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私は私
しおりを挟む「落ち着いたか? これからの事を話し合わねばならぬ。まず、桐谷六花は生きたいか? 死にたいか? 生きる場合は私の世界に転生、或いは転移して貰う。また、その時は赤子が良いか、それとも親を亡くした13歳からにするか、今の年齢のままでも良いぞ」
「……今更ですが、貴方のお名前は?」
さっきから名前を連呼して貰っている、しかもフルネーム。おばあちゃんが亡くなってから呼んでくれる人減っちゃって、今じゃ、【おい】・【おまえ】・【女】ばっかだもん。自分でも忘れてしまいそうだった。桐谷六花で有ると言うこと。
「我か… 我が名は【ベルクーリュー】、世界の名は【ジャンクーラン】。あまたの神々の中から我が選ばれた理由は、我が世界が六花が遊んでいたゲームの世界に似ているからだ。……好きでは無かったか? 魔法と冒険の世界。 偶になのは時間に余裕が無いだけと思っていたのだが。今なら他を選ぶも良いぞ? 地球と似た世界が良いか?」
偶にって、見ていたんだ……
「いいえ、やり直しなら、真逆が良いです。魔法と冒険の世界なんですね。私は六花としての人生を歩きたいので転移でお願いします。成人は何歳ですか?」
「15歳だ、大神も申し訳なく思っている。三神の加護と言語修正を付ける故、安心しなさい。望む能力が有ればそれも付けよう、何を望む」
う~ん…… 15歳か、アイツらハイエナが来た年だな…
「地図機能、戦闘能力と鑑定、魔法も使ってみたいです。常識を知らないから、それらを教えてくれる機能にマジックバッグかな」
身の上のすり合せを話し合った結果。幼いときに両親を亡くし、薬師の祖母と山で暮らしていたが、その祖母も亡くなった為、一人静かに暮らせる場所を探して旅をしている途中。真実を混ぜた方がボロが出ないそうな。神様、それでいいんかい?
【ジャンクーラン】に黒髪黒い瞳は存在しないから、ゲームで使っていたキャラをそのまま使う事に…… どうしよう… こんな色合い無いでしょう、って位、思いっきりドリーム入っているので、私は躊躇したが寧ろ珍しくは無いそうだ。
青春をやり直すと言う事で、年齢を成人の15歳、レベルもゲームを少し修正して使う。でないと私はすぐ死ぬよ! チュートリアル終了程度のレベルしかないんだから!
読み書き計算OK・常識はオートナビゲーション。貰えるモノは何でも貰うから。
「これから送る場所は、レベルの低い魔獣の住む森だ。一日歩けば、町に着くが、森の中で戦い方や魔法を練習すると良いだろう。あちらに送ると、我とは会話が出来ぬ。それ故これを連れて行け」
何処からかピンポン球ぐらいの光が、フヨフヨと飛んできた。
「是はまだ半人前で、森の中で修行をする間、其方と精霊の橋渡しをさせる。少なからず助けになるだろう」
「有り難うございます。よろしくね」
光は私の肩に止まると全体を覆う様に膨張していく。
「バックの中に当座の食料と武器などが入っている。向こうに着いたら一番に装備する様に」
視界が光に潰され、目を開けていられない。是でお別れだろう。
「ベルクーリュー様、有り難うございました……」
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