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45 生産品の売買について 3
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結果、まずは回復ポーションをお試しで販売しようという結論に達した。
やはり品質がよすぎるので、まずは下級と中級の回復ポーションのみ。回復ポーションの上級と最上級、魔力回復ポーションと解毒薬に関しては上の方に要相談とのこと。
──上っていうのは、アレかな。お父さんよりも偉い人ってことだよな。もしくはこういう薬の類いの専門家とか。
「ジェイド、すまないが現物を見せて確認をさせたいから、いくつかサンプルとして持っていってもいいかい? 値段も決めないと」
「もちろんどうぞ。変な成分とかないとは思うけど、気の済むまで確認してもらっていいよ」
なんせ【パライソの住人】でゲーム中に作りまくったものが数え切れないほどインベントリに入ってるし、こっちで引き篭もっていたときに作ったのもたくさんあるから。
「ありがとう。きちんとした金額が出たら、サンプルの分も払うからね」
「別にいらな──ぅ、うん、そういうのはきちんとしないとダメだよね。分かった」
タダでもいいよって言おうとしたら、アルトをはじめとしたその場の全員にジト目で見つめられて、速攻で却下した。
あっ、圧が怖かったんじゃないよ!
皆が、俺が不当に搾取されないようにってものすごく心配してくれているんだって気づいたから。
「そうしてくれ。あとはどれくらいの数を売るとか決まったらまた連絡するから、在庫の確認とかをお願いしたいな」
「うん、それなら大丈夫。どれも最低でも数百単位であるから、いつでも言ってね」
お父さんの言葉に、俺はドヤ顔で胸を張り、自分の真っ平らで胸筋もない胸を叩く。
「──ゲホッ……強く叩きすぎたっ」
勢い余って咽せる俺を残念な子を見るような目で見つめるお父さん達からそっと目を逸らし、背中を擦ってくれるアルトにお礼を言う。
「ありがとう、アルト」
「気にしないでいいよ。でもカムイはやっぱり、もう少し肉を付けた方がいいと思うよ。その、骨が折れそうで……」
「うっ……善処します」
でもこの体型がデフォルトだから、期待はしないでくれ。
「ところで、こういった製品を作る場所はやっぱり世界樹にあるというジェイドの家だけなのかい?」
何とか咽せたのが落ち着いた頃、お父さんがそう聞いてきた。
「まあ、基本はそうだね。あの家に生産専用のアトリエがあるから、普段はそこで作業をしてるんだ」
「そうなのか。じゃあ、生産のためにわざわざ世界樹の元に行かないといけないんだな。世界樹の結界はあるが一人では心配だ。だがいつもアルトを付けるわけには──」
「──あのぅ……」
「何だい?」
何やら深刻な顔でブツブツと呟くお父さんに、俺は恐る恐る声をかける。するとパッと顔を上げていい笑顔でこっちを振り向くお父さんにちょっとビビりながら話をする。
「あの家なら収納して持ち運べるので、公爵家のどこか敷地内に移動して置かせてもらえれば──」
「何っ、それは本当か?」
「ひいっ、うっ、うん。元々、世界樹のところにも収納してあったあの家を出して置いたものだし」
何なら丸っきり同じ仕様のあの家をいくらでも出せるけど、それは新品で今の家のような生活感はないしアルトがいた痕跡もないから、できればあの家をそのまま移動して設置したいよね。
それならアルトの本来の仕事の邪魔もしないだろう。公爵家の敷地内だったら防犯もしっかりしているだろうし、誰かはそばにいてくれる。
そう思って提案すれば。お父さん達は目に見えて明るくなった。
やはり品質がよすぎるので、まずは下級と中級の回復ポーションのみ。回復ポーションの上級と最上級、魔力回復ポーションと解毒薬に関しては上の方に要相談とのこと。
──上っていうのは、アレかな。お父さんよりも偉い人ってことだよな。もしくはこういう薬の類いの専門家とか。
「ジェイド、すまないが現物を見せて確認をさせたいから、いくつかサンプルとして持っていってもいいかい? 値段も決めないと」
「もちろんどうぞ。変な成分とかないとは思うけど、気の済むまで確認してもらっていいよ」
なんせ【パライソの住人】でゲーム中に作りまくったものが数え切れないほどインベントリに入ってるし、こっちで引き篭もっていたときに作ったのもたくさんあるから。
「ありがとう。きちんとした金額が出たら、サンプルの分も払うからね」
「別にいらな──ぅ、うん、そういうのはきちんとしないとダメだよね。分かった」
タダでもいいよって言おうとしたら、アルトをはじめとしたその場の全員にジト目で見つめられて、速攻で却下した。
あっ、圧が怖かったんじゃないよ!
皆が、俺が不当に搾取されないようにってものすごく心配してくれているんだって気づいたから。
「そうしてくれ。あとはどれくらいの数を売るとか決まったらまた連絡するから、在庫の確認とかをお願いしたいな」
「うん、それなら大丈夫。どれも最低でも数百単位であるから、いつでも言ってね」
お父さんの言葉に、俺はドヤ顔で胸を張り、自分の真っ平らで胸筋もない胸を叩く。
「──ゲホッ……強く叩きすぎたっ」
勢い余って咽せる俺を残念な子を見るような目で見つめるお父さん達からそっと目を逸らし、背中を擦ってくれるアルトにお礼を言う。
「ありがとう、アルト」
「気にしないでいいよ。でもカムイはやっぱり、もう少し肉を付けた方がいいと思うよ。その、骨が折れそうで……」
「うっ……善処します」
でもこの体型がデフォルトだから、期待はしないでくれ。
「ところで、こういった製品を作る場所はやっぱり世界樹にあるというジェイドの家だけなのかい?」
何とか咽せたのが落ち着いた頃、お父さんがそう聞いてきた。
「まあ、基本はそうだね。あの家に生産専用のアトリエがあるから、普段はそこで作業をしてるんだ」
「そうなのか。じゃあ、生産のためにわざわざ世界樹の元に行かないといけないんだな。世界樹の結界はあるが一人では心配だ。だがいつもアルトを付けるわけには──」
「──あのぅ……」
「何だい?」
何やら深刻な顔でブツブツと呟くお父さんに、俺は恐る恐る声をかける。するとパッと顔を上げていい笑顔でこっちを振り向くお父さんにちょっとビビりながら話をする。
「あの家なら収納して持ち運べるので、公爵家のどこか敷地内に移動して置かせてもらえれば──」
「何っ、それは本当か?」
「ひいっ、うっ、うん。元々、世界樹のところにも収納してあったあの家を出して置いたものだし」
何なら丸っきり同じ仕様のあの家をいくらでも出せるけど、それは新品で今の家のような生活感はないしアルトがいた痕跡もないから、できればあの家をそのまま移動して設置したいよね。
それならアルトの本来の仕事の邪魔もしないだろう。公爵家の敷地内だったら防犯もしっかりしているだろうし、誰かはそばにいてくれる。
そう思って提案すれば。お父さん達は目に見えて明るくなった。
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いつも作者様の作品を楽しみに読ませてもらってます。これは続きはないのでしょうか?この作品の内容もかなり好きなので待ち遠しいのですが…
楽しみにしていますので宜しくお願いします‼️
ありがとうございます😆
他に中断しているものと合わせてちまちま書いているので遅れがちですが、こうして続きを所望されるとこちらも触発されて書く気が湧くので、よかったら気長に待ちつつ応援してください😆
すっかり忘れてたので(というより秋にとかその後これ含めて色々読み返してどれか分からなくなってたw)、日曜日に読み返してました。
んで、ゲーム時代のポーションは大量にあっても激マズな可能性大なんですよね。めっちゃ効果あるけどルドヴィカ状態になるかもですよね(笑)。毒消しはカムイ自体が吐きそうになりつつスッキリ回復仕様だったし……。
自分も更新は一年ぶりで、たまに読み返してはいましたが忘れたり他作品とごっちゃになったり…😨
何とか終わらせていかねばですよね😅
ゲーム時代では味なんて当然ないですし、味の改良なんて必要なかったw
たぶんマズいものはコレから地道に改良される…はず😄
アカン……
何やら忘れとる😭
読み返そう💦
気づいたら一年ぶり😨だったんですよねww
自分も一話目から読み返して書きました😅すみません🙇
書けるうちに続きを書こうという意欲は(今は)あります✨