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11歳・リリー成長記録と入学準備

誘拐されました!

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皆さんごきげんよう。
フィアナ・ヴァレンタインです。
今私はアルトと、リリーと一緒に王都で、お買い物をしています!
初めてのお買い物のため私はテンションMAXです!
「お姉様!次はあそこにいきたいです!」
「あそこは……装飾品を売っているお店ですね……」
「アルトには退屈かもしれませんね……他のお店でも見ていますか?」
「いえ、大丈夫です……それに、姉さん達を置いていくと、めんどくさいことになりそうなので」
「「うっ……」」
そうなんです……私達方向音痴みたいなんです……
(うぅ……申し訳ないです……)
「行きましょうか」
「「はい!」」


「これって……魔石……?」
魔石とは、魔力を貯めておくことができたり、属性の魔力をこめて、使えない属性の魔法が使えたり、守護魔法などが付与できていざというときに守ってくれたりなどなど……さまざまなことにつかえるんです!でも、なにかしらの効果がある魔石はかなーりお高くなります。
普通の魔石もそれなりに高いですけど……
「みたいですね。この装飾品店には魔石を使った装飾品も売ってるみたいです」
「へぇ~」
(魔石……初めて見ました……)
目の前のネックレスは銀色のチェーンに天使の羽をかたどった銀色のチャームに、黄色の魔石がはめられていました。
「綺麗……」
「………すみません。これください」
「あいよ!」
「アルト………?」
「はい。姉さん」
「え………?」
「……いろいろと……その……お礼」
と、そっけなく言い、渡してくる
「え………でも悪いですよ!こんな高価なもの………」
「いいから!」
と、押し付けられる。
「じゃ………じゃあ…………」
と、恐る恐る受けとる。
「お……俺……外で待ってるから!」
「あ………」
そういって、アルトは店の外に出ていってしまうのでした。




「次はどこに行きましょうか。お姉様!」
「そろそろお腹がすいてきたし、ご飯にしない?」
「そうですね。あそこなんてどうですか?」
「ちょうど良いですね。そこにしましょうか………ってあれ……」

「え!?ちょっ!姉さん!?」
「お姉様!?どこへ!?」
「人が倒れてるんです!?少し見てきます!二人はそこで待っていてください!」

「姉さんってほんとお人好し」
「知らない人にも情けをかける………そんなお姉様も素敵です!」
「はぁ……僕らもいこうか………リリー」
「はい!兄様」



「大丈夫ですか!?」
「み………水……を……」
「お水ですね!?ちょっと待っててください!」



「はい!これ!どうぞ!」

「ありがとうございます……失礼ですがお名前を伺っても?」
「え?……フィアナ・ヴァレンタインですけど……」
「なるほど……あなたが」
「え?なにか言いました?」
「いえ……なにも。良ければこれ……お礼に受け取ってください」
「?なんですか?これ……」
「ちょっとしたお菓子ですよ。さぁどうぞ」
「はぁ………ありがとうございます」
(なんか変な人ですね……さっさと離れましょう)
「それじゃあ………失礼します………」
ガシッ!
「え………?」
「まぁ待ってくださいよ。もう少し良いじゃありませんか」
「なっ!離してください!」
(な……!…なんで………外れない!?さっきまで衰弱してた人とは思えない………まさか………演技!?嘘っ………どうしよう……どうしたら……!)
私は手をはずそうと必死に暴れる。
その時、グイッと男の中に無理やり引き寄せられる
「暴れるんじゃねぇよ……なぁ、こいつヤってもいいか?連れてくまえに
『やめておけ。いっさい傷つけるなと言われてるだろ?』
「へいへい」
だが、そんな会話は私の耳には一切入ってこなかった。
だって……この光景があのときに酷比していたから
「あ………あぁ……」
フラッシュバックする記憶。

_前世の記憶

『なぁもう少し良いじゃんよ』
『いや!離してください!』
『いいからいいから』
『いや!触らないで!(気持ち悪い)』
『誰か………助けて………』
『誰が助けるかよ!ばーか!』
『可愛いからって調子のるからこうなんだよ』
『あははは!いいざま!』


「あ………あぁ………あああああああああああああああ!!!」
「え!?ちょっ!おい!おいどうなってんだよこれ!」
『はぁ?知るかよ!とにかくつれてこい!』
(やだ………いやだ………やめて………やめて………怖い………怖い怖い怖い怖い怖い!!誰か………!!)
「………姉さん!」
「あ………る…と………?」
「姉さんになにしてんだよ!」
「お姉様を離しなさい!」
「そっちから来てくれるとは探す手間がはぶけて助かったぜ」
「!!………め………だめ………逃げて………逃げて!!アルト!!リリー!!」
私はわずかな体力をふりしぼり、暴れる。
この男の手から逃れようと暴れる。
が、そんな私の願いは叶わず
「チッ……大人しくしろ!」
トス!
「っつ……」
首に衝撃。
意識が薄れていく。
薄れ行く視界の端で、アルトとリリーが謎の男達に羽交い締めにされ、暴れまわる姿が見えた。

(また……私のせいで……ごめ……ん……ね………)
そして私の意識は真っ暗闇の中に落ちていった
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