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40 婚約祝いと家族会議
しおりを挟む「---アルト? あれ、もう帰ってくる時間だった? ・・・んん? 俺、どうしてベッドにいるんだろう?」
「ああ、用事があって早退したらカムイがそこのソファで横になって寝てたから、風邪を引かないように俺が運んだんだよ。よく眠れた?」
「---うん、ぐっすり。ありがとう、アルト」
にっこり笑っているカムイに暗い影は見当たらない。
・・・大丈夫そうかな?
アルトは密かに溜息を吐いた。
カムイはベッドから起き上がり、身支度を整えた。
「お父さん達はいつもの時間?」
「ああそうだ。でもまあ、終わり次第帰るって言ってたよ。今日は、ほら、俺達の婚約のお祝いらしいから」
さっき母さんが準備って言ってたヤツね・・・。
「・・・あー、あー・・・うん、そうだね。お祝い・・・するんだ? 照れるなあ」
カムイが居心地悪そうにもぞもぞとした。
照れてる様子も可愛いな。
そうこうしているうちに就業時間が終わってすぐ、フルクベルト達が公爵家に帰ってきた。
出迎えたカムイは普段と変わらないように見える。
カムイ以外の者が内心ホッとした。
「お帰りなさい。皆も、お疲れ様」
カムイがいつも通りに出迎えてくれる。
マリアがことさらに明るい声で言った。
「さあさあ、今日はアルトとジェイドの婚約のお祝いよ! 早く着替えてきてちょうだい!」
「おお、今夜はご馳走だな!」
「「やった!!」」
三人は大急ぎで着替えに向かった。
それをポカンと見送るカムイ。
「---え? そんなにご馳走楽しみにしてたの?」
「---ぶっ!」
「ん?」
アルトがカムイの言葉に思わず噴き出すと、カムイは首を傾げた。
「いや、うん。そうだな、食いしん坊だからな」
本当はカムイに気を遣った発言だったが、カムイはそんなこと知らないので、思ったことを言っただけなのは分かっているんだが・・・。
兄さん達、ごめん。
カムイに食いしん坊認定されちゃった。
それから少しして、父さん達や使用人達からお祝いの言葉を貰ってご馳走を食べた。
もちろんとっても美味しかったよ。
俺は普通の量しか食べられなかったけどね!
ケーキもふわふわスポンジにクリームたっぷりで美味しかった。
え?
甘いものは別腹だよ?
そうして満足した俺は、部屋に戻ってお風呂に入った後、おやすみ5秒でスコンと眠りに落ちた。
昼もぐっすり寝たのにね。
たぶんはしゃいでいたから思ったよりも疲れてたんだな。
・・・・・・実際はアルトが眠りの魔法をかけていたのだが、そこら辺は信用しているのか鈍いのか、全然気付かないようだった。
カムイが寝入ったのを確認すると、そっと部屋を出てサロンへ向かう。
家族全員集まっている。
そこで俺は、カムイの異常を感じて転移した事、アスガルド神から聞いた情報を纏めた用紙を出して詳しく話していった。
「・・・・・・なるほど、やはり人族の国の勇者召喚に巻き込まれて、そのまま・・・・・・」
「6年もなんて・・・・・・酷すぎる!」
「・・・何処の国かは仰られなかったんだな?」
「はい、地上にあまり干渉できないと・・・。カムイを救い出すにもカムイの契約精霊に力を借りたそうなので・・・」
「まあ、そう言う事実があったことが確認できたのだから、あとは我々で片付けよう。とにかく、ジェイドが心安らかに過ごせるように尽力するだけだ」
そういって皆で決意を新たにした。
部屋に戻ってカムイの隣に体を滑らせるとそっと抱き込む。
カムイの温もりにホッとする。
「カムイ、俺はカムイを愛してるよ。だから、寿命が同じになれる事が嬉しいんだ。最後の時まで、一緒に・・・」
その時、カムイがふっと微笑んだ。
---聞こえていないはずのアルトの言葉に反応するように頬を緩めるカムイだった。
※大変遅くなりました。
お待ち頂いた方々、ありがとうございます。
不定期ですがよろしくお願いします。
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