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40 第三騎士団長の外れた思惑
しおりを挟むあの4年前の事故の後、当時の騎士団長は責任を取って解雇され、何処かへ消えた。
代わりに副団長だった私が騎士団長に据えられたが、私には荷が勝ちすぎていた。
私は侯爵家の次男で、長兄が後継で私はスペアの位置づけだったがあまりにも凡才で、5歳下の弟の方が優秀だったため弟がスペア兼補佐役に決まって。
行き場の無くなった私は実家のコネで騎士となり、第三騎士団の副団長にまでなった。
もちろん実力ではない。
いわゆる家柄で選ばれたものだからアタリの強い者も多かった。
そんな折、辺境地での演習事故が起こり、解雇された団長に代わって繰り上がったのが私だった。
元々そんな器ではない私が今までやってこられたのは、ひとえに副団長のおかげである。
事故の一年後、公爵家というコネを使わずに実力で副団長にのし上がったロザリンド殿はとにかく強かった。
強い上に頭も切れたので、私に回ってくる書類仕事が減って楽になった。
助けられもしたが、しかし私は見誤っていた。
彼は一途に、魔導師団のセイリュウ殿を見守っていたのだ。
それに気付かず、セイリュウ殿が魔導師団副師団長に任命されたとき、適当に護衛騎士を選んで、適当に仕事を任せたのだ。
案の定、おざなりな仕事しかせず、ロザリンド殿を怒らせた。
目の前の分厚く硬い机が素手で叩き割られた時の恐怖・・・。
その後の地獄の特訓で、私はもはや騎士団長であることを諦めた。
そしてつい先日、セイリュウ殿が倒れて魔導師団も第三騎士団も大変な事になって。
辞職願や異動願を黙々と受理し、副団長補佐に丸投げして、私も辞職願を出した。
「---私も彼等と同じ。何もしないことが罪だ・・・」
そう、自分の役職の責任から逃げた。
どうでも良いと放置した。
その結果が今の状況だ。
「・・・これからどうしようか」
今もこうして逃げている。
「役職は退いて貰うが、辞職は却下だ」
そう言う副団長補佐に、苦笑する。
「ではどうしろと?」
「剣では無理ならば、今までの書類仕事がある。副団長が戻ってからになるが、団長にはオーディン副団長が繰り上がり、私も補佐に回る。副団長には後で相応しい者を据えるから、その補佐になって貰う。何、やることは変わらん。それでもその性根が変わらぬのならその時はその時だ」
「・・・分かりました。私に務まるのなら精一杯やらせて頂きます」
そういって副団長補佐に仕事を教わりながら、数週間。
仮の副団長が選ばれ、私は補佐についた。
仮副団長は若くて地獄の特訓をくぐり抜けたセイリュウ殿信者(となった者)だった。
「私は力仕事は苦手ですが、精一杯務めます」
「力仕事は私が引き受けるから、書類仕事を御願いする。何、お互い補えあえば良いのだ」
「っそうですね、よろしく御願い致します!」
どうやら私にも居場所が出来たようだ。
こんなに充実した日々は初めて。
騎士団に入ってよかったと思える日が来るなんて・・・。
かつて死んだ目をしていた元騎士団長は、今ではロザリンド殿とセイリュウ殿の復帰を今か今かと待ち望んで仕事をしている。
それをセイリュウ信者となった騎士達が温かく見守っているのだった。
※遅れた上に短くてスミマセン。
騎士団長のその後に悩んでました。
色々あるかもですが、ここに落ち着きました。
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