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慰謝料よこせ
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学園での騒動から数日後。アリサはまた面倒ごとに悩まされていた。
「あの、お話とはなんでしょう?ここではいけませんの?」
ある日学園内で、なぜかジョシュアが近づいてきたのだ。話がある、と偉そうに顎をしゃくって、別の場所に誘導しようとする。
「いいから来い!大事な話なんだ!場所を代えるぞ!」
めんどうくさかったが、仕方なくついていくことにした。学園の庭園にある東屋に着くと、マリーが座っていた。
アリサが来たのに気づくと、マリーの目にじわりと涙が浮かぶ。まるでこちらが泣かせたみたいに。
「それでだな!話のことだが、僕とお前の破棄した婚約のことだ!」
がっちりとマリーと体を寄せ合いながら、ジョシュアがアリサを憎々しげに睨む。
「僕は、先日アリサ、お前との婚約は破棄された!しかし僕たちを苦しめた精神的苦痛に対する慰謝料も、まだ伯爵家から支払われていない!お前には人の心がないのか!?」
何故この人達はこんなに被害者ぶれるのか、アリサには理解不能だった。
「どうなんだ!?ああ!?」
怒り狂ったジョシュアが怒鳴りつけてくる。いい加減、うんざりしてきた。
「存じませんわ。ジョシュア様との婚約解消の件は全て父にお願いしてあります。それよりも、聞き捨てならないことがあるのですが」
「なんだと!?」
ジョシュアの唾が飛んできた。汚いそれを避ける。
「なぜ、伯爵家から慰謝料を払う必要が?悪いのは不貞の末、子供まで作ったあなたたちでしょうに」
「ひどいわアリサさま!そんな風に思ってたなんて!私はただ、恋をしてしまっただけなのに…。愛した人にたまたま婚約者がいた、それだけなのに…」
「ああマリー、どうか悲しまないでおくれ!こんな地味ブスに僕たちの愛の尊さが分かるわけがない!」
誰がブスだ。
お前は他人のことがとやかく言える顔面なのか。アリサは叫ぶ馬面を遠目に眺めながら、思う。
大方、互いの親からこっぴどく叱られたに違いない。それか勘当されそうなのか。
ジョシュアは公爵家の三男なので、跡継ぎではない。我が伯爵家から事業の融資を受けるために公爵家が婿入りさせようとした存在だ。マリーの家はあまり裕福でない子爵家なので、公爵家にとって見込み違いだったはずだ。
慰謝料だなんだと、正当な権利のようにほざいているが、要は先立つものがないのだろう。
アリサはふーっと大きく息を吸い込んだ。
「わたくしに文句を言ったところでどうにもならないですわ。三文芝居を見せつけられるだけなら、失礼しますわ」
「おい、話はまだ終わっていないぞ!」
ジョシュアが腕を掴んで引っ張ってきた。痛い。アリサは顔を顰めた。と、その時―ー。
「やめろ、見苦しいぞ、ドロン公爵令息」
思わぬところから、助けが来た。
現れたのは、なんとこの国の第二王子だった。
「あの、お話とはなんでしょう?ここではいけませんの?」
ある日学園内で、なぜかジョシュアが近づいてきたのだ。話がある、と偉そうに顎をしゃくって、別の場所に誘導しようとする。
「いいから来い!大事な話なんだ!場所を代えるぞ!」
めんどうくさかったが、仕方なくついていくことにした。学園の庭園にある東屋に着くと、マリーが座っていた。
アリサが来たのに気づくと、マリーの目にじわりと涙が浮かぶ。まるでこちらが泣かせたみたいに。
「それでだな!話のことだが、僕とお前の破棄した婚約のことだ!」
がっちりとマリーと体を寄せ合いながら、ジョシュアがアリサを憎々しげに睨む。
「僕は、先日アリサ、お前との婚約は破棄された!しかし僕たちを苦しめた精神的苦痛に対する慰謝料も、まだ伯爵家から支払われていない!お前には人の心がないのか!?」
何故この人達はこんなに被害者ぶれるのか、アリサには理解不能だった。
「どうなんだ!?ああ!?」
怒り狂ったジョシュアが怒鳴りつけてくる。いい加減、うんざりしてきた。
「存じませんわ。ジョシュア様との婚約解消の件は全て父にお願いしてあります。それよりも、聞き捨てならないことがあるのですが」
「なんだと!?」
ジョシュアの唾が飛んできた。汚いそれを避ける。
「なぜ、伯爵家から慰謝料を払う必要が?悪いのは不貞の末、子供まで作ったあなたたちでしょうに」
「ひどいわアリサさま!そんな風に思ってたなんて!私はただ、恋をしてしまっただけなのに…。愛した人にたまたま婚約者がいた、それだけなのに…」
「ああマリー、どうか悲しまないでおくれ!こんな地味ブスに僕たちの愛の尊さが分かるわけがない!」
誰がブスだ。
お前は他人のことがとやかく言える顔面なのか。アリサは叫ぶ馬面を遠目に眺めながら、思う。
大方、互いの親からこっぴどく叱られたに違いない。それか勘当されそうなのか。
ジョシュアは公爵家の三男なので、跡継ぎではない。我が伯爵家から事業の融資を受けるために公爵家が婿入りさせようとした存在だ。マリーの家はあまり裕福でない子爵家なので、公爵家にとって見込み違いだったはずだ。
慰謝料だなんだと、正当な権利のようにほざいているが、要は先立つものがないのだろう。
アリサはふーっと大きく息を吸い込んだ。
「わたくしに文句を言ったところでどうにもならないですわ。三文芝居を見せつけられるだけなら、失礼しますわ」
「おい、話はまだ終わっていないぞ!」
ジョシュアが腕を掴んで引っ張ってきた。痛い。アリサは顔を顰めた。と、その時―ー。
「やめろ、見苦しいぞ、ドロン公爵令息」
思わぬところから、助けが来た。
現れたのは、なんとこの国の第二王子だった。
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