっけ?」
「だけど黒髪ってフォレスター家だよね?」
「え、小っさ」
おい、最後のヤツ誰だ?
店内にざわめきが広がっていく。
ああ、そういえば俺って王都じゃ顔、知られてないんだっけ?
面倒くさいなあ。
そう思ってたら、奥からオーナーらしい40歳くらいの男性が現れた。
「お客様、不快な思いをさせて大変申し訳御座いません」
ビシッと45度の角度でお辞儀をするおじさん。
「私、当店のオーナーを務めさせて頂いております。マシューと申します。フォレスター家のご令息様とお見受け致しますが」
「ああ、うん。三男のアルカスです」
それを聞いて店内の客がまたザワついた。
「こっちは俺の旦那様で、クラビス」
「おお、やはり。クラビス・フォルター様ですね、S級冒険者でもあられる。お噂はかねがね・・・」
その情報を聞いた客は、誰もが信じられないものを見たように唖然とした。
国の将軍でもあるフォレスター家の令息にS級冒険者。
しかも夫夫って言った。
そんな2人にさっきの暴言。
ーーーあの2人、終わったな。
皆の心の中は1つだった。
確かに2人はちょっと可愛いし、このご時世、女は少ないから多少チヤホヤされてちょっと傲慢なところがあるのも仕方がない。
でも、アレはないな、と皆思っていた。
あの2人はこの辺りでは悪い意味で有名な女達で、誰彼構わず粉をかけまくっている。
自分達はモテて当然、チヤホヤされて当然と思っていて、やりたい放題だった。
それで引かれて未だに縁談の話も出ないのに気付きもしない、愚かな女達。
それに比べて、このお2人はどう見たってお互いを見る目が愛おしくて堪らないっていってた。
店内に入った瞬間、旦那様は皆に牽制してたし、奥様には砂糖を吐きそうな程の甘い瞳を向けていた。
アレで気付かないあの女達がおかしいのだと。
傍観者を決め込んだその他大勢は、よくもあんな行動が取れたもんだと感心すらしていたのだが。
その2人の身分が想像以上だったもんだから。
オーナーすらやや顔を青ざめていた。
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