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63 魔導師は仕事に復帰する
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※ご無沙汰してます。
ご無沙汰過ぎて間違えてました。
エヴァンは団長補佐です。最初、副団長になってました、スミマセン。
いよいよ宮廷魔導師団に復帰する日が来た。
そしてセイリュウの復帰に合わせて本日付でロザリンドは第三騎士団の団長に、ロザリンドの補佐だったエヴァンがそのまま団長補佐に任命される。
その任命式にセイリュウも魔導師団長として出席するので、今日は魔導師団の正装だった。
そう、セイリュウの療養中に前魔導師団長がご高齢で職務を全う出来なくなったので引退したのだ。
ソレで持ち上がってセイリュウが師団長に任命されたのが一週間前。
ただ、任命式やお披露目は前回の認知のお披露目で十分だと辞退した。
面倒くさかったので、それを快く受け入れて貰ってホッとしている。
ちなみに副師団長は、セイリュウ不在中に補佐を務めてくれていたササラが就いてくれた。
とっても助かる。頼りにしてます。
ロザリンドが支度を終えて部屋から出てくると、お互い固まって見つめ合ってからどちらともなく褒め言葉を口にした。
「ロズ、カッコいいね」
「セイリュウも、良く似合ってる。背が伸びたからか、ローブが映えるな」
「・・・それって、前はちびで似合わなかったって事?」
思わずムッとして口を尖らせれば、ロザリンドは慌てた。
「違うよ! 前は可愛くて今はカッコいいって意味で・・・!」
「・・・ふふ、分かってるよ、大丈夫だって! ロズの慌てた顔・・・・・・っ」
「・・・・・・セイ・・・ふふっ」
そう言ってお互い笑い合って、公爵に出仕の挨拶をしてから王宮の魔導師団長の部屋へと転移した。
「・・・・・・おお、ここが師団長の部屋。初めて入った・・・。副師団長の部屋は結局一度も入ってないなあ。同じような部屋だった?」
「そうだな。基本的なモノは同じだな。でも部屋の大きさはコッチが広くなってる」
「へえ。まあここに住むわけじゃ無いからそんなに広くなくて良いんだけどね」
家具は備え付けてあるから、日用品とか必要なモノを好きに揃えてどうぞって感じらしい。
「ベッドがシンプルで良かった。まあ、使わないかもだけど」
やっぱり天蓋付きとか、落ち着かないし。
どうせ公爵家に帰るし。
「じゃあ、ザッと確認したし任命式に臨もうか」
「ああ、面倒だが仕方ない」
「あ、面倒って言った! うん、面倒だよね? 僕、任命式辞退して良かったよ!」
「くそ、俺も辞退したかった」
「だって団長補佐の任命もあるんだもん、仕方なくない?」
「ソレを言うならセイリュウだって副師団長の任命もあったじゃ無いか。似たようなモノだろう」
「あ、バレた! 僕は病み上がりって事でパスしたの。ロズは元気なんだから仕方ないでしょ?」
「じゃあ今日の任命式も止めた方が良いんじゃ?」
「えー、せっかくロズのカッコいい姿を目に焼き付けようと思って頑張ったのに!! 意地悪!!」
魔導師団長の部屋から謁見の間までの道程をぐだぐだ言いながら歩いていると、団長補佐に任命されるエヴァンが合流してきた。
「相変わらず仲が良いですね。ですがもうすぐ謁見の間ですのでその辺りでお止め下さい」
そう言ってにっこり笑った。
「あ、そうだった。ごめんなさい」
「俺もすまない。ありがとう、エヴァン」
「どういたしまして」
そうして無事に任命式も終わり、ロザリンドとエヴァンと一緒に第三騎士団に顔を出したセイリュウは、騎士達に熱烈な歓迎を受けてちょっぴりビビった。
ソレを見咎めたロザリンドに騎士達はその後、地獄の特訓を受けさせられ、しかし嬉々として熟していたらしいとは、副師団長のササラの談。
---Mか、騎士達はMっ気があるのか・・・。
ちょっと戦々恐々としたセイリュウだったが。
「ところでササラ、それって誰情報?」
「第三騎士団の団員ですよ?」
「・・・・・・もしかしてササラの護衛騎士・・・?」
「ええ。・・・実は懇ろな間柄でして・・・」
「え、お、おう、そうなんだ? いつの間に。まあ、幸せなら良いんだ・・・」
第三騎士団、手ぇ速いな!
でもササラ以外の魔導師達も、泣かしたら・・・分かってるよね?
そんな黒い笑みを浮かべながら、今日も今日とて、魔導師団の仕事を頑張るのだった。
「やっぱり適度に働いて見合ったお給金貰って、美味しいもの食べられて・・・幸せだな!」
「ふ、セイリュウらしい」
「---悪かったね、色気より食い気で。ああ、美味しいお茶とケーキが欲しい・・・」
「そう言うと思って用意してあるよ」
「やった! ねえ皆、おやつにしようー!」
そう言ってわいわいがやがや、楽しい日々を送っていた。
4年越しの充実した日々だった・・・。
ご無沙汰過ぎて間違えてました。
エヴァンは団長補佐です。最初、副団長になってました、スミマセン。
いよいよ宮廷魔導師団に復帰する日が来た。
そしてセイリュウの復帰に合わせて本日付でロザリンドは第三騎士団の団長に、ロザリンドの補佐だったエヴァンがそのまま団長補佐に任命される。
その任命式にセイリュウも魔導師団長として出席するので、今日は魔導師団の正装だった。
そう、セイリュウの療養中に前魔導師団長がご高齢で職務を全う出来なくなったので引退したのだ。
ソレで持ち上がってセイリュウが師団長に任命されたのが一週間前。
ただ、任命式やお披露目は前回の認知のお披露目で十分だと辞退した。
面倒くさかったので、それを快く受け入れて貰ってホッとしている。
ちなみに副師団長は、セイリュウ不在中に補佐を務めてくれていたササラが就いてくれた。
とっても助かる。頼りにしてます。
ロザリンドが支度を終えて部屋から出てくると、お互い固まって見つめ合ってからどちらともなく褒め言葉を口にした。
「ロズ、カッコいいね」
「セイリュウも、良く似合ってる。背が伸びたからか、ローブが映えるな」
「・・・それって、前はちびで似合わなかったって事?」
思わずムッとして口を尖らせれば、ロザリンドは慌てた。
「違うよ! 前は可愛くて今はカッコいいって意味で・・・!」
「・・・ふふ、分かってるよ、大丈夫だって! ロズの慌てた顔・・・・・・っ」
「・・・・・・セイ・・・ふふっ」
そう言ってお互い笑い合って、公爵に出仕の挨拶をしてから王宮の魔導師団長の部屋へと転移した。
「・・・・・・おお、ここが師団長の部屋。初めて入った・・・。副師団長の部屋は結局一度も入ってないなあ。同じような部屋だった?」
「そうだな。基本的なモノは同じだな。でも部屋の大きさはコッチが広くなってる」
「へえ。まあここに住むわけじゃ無いからそんなに広くなくて良いんだけどね」
家具は備え付けてあるから、日用品とか必要なモノを好きに揃えてどうぞって感じらしい。
「ベッドがシンプルで良かった。まあ、使わないかもだけど」
やっぱり天蓋付きとか、落ち着かないし。
どうせ公爵家に帰るし。
「じゃあ、ザッと確認したし任命式に臨もうか」
「ああ、面倒だが仕方ない」
「あ、面倒って言った! うん、面倒だよね? 僕、任命式辞退して良かったよ!」
「くそ、俺も辞退したかった」
「だって団長補佐の任命もあるんだもん、仕方なくない?」
「ソレを言うならセイリュウだって副師団長の任命もあったじゃ無いか。似たようなモノだろう」
「あ、バレた! 僕は病み上がりって事でパスしたの。ロズは元気なんだから仕方ないでしょ?」
「じゃあ今日の任命式も止めた方が良いんじゃ?」
「えー、せっかくロズのカッコいい姿を目に焼き付けようと思って頑張ったのに!! 意地悪!!」
魔導師団長の部屋から謁見の間までの道程をぐだぐだ言いながら歩いていると、団長補佐に任命されるエヴァンが合流してきた。
「相変わらず仲が良いですね。ですがもうすぐ謁見の間ですのでその辺りでお止め下さい」
そう言ってにっこり笑った。
「あ、そうだった。ごめんなさい」
「俺もすまない。ありがとう、エヴァン」
「どういたしまして」
そうして無事に任命式も終わり、ロザリンドとエヴァンと一緒に第三騎士団に顔を出したセイリュウは、騎士達に熱烈な歓迎を受けてちょっぴりビビった。
ソレを見咎めたロザリンドに騎士達はその後、地獄の特訓を受けさせられ、しかし嬉々として熟していたらしいとは、副師団長のササラの談。
---Mか、騎士達はMっ気があるのか・・・。
ちょっと戦々恐々としたセイリュウだったが。
「ところでササラ、それって誰情報?」
「第三騎士団の団員ですよ?」
「・・・・・・もしかしてササラの護衛騎士・・・?」
「ええ。・・・実は懇ろな間柄でして・・・」
「え、お、おう、そうなんだ? いつの間に。まあ、幸せなら良いんだ・・・」
第三騎士団、手ぇ速いな!
でもササラ以外の魔導師達も、泣かしたら・・・分かってるよね?
そんな黒い笑みを浮かべながら、今日も今日とて、魔導師団の仕事を頑張るのだった。
「やっぱり適度に働いて見合ったお給金貰って、美味しいもの食べられて・・・幸せだな!」
「ふ、セイリュウらしい」
「---悪かったね、色気より食い気で。ああ、美味しいお茶とケーキが欲しい・・・」
「そう言うと思って用意してあるよ」
「やった! ねえ皆、おやつにしようー!」
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