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6 指名依頼 1(sideシュルツ)
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※先日、書いてる途中のをポチッとやらかしたのを読んでしまった方、途中まで重複しますがちゃんと書き上げたので最後までお付き合い下さいませ。スミマセン。
「───え、精霊の森を・・・ですか?」
S級に指定されているバジリスクを単騎で討伐してきて、骨休めだと久しぶりに実家に帰って来て数日。
朝、目を覚ますと、ギルドカードが緊急呼び出しを示す赤い点滅を繰り返すのに気付いて、取り急ぎ装備一式を身に着けると急いで冒険者ギルドに向かった。
───今は何処の国も戦はしてないし、一体何だ?
この間のバジリスクの他にも何かヤバいのが現れたか?
しかしそんな気配は感じなかったが・・・。
頭の中で独りごちている間にギルドに着いた。
急ぎ足でギルドに入ると周りをザッと見渡し、職員に声をかけた。
「シュルツだが、ギルマスはいるか?」
「は、はい! 執務室にご案内致します」
「頼む」
そうして執務室に案内されて、ソファに座るとお茶を出されたので一息吐く。
「それで? 緊急の用件は何でしょう?」
わざわざ赤く点滅させてまで呼び出すのだ。
相当な案件なのだろうと身構えていると・・・。
「それな。スマンがひとっ走り精霊の森を見てきて欲しいんだ」
「───え、精霊の森を・・・ですか?」
それで冒頭に戻るわけだが。
「ああ」
「・・・・・・ここ数百年は特に目立った変化は見られなかったと思いますが・・・」
「それがな・・・どうやら【管理者】が現れたようなんだと」
「───本当ですか?!」
「だからそれを確認してきて欲しいんだよ。エラいトコロからの指名依頼でな」
ニヤリと笑って言うギルマスにイヤな予感がした。
「・・・まさかそのエラいトコロって・・・」
「ご名答~!」
そう言ってポイッと寄越された依頼書を見て呆れると同時にイラッとした。
「『精霊の森に現れたと思われる【管理者】の存在有無と人となりを確認してくること。期限は特にないが早ければなお良し。指名依頼:Sランク冒険者、シュルツ・E・シュヴァイツ。依頼主:ゼクス・E・シュヴァイツ』・・・あんのクソ親父っ!!」
シュルツは手に持っていた依頼書を思わずぐしゃっと握り締めた。
今朝早く起きて顔を合わせて朝の挨拶をした男だ。
自分の父親で公爵家当主、しれっと言葉を交わしたときにはすでにこの依頼を出して受理されていたのだろう。
───腹黒狸め! いや竜だから腹黒竜か!
竜帝国の現職の宰相でやり手だからなあ・・・。
分かっちゃいるが、腹が立つモンは立つ。
「ま、そういうわけだから、頼むよシュルツ」
「・・・了解しました。ではこれから準備をして行って来ます」
「ああその前に、依頼主に内容を良く確認した方が良いよ。下の方にちらっと書いてあるだろ?」
よく見ると小さな文字で『詳しい資料を渡すので来城するべし』って書いてあった。
「───・・・っっとにムカつく。皇城に行ってから行きます。それでは失礼します」
そう言ってギルマスに背を向けて執務室を出た。
後ろで笑いを堪えているだろうギルマスにワザと聞こえるように舌打ちして。
その足で皇城に向かい、門衛に事情を説明して宰相に取り次いで貰う。
事前に知らされていたのだろう。
待つこと無く宰相の執務室に案内された。
「やあ、待ってたよシュルツ。朝振りだね。ひとまず座って」
そう和やかに告げるのはさっきの依頼主で俺の父親で宰相のゼクスだ。
「・・・依頼内容を詳しく聞きに来ただけだから手短に頼む」
「えー、つれないなあ。せっかくこれを口実に休憩時間をもぎ取ったのに・・・」
「・・・・・・クソ親父、息子をサボりのダシに使うな。サッサと話せ」
「相変わらず酷い言い様だな。まあいいや。コレが今回の調査依頼の元になった資料ね。目を通して。ああ、君、お茶淹れてくれるかい?」
そう言って淹れて貰ったお茶を優雅に飲んでいる父親を横目に、資料を読み込んでいく。
それによると、些細な変化に気付いたのはつい最近。
精霊と親和性の高い精霊魔法士や魔導士が最初に気付いた。
どうやら精霊が最近、ご機嫌らしい、と。
特に精霊魔法士は精霊と契約することで魔法を行使するので、精霊の機嫌が悪かったり弱っていると魔法の質・・・威力が低くなりやすい。
精霊の森の【管理者】が不在になって久しい昨今、徐々に精霊も元気が無くなって来ていたのが、ここ最近、妙に機嫌が良いらしい。
実際はもっと前から徐々に元気になっていたらしいが、大きな魔法を使うことも無かったために気付かなかったようだ。
魔導士は自身の魔力の他に大気の魔素を取り込み魔法を使う。
こちらは精霊と契約して無くても魔法を使う事が出来るため、余り変化に気付かなかったそうだ。
だが最近、精霊の森から清浄な魔力が流れてきていることに気付いたとのこと。
「───以上の事から、精霊の森に【管理者】が現れた可能性が高い・・・・・・か。なるほど」
一通り読み終わって、少し冷めてしまった紅茶で喉を潤す。
「それならば代々の管理者が住む山小屋を見に行った方が早いな。誰かが住んでいれば直ぐに分かる」
「そうだね。だから竜人である君に頼むんだよ。空から行けるしね。頼りにしてるよ、シュルツ」
そう言ってにっこり笑うゼクスにイヤそうな顔を隠しもしないシュルツ。
「・・・・・・胡散臭い顔だな。何を企んでいる?」
「酷いなあ。別に確認してくるだけでしょ? あそこは神と精霊達に護られた不可侵の聖域なんだから。誰も手出ししないよ」
それは分かってるけど。
何もなければ良いのだが。
「・・・じゃあ、今から行ってくるから」
「頼んだよ。行ってらっしゃい!」
笑顔で送り出す父親に、はあ、と溜息を吐いてシュルツは皇城をあとにした。
「・・・・・・何か、予感がするんだよねぇ」
真顔でそうポツリと呟いたゼクスは、さて、と仕事を再開するのだった。
「───え、精霊の森を・・・ですか?」
S級に指定されているバジリスクを単騎で討伐してきて、骨休めだと久しぶりに実家に帰って来て数日。
朝、目を覚ますと、ギルドカードが緊急呼び出しを示す赤い点滅を繰り返すのに気付いて、取り急ぎ装備一式を身に着けると急いで冒険者ギルドに向かった。
───今は何処の国も戦はしてないし、一体何だ?
この間のバジリスクの他にも何かヤバいのが現れたか?
しかしそんな気配は感じなかったが・・・。
頭の中で独りごちている間にギルドに着いた。
急ぎ足でギルドに入ると周りをザッと見渡し、職員に声をかけた。
「シュルツだが、ギルマスはいるか?」
「は、はい! 執務室にご案内致します」
「頼む」
そうして執務室に案内されて、ソファに座るとお茶を出されたので一息吐く。
「それで? 緊急の用件は何でしょう?」
わざわざ赤く点滅させてまで呼び出すのだ。
相当な案件なのだろうと身構えていると・・・。
「それな。スマンがひとっ走り精霊の森を見てきて欲しいんだ」
「───え、精霊の森を・・・ですか?」
それで冒頭に戻るわけだが。
「ああ」
「・・・・・・ここ数百年は特に目立った変化は見られなかったと思いますが・・・」
「それがな・・・どうやら【管理者】が現れたようなんだと」
「───本当ですか?!」
「だからそれを確認してきて欲しいんだよ。エラいトコロからの指名依頼でな」
ニヤリと笑って言うギルマスにイヤな予感がした。
「・・・まさかそのエラいトコロって・・・」
「ご名答~!」
そう言ってポイッと寄越された依頼書を見て呆れると同時にイラッとした。
「『精霊の森に現れたと思われる【管理者】の存在有無と人となりを確認してくること。期限は特にないが早ければなお良し。指名依頼:Sランク冒険者、シュルツ・E・シュヴァイツ。依頼主:ゼクス・E・シュヴァイツ』・・・あんのクソ親父っ!!」
シュルツは手に持っていた依頼書を思わずぐしゃっと握り締めた。
今朝早く起きて顔を合わせて朝の挨拶をした男だ。
自分の父親で公爵家当主、しれっと言葉を交わしたときにはすでにこの依頼を出して受理されていたのだろう。
───腹黒狸め! いや竜だから腹黒竜か!
竜帝国の現職の宰相でやり手だからなあ・・・。
分かっちゃいるが、腹が立つモンは立つ。
「ま、そういうわけだから、頼むよシュルツ」
「・・・了解しました。ではこれから準備をして行って来ます」
「ああその前に、依頼主に内容を良く確認した方が良いよ。下の方にちらっと書いてあるだろ?」
よく見ると小さな文字で『詳しい資料を渡すので来城するべし』って書いてあった。
「───・・・っっとにムカつく。皇城に行ってから行きます。それでは失礼します」
そう言ってギルマスに背を向けて執務室を出た。
後ろで笑いを堪えているだろうギルマスにワザと聞こえるように舌打ちして。
その足で皇城に向かい、門衛に事情を説明して宰相に取り次いで貰う。
事前に知らされていたのだろう。
待つこと無く宰相の執務室に案内された。
「やあ、待ってたよシュルツ。朝振りだね。ひとまず座って」
そう和やかに告げるのはさっきの依頼主で俺の父親で宰相のゼクスだ。
「・・・依頼内容を詳しく聞きに来ただけだから手短に頼む」
「えー、つれないなあ。せっかくこれを口実に休憩時間をもぎ取ったのに・・・」
「・・・・・・クソ親父、息子をサボりのダシに使うな。サッサと話せ」
「相変わらず酷い言い様だな。まあいいや。コレが今回の調査依頼の元になった資料ね。目を通して。ああ、君、お茶淹れてくれるかい?」
そう言って淹れて貰ったお茶を優雅に飲んでいる父親を横目に、資料を読み込んでいく。
それによると、些細な変化に気付いたのはつい最近。
精霊と親和性の高い精霊魔法士や魔導士が最初に気付いた。
どうやら精霊が最近、ご機嫌らしい、と。
特に精霊魔法士は精霊と契約することで魔法を行使するので、精霊の機嫌が悪かったり弱っていると魔法の質・・・威力が低くなりやすい。
精霊の森の【管理者】が不在になって久しい昨今、徐々に精霊も元気が無くなって来ていたのが、ここ最近、妙に機嫌が良いらしい。
実際はもっと前から徐々に元気になっていたらしいが、大きな魔法を使うことも無かったために気付かなかったようだ。
魔導士は自身の魔力の他に大気の魔素を取り込み魔法を使う。
こちらは精霊と契約して無くても魔法を使う事が出来るため、余り変化に気付かなかったそうだ。
だが最近、精霊の森から清浄な魔力が流れてきていることに気付いたとのこと。
「───以上の事から、精霊の森に【管理者】が現れた可能性が高い・・・・・・か。なるほど」
一通り読み終わって、少し冷めてしまった紅茶で喉を潤す。
「それならば代々の管理者が住む山小屋を見に行った方が早いな。誰かが住んでいれば直ぐに分かる」
「そうだね。だから竜人である君に頼むんだよ。空から行けるしね。頼りにしてるよ、シュルツ」
そう言ってにっこり笑うゼクスにイヤそうな顔を隠しもしないシュルツ。
「・・・・・・胡散臭い顔だな。何を企んでいる?」
「酷いなあ。別に確認してくるだけでしょ? あそこは神と精霊達に護られた不可侵の聖域なんだから。誰も手出ししないよ」
それは分かってるけど。
何もなければ良いのだが。
「・・・じゃあ、今から行ってくるから」
「頼んだよ。行ってらっしゃい!」
笑顔で送り出す父親に、はあ、と溜息を吐いてシュルツは皇城をあとにした。
「・・・・・・何か、予感がするんだよねぇ」
真顔でそうポツリと呟いたゼクスは、さて、と仕事を再開するのだった。
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